塾長です。
ファイナンシャル・タイムスがJapanification/日本化について解説してたヨ:
・毎年1月、1万人以上のエコノミストがAmerican Economics Associationのカンファレンスに集まる。
今回はサンディエゴ。エコノミストが何を心配しているのか分かる。
・今年は日本化(Japanification)。
ここ20年間に日本に起こった事。低い経済成長、低インフレ、超低金利が長い期間続く。
・”日本化”は便利な言葉。日本は、他の国のプレビュー。特に人口動態に関して。
65歳以上の人口がどうなると、消費、インフレ、労働力がどうなるのか。
・人口の多くが65歳以上になると、需要が細り、インフレに影響し、金利に影響する。FEDがR-Star、中立金利と呼ぶものが下がり、政策余地が狭まる。他の政策フレームワークが必要になってくる。
・心配しているのは、日本が住みにくい所だからではない。日本は英・米・カナダに比べ、寿命は長い。金利を下げる余地がなくなるのが怖い。
・元FED総裁バーナンキは、キーノートで、金利が日本のように低くなり過ぎたら、FEDはもっとクリエイティブにならなければいけないと語った。
・中央銀行は難しい立場にある。中銀のマジックが消えるので、ツールが無いと大声では言えないから。
・ベンジャミン・フリードマンは、米国の問題を”日本化”と表現するのに反対。
不平等の拡大が、個人収入の中央値の停滞と、上位の収入増加を引き起こしているのではないから。それが米国の現状。
・バーナンキは、リセッション時の金融政策を心配している。
低成長、低金利の影響は金融政策だけでなく、政治にも出る。
・低成長を解くのは、東京よりも、ワシントンの方が苦労するかも知れない。
・フリードマン「日本とアメリカの違いは、米国やその他の国では、所得の不平等が急速に拡大している。もし米国景気が停滞したら、実際そうなっているわけだが、不平等拡大が意味するのは、低成長の果実はトップの人にしか回らず、大多数は苦労を味わう」
フリードマンは、日本は経済が成長しなくても庶民は支出を減らしたりして何とかなっているけど、アメリカで同じ事が起こったら庶民は本当に野垂れ死ぬ、って言いたいんだネ。
日本では、竹中平蔵とリーマンのせいで、ホームレスが急増した事があったけど、あんな感じになっちゃう。で、アメリカの場合、そこに麻薬、銃、治安悪化が入ってくるから怖い。
80年代に逆戻り。
その時アメリカがどんなだったか知りたい人は、この映画がお勧め!