塾長です。
NYUスターン経営大学院教授ニュリエル・ルービーニのインタビューだヨ:
・様々なテール・リスクがある。
今年はコロナ・ウィルスだった。
今までもエピデミックはあった。SARS、MERSや、中国だけでも豚インフル、鳥インフル。
・市場の反応は急激。SARSよりもシビア。
いくつか理由がある。
SARSの時、中国は世界経済の4%。今は20%。
SARSの時、グローバル化は今より進んでいなかった。中国がWTOに入ったばかり。
中国が世界成長に寄与する割合は20%程度だった。今年は半分。
今、中国は部品の供給元。中国から部品が来なければ、世界の工場が止まる。
・市場は先週まで幻想を見ていた。ようやく修正した。
今、ベストなシナリオで、中国のV字回復。
中国の第一四半期が-2%になったとしよう。年率-8%だ。
大き過ぎると感じるかも知れないが、そんなことはない。
19年4Q、日本は消費増税で-6%だった。
増税で‐6%なら、-8%は寛大に感じるのではないだろうか。
そして、2Q以降、年率換算+8%にV字回復したとする。
それで、ようやく年率4%だ。
現実的に考えて、2Q以降+6%だとすると、年率+2.5%成長でしかない。
中国の成長率が2.5%になると何が起こるか?
欧州はリセッション入りする。既にイタリアはリセッション入り、ドイツはリセッションが近い。
これは中国だけを計算に入れた場合だ。
世界中でコロナウィルス感染が拡大するとどうなるか?
さらに酷くなるという事だ。
グローバルな景気後退になっても、まったくおかしくない。
・今の株急落は秩序立っている。
株価は上がり続けていた。コロナウィルスがあると分かっている2月中旬でさえ上げた。
そして秩序だった修正が入ったのだ。金融危機ではない。
クレジットマーケットは動作している。
ハイ・イールド債のスプレッドは広がっているが、シャットダウンしているわけではない。
2016年1Qのように、スプレッドが300から900に拡大するような事態になる可能性はある。
REPO市場はタイトになっているが、FEDが対応するだろう。
クラリダ、バラードが何と言おうと、FEDは3月に利下げする。
もし来週株価が10%下がったら、もしハイ・イールド市場、レバレッジド・ローンが停止したら、FEDは3月を待たずに利下げせざるを得ない。
その可能性は高くないが、まったく除外もできない。
・ブラジルで患者が一人出てパニックになった。
ドイツや米国で数百人患者が出たらどうなるか、あなた自身に問いかけて欲しい。
市場は理性的に対応するか?そうじゃないか?と。
そうそう、ハイ・イールド債、ジャンク債ですよ、気になるのは。
株価が下がっても、会社は潰れない。そして株価はいつか戻る。
債務不履行となると、そうはいかない。
農林中金が8兆円分持っているCLOは大丈夫?
ドイツ銀行がため込んで破裂する、する、と言われ続けて破裂しない6千兆円のデリバティブは大丈夫?
金融市場崩壊だけは避けて頂きたい。