塾長です。
Kynikos Associates創業者、伝説の空売り投資家、ジム・チェイノスのインタビュー、4つ目:
(ギグエコノミー企業の問題点であるUberが運転手を個人事業主として扱っていて、問題視されている事について問われ)
・Uberは雇用関連費用を積み増さなければならなくなるだろう。
それを消費者に転嫁できるだろうか?
根本的に、儲からないビジネスだ。
Uberは2020年4Q、Adjusted EBIT-DAが黒字になると言っているが、それは$500Mの株による給与を除いた数字だ。
・GrubHubを見てみろ。最近、レストランに向けて、プロモを打った。GrubHubの配達料を割り引くもの。そこに小さな字で、GrubHubの取り分は減らさないと書いてあった。
捕食的なビジネスモデルと言ってよい。
GrubHubをショートするのは、最も好きなポジションの一つ。
GrubHubは2020年前半で黒字化しないなら、その後も黒字化はしない。
GrubHubのプロモは、その後、レストラン側にもメリットがあるように変更された。
それがどうであろうと、黒字化しないビジネスだという点は変わらない。
ハンバーガーを配達するんじゃ儲からない。
・GrubHubが買収されるという話に関しても、矛盾がある。
バーガーを配達して儲からない、すなわち大量に配達しても儲からないのだとしたら、独立系のレストランで儲けられるだろうか。
それでは、独立系のレストランは、なぜ自分で配達をしないというのか?なぜ20%もGrubHubに持っていかれなきゃいけないんだ?
レストランにとっては、利益の無い繁栄。
・配達人は1時間に2つしか配達できない。
ネットワーク効果のあるビジネスではない。人を売る、売春宿だ。
多く配達するなら、多く人を雇うしかない。だから、利益が出ないんだ。
ギグエコノミー企業全般を否定している論調だけれど、Non-GAAPで決算を誤魔化す問題、ドライバーや配達人を個人事業主として扱っている問題、バーガーの配達では儲からない問題は分けて考えたい。
Non-GAAPは前回の動画の通り。
ギグエコノミー企業に限らない。
会社が合法的に誤魔化すのは見抜け難い。
個人投資家として頑張るところは頑張るが、限界もあるので、証券アナリストや格付け会社にもっと頑張ってもらいたい。
どうしても駄目なら、SECの出番。
個人事業主問題は、非正規雇用問題と同じ。GrubやUberの問題ではない。
企業側は時給も安く、雇用関係費用も安く、責任も少なく、雇用調整が簡単なアルバイト、派遣、個人事業主を使いたがる。
特にその人達が経験を積んで会社の上位職に登って行かない領域では。
法律が許す限り、それは拡大する。
それが嫌なら法律を変えるべき。
カリフォルニア州ではUber運転手を雇用者として扱うよう法律ができた。
個人事業主として認定されなかったのは、運転手が料金を独自に設定できないなど、事業主として持っているべき裁量が無かったから。
そのあとUberが運転手の裁量を拡大して対抗していたハズなんだが。どうなったかな???
食事の配達が儲からないのは、少し議論があるところ。
シナリオA:発展途上国?、超低賃金で労働せざるを得ない人達が多い国・地域?では、成り立つかも知れない。但し、高収益企業にはならない。
シナリオB:米国のようにチップが高い(夕食で15~20%)国では、その分を配達に支払っても良いと考える人々が一定数いるのではないか。ピザ宅配が幅広く浸透しているのも、当然忘れてはいけない要素。
日本はどうだろう?コロナ後、大不況に突入→年金生活者、生活保護受給者が安い賃金で働いちゃう、シナリオAかもネ。
生活保護受給者の子供が親の代わりに配達しちゃったりして。
それを国連(ILO)に「児童労働だ」と怒られちゃったりちゃったりして。
トホホ・・・。