塾長です。
昨日(米国5/25)、米国株式市場はお休み。
楽しいニュースはない。
そんな時には、一歩引いて、違った意見に耳を傾けてみるのも良いでしょう。
Yahoo Financeによる、NY University Stem School of Business スコット・ギャロウェイ(Scott Galloway)のインタビュー:
・ベイルアウト、刺激策、何と呼ぼうと、産業救済、企業救済はモラル・ハザードを起こしてきた。
小企業が世界経済の狼だ。アジャイルで、アグレッシブ。
人工的に雇用を増やそうとするのではなく、需要を増やすべきだ。
企業ではなく、消費者に金を渡すべき。
小企業のオーナーには、金持ちも多い。
今の政策は金持ち優遇。
破産と失敗はサイクルの一部。
小企業という狼をプードルに変えようとしている。
・アメリカ人の投票行動は理解できない。
金は、労働と時間を人から人に移動する手段。
今の政策は将来世代へのヘイトクライム。将来世代の機会と富を現役世代に移転させる。
これは共和党のせいだけでない。
・政府は説明責任を果すべき。
50%の民衆は脆弱になり、怯えている。
ドイツでは企業を守るのではなく、給与の70%を保証し、食べ物が買えなくなるような心配を排除した。
大企業は税金を払わず、投資をする代わりに自社株買いをしている。それらは救済されるべきではない。
人々は自分の子供たち全てが上位1%に入ると思ってはいけない。99%は上位1%に入らない。数学的に証明できる。
この国は富の再配分が必要だ。
この番組を見ているような人は大丈夫だ。Amazon、Facebook、Apple、Google株を持っていれば、1月1日から7%上昇。Amazonだけで23%上昇。
あなたがAmazonで働いていたり、Instagramに時間を費やしているようであれば、パンデミックだけでなく破産を心配しているだろう。
我々は社会プログラムにもっと金を使うべき。連邦レベルで最低賃金を15ドルに引き上げるのが良いスタートだ。
・経済刺激策はアマゾン・ウォルマート株主法案と呼ぶべきだ。
彼らが最も利益を得る。
98%の競合の店を強制的に閉店させている。
中低所得者のポケットに金を入れるべき。100ドル入れたら、100ドル使う。
金持ちのポケットに100ドル入れても20ドル消費して、80ドルで株を買う。
経済を刺激するためには中低所得層に金を渡すべきなんだ。
勝者と敗者を選ぶのは危険。
11年間好景気が続いた。状況に適応し、形を変えるべき小企業がたくさんある。
レイ・オフを許すのではなく、レイ・オフされた人を守るべきだ。
・レストラン業界は数千の小さいプレーヤーがいる。上位10社を足しても、シェアは一桁だろう。
UberがGrab Hubを買収すれば、フード配送シェアの90%を握る。
Uberは配達員をパートナーと呼んでいる。最低賃金を逃れ、車両という資産を押し付け、健康保険をつけないための方策のことだ。
消費者も競争が働かなくなるので得をしない。
Uberは勝者になるだろう。Uber株所有者も勝者。敗者はレストラン、Uberの労働者。
最大の負け組は、スキルを持たない労働者だ。
FTCとDOJはどこにいった?彼らが買収を認めたら、独占を許す時代に突入する。
もっと低所得者層に手厚く配れば良かった、というのは分からなくもない。
ただ、今回のコロナ危機対応、CARES ACTは過去に比べて民衆寄りだったと思うけれどね。
ドイツの例を出していたけれど、かの地ではルフトハンザ(大企業)の救済が決まった様子。米国の航空会社は(今の所)救済されていない。
99%の子供が上位1%に入れない、それを認識しろ?
1%の確率があるなら、それに賭けてみるでしょう。
宝くじより、よっぽど確率が高い。
ちなみに、Vice.tvで番組を持ったらしいので、興味があればどうぞ:
民主社会主義者が、その批判対象である独占的超巨大企業の仕組みを使っているのがオモシロイ。
中国共産党がツイートするのと同じくらい、皮肉的。