塾長です。
昨日(米国3/17)の米株市場は、FOMC声明前は前日終値以下でグダグダしていたが、パウエルが金融緩和続けると発表したとたんに上昇。そのままフィニッシュ。
S&P500は市場最高値かな?
S&P500、3,974(+0.29%)
Nasdaq、13,525(+0.40%)
Russell2000、2,336(+0.73%)
【米国市況】株が最高値、国債利回り上げ縮小-FOMC政策維持 - Bloomberg
FOMC、ゼロ付近の金利維持を引き続き予想-物価急伸は短期間 - Bloomberg
債券、為替、コモ:
10年債、1.6410
ドル円、108.85
Bitcoin、58,731
ドル円は、FOMC声明まで円安基調だったのが、声明後円高に反転。それでも、108円台後半だけどネ。
一方、10年債利回りは低下・・・。FEDが利回り上昇を容認したってことは、上がるのでは?いつもこの辺の関係が良く分からない。
そもそもFEDはインフレ2%以上を狙っているのだから、10年債が2%以下なのがオカシイ。いつも市場は「FEDとは戦うな」と言いつつ、FEDは2%インフレを起こせないと言っている。
経済指標:
2月 住宅着工件数[年率換算件数]、142.1万件(予想156.0万件)
同[前月比]、-10.3%(-1.0%)
2月 建設許可件数[年率換算]、168.2万件(175.0万件)
同[前月比]、-10.8%(-7.2%)
政治では、バイデンが高額所得者に増税だって:
バイデン米大統領、年間所得40万ドル超の個人への増税を明言 - Bloomberg
年収約4千8百万円以上だと増税。これくらい年収があれば、様々な抜け道を作ってそう。大した話ではないか。
インフラ投資に小さな一歩:
バイデン政権のインフラ計画に追い風-下院共和党「イヤマーク」容認 - Bloomberg
今日の一番の話題はFOMC、その後のパウエル発言、Q&A。
(日本時間)木曜の夜中だと思い込んでいました。
4AMごろ目が覚め、Youtubeでパウエルが質問に答えていてびっくり。
しかし、彼の発言にはまったくビックリさせられる要素無し:
FRB議長「米国債利回り上昇押し返す理由ない」-タイト化なら懸念 - Bloomberg
FRB議長、補完的レバレッジ比率で沈黙守る-緩和延長に言及せず - Bloomberg
パウエルはたびたび「完全雇用と、それなりの期間インフレ率2%以上達成が、金融緩和の停止を考え始める条件だ。政策変更する時は、それよりずーーっと前に教えるぜ」と言っている。
それなのに、経済が順調に回復しそう&10年債が1.6%に上昇した、という状況で、政策変更があるかも?と思うのだろう。
10年債利回り上昇は株価下押し圧力になるので、Wall Streetの人達が、それを気にするのは理解できるが。
こちら、パウエル会見全編:
この中で、2つのQ&Aを取り上げてみたい。
<17:26から>
ーどれくらいのインフレを許容するのか?ターゲットが明確ではない。明確にしていないのは、成熟する前に金融締め付けをしてしまうのを心配しているからか?
・我々は”we would like to see moderately above 2% for some time”と表現している。数字を明確にするのを避けている。その理由の一つは、インフレを語るのと、実際に2%以上のインフレにするのとは違うから。数10年インフレ目標2%と言ってきて、達成していない。我々は適度に2%を超えるインフレを実施(perform)したい。それ以上細かく言いたくない。難しい。まだ達成していないのだから。達成したらできると思う。
我々のフレームワークの根本的な変化は、予想(forecast)をもとに事前に行動するのをやめた。実際にデータに出るまで行動しない。人々はそれに慣れるまで時間がかかる。それ(実際のデータに出るまで事前行動しない)に対する我々の信頼を得るためには、実際にやることだ。
<50:07から>
ー資産買い入れ縮小は、いつ始まってもおかしくない?
・我々は"substantila further progress"と言った。
去年11月から今年1月にかけて、労働市場の伸びが止まった。29,000ジョブ/月の増加。その前は、とても高かった。11月から1月、労働市場にprogressは無かった。2月は、なかなか良かった。379,000のジョブ増加。465がプライベートセクターから。良かったけれど、もっと速い回復もあったはず。回復期の初期ほどではないにせよ、もっと多くのジョブ増加を期待している。言いたいのは、この3か月ほぼ進展が無かった状況から、”substantial progress”を達成するというのは、しばらく時間がかかるということだ。その時期をカレンダーで指し示すことは控えたい。なぜなら、これはデータに寄るからだ。我々がsubstantial further progressを得た時、そうだと教える。それが判断するためのテストの一つだと認識している。
グローバル金融危機からの回復時、QE3のテストは、労働市場の見込み(outlook)のsubstantial improvementだった。どういう意味か?労働市場に大幅な改善が見込める場合、それを伝える、という事だった。今回も同様だ。FEDが何かシグナルを出さない限り、そこに到達していないと考えてくれ。そこに近づいたとき、それなりに前もって(well in advance)、テーパリングを考える時が来たというシグナルを送る。数10年の経験から多くのことを学んだ。慎重、クリアー、行動を起こすずっと前から、コミュニケーションを取る必要があると。
金利のガイダンスは経済活動の結果に依存する。なので、時期を示すのは適切ではない。
今までも・今回も、実際に完全雇用と2%以上インフレに達するまで金融緩和続けると言い続けている。
インフレが制御不能になるより、日本化するのが怖い、ってこと。
みんな、信じてあげようヨ!