塾長です。
ひさしぶりにジェフリー・ガンドラックのマクロ経済の解説がYouTubeに上がってましたヨ:
47分もあるので、全訳はやめておきましょう。
大体の流れだけ。
1.Looking Backward(0:00~)
この本の紹介。1880年代後半に書かれた本。2000年には、共産主義的ユートピアが実現しているって話。
2.Sector Share of Enocomy, Employment and S&P500 (6:57)
S&P500セクター別、名目GDP、労働者数、市場価値。
Technologyはそれぞれ6%、2%、38%。
3.U.S. Enonomic Growth(8:10)
パンデミック前、GDPは2.5%成長。そのトレンドラインにGDP成長が戻るまで、リセッションを抜け出したとは言えない。
4.Fed Balance Sheet and 3-month Change(9:03)
FEDは必要にかられて資産買い上げを続け、バランスシートを膨らませている。
5.Stimulus After Global Financial Crisis vs. Pandemic (9:27)
金融危機のときは$1.8Tしか資産買い入れをしなかったのに、コロナには$6.1T。3倍以上だ。
インフラ投資でもっと増えるかもしれない。
6.U.S. Personal Savings Rate as a Percentage of Disposable Income(10:03)
政府が経済を操作していて、おかしなことが起こっている。
個人の、可処分所得に占める貯蓄の割合が、大きく変動(wildly volatile)。
7.% of Personal Income Made Up By Government Transfer/ Assistance Payments (SAAR)(10:33)
政府によって作られた個人所得の割合。60年代は6%。80年代は12%、金融危機時は18%、コロナでは32%を付けた。
Looking Backwardの世界に近づいているのだ。
8.U.S. Trade Balance (Inverted)(11:14)
米国経済刺激策から、ベネフィットを得ているのは、米国に輸出している国家・企業だ。
9.Freight Container Rates (HK to LA)(11:55)
ベネフィットを得ている国をもっと具体的に言うと、中国だ。
10.U.S. Budget Deficit Watch(12:28)
このまま行くと、2024年度、70%の支出は借り入れによって賄われる。たいていこういうのは、予想より悪い結果となる。もし80%だとしたらどうなるか。税金で賄えるのは20%なのだから、そもそもどうして税金を取るのか?IRSや税理士などに多くのカネを使ってまでして。無税の世界に向かっている。
11.Dollar Spot Index (DXY) Long-term(14:05)
ここ数か月、ドルにはポジティブ。長期には下落すると思う。
12.U.S. Dollar (DXY) Wedge(14:37)
ドルは短期には上がる。しかし、ドルは、貿易と予算の赤字額の増加と関連があるので、長期には下がる可能性が非常に高い。
13.U.S. Unemployment Rate Stands at 6.2% (U-3)(15:07)
失業率は6.2%まで下がったが、
14.Continuing Claims for Unemplouyment Insurance Benefits(15:35)
Doublelineではこちらを見ている。
(失業保険継続受給者数は)全然減っていない。
18Millionの人が受給している。労働力の10%以上だ。失業率6.2%というのは、嘘の数字だと言える。
15.Consumer Confidence(16:30)
消費者もそれに気づいている。消費者信頼感指数は回復していない。
16.S&P500/ MSCI Europe (3 years)(17:00)
2020夏以降、S&P500は欧州株指数に比べてヨコか、マイナス。どちらに抜けるか分からないが、無理やり予想するなら、欧州株が伸びる方に賭ける。
17.S&P500 High Beta Takes Off(18:10)
特にSuper 6(FAANG + M)は、コロナ前に比べて大きく上昇。
18.Global Equity Fund Flows(18:52)
株への資金流入が、それに関連している。
16週間の世界株に対するインフローが$141Bというのは聞いたことがない。
19.S&P500 PE Ratio(19:13)
Current PEは歴史上最も高い。Forward PEは高いが、1999年を超えていない。
思い出して欲しいのは、バイデンは企業増税をすると言っている。28%へ。増税となれば、PE Ratioは高い方へ修正される。
20.S&P500 CAPE Ratio(20:13)
CAPEレシオは1929年のレベル以上。07年より高い。ドットコムバブルよりは低い。
21.S&P500/ Nominal GDP(20:44)
実質経済に対するS&P500市場価値は、市場最も高くなった。
22.Hotel Occupancy Rates(21:00)
ホテル稼働率はまだまだ。2009年より低い。
23.Travel and Leisure(TNL)(21:31)
にも関わらず、旅行・レジャー株はパンデミック前より20%高い。
理解不能だ。
24.”Mega-Cap” (DIA) relative to "Micro-Cap" (IWC)(22:04)
2020年夏にピークを付けたのが逆転して、2014年レベルにまで落ちた。
私の予想は、市場で修正が怒れば、VIXは最も高い値を付ける。100を超える。
ドイツバンクだったと思うが、市民に1400ドルの使い道を聞いた。多くの人が株に投資すると回答した。
25.Nasdaq 100 Relative to S&P500(23:55)
ドットコムのレベルを一度超えたのが戻ってきた。
26.Commodities Since 1994(25:01)
コモディティとS&P500のトータルリターンは、1995年から2010年までほぼ同じ。QEが状況を変えた。
QEが実物資産に対して金融資産の優位を作り出した。
27.Bloomberg Commodity (BCOM) Long-Term(26:18)
長期的にみてコモティディ価格は下がっている。しかし、私は、長期には強気だ。なぜならドルに弱気だから。
28.Inverse U.S. Dollar vs. Commodities(26:51)
当然のこととして、ドル指数とコモディティは逆相関の関係にある。
29.U.S. Core CPI (YoY)(27:16)
Core CPIは非常に安定している。今後数か月先には、base effectのおかげでheadline CPI(総合物価指数)にインフレが起こる。headline CPI3%超が数か月続くと予想する。FEDは3%を超えても何もしないと、債券市場に伝えている。私の意見では、FEDはインフレを気にしないのではなく、金利を上回るインフレを歓迎する。FEDはマイナスの実質金利(negative real interest rate)を好む。彼らはnegative real interest rateが巨額赤字と手当のついていない債務問題(unfunded liability problems)が発生するのを防止するから。
unfunded liabilityは$160Tをもうすぐ超える。GDPの800%だ。これは返済できない。一部をデフォルトさせるしかない。
30.ISM Prices Paid (4mo lead) and CPI YoY (28:57)
今後4か月で、headline CPIが4%を超えると予想できる。
まちがいなく、債券市場は怯える。
過去12か月、債券利回りは上昇した。長期債金利は125 basis points上昇。10年債は101 basis points上昇。2年債は、まだ40 basis points落ちたまま。すなわち、2年債と30年債の差は165 basis points開いた。FEDが長期金利を操作するのがどのレベルなのか、見ものだ。
31.U.S. Producer Price Index (YoY) and (MoM)(30:48)
生産者物価指数は、先月、驚くほど上昇した。
32.NY Fed Underlying Inflation Gauge (16mo lead) & Core CPI(31:23)
この二つは相関がある。NY Fed Underlying Inflationゲージは、CPIが上昇する事を示している。それはFEDが望むものだ。
33.5-Year Breakevens(31:43)
債券市場もそれを感じ取っている。
34.The Fed's Holdings of Treasury Inflation Proteced Securities (TIPs)(32:01)
その理由の一部は、FEDが多くのTIPsを買っているからかも知れない。
35.Gold Long Term(32:22)
ゴールドは他のバブってる資産、例えばBitcoinに対して、パフォーマンスが劣っている。我々は、ゴールドが1800を超えた時点で、ニュートラル。ここから跳ね返るだろう。
36.Gold and 10-year Real Yield Implid Gold Model(32:58)
我々は、ゴールドと10年実質金利のモデルを持っている。このモデルに従えば、今のゴールド価格は適正。1761。なので、ゴールドの下落が続くとは思っていない。
37.10-year U.S. Treasury Yield and Average Nominal GDP (7yr avg) + German 10-year Yield(33:34)
このモデルによると、10年債が1.5%というのは適正(fine)だ。10年債が上昇するプレッシャーは見て取れない。
38.10-year U.S. Treasury Yield and CPI Rolling 10-year Growth Rate(34:07)
これも、10年債がovervaluedでない事を示している。ただ、CPIが上昇すると予想されるので、10年債の上昇圧力になる。
39.10-year UST Yield Copper-Gold Model Implied Yield(34:34)
カッパーとゴールドの比率のモデルを使うと、先週時点の10年債のfair valueは2.86%だ。ここでは3%としておこう、直近でゴールド価格が下がったので。
40.Copper/ Gold Ratio vs. UST 10-year Yield(35:10)
カッパーとゴールド比率と10年債利回りを比べた表。先ほど表より、期間を短くとってある。10年債が約3%であるべきと分かる。
41.Commodities and Interest Rates Diverge(35:22)
コモディティと金利の関係。大きく差が開いている。コモディティ価格が上昇したから。
42.Fed Balance Sheet and 3-month to 10-year Yield Curve(35:46)
FEDがquantitative tighteningを行った時、イールドカーブはフラット化した。FEDがQEを再開すると、イールドカーブはスティープ化した。この二つには強い相関があるのだ。多くの人には、直観的ではないが。
43.PMI and 10-year Yield(36:46)
これらにも関連がある。製造業の活動が下がれば、金利も下がる。なので、これから10年債利回りは上昇するだろう。
44.30-year U.S. Treasury Drawdown(37:15)
インフレや銅/金価格、PMIなどから見ると、国債はovervaluedに見える。しかし、実際はoversoldである。1987年レベルまで売り込まれた。2008、9年ほどではないが。
45.Treasury Bond Sentiment(38:08)
とても弱気だ。
46.Cumulative Flows into Investment Grade (IG) and U.S. Tresury Funds(38:37)
国債と、投資適格社債への資金流入はまったく違うものになっている。国債を売り、売ったカネでそのまま投資適格社債を買っているようだ。間違った行動だ。社債のdurationは短く、国債は長いので。
47.Foreign Holdings of U.S. Treasury Bonds(39:30)
海外勢は米国債を売っている。国内勢は買っていない。唯一買い増しているのはFEDだ。
48.7-year Treasury Auction: Foreigners Restreated Sharply Last Week(40:02)
数週間前の7年物国債のオークションは最悪だった。理由の一つは、外国勢が買わなかったから。図の中の矢印は間違っている。正しくは、黒の線を指すべき。
49.2s10s Yield Curve(40:31)
イールドカーブが動くときは、素早く動く。フラット化するのも速いが、スティープ化する時はもっと速い。歴史的に。ゼロ近辺で折り返し、250 basis pointsくらいはすぐに上がる。FEDは短期債をアンカーしているので、今日時点2年債は16 basis points、10年債は265 basis pointsくらいになるだろう。歴史的に見ると。問題は、FEDはどれくらいスティープ化するのを許すか?だ。
50.U.S. Corporate Investment Grade Real Yeild(41:18)
社債はmodestである。1 basis points。real yieldはマイナスだ。すなわち、企業はCPIと同じか低くカネを借りられるということ。もしCPIが上がって、社債利回りが同じだとすると、マイナスが深くなるということ。
51.U.S. Corporate High Yeild Yield-to-Worst(41:44)
ジャンク債の利回りも低い。
52.Corporate BBB Yield vs. 30-year UST Yeild(42:01)
どちらの毒薬を選ぶか?それぞれ異なるリスクがある。BBBはデフォルトリスク、格付けが下がるリスクがあるが、期間は短い。30年国債には金利のリスクがある。
53.High Yield Upgrade/ Downgrade Ratio(42:46)
ハイイールド債、さらには社債市場にとって良いニュースは、格サゲされる比率が減ってきて、ボトムを付けたようだ。前回のリセッションと同程度。
54.Loan Retail Fund Flows vs. U.S. 10-year Treasury(43:27)
私は銀行ローンを勧める。BKLNは40 basis points価格が下がったが、クーポンと同程度。資本は保持できたことになる。銀行ローンセクターから資金が流出している。典型的には、国債が上昇するとき、反転する。
55.S&P/LSTA Leveraged Loan Prices(44:18)
Loan Pricesに目覚ましい回復があった。
ふぅ。長かった。
これだけのマクロ経済指標の解説を無料で聞けるって、イイ時代になったもんだ。