塾長です。
昨日(米国5/7)の米株市場は、雇用統計が悪くて、上昇。
S&P500、4,232(+0.74%)
Nasdaq、13,752(+0.88%)
【米国市況】株が最高値更新、低調な雇用統計受け緩和縮小懸念和らぐ - Bloomberg
債券、為替、コモ:
10年債、1.5770
ドル円、108.5820
Bitcoin、57,170
昨日発表された重要経済指標は雇用統計:
4月 非農業部門雇用者数変換【前月比】、26.6万人(予想97.8万人)
4月 失業率、6.1%(5.8%)
4月 平均時給[前月比]、0.7%(0.0%)
同[前年同期比]、0.3%(-0.4%)
米4月雇用者数26.6万人増、予想大きく下回る-失業率6.1%に悪化 - Bloomberg
失望的な雇用統計に対して、CNBC、Yahoo Finance、Bloombergがたくさん解説を出している。全部見たわけではないけれど、だいたいこんな感じ。
・失業保険上乗せ、保育施設が開いていない、まだ人々はコロナを恐れている等の理由で、職に就かなった人が(予想より多く)出た。
・コロナ後の経済再開という状況は歴史上初めて。予想が外れるのは仕方がない。
・4月は季節調整があるので、外れがち。
・統計にエラーがある可能性。
・4月がダメでも、5月があるさ。
・この雇用統計でFEDの方針は変わらない(次回FOMC(6月15・16日)まで、もう一回雇用統計が出る)
・株、債券に対する見通しは変わらない。
誰も面白い事を言ってくれない・・・。
ので、見ているだけで面白いシーゲル教授のインタビュー:
ー今日はWhartonのジェレミー・シーゲル教授を呼んだ。前回は4月初めに出演。経済活況の(野球に例えて)3回か4回にいると言っていた。今日は何回にいるだろう?S&Pは4月当時から4%上昇、S&P・ダウともに最高値。
・多分、6回と言ったところだろう。
この雇用統計から読み取れるのは、企業が人探しに苦労している様子だ。大統領に同意する。失業保険上乗せが雇用を奪ったのではない。賃金上昇を見てくれ。0.7%だ。非常に大きな上昇だ。これでも、十分な労働者を惹きつける事が出来ていない。来週インフレに関する指標(注:CPI、PPIのこと)が出て、クリアなピクチャーを得る事ができるだろう。5月、6月、インフレーションがあるのかも知れない。
ー多くの市場参加者は、融和的金融政策よりも財政を心配している。それがFEDの扱いたくない問題を引き起こすのだと。物価が上昇し、賃金が上昇し、より恒久的な問題となる。そして、FEDは対応したくないのに、行動を起こさなければいけなくなる。それは株価にとって良くない。
・”最終的には”、株にとって良くない。私に言わせれば、この雇用統計は「day of reckoning(清算日)」を遅らせるだけ。FEDの金融緩和が多少延びるだけ。
ーちょっと待ってくれ。そうだとしたら、なぜ回が進んだのか?
・今年の後半には、株価下落(pull-back)は来るだろう。そうだとしてカネをどこに持っていくべきか?
私は今後3、4年で累積的に20%のインフレを予想している。3、4年後には、物価が20%上昇しているのだ。株価、賃金、消費者物価が上がる。(そのような状況では)債券が最も悪い。実物資産が良い。
あなたが言った事は正しい。政府か人々のポケットにカネを突っ込み、それをFEDが支えている。それが経済的な活況を作り出す。
しかし、いつかの時点でpull-backはくる。そうだとして、もう一度言うが、どこにカネを持っていけば良いのか?
ーそうだとしたら、循環株が良いのか?レストラン、旅行など、人々がカネを使うところ。
・そうだと思う。
3, 4年で20%のインフレですか・・・。年率にすると、4.7~6.3%。
ざっくり5%のインフレ率を想定しているってコトかぁ。
ここで注意が必要なのは、FEDが本当に恐れている(実現性が高いと思っている)のは、日本化だということ。
日本化するくらいなら、高インフレの方が良い、というのがFEDの判断。
日本化とは「少子高齢化、需要減による経済停滞からのデフレ」のこと(超訳)。
先日も、米国の出生率が低下しているとニュースが出た:
アメリカの出生数4%減少 1979年以来の低水準 - BBCニュース
ちなみに、コロナで米国平均寿命が低下したらしいので、コロナは米国の「日本化」防止に一役買ったのかも知れない(禁句)。
アメリカで平均寿命1年短縮「第2次大戦以来」の落ち込み コロナ影響深刻:東京新聞 TOKYO Web
日本に限らず「コロナワクチン接種は高齢者から」ということになっているが、若者優先した方が・・・(自主規制)。
この論を進めると・・・、10年後を見据え、ブラジル株、インド株を買っておくのもアリか?どちらの国も有望と言われ続け、失望の連続なので、一か八かですが。