塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【コングロマリット】GE、東芝が会社分割【終焉】

塾長です。

昨日(米国11/9)の米株市場は、久々のサゲ。

 S&P500、4,685(-0.35%)

 Nasdaq、15,886(-0.60%)

【米国市況】S&P500種9日ぶり反落、金融株に売り-国債相場急伸 - Bloomberg

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、84.83

 10年債、1.4320

 ドル円、112.9570

 Bitcoin、67,247

米国債市場、30年TIPS利回りが過去最低更新-インフレ不安消えず - Bloomberg

 

こちらのニュース、バイデン政権がEIAに圧力をかけ(暗に)「ガソリン価格は来年安くなりますから、安心して下さい」と言わせているような感じがしないでもない。:

世界原油市場、来年初めまでに供給過剰に-米EIAの短期見通し - Bloomberg

 

 

経済指標:

 10月 PPI[前月比]、0.6%(予想0.6%)

 同[前年同月比]、8.6%(8.6%)

 10月 PPIコア[前月比]、0.4%(0.5%)

 同[前年同月比]、6.8%(6.8%)

米生産者物価指数、10月は伸び加速-高インフレ傾向が続く - Bloomberg

 

 

金融政策:

ブレイナードさんはハト派なので、どうなることやら。

ブレイナード氏、FRB議長職巡り大統領と1時間半面談ー関係者 - Bloomberg

参考:コラム:FRB政策、パウエル・ブレイナード両氏大差なし | ロイター

 

 

個別株:

Paypal株が10%も値下がりして意気消沈。材料は昨日blogに書いた事が全ての様子※。

(初老投資家にとって)大きなニュースと言えばこちら:

GE、事業別に3社分割へ-コングロマリットの歴史に終止符 - Bloomberg

どうやら、こんな計画みたい。

  • 2023年初、ヘルスケア部門スピンオフ
  • 2024年、再生エネルギー、電力設備、デジタル事業(GE Digital)を統合しスピンオフ
  • GEとして残るのは航空機エンジン部門。現CEOラリー・カルプはここに残る

目的はコングロマリットディスカウント解消、株主価値向上。GEとして名前を残す&カルプが残る航空機エンジン部門が勝ち組なのでしょうネ。逆にテコ入れが必要なのはエネルギー部門。化石燃料発電から再エネへの移行で、さまざまな模索が続くでしょう(再エネ企業を買う、EV充電に乗り出す、身売りする・・・)。

株価は2.65%上昇して、$111.29。こちら5日間:

f:id:alibertarian:20211110090821p:plain

GE 5D 2021/11/09 - Yahoo Finance

分割完了が24年と先の事なので値動きは鈍いが、市場から歓迎されているのは間違いない。

 

 

これと時を同じく、コングロマリットで苦境に立たされている東芝分割のニュースが出ていたのも興味深い:

東芝、企業価値向上で事業分割の選択肢検討-3社の分社化報道で - Bloomberg

Jefferiesのアナリスト、アチュール・ゴヤルのインタビュー:

www.youtube.com

ー日経が、東芝が3分割されると報じた。東芝は、可能性の一つだと応じた。

・我々は日経のレポートでこの件を始めて知った。これはevent playだろう。我々はSoftbankを買っている。東芝も買っているが、event playとしてである。我々は東芝がプライベート化(株の非公開化)されると考えている。公開企業でなくなれば、必要とされる構造改革を進めやすい。もし東芝が3分割をするのであれば、国家安全に関わる事業を、他の事業と分ける事が可能になる。それができればプライベート化もやりやすい、そして事業の切り出しもやりやすくなる。もし分割が行われれば、東芝にとって良いことだ。

 これは多くの日本企業に当てはまる。多くの企業が多くの事業を手掛けている。企業の分割を行えば、企業の価値を解き放つ(unlock)事になる。

ーアクティビストにとって十分だろうか?

東芝には複数のアクティビスト株主が存在する。Elliottが最近加わった。彼らのほとんどは3000円以下の水準で投資した。今の株価は5,000円辺りなので、彼らは既に儲かっている。ここからさらに上がれば、それはそのまま利益の上乗せとなる。我々の見立てでは、プライベート化が企業価値をunlockするために主要な手段となる。3分割するだけでは十分ではない。さらに、東芝は中期計画を未だ公表していない。そして、経営陣の変更のプロセスの中だ。この結果は来週発表となるだろう。とりあえず3分割を発表するだけでも、アクティビストには十分だろう。正しい方向に進んでいるからだ。

構造改革だけではなく、成長も必要だ。競合環境はどうなっているだろう?

・それは非常に複雑な質問だ。東芝は20以上の事業を持っている。原子力、石炭火力、エレベーター、エアコン、などだ。家電は売ってしまった。それぞれが違った状況にある。我々が気付いたのは、日本で行っている多くの事業は競合からのプレッシャーが比較的少ないという事だ。東芝が海外で行っている事業のほとんどは、強い競争にさらされている。我々の分析では、東芝は80%の事業から撤退すべきだ。その撤退すべき事業の多くは海外の事業である。それができれば、東芝はその価値を救える、キャッシュリターンを生み出せるだろう。そのキャッシュで自社株買いを行えるし、日本で2番手、3番手となっている事業に集中できる。市場シェアを高め、利益率を高める事が今後のカギである。

 

という事で、東芝はインフラ、デバイス半導体に3分割されそうです。インフラは安全保障に関わるので、東芝として存続。デバイス半導体を分社化→非公開化→必要なリストラを行って、再上場もしくは他社に身売り、という流れですかネ。最近は「半導体は安全保障」などとも言われているので、その辺りが議論のポイントでしょうか。

このGE、東芝の流れから推測される次の候補は三菱重工となりそうですが、三菱財閥の力で乗り切れるでしょうか?三菱グループ内では、三菱電力の不祥事もあり、先行きが楽しみです。

Jefferiesが勧めているように、日本の大企業は(単なる人減らしではない)構造改革を行って、企業価値を高めて頂き鯛。

 

 

※:

alibertarian.hatenablog.com