塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【シーゲル教授】12月FOMC、FEDは引締めを急ぎ、市場は修正される

塾長です。

昨日(米国11/10)の米株市場は、続落。

 S&P500、4,646(-0.82%)

 Nasdaq、15,622(-1.66%)

【米国市況】株が続落、国債利回り急上昇-CPI加速で市場動揺 - Bloomberg

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、81.64

 10年債、1.5600

 ドル円、113.8700

 Bitcoin、64,595

米国債利回りが急上昇、30年債入札の不調や予想上回る米CPIで - Bloomberg

 

 

経済指標:

 10月 CPI[前月比]、0.9%(予想0.6%)

 同[前年同月比]、6.2%(5.8%)

 10月 CPIコア[前月比]、0.6%(0.4%)

 同[前年同月比]、4.6%(4.3%)

米消費者物価指数、1990年以来の高い伸び-インフレ圧力強まる - Bloomberg

10月のCPIはエネルギーと住居費、食品、自動車の値上がりが特に反映された。

 ・・・食品は前年同月比5.3%上昇と、伸び率は2009年1月以来の大きさ。ガソリンは前月比6.1%上昇で、3月以来最大の伸び。

 

 

金融政策:

ハト派発言一つ。

SF連銀総裁、「利上げの計算式」を変更するのは時期尚早 - Bloomberg

  デーリー総裁は・・・「利上げに関するわれわれの計算式を変更し始めるのは、まだ時期尚早だろう」と発言。同総裁は米金融当局でも特にハト派寄りとされている。「現時点では状況が不透明なため、警戒感を持って様子見することが求められる」と述べた。

 

 

個別株:

Disneyが悪決算。売上、利益ともに市場予想以下。成長原動力として期待されているDisney+の新規加入者数が210万に留まったのが良くなかった。

詳細はこちらの記事をどうぞ。ディズニーランドやホテル、コンテンツセールスの情報も詳しく載っているの。

www.cnbc.com

 

 

次に大きなニュースは、EVメーカーRivianのIPO。100ドルの値が付き、時価総額は$98Bを超えました。一方、GM時価総額は$86B、Fordは$77B。期待の高さが伺われます。

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Rivian 1D 2021/11/10 - Yahoo Finance

この高い評価の理由として、Amazonの出資&Amazonの配送トラックに使われる事が上げられますが、商用車の利益が大きいとは思えません。相手が株主&Amazonであれば尚更。

アマゾン、EVメーカーのリビアンの株式20%保有-届け出 - Bloomberg

アマゾンはリビアンに電動の配送バン10万台を発注している。

 

 

新興企業では、FintechのAffirm、SoFiが好決算を出したようで:

SoFi stock shoots higher after earnings are 'very strong on nearly every metric' - MarketWatch

Affirm shares soar after company announces expanded deal with Amazon

金融仲介サービスのSoFiはともかく、個人向けローンのAffirmは怖くて買えません。逆から見れば、Affirmの方がうまく行けば儲かるでしょう。

 

 

最後は、ジェレミー・シーゲル教授のインタビュー:

www.youtube.com

・2000年、S&Pテックセクターは、利益の16~17倍で取引されていた。その時の金利の環境は、10年物TIPSは4%以上。今日、10年物TIPSは最低を記録し、-1.2%以下だ。しかし代わりに買うモノがない。市場で稼働しているのはFAANG、Tesla。PERは19、20倍(訳注:S&P500の平均PERが19~20だと言いたかったのだと思う)。これは高すぎるとは言えない。しかしそれは、FEDが真剣になるまでのこと。私は12月のFOMCでそうなると予想している。FEが真剣になれば、かすかな地震を見る事になるだろう。それまでは大丈夫だ。

ーしかし、市場は先読みするもの。CPIは高かった。S&P500は0.25%しか下げていない(訳注:このインタビューの時点で)。DOWは58ポイント下げただけ。市場に流動性がある、米国株に代わるモノがない、値上がり傾向があるシーズンである。それらがインフレに勝っているということか?

・そうだ。パウエルが出てきて「インフレは一時的ではない。予想していたよりも厳しいものだ。テーパリングを加速する。利上げを急ぐ必要があるかも知れない」と言うまでは。それまでは、市場は動じない。FEDが真剣になれば、市場は修正(correction = 10%下落)に入る。

以前から「インフレが来るぞ」と警鐘を鳴らしていたシーゲル教授の予想は、12月のFOMCFEDがインフレを抑え込むためにテーパリングを加速し、株式市場が10%(以上)下落する、というものでした。

 

バランスを取るため(?)にも、別の見解も紹介しておきましょう。Fidelity InvestmentsでDirector of Global Macroを務めるジュリアン・ティマー(Jurrien Timmer)はこんな事を言っている(13:30あたりから):

www.youtube.com

FEDに選択肢はない。FEDは、インフレが一時的である、と言う以外ないのだ。Volckerがインフレという怪物を70年代後半に倒した時、米国の債務はGDP比30%だった。今は140%くらい。パウエルがポール・ボルカーに変身する事はできない。そうすれば経済を殺してしまう。経済は低金利によってレバレッジがかかり過ぎている。FEDは一時的と言う以外にない。最終的に、市場がFEDの行動を決めるのだ。

シーゲル教授とは順番が逆で、まず市場が急落してからFEDがインフレ退治(=テーパリング加速、利上げ)に乗り出すのだ、と言っています。

ティマーの見立ての方が、近年のFEDの行動をよく表していると思いマス。FEDは市場が先に動くのを待つので、その時期が今年12月よりももっと先になる可能性があり、株価修正の幅が大きくなるでしょう。コワイコワイ。