塾長です。
昨日(米国11/18)の米株市場は、アゲ。米国は景気がイイ!
S&P500、4,704(+0.34%)
Nasdaq、15,993(+0.45%)
【米国市況】S&P500が今年66回目の最高値、大型ハイテク株けん引 - Bloomberg
債券、為替、コモ:
原油、78.87
10年債、1.5890
ドル円、114.2430
Bitcoin、56,661
ビットコイン、5月以来最長の5日続落-5万7000ドルを一時割り込む - Bloomberg
経済指標:
11月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数、39.0(予想24.0)
11月米フィラデルフィア業況指数上昇、新規受注は73年来の高水準 | ロイター
米新規失業保険申請、1000件減の26.8万件-予想26万件 - Bloomberg
米国は景気がイイ!
個別株:
大きなニュース&買い材料になったのは、Appleが自動運転車の発売目標時期を前倒し。日本でも多くのメディアが報じるだろうから、ここではスルー。
アップルが自動車開発を加速、完全自律運転モデル目指す-関係者 - Bloomberg
nVidiaが一昨日クローズ後に出した好決算を受けて、爆上げ。+8.25%の316.75。
NVIDIA、売上高・純利益ともに過去最高 ゲームとデータセンターが好調 - ITmedia NEWS
期待外れな決算だったのは、Cisco。-5.51%の53.63ドル。
シスコシステムズが決算受け下落 部品不足で売上高が低調な見通し示す=米国株個別 - ニュース・コラム - Yahoo!ファイナンス
CNBCでは、ジム・レーベンソルはこんな弁解をしていた:
・CiscoはIntelとは違う。Intelは何度も経営上の失敗を犯した。Ciscoは違う。これは買い時だ。今日の株価が下がったのは、ガイダンスが期待外れだったから。売上が、予想を1.5%下回った。サプライチェーンの問題だ。これは一時的。Intelは恒久的な問題だった。Ciscoに需要はある。サプライチェーンの被害者。売りではなく、買いの機会だと思うが、株価は今後3~6か月、50ドル台だろう。
ーIBM、Intel、Ciscoといった会社は、株価が上昇するために、様々な事がうまく行く必要がある。一方、AMD、nVidia、Microsoft、Apple株は上がっている。
・質問は2つだね。一つはIBM、Intelとの比較。Ciscoはそれらの会社と比較にならない。Intel、IBMは長期に渡るビジネスモデルの問題を抱えている。Ciscoにそれは無い。一時的なサプライチェーンの問題。
AMD、nVidiaとの比較では、明らかにCiscoは劣っている。とは言え、nVidiaと比べれば、世の中のほとんどの株が酷い成績だ。私はそのようなメトリックを使っていない。ポートフォリオで考えている。Qualcommのような超成長株も持っているし、堅実にリターンを出す株も持っている。Ciscoは良いリターンを出してきた。配当はS&P500を若干上回る程度。良い年も悪い年もあるだろう。しかし、需要があり、これが一時的なサプライチェーンの問題であれば、私はそう思っているわけだが、S&P500を若干アウトパフォームし続けるだろう。nVidiaと比べるべきではない。
一方、ジム・クレイマーは「他の企業がサプライチェーンの問題を回避しているのに、それを言い訳にするな」と手厳しい(詳細割愛):
Ciscoを投資先として考える際のポイントは「CiscoはIntel、IBMと同じなのか?」ですネ。以前、米国でCiscoに勤めている方と会話をした際、同じような課題を抱えているようだったので、株を買うのは止めました。
小売では、メーシーズ、コールズが好決算。
百貨店メーシーズとコールズの株価急伸、決算好調-消費の強さ示す - Bloomberg
メーシーズが18日発表した8-10月(第3四半期)決算は市場予想を上回り、同社は通期の業績ガイダンスを引き上げた。年末商戦期に入る中、消費需要が引き続き堅調なことが示された。
米国は景気がイイ!
最後にもう一つ景気の良いニュース(?)。John Deereが労組と賃上げで合意して、1か月に及ぶストライキが解消。
詳細は割愛しますが(仕組みが難しくて理解が追い付かない)、10%賃上げ、年金プランの改善など。6年間のパッケージみたい。こちらのニュースの方が若干詳しい(John Deere workers approve new contract offer, will end strike | PBS NewsHour)。
ビデオ内で「John Deereにとっては$3.5Bのコスト増だ」と言っているのは、多分「6年間で$3.5B」だと思う。大切なところなので、端折らずに伝えて欲しい。
企業にとって賃上げはコスト増(利益減)なので、単純には歓迎できないが、日本のように全然賃上げが進まないよりは国全体の経済として良いことかも知れません。
ちなみに、米国における労働組合参加率は最新データである2020年末時点で、10.8%らしい。ついでに経年のグラフも貼っておきます:
In 2020, the number of unionized workers dropped, while the share of union members increased
米国では、公的・民間部門別に統計が取れていて、2020年時点公的部門34.8%、民間部門6.3%。2020年に参加率がチョコっと上がったのは、公的部門の参加率が上がったため(民間は上がっていない)。
元データであるBureau of Labor Statisticsの資料はこちら:Union Members Summary
日本はどうかと言うと、2020年時点で17.1%。米国と同様、組織率は低下傾向。
日本の方が組織率は高いが、賃金は上がらない・・・。
日本は(安い)外国人労働者を増やそうとしており、この先も賃金が上がる感じはしない:
出入国管理庁、特定技能見直しへ 外国人労働者に永住の道広がる | ロイター
出入国管理庁は、2019年に導入した外国人の在留資格「特定技能」について、全ての対象業種について永住権取得や家族帯同が可能となる形での制度の見直しを進めている。
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特定技能制度導入時に、入管庁は向こう5年間で34万5000人の受け入れを想定していたが、実際は新型コロナによって入国が停止される前でも取得者は月3000人程度にとどまり、利用者の拡大が課題となっていた。
出入国在留管理庁による特定技能在留外国人数の発表:特定技能在留外国人数の公表 | 出入国在留管理庁
個々の企業の利益が増えなければ(良い)賃上げにつながらない、日本企業ガンバレ!と心の底から願うのだけれど、日本には(IBM、Intel、GE・・・のような)旧来型企業が多く、なかなか投資先が見つかりません。
(「GAAFA」を生み出せないのは日本だけではないので、特段日本だけを卑下するつもりはありません)