塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【マーク・ユスコ】「レイ・ダリオは欲しい物をケナしてから買う」

塾長です。

Web media Blockworksが毎週末マーク・ユスコ(Mark Yusko)のインタビューをYoutubeにあげています。毎回その週に起きたニュース、市場動向などを(悪い言い方をすると)ダラダラと喋っている。裏を返すと、ながら聞きをするのに丁度良い感じ。

彼はMorgan Creek Capital Management 創業者・CEO・CIO。

一昨日(3/26)の回では、2つ重要な点を指摘していたので(独断と偏見で)ご紹介。

www.youtube.com

1、BlackRock CEO ラリー・フィンクが出した投資家への手紙について。

ウクライナ危機、デジタル通貨普及加速も=ブラックロックCEO | ロイター

「グローバルなデジタル決済システムは、適切に設計されれば、マネーロンダリング汚職のリスクを減らしつつ、国際取引の決済を強化できる」
グローバル資本市場へのアクセスは「特権であり、権利ではない」

・彼が述べているのはクリック稼ぎに過ぎない。さらにクリックを増やしたかったらNTFを加えれば良かっただろう。

・ラリー・フィンクとBlackRockは問題の解決ではない。彼らは腹黒い。彼が言った事を解釈してみると、”適切に設計された国際決済システム”とは、”俺が設計したシステム”という意味。それにアクセスするのを俺が決める、という意味。BIS(Bank for Internatinal Settlements)の太った男(訳注:Agustin Carstens)、彼がCBDCについて同じ事を言っている。”俺がお前のカネの使い方を決めるのだ”と。

・フィンクは、ウクライナ情勢が暗号資産の利用を加速すると言っているが、真の主張は、中央銀行によるデジタル通貨の採用を広げたいのだ。暗号資産は非中央集権化されている。暗号資産は国境を越えた、国と言う単位から独立した世界を作る。フィンクが言っているのは、まったく逆。私としては、(彼の主張を)腹黒い(sinister)と呼ばざるを得ない。

 

2、レイ・ダリオ率いるBridgeWaterが暗号資産に投資する計画があるとの報道(注:ダリオ個人は暗号資産に比較的前向きな態度だったが、BridgeWaterでの扱いは無かった。これが実現すれば転換となる)
米ブリッジウォーター、暗号資産ファンドへの投資を計画:関係者 | coindesk JAPAN | コインデスク・ジャパン

ブリッジウォーターは、外部の投資ファンドをサポートする準備を進めていると2人の関係者が語った。そのうちの1人によると、暗号資産に直接投資する計画は今のところはないという。

・レイ・ダリオは天才だ。彼は素晴らしい研究者チームを持っている。彼は歴史を熟知している。歴史は重要だ。彼ほどグローバル化、非グローバル化の深い知見を持っていながら、暗号資産について理解できないわけがない。私は、彼が前から理解していたのだと思う。しかし、新世界秩序に加担する者として、それを言えなかった。

 また、彼は資本主義者である。誰よりも優れた資本主義者だと言って良い。何かを買おうとした時、それをけなして価格を落とすのだ。そうすれば安く買える。

 ジュリアン・ロバートソン(Julian Robertson、元Tiger Managementの人)はその天才だ。銅をロングしたいとき、まず$50M ショートする。そしてメディアに出演し「俺たちは銅が大嫌いだ」と言う。ドラッケンミラーもソロスも同じ事をする。何かをたくさん買う時、いきなり買わない。値段が上がるから。その前に、あなたがそれを嫌っていると世界に信じ込ませなければいけない。

 最近だと、家を買う時と同じ。手に札束を持って、オークションに出向いたりしない。私だったら、まず興味のない振りをするだろう。

 ビル・アックマンがパンデミック直後CNBCに出演してHell is commingと言っていたのも同じだ※。

 

「腹黒い」と表現するかどうかは別にして、皆さんそれぞれのポジションを持って話をするので、気を付けましょう、という事ですネ。

様々な報道、投資アドバイス的なものが世の中に溢れています。それらを受取る側は「この人達に何の得があるのだろう?」「カネの流れはどうなっているのか?」と考えながら、解釈・咀嚼する必要がある。

企業が出す情報にも小さなウソから、大きなウソまで様々まぎれこんでいる。「来期はコロナでサプライチェーンがあれだから、売上が伸びないかも」と言っておいて、決算でポジティブサプライズを演出するとか。Theranosのように実現できない血液検査装置をまるで出来上がったように宣伝するとか。彼らは彼らなりの手段で自分たちの利益を最大化しようとする。

政治も同じ。政治家の仕事(ビジネスモデル)は”口利き”であり、それを継続するために選挙に当選し続けようとする。最近だと岸田さんを「日本の安全保障を考えていない」等と批判する人がいるが、岸田さんにとって日本の安全保障の優先度は低い。そこに利権は(あまり)ないし(防衛省汚職守屋次官事件というのもありましたなぁ)、どっちつかずの態度を取った方が左右両方の票を取れる。

当blogでは、伝説的投資家・現役ファンドマネージャの市場・個別銘柄解説、企業が提供するニュース、投資に関わる地政学的ニュースを掲載していますが、ユスコさんのような視点で読んで頂ければと願っています。

 

 

※、コロナ感染拡大初期にビル・アックマンがCNBCに出演し涙声で「俺は心配になってカネを銀行から引き出した、みんな家にいろ、俺は父親を守るためにロックダウンする、云々」と訴えていた(不安を与えた)。実は出演前にPutオプションを買っていて、下落した株価で大儲けした、というお話:

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