塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ナンシー・ラザー】利上げ・財政支出減少のダブルパンチで、インフレは急速に収まるぞ。

塾長です。

破壊的企業に投資するARK Investを運営するキャシー・ウッドが、Piper Sandlerのエコノミストであるナンシー・ラザー(Nancy Lazar)を連れてきて「これから景気が悪くなる、インフレは落ち着く、FEDの利上げは長く続かない」と説明していたヨ。

ARK ETFsの値段が下がりまくって、言い訳に追われている感じはしますが、現在多くのエコノミストがインフレは長期間続くと言っている※ので、反対の意見を聞いておくのは意味があるでしょう。皆が同じ事を言っている時は、思考停止にならないように注意。

ということで、データを示している所を中心に、ポイントを拾ってみた;

www.youtube.com

・現在の利上げは経済減速時に行われている。これは前回2016年と反対。(なので減速に拍車をかける)

・政府支出が減っており、GDPにマイナス2%以上の影響(データ元:Hutchins Center Fiscal Impact Measure)。リセッション(2期連続のGDP減少)が起きる可能性が高い。60・70年代のインフレは、長期に継続した財政拡大政策の結果である。現在はコロナで一時的に財政支出が増えたが、継続していない。これは大きな違い。

・自動車を除く小売の在庫はトレンドラインを10%、売上は7%上回っている。在庫:売上の比率は上昇。今後小売が在庫を捌くために安売りしてくる。WalmartやTargetは既にそうすると言っている。

・米国企業は売上成長が鈍化、コストが上昇しているので、CFOの経済見通しは暗い(データ元:CFO Economic Optimism Declines in the First Quarter of 2022)。これらを考え合わせると、企業利益は減少するだろう。

・Piper Sandlerの予測では、高いインフレ率は夏まで続くが、その後下落。2023年初めまでにヘッドラインCPIは3%、コアCPIは1.3%程度まで下落する。次回・次々回のFOMCで0.5%利上げをするだろうが、その後は分からない。
2022年の消費者はコロナ直接給付金がないので、大きな影響を受ける。企業利益が減れば、賃下げもあるだろう。

・10年債は一時3%まで上昇したが、市場は経済成長鈍化を予測し、直近は低下傾向。今年末までに2.2%程度まで下がるだろう。

(動画内ではデータ(グラフ)を出しているので、併せて見て欲しい)

 

いかがでしたでしょうか?

FEDが「高インフレは一時的」と言っていたのと同じロジックですネ。しかし、実際は一時的ではなかった。それは、エコノミスト・経済学者が考えるより、人間の行動は論理的ではないし、企業活動の変化には時間がかかるからではないでしょうか?なので、23年までにコアCPIが2%台まで下がるというのは言い過ぎな気がします。

それに、ジェフリー・ガンドラックや、ジム・ビアンコの指摘では、家賃高騰も控えているらしい。彼らは「住宅価格は上昇したが、それが(CPIの計算に使われる)家賃にまでまだ波及していない、これから起こるだろう」と言っている。

自動車価格も本当に下がるか未だ分かっていない。新車が十分に出回らない限り、中古車価格は下がらないかも。

ただ、インフレ率2%台まで急激に下がらなくても、FEDは「Month over Monthを注視している」と言っていたので、3Q辺りに下落傾向が見えたら、利上げを止める(緩める)可能性はある。そうなれば、急激に株に買い戻しが入るはず。

ここでは直接的に言及されていませんが、ロシアのウクライナ侵略が止めば、株に資金が戻ってくると信じたい。

・・・。

そんな夢を見て週末を過ごしマス。

 

 

※、例えば、ローレンス・サマーズの最近の発言;
サマーズ氏、賃金の伸び鈍化はインフレ動向には明るい兆しの可能性 - Bloomberg

サマーズ元米財務長官は4月の米雇用統計で賃金の伸び鈍化が示されたことについて、前向きな兆候かもしれないと述べた。ただ、労働市場が極めてタイトであるため、米金融当局がインフレを抑制するのは非常に困難との従来の見解は変えなかった。

 

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