塾長です。
昨日(米国7/15)の米株市場はアゲアゲ。ミシガン大学調査によるインフレ期待後退がだけが理由?ショートカバー?
S&P500、3,863(+1.92%)
Nasdaq、11,452(+1.79%)
【米国市況】株上昇、1ポイントの利上げ観測後退-ドル138円台半ば - Bloomberg
原油、97.57
10年債、2.9300
ドル円、138.4560
Bitcoin、20,808
6月 小売売上高[前月比]、1.0%(予想0.9%)
6月 小売売上高・輸送機除く[前月比]、1.0%(0.8%)
7月 ニューヨーク連銀製造業景気指数、11.1(-1.9)
6月 鉱工業生産指数[前月比]、-0.2%(0.1%)
7月 ミシガン大学消費者信頼感指数、51.1(49.9)
米小売売上高、6月は予想上回る伸び-インフレが数字押し上げか - Bloomberg
NY連銀製造業指数、予想に反し3カ月ぶり拡大-先行きは急低下 - Bloomberg
米製造業の生産指数、2カ月連続で低下-消費財が振るわず - Bloomberg
パウエルさんが(前もって予告した0.5%ではなく)0.75%利上げを決めた根拠として挙げていたミシガン大学の長期インフレ期待、前月より下がって2.8%へ;
米消費者の長期インフレ期待、1年ぶり低水準-ミシガン大指数 - Bloomberg
5-10年先のインフレ期待は2.8%と、前月の3.1%から低下し昨年7月以来の低水準となった。1年先のインフレ期待は5.2%。前月は5.3%だった。
ようやく住宅価格高騰に歯止めがかかってきた模様だが、高止まりしそうな様子。こちらのレポートでは・・・;
売り出し中の家の数が増加(前年比+28%)した
価格を下げる売手が目立つ。但し、2020年3月比、全国平均で住宅価格は40%上昇した。
UBSの調査では・・・
調査対象の36%が今後1年以内に家を買う予定
42%が、住宅購入を良い投資だと考えている。過去最高。
47%が、1年後に住宅価格が上昇していると期待。過去3番目の多さ。
などと言っている。
物価上昇スパイラル、バブルは期待によって起こるので、UBSの調査は喜べるものではない。家を持っている人には朗報だが。
ボスティックさん、(1.0%ではなく)0.75%利上げを支持;
アトランタ連銀総裁、7月会合で1ポイント利上げ支持しない考え示唆 - Bloomberg
「急激過ぎる行動は、他の事象の多くが順調に機能するのを妨げることになる」
民主党で唯一放漫財政を批判しているジョー・マンチン上院議員が、物価高を理由に、EVや再エネ補助金の入った気候変動対策法案や増税を支持しないと表明;
U.S. Senator Manchin opposes tax and climate proposal, Washington Post reports | ロイター
TeslaなどのEVメーカーはもちろん、補助金を織り込んだ事業計画を立てている再エネ関連企業にとって打撃。
バイデン政権や急進左派にも打撃。
放漫財政政策からの転換は、インフレ抑制にプラス(経済成長にはマイナス)。
また、CNBCはCHIPS Actが独立した法案として通過するのでは?と推測している(詳細割愛);
本blogでは深く取り上げませんが、メディアによってはマンチン議員を石炭業で金持ちになったとか、気候変動が急速に進んでいるのになんたる事だ!と怒りを含んだ報道をしていてオモシロイ。
バイデンさん、サウジに振られた様子;
バイデン氏、石油供給増の「さらなる措置期待」-サウジ国王らと会談 - Bloomberg
バイデン氏は記者団に対し・・・「サウジ側も問題の緊急性を理解しており、この日の協議から私は数週間内にさらなる措置があるものと期待している」
本当に数週間以内に何かできるなら、今発表するでしょう。それが出来ないというのは、何も起こらないという意味。「OPECは増産の努力をします」的な発表はあるかも知れないが。
Citiは期待が低かっただけなのか、好決算。JPMに続き自社株買いを停止;
シティ決算は予想上回る、トレーディング事業好調-自社株買い停止へ - Bloomberg
Wells Fargoは決算ミス。
Wells Fargoが決算を発表後、(時間外で)株価が下げている※。彼らは大手の住宅ローン貸し手という点でも注目だ。
利益は74セント/シェア。アナリスト予想は80~81だった。
売上は$17Bで、予想$17.5Bを下回った。
今後、非常に低かったローン貸し倒れが増加するだろう、今の所大きな変化は見られない、と言っている。
※:昨日は銀行株が買われ、終値としては+6.17%の41.13ドルとなった。
UntitedHealthは好決算。数字はこちらを;
UnitedHealth Q2 Earnings Surpass Street View Led By Growth In Both Segments, Lifts FY22 Earnings Outlook
CNBCは「medical cost ratio(一人当たりの医療支出)が前期比0.07%減少したのが利益増加の大きな要因である。オミクロン株の蔓延の中、これは興味深い」と報じていた;
最後に強気派FundStratトム・リー;
今日株が買われたのは、いくつか理由がある。小売データが良かった。経済は減速しているが、壊れていない事を示した。ミシガン大学の調査で、消費者のインフレ期待が下がった。FEDは利上げに慎重になるだろう。
今日の上昇は状況が違う。過去は、商品価格上昇、消費者インフレ期待上昇、利上げ、という背景があった。状況は安定化している。これにより、FEDは利上げを急ぐ(expeditious)立場から、より慎重な(more measured)立場に変わる。市場にとって大きな変化だ。
80~82年、ボルカーが金融引締めをやめる3か月前に株はボトムを付けたのを思い出して欲しい。
株は数か月前と違った状況にいる。2H、株は強いと思う。
Fundstratのテクニシャンは、7月末に底打ちと言っている。私は短期の株価を当てるのはうまい方ではないが、私は株が底打ちしたと思う。上向きのリスクの方が、下向きよりも大きいと思う。
等と言っている。
一方、弱気派BofAは、弱気姿勢を強化;
米国株は全面降伏も、4-6月決算シーズン失望なら-BofA - Bloomberg
S&P500種は小幅下落なら3600、中位で3300、大幅なら3000も
今日書き出しただけでも様々なデータが出ていて、株がどちらの方向に転ぶかまったく分かりません。
株が安くなったら「たくさん買えるので嬉しい」、高くなれば「資産が増えて嬉しい」と考えるようにしておきます。