塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジェレミー・シーゲル教授】FEDが引締め過ぎなければ、株は6月が底、今年後半は上昇する(!)

塾長です。

昨日(米国8/16)の米株市場は、上下に振れた。

 S&P500、4,305(+0.19%)

 Nasdaq、13,102(-0.19%)

【米国市況】ハイテク株下落もS&P500種は続伸-円は一時1%安 - Bloomberg

S&P500種株価指数は前日比0.2%上昇の4305.20と、プラス圏にとどまった。200日移動平均の壁に跳ね返された後は、上げ幅を削る展開となった。

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、86.86

 10年債、2.8240

 ドル円、134.2300

 Bitcoin、23,872

原油が下がっていて、頼もしい(物価下落要因)。

 

 

経済指標:

 7月 住宅着工件数、144.6万件(予想154.5万件)

 同[前月比]、-9.6%(-1.2%)

 7月 住宅建築許可件数、167.4万件(165.5万件)

 同[前月比]、-1.3%(-2.7%)

 7月 鉱工業生産指数[前月比]、0.6%(0.2%)

米住宅着工件数、7月は昨年2月以来の低水準-許可件数も減少 - Bloomberg

 

米製造業生産指数、7月は3カ月ぶりに上昇-自動車生産が急回復 - Bloomberg

 自動車の生産指数は7月に前月比6.6%上昇し、過去4カ月で最大の上昇率になった。半導体不足が和らぎ、自動車メーカーに増産余地が生まれた。

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

58兆円規模の米インフレ抑制法成立、税制改正や気候変動対策盛り込む - Bloomberg

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

Walmartが好決算。心配されていた在庫も減っている;
ウォルマート株上昇、予想より良好な四半期決算が安定化を示唆 - Bloomberg

 ウォルマートは7月下旬に業績見通しを下方修正していた。

 5ー7月期調整後1株当たり利益は1.77ドルと、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想の同1.63ドルを上回った。売上高は前年同期比8.4%増の1529億ドル(約20兆5600億円)。アナリスト予想は1511億ドルだった。

 在庫水準は前年同期比25%増の599億ドル。2-4月期の32%増から積み上がりのペースが鈍化した。

下方修正した業績見通しを上回ったというだけで、消費が強いと言うよりは、「強烈に強かった消費が落ち着いた」くらいの理解が正しそう。

ソフトランディングの可能性が上がっている。

 

 

金利引き上げ→住宅販売低迷で心配されていたHome Depotも好決算;
ホーム・デポ、5-7月決算は市場予想上回る-住宅市場の減速よそに - Bloomberg

  同社の16日発表によれば、第2四半期の既存店売上高は5.8%増と、アナリスト予想平均の4.6%増を上回った。売上高と利益も予想を超えた。

  ・・・ホーム・デポは力強い売り上げのトレンドが8-10月(第3四半期)に入っても続いていると説明した

 今年度の業績ガイダンスについては従来予想を据え置き、既存店売上高の伸び率は約3%とした。

こちらは「消費は力強さを保っている」という評価。

9月FOMCが心配になってくる。

 

 

住宅つながりで、こちら。Realtor.comのアナリスト ダニエラ・ヘイル(Daniella Hale)が住宅価格についてこんな事を言っていた;

www.youtube.com

ー07年金融危機と違い、住宅価格は崩壊しないと言われているが、どうでしょう?

 正しい答えを出すのが難しい質問であるが、今回のサイクルでは、住宅価格は下がらない理由がいくつもある;

  •  レバレッジが低い
  •  住宅所有者は多くの株を持っている
  •  前回のようなunderwriting問題は起きていない(注:カネの貸し手が存在する)
  •  記録的に空室率が低く、賃貸住宅の数がとても少ない(注:2件目、3件目の住宅を持っている人は、それを貸しておけるので売る必要がない)

どこかの報道で「新規住宅取得者が住宅市場崩壊を願っている」と言っているのを見た気が・・・(失念)。要するに買いたい人がたくさんいるという事。

買い手がたくさんいる時、価格は下がらない。とても単純、簡単。

 

 

最後はみんな大好きジェレミー・シーゲル教授。あるシナリオの元で、株の底打ちを宣言。今年後半は株高、だそうです!;

www.youtube.com

インタビューが少し長いので、先にまとめるとこんな事を言っている;

  • FEDはFFレートを来年にかけて3.5%まで上げ、その後若干下げるべき(これはほぼ市場が織り込んでいるシナリオと同じ)。
    そうすればソフトランディングを達成するかも。
  • ラリー・サマーズは間違っている。中立金利は1.5%だ。
  • その前提で、株は6月が底。2022年後半、株は上昇する。
  • FEDがそれ以上金融を引き締めた場合、リセッションになる。

シーゲル教授が底打ち宣言したのは今回が初めて(のはず)。

 

ただ、FEDの立場に立って考えると、引締め過ぎないというのは難しい。

「引締め過ぎない→物価上昇→怒られる」となる一方、「引締め過ぎる→物価上昇は収まるがリセッション→怒られない(物価を安定させるためにはリセッションが必要だった、と言い訳ができる)」。

結局誰だって自分が可愛いからネ。

 

こちら、シーゲル教授インタビュー全訳;

ー昨日、元NYFED総裁のビル・ダドリーが番組に出て「株式市場は間違っている。金融政策はもっと引き締まる。」と言っていた。あなたは逆の立場なのですね?FEDと戦うのはtrickyですよ。

・ハハハ、その通りだ。

 私は逆の立場を取る。多分あと1%くらいは利上げされるだろう。0.5%、0.25%、0.25%、という感じで。

 経済に敏感に反応する物の値段は上昇していない。上昇しているのはいくつかの業種における賃金。住宅市場を見て欲しい。過去2年間、とてつもないインフレがあった。NAHB Indexは6か月間の下落幅として歴史上最大を記録した。パンデミック時の2020年3ー4月期だけが例外。街に出て、不動産会社に聞けば、「住宅価格は軟弱化している」と言っている。全国的にだ。住宅はCPIコアの40%を占める。しかし公式な統計手法では住宅価格が反映されるまでにラグがある。なので公式なCPIの中では、これからも住宅価格は上昇するだろう。しかし、現場では(on the ground)、もう上昇していない。もしFEDがそれらを認識すれば、これ以上アグレッシブになる必要がないと分かるはずだ。

 よって、私は市場の方が正しいと思う。6月が株の底だったという事になるだろう。今年後半の株はとても良いだろう(The second half of this year is quite good)。

ーあなたはFEDが任務を完了したと思っているのですね?

・ハハハ。私はFEDが経済を過度に刺激したのを許しはしないよ。政府に彼らが欲しったカネをあげてしまった。2020年、21年の話だ。

 しかし、マネーサプライを見て欲しい。実質的に2022年はマネーサプライが増加していない。

 私の考えでは、金融引締めを続けるなら、リセッション入りする。もし金融を若干緩和すれば、誰もが不可能だと言っているソフトランディングが実現するかも知れない。確実ではないよ。しかし、楽観的になってきた。

ーあなたが言ったようにFEDが動く確率は?

・はっはっは。FEDには、全ての人の意見を聞いて欲しい。過去の失敗から学んで欲しい。

 中立金利について言っておきたい。ラリー・サマーズなどは「2.5%以上だ。4、5、6%まで行く必要がある」と言っている。私の研究が示しているのは、過去20年間世界中で金利は低下し、我々は既に中立金利を超えている。もし金利が5%となれば、長短金利差は大きく逆転し、確実にリセッション入りする。インフレ率が2%以下で中立金利が2.5%と考えているのだとしたら、それは高すぎる。そのシナリオでの中立金利は1.5%だ。

FEDがリセッションを作り出さない限り、6月の安値が底だと考えているのですね?

・そうだ。もしFEDが高く出たCPIを見て「ああ、これは高すぎる」と言って金利を上げ続けない限りだ。私は今の金利で打ち止めにすべきだと言っていないよ。

もし彼らが非常にアグレッシブに、例えば、0.75%、0.5%、0.5%といった利上げをして、4、4.5、5%と金利を上げて行けば、彼らは引締め過ぎたと後悔することになる。

 

 

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