塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ブルッキングス研究所】雇用統計にエラーが出る理由【金融政策はGarbage In, Garbage Out】

塾長です。

米国9/2、BLSから雇用統計が出て、8月に+31.5万人の雇用が増えてビックリしたのは記憶に新しいところ。

また、同統計で6月分の数字が‐10万人下方修正されて、「こんな統計はあてにできない」と断じました(↓);

alibertarian.hatenablog.com

 

なんでこんなに数字がブレるの???と疑問に思っていたところ、ブルッキングス研究所(The Blookings Institution)の下記論文(論説?)に出会ったので、ご紹介;

www.brookings.edu

中身はthe unemployment rates(U-1~6)とは何か、 the household survey、the payroll surveyの手法、それらに経済サイクルの転換期やコロナのようなイベント発生時、エラーが出る理由を説明しています。

「非農業部門雇用者数(payroll survey)」部分を抜粋すると・・・

 The payroll surveyは145,000社を対象とした調査。それらの会社は非農業部門従業員の1/3を雇用している。

 対象企業はunemployment insurance tax accountsを持つ企業に限られるので、新しくできた会社は入らない。

 調査の回答が無かった企業から、閉鎖した企業をreal-timeに分別するのが難しい。そこで、回答が無かった企業があった場合、以前の回答と同じと仮定する。

 さらに、新しい企業と閉鎖した企業を”net birth death model”と呼ばれるモデルを使って、欠損したデータと実データの差を予測(forcast)する。

 このモデルは、経済が弱くなるとき雇用を大きめに出し、強くなるとき少なめに出す傾向がある。

 

 BLSはより完全なデータを得られた時、統計を修正する。

 通常、この誤差は小さいのだが、金融危機時、2008年4月~2009年3月において、90万人の下方修正を行った。これは同期間、毎月7万5千人少なく見積もったことになる。

だそうです。

ようするに、調査対象の会社が倒産していて回答が返ってこなかった時でも、「前回調査したとき100人雇ったって言っていたから、今回もとりあえず100人ってことでイイか」「そんでもって倒産している可能性もあるので、98人にしておこう」なんて計算しているので、数字が上振れちゃうってことらしい。

前回急激に景気が悪化した金融危機時、7万5千/月も過少に見積もっていたというのだから、今も当時と同様、たくさんの企業が倒産しているかも知れない???(正確には倒産に限らず、企業の閉鎖)

統計に大きなエラーが出る理由は分かったが、このような統計をベースに金融政策を決めるって、どうヨ?

ガベージ・イン・ガベージ・アウト(garbage in, garbage out)になってませんか?

 

(閉鎖した企業の数ってreal-timeに分からないのかな?そんな統計、どこかにありそうだけど・・・、時間が無いので今日はここまで)

 

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