塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【シーゲル教授】11月雇用統計は熱くない!FEDは賃金上昇を抑圧するな!

塾長です。

昨日(米国12/2)の米株市場は、強い雇用統計による下落で始まり、なぜか(ほぼ)全戻し。

 S&P500、4,071(-0.12%)

 Nasdaq、11,461(-0.18%)

【米国市況】S&P500小幅安、雇用統計受けた売り一巡-ドル134円台 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、80.34

 10年債、3.5060

 ドル円134.2710

 Bitcoin、17,071

 

 

経済指標:

 11月 非農業部門雇用者数[前月比]、26.3万人(予想20.2万人)

 11月 平均時給[前月比]、0.6%(0.3%)

 同[前年同月比]、5.1%(4.7%)

 

米雇用者数は予想上回る伸び、平均時給は加速-金融当局に圧力 - Bloomberg

 平均時給は前月比0.6%増と、市場予想の2倍の伸び。今年1月以来の大きな増加率だった。10月分も0.5%増(速報値0.4%増)に上方修正された。11月は前年同月比では5.1%増加。市場予想は4.6%増、10月は4.9%増(速報値4.7%増)に同じく上方修正された。

 生産部門・非管理職の賃金は前月比0.7%増と、約1年ぶりの高い伸びとなった。

 

 

金融政策:

バーキンさん発言;
リッチモンド連銀総裁、長期的な労働力供給の制約で高インフレ継続も - Bloomberg

事前に配布された原稿によれば、「労働力の供給は制約された状況が続きそうだ」と発言。「米国民の貯蓄が新型コロナウイルスパンデミック前をなお1兆3000億ドル(約174兆円)程度上回り、財政面での刺激策が継続している状況では、需要のバランス回復に向けた金融当局の取り組みは容易ではない」と述べた。講演原稿は11月の米雇用統計発表前に準備された。

これは「財政側も引き締めてもらわないと困る」とバイデン政権/議会に文句を言っているという理解で合ってますか?

 

 

エバンスさんは何も言っていないも同然;
シカゴ連銀総裁、政策金利ピークは若干高めの水準に-インフレ退治で - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

習近平、ゼロコロナ政策見直しへの地ならし?;
習主席、中国でまん延しているコロナは致死率低いと発言-EU当局者 - Bloomberg

中国の習近平国家主席は同国で現在まん延している新型コロナウイルスについて、致死率が比較的低いオミクロン変異株だとの認識を示した。欧州連合(EU)のミシェル大統領と1日に北京で会談した際の発言だとして、EU当局者が明らかにした。

 

 

個別株:

■ 昨日、決算を発表した企業はゼロ。ニュースが少ない。必然的に話題は雇用統計に集中。

◆ その例として、CNBCで放送されていた議論の一つはこんな感じ。ロン・インサナとマイケル・ファー:

www.youtube.com

ー雇用統計で明らかになった収入増が(市場に)不安を与えているようだ。しかし、収入増というのは基本的に良い話ではないか?

<ロン>多くの人が賃金上昇を心配するのに飽き飽きしている。特に、インフレ率が下がろうとしている中では。インフレ率が賃金上昇率を下回ろうとしている。それら2つが同時に上昇していないのだ。そして、貯蓄率が劇的に下落している。FEDベトナム方式を取っている。村を救うために、破壊するようなもの。人が居ないのに、引き締めている。パウエルが今朝言ったように、人がいないのだ。金利を上げても、それは解決しない。

ーラスベガスを見ると、カネをばらまいている。2021年比で20%増。経済が崩壊(demise)していると言われているが、誇張しすぎではないか?

<マイケル>Yesであり、Noである。消費者はまだ復讐的な消費をしている。パンデミックが明けたあと、多くの人が旅行に出かけた。今の消費もそれと同じ。人々は収入が増えたことに気を良くしている。それがインフレに追い付いていないとしてもだ。消費が2/3を占める経済において、彼らの気分は重要なのだ。ロンが言ったように、貯蓄率は9.3%から3.1%に下落した。クレジットカードの借り入れも増加している。消費者はカネを使い果たそうとしているが、態度までは使い切っていないのだ。時期は分からないが、それも時間の問題。

ー企業側を見ると、Wall Streetのボーナスカットがニュースになっている。テック企業はコストをカットしている。企業は消費者よりもシリアスに捉えているということか?それが経済をリセッションに追い込むだろうか?

<ロン>Wall StreetとSillicon Valleyが我々をリセッションに落とし込むとは言わないが、イールドカーブは大きく反転し、歴史的には、ある程度の時間差があったのち、リセッションに陥る。今回はその時間差は長くないだろう。既に住宅市場はリセッションだ。マイケルが言ったように、消費者は使い過ぎだ。時間の問題。FEDはやり過ぎたのだ。

う~ん、間違った事を言っているとは思わないが、ちょっとした酒場の会話みたいな・・・。

まぁ、いいか。

 

■ 昨日も皆大好きシーゲル教授がCNBCに出ていたので、ご紹介。司会のスコット・ワプナーの質問を無視して、言いたい放題(笑);

www.youtube.com

ー10月のlowから長く戻してきました。ここからどうなるでしょう?年末に向けて上がるのか、今日出た雇用統計によってレールから外れるのか。

・そうは思わない。私は今日の雇用統計を”あっちっち(Hot Hot Hot)”とは捉えていない。Household surveyの方は-150Kだった。そして人々は労働時間を無視している。それは下落したのだ。0.1時間だけであるが、200K人分以上の労働を失ったに等しい。経済にとって重要なのは、何人が働ているかではなく、どれだけ働いたかなのだ。この雇用統計を酷い(terrible)とは言わないが、強いとは考えない。

 次に賃金について話をしたい。

ーまず株の話をしましょう。今日は、雇用統計で下げたあと、大きく戻した。Dowはプラスだったし、S&Pは200DMAをうわまわった。これで道が開けたと思いますか?

・人々は(この雇用統計を)Hotだと思わなかったのだろう。

 ところで、賃金上昇率は5%だ。インフレ率は8%。賃金はまったく追い付いていない。私を悩ましているのは、FEDの政策が賃金を抑えこみ、インフレ率を2%に戻そうとしていることだ。FEDは「労働者の賃金がインフレに追い付くのを妨げてやる」と言っているようなもの。それはキチガイ的(insane)な政策だ。

 私はブラードと話をした。彼はwage inflation(賃金上昇がインフレを主導している)と言っていた。私はそう思わない。彼はタカ派過ぎだ。労働者は購買力を失い、それに追い付こうとしているだけ。それをFEDが壊しにかかっている。それは超悪い政策(extreme bad policy)だ。賃金上昇がインフレ的だとは思わない。それは賃金上昇がインフレを上回った時に使う言葉だ。

 例えば昨日出たISM pricesを見てくれ。パンデミック初期を除けば、15年間で初めての下落だ。そのほか全てのprice indexが下げている。物価はFEDの利上げを素直に受け入れ、大きく減少している。

 FEDは0.5%利上げをするだろう。データ次第だが、2月(※1)には利上げしないだろう。まだそれを示すものはないが。しかしそれ(利上げしない)が起きれば、株にも債券にも良い。

ー2週間前、あなたは「インフレは基本的に終わった」と言っていた。

・今もそう思っている。賃金上昇はインフレ的ではない。その他私が見ている物価は下げている。ISMは述べた通りだ。住宅価格や賃料も下がっている。インフレがスローダウンしているのではない。多くの重要なカテゴリーでnegative inflationになっている(※2)。それがCPIに反映される。これまでも言ってきたように、BLSの統計手法では住居費にラグがある。まだ上昇するだろう。それを言い訳にしてFEDは利上げを続けている。私は今も「インフレは基本的に終わった」と思っている。賃金はインフレに追い付こうとしているだけだ。FEDはそれを妨げてはならない。

※1:2023年最初のFOMCは1/31~2/1に開催予定

※2:どうしてデフレって言わないのでしょうネ?

 

■ ジム・ビアンコがこんなツイートをしていた「パウエルは株&住宅の高騰が労働市場過熱の原因と考えているので、(30日の)株高騰はFEDの利上げを後押しするだろう」的な;

彼が引用しているのは、11/30のパウエル発言(原稿)。本物はこちら;

Speech by Chair Powell on inflation and the labor market - Federal Reserve Board

Some of the participation gap reflects workers who are still out of the labor force because they are sick with COVID-19 or continue to suffer lingering symptoms from previous COVID infections ("long COVID").5 But recent research by Fed economists finds that the participation gap is now mostly due to excess retirements—that is, retirements in excess of what would have been expected from population aging alone.6 These excess retirements might now account for more than 2 million of the 3‑1/2 million shortfall in the labor force.7

What explains these excess retirements? Health issues have surely played a role, as COVID has posed a particularly large threat to the lives and health of the elderly.8 In addition, many older workers lost their jobs in the early stages of the pandemic, when layoffs were historically high. The cost of finding new employment may have appeared particularly large for these workers, given pandemic-related disruptions to the work environment and health concerns.9 Also, gains in the stock market and rising house prices in the first two years of the pandemic contributed to an increase in wealth that likely facilitated early retirement for some people.

超要約すると、こんな感じ;

労働市場が引き締まっているのは、労働参加率が下がっているから。それはリタイヤした人が多いから。200万人も超過している。

その理由は様々だ。年寄りがコロナを怖がったり、パンデミック初期にレイオフされた歳とった労働者が新たな職を見つけにくくなっている。さらに、株式市場や住宅価格の高騰が富を増大させ、それがいくらかの人々の早期リタイアを促した可能性が高い

なので、利上げにより株価と住宅価格を下げ、早期リタイアした人を労働市場に引き戻したいのだろうだ。

ふ~ん。

ちなみに、最近は、労働者不足の原因を海外労働者受入れ不足に求める論調が多く感じる。

こちらのサイトで米国へのVisaを取るための面接待ち時間(日数)で調べられる;
Visa Appointment Wait Times

ためしにMumbai(ムンバイ、インド)を入れてみるとこんな感じ;

visa appointment wait time, Mumbai 2022/12/3

Bは短期商用visa。Hは専門職(IT職、医者・・・)。Lは駐在員。

Visaの面接に1年待たされるって・・・。

 

 

さらに、パウエルは賃金上昇にも言及していたヨ;

Wage growth, too, shows only tentative signs of returning to balance. Some measures of wage growth have ticked down recently (figure 6). But the declines are very modest so far relative to earlier increases and still leave wage growth well above levels consistent with 2 percent inflation over time. To be clear, strong wage growth is a good thing. But for wage growth to be sustainable, it needs to be consistent with 2 percent inflation.

超要約すると

賃金上昇は持続可能でなければならない。すなわち、インフレターゲットである2%と整合性がとれていなければいけない

シーゲル教授が指摘したように「だから今の賃金上昇率は高すぎる、下がらなければ?下げなければ?いけない」ってことネ。

 

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