塾長です。
昨日(米国12/20)のビッグニュースは日銀の実質利上げでした。おかげで日本株下落、円高。金利に敏感なREITが悲惨な状態。米国株は反応せず。米国債券は下落(利回り上昇)。
S&P500、3,821(+0.10%)
Nasdaq、10,547(+0.01%)
【米国市況】日銀ショックで円急伸、一時130円台半ば-株は反発 - Bloomberg
原油、76.02
10年債、3.6840
ドル円、131.8870
Bitcoin、16,902
11月 住宅着工件数、142.7万件(予想141.0万件)
11月 住宅建築許可件数、134.2万件(150.0万件)
11月 住宅着工件数[前月比]、-0.3%(-1.7%)
11月 住宅建築許可件数[前月比]、-11.2%(-2.0%)
米住宅着工件数は減少、建設許可件数も急減-一戸建てが不振 - Bloomberg
■ 日銀利上げ関連;
黒田ショック走る、日銀の緩和修正は出口に向けた市場混乱の始まりか - Bloomberg
円急騰は始まったばかり、日銀政策調整はヘッジ誘発へ-ソシエテG - Bloomberg
みずほで年間350億円のプラス効果、YCC修正で銀行収益改善へ - Bloomberg
日銀の緩和修正は「出口への一歩」「驚天動地」-エコノミストの見方 - Bloomberg
完全なサプライズだったので、皆さん解釈に苦しんでいる。多くの人は金融政策正常化(=YCCをやめ、短期金利を引き上げる)への第一歩と捉えているようだ。
◆ モハメド・エルエライアンもその一人;
日銀は、持続不可能な金融政策から抜け出そうとしている。彼らはそれを口にできないのだが。
彼らは今日2つ上手くやった。1つはQEを拡大した。日銀は市場に対して「0.5%の上限を試したいなら、やってみる。俺は限りなく買ってやる」と言ったのだ。よって、発表直後に誰も0.5%上限を試そうとしなかった。
2つ目は、流動性が少ない時期にやってきたことだ。
良いニュースは、正常化に向けたプロセスを制御できている点。日本の機関投資家が投げ売りをしなくて済む。しかし、このアプローチも長期に見れば、持続不可能になるだろう。
日銀は、英国で起きたような、国債の投げ売りを望んでいない。彼らのプロセスはとてもゆっくりしたものになる。
◆ 元FRB副議長 ロジャー・ファーガソンも同じような見方;
市場は、超緩和的金融政策の終了だと受け取った。私もそうであろうと思う。日本でもインフレが進んできた。来年は2%物価上昇と言われている。そうであれば、超緩和的金融政策は役目を終えた。
一つ認識しておくべきなのは、超低金利によって、日本が世界に資本を輸出してきた点だ。今年7月、日本は世界で最も米国債を多く保有していた。この政策変更により、日本人は日本に資本を持つことのメリットが出てくる。それが世界中の債券市場に影響を及ぼす。
来年の新総裁がどうするかにも注目だ。
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◆ こちら(↓)の動画では、ピーター・ブックヴァーがこんな解説をしていた;
・日銀が長年、長期金利を抑えつけたため、銀行システムが壊れてしまった。日経銀行インデックスは1989年以来、名目88%下落した。銀行システムを壊してしまって、健康的な経済があるだろうか?低金利によって銀行がカネを貸すことを狙っていたが、実際はそうならず、経済を抑圧していたのだ。
・かつてはECBもマイナス金利政策をとっており、日銀とともに国債を買う資金の供給源になってきた。ECBは利上げし、日銀のYCCの幅もさらに広がるかもしれない。
今年中央銀行は国債を売ってきた。さらに売る可能性がある。銀行などもだ。Bank of Englandがそうだったように、米国も国債金利のコントロールを失う可能性がある。
◆ ジム・ビアンコは超要約版で;
日銀政策変更はインフレのせいだ。あの日本でさえインフレになっている。
2023年、2%を超えると言われている。
日本が2%のとき、米国が2%に戻すのはとても難しい。
FEDが来年pivotすると考えている人は、考え直した方が良い。
◆ 陰謀論を振りかざしている人がいないので、面白くありません。
考えられる陰謀論としては・・・;
・これは金融引締め、政策転換ではなく、円高誘導するためのサプライズイベントだった。
・岸田政権(/財務省)は財政規律を取り戻そうとしている。岸田さんが黒田さんに「あなたも良くやった。次期総裁が利上げしやすいように、方向転換してくれ」と頼んだ。
・米国政府/FEDから「日本が超緩和姿勢でいるから、資本が世界(=米国)に流入し、インフレが止まらないじゃないか。さっさと利上げしろ」と怒られた。
という辺りでしょうか?
毎年恒例、米国のつなぎ予算;
米議会、1.7兆ドルの歳出法案発表 軍事費は過去最高 | ロイター
上下両院指導部は、政府機関閉鎖を回避するため、今週中に法案を可決し、バイデン大統領に送付することを目指している。
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週内に可決できなければ、24日から政府機関が一部閉鎖される可能性がある。来年1月3日には、共和党が下院で多数派を握るため、数カ月にわたって審議が膠着する恐れもある。
米国ではこの手の法案に対して、全然関係ないものを混ぜ込んでくる傾向がある。そのうち様々な解説も出てくるはず。楽しみにしていましょう。
なし。
■ 日銀関係で時間を取ってしまったので、最後に一つだけ;
米3M、「永遠の化学物質」の生産・使用を25年末までに中止 - Bloomberg
日本でも去年あたりから大きく取り上げられるようになったPFAS。米国では巨額賠償訴訟に発展しそうな勢い;
City Files Lawsuit Against 3M, DuPont, Other Chemical Companies for PFAS | Law Department | City of Philadelphia
3M、DuPont株には要注意。
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