塾長です。
3連休後の昨日(米国2/21)、米株はようやく金利上昇を織り込み始め、下落。しかも大幅に。
S&P500、3,997(-2.00%)
Nasdaq、11,492(-2.50%)
【米国市況】利回り急伸し株は大幅安、利上げ予想修正-ドル135円付近 - Bloomberg
原油、76.05
10年債、3.9550
ドル円、134.9620
Bitcoin、24,383
10年債が4%ならポートフォリオに組み入れたいが、円安なので買えない。
去年と同じ。
2月 製造業PMI、47.8(予想47.3)
2月 サービス業PMI、50.5(47.2)
2月 コンポジットPMI、50.2(47.4)
1月 中古住宅販売件数、400.0万件(413.0万件)
同[前月比]、-0.7%(2.1%)
米企業活動、2月PMIは小幅ながらも拡大圏-サービスが持ち直し - Bloomberg
総合指数の雇用サブ指数は5カ月ぶりの水準に上昇し、堅調な労働需要が続いていることを示唆した。
米中古住宅販売、1月は0.7%減の年換算400万戸-市場予想下回る - Bloomberg
なし。
なし。
なし。
■ 決算はHome Depot、Walmart。
ウォルマート、11-1月決算は予想上回る-通期利益見通しは慎重 - Bloomberg
ジョン・レイニー最高財務責任者(CFO)21日、金利が上昇し、貯蓄率が低下する中、消費者は圧迫されていると説明。ウォルマート自体も金利費用の増加や税、南アフリカ共和国の小売企業取得などの影響といった圧力にさらされている。
先週、PepsiCoなどから「消費者は強い」と聞いたのですが?
米ホーム・デポ株が大幅安、DIY需要鈍化で通期減益を見込む - Bloomberg
テッド・デッカー最高経営責任者(CEO)はアナリストとの電話会見で、「さまざまな流れが交錯する特異な環境」を指摘。「ホームインプルーブメント需要は鈍化する見通しだ」と述べた。
住宅販売件数が減っているのに、ホームインプルーブメント需要だけが高止まりしていた方がオカシかった。
■ 強気派ジェレミー・シーゲル教授、弱気派マイク・ウィルソン、去年弱気派に転向したマルコ・コラノヴィック。
◆ シーゲル教授から;
ーHome Depotのニュースは見ましたよね。経済はそれほど過熱していないという事でしょうか?
・今年に入って、企業は保守的に見積もっている。
FEDのメンバーはFOMCの前週にスタッフと集まり、最新のデータを検討する。私自身、1月の雇用統計の強さに驚いたと言わざるを得ない。しかい、次回の3月FOMCまでには2月雇用統計が出る。10月8日(と言っているが、3/8の間違い)、1月JOLTSが出る。そこで大きな減速が見られれば、パウエル議長は0.25%利上げを好むだろう。しかし、強い数字が出れば、0.5%は検討対象となるだろう。私は0.5%利上げがあると思わないが。1月雇用統計は驚くべきモノだった。
ー株式市場の動きはどう思いますか?
・興味深いのは、金利が上昇したのと同時に、リセッションの可能性が減少したこと。株価は企業利益と金利で決まる。強い雇用統計が意味するのは、強い消費、FEDが予想する以上のGDP、企業利益増加である。一方、そうなれば、FEDは金融環境を引き締める。それらの間に挟まれた株式市場は様子見状態(standoff)だったと言える。債券市場はそうではない。なぜなら債券市場に企業利益は関係ないから。それが気にするのはFEDとインフレのみである。
ー債券を持ちたいですか?30年金利は3.9%、2年債は4.6%。いくつかのネット銀行は高い金利を提供している。
・誰もが今週金曜日に発表されるPCEについて語っている。高く出るだろう。金利は上昇し、インフレが制御できていないと言われるだろう。一方、現場のデータは、例えばコモディティ価格は下がり続けている。ガソリン、原油は下がっている。住宅指標、アパート賃料は下がっている。多くのディス・インフレが見られるが、それらはPCEデフレータ、CPIのようなラグのある統計には表れてこない。我々は、パウエルがそれら統計にラグがあると認めたのを知っている。だから住居費を除いた数字を見ている。サービスセクターはいつも最後に落ちて行く。これを覚えていて欲しい。FEDが金利を引き上げ始めたのは、たったの11か月前だと言う事を。11か月後にインフレ率が2%に向っていないというだけでパニックになるべきではない。金利引き上げの累積効果がやってくる。FED自身もそれを認めている。
「金利が上昇しているので(企業利益が向上しなければ)必然的に株価は下がる」と(暗に)言っている。
そして「FEDは金融引締めが効果を表すのに時間がかかると認めているので、金利引上げ再加速はしない」というお話でした。
◆ マイク・ウィルソン;
ー最新のデータ、CPI、PPI、雇用統計は、FEDのpause、pivotがすぐに起きない事を示している。それは短期的に変化するでしょうか?
・そうは思わない。FEDには(物価安定という)仕事がある。スタートは遅かったが、本気を見せている。我々は2月FOMCでpivotの可能性があると思っていたが、1月雇用統計が強く出た。FEDは再度物価上昇が起きる可能性を排除したいだろう。我々は、最低でも2つ(=0.5%)の金利引上げ、もしかしたら3つ(=0.75%)を予想している。過去30日間で、それは債券市場に織り込まれた。株式市場は無視している。株は高すぎる。それを正当化する理由は無い。企業利益が改善する様子はない。
ー今年末のS&P500ターゲットは?
・我々のベースケースでは、S&P500企業利益は195ドル。弱気ケースでは、リセッションに陥り、180~185ドル。リセッションは回避可能だと考えている。
我々の顧客は、経済データだけでなく、企業利益は思ったほど悪くなかったと思っているが、それに同意しない。今朝出た小売(Home Depot、Walmart)がそれを証明している。profitabilityが問題だ。インフレ率、operating leveledgeが上昇する。これは世界の終わりではない。通過する事ができる。2008年 金融危機のような事は起こらない。通常のearning resessionである。コロナで楽しみ過ぎた企業利益が落ちてくるだけのこと。
ーマルチプルも下がるのでしょうか?180かける、15ですか?
・行き過ぎることもある。我々の(S&P500年末)予想は3,000~3,300。過去6~9か月間変化していない。3,300になるだろう。少なくとも2022年10月の底は試す。それはコンセンサスからは外れている。多くの人はsoft landing、FEDのpivotを予想している。最終的にFEDはpivotするだろうが、それを見越すのは危険なことだ。
結局、最後の部分がポイント。
「株は下がるから、今のうちに売って(or shortして)下がった所を買え(そのタイミングを捉えるのは素人には無理なので、俺たちMorgan Stanleyにカネを預けろ、儲けさせてやるからサ。その間、儲かっても儲からなくても、手数料を取るし、儲からなくてもペナルティーは払わないけどね!)」と言っている。
◆ マルコ・コラノヴィックは若干カットして・・・;
こんな事を言っている;
- 金利が上がっているので、株価にはプレッシャーがかかっている。
- 個別企業業績はあまり関係ない。金利が全て。
- 短期的には株価は下がる。sell-offがあり(2022年10月の)底を試す。その後FEDが金利引き下げシグナルを出して、株がラリー。年末S&P500目標は4,200、EPS 205ドル(注:なので、マルチプル20)。これが実現するかはFED次第。
元々彼が2022年に強気だった理由は「FEDがpivotするから」でした。そしてpivotしなかったので、弱気派に転向。
で、今回話を聞いてみると、またFEDのpivotを期待して、今年末時点での株高を予想している(今年既に4,176を付けているので、ヨコとも言える)。
そういう意味では、彼自身は強気から弱気に転向(pivot)したのではなく、株高予想時期を後ろ倒ししただけですネ。
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