塾長です。
昨日は(米国)5/31なので、月末。月間でS&Pは4,169→4,179なので、+0.24%・・・。レンジ相場が続いている。
S&P500、4,179(-0.61%)
Nasdaq、12,935(-0.63%)
【米国市況】株下落、月間ベースの上昇分はほぼ帳消し-139円台前半 - Bloomberg
原油、67.68
10年債、3.6370
ドル円、139.0720
Bitcoin、27,194
5月 シカゴPMI、404(予想47.6)
4月 JOLTS求人件数、1010.3万人(944.0万人)
米求人件数、4月は1010万件と3カ月ぶり高水準-全予想を上回る - Bloomberg
労働省雇用動態調査(JOLTS)は回答率が低いため、信頼性を疑問視するエコノミストもいる。回答率は昨年末までに約31%に低下し、3年前のおよそ半分となった。
■ジェファーソン、ハーカーがpauseを示唆;
ジェファーソンFRB理事、6月利上げ停止示唆-終了は意味せず - Bloomberg
ジェファーソン理事は金融安定性と経済に関するスピーチで、「次回会合で政策金利の据え置きを決定しても、今サイクルのピーク金利に達したと解釈すべきではない」と指摘。「実際には、次回会合で利上げを見送ることにより、FOMCはより多くのデータを見てから追加引き締めの程度について決定できるだろう」
6月FOMCは利上げ見合わせを-フィラデルフィア連銀総裁 - Bloomberg
「一度少し様子を見ていいだろうと思う」とハーカー総裁は同連銀主催のイベントで発言。「6月会合では、私は利上げ見合わせを検討する陣営に確実に入っている」と述べた。
■ベージュブック;
米地区連銀経済報告、景気鈍化の兆し指摘-雇用とインフレが減速 - Bloomberg
「雇用は大半の連銀管轄地区で増加したが、これまでの報告よりも緩やかなペースだった」
「物価は前回の報告後に緩やかに上昇したが、多くの地区で上昇ペースは減速した」
米債務上限法案、下院可決に両陣営が自信表明-東部時間31日夜採決 - Bloomberg
なし。
■決算はSalesforce、Advanced Auto Parts;
◆セールスフォースがさえない売り上げ見通し、利益重視背景に-株下落 - Bloomberg
5-7月(第2四半期)は、短期需要の指標となる受注残が10%増となる見通し。アナリスト予想平均は11%余りの増加だった。同社は通期売上高が10%増の約346億ドル(約4兆8200億円)になるとの見通しは据え置いた。株価は時間外取引で一時約3%下げた。
最終的に時間外で-5.68%、210.70ドルまで下落。
エリオット(アクティビストファンド)が株を買っていて、期待が高っただけに、落胆は大きかった模様;
アクティビストのエリオット、セールスフォース株式数十億ドル規模を取得 - Bloomberg
セールスフォース、エリオットとの取締役候補巡る委任状争奪戦回避 | ロイター
そもそも株価が上がり過ぎていた。こちら1年間チャート;
PERは驚異の1,015倍。
だからこそ、エリオットは「これだけ売上を作ったのだから、事業拡大投資ではなく、株主還元にまわせ」と言っているのだと思う。
それに対して、この決算(見通し)によってベニオフCEOは「いやいや、これからも事業拡大のために投資しなければ、見通しは暗くなり、株価も下がりますよ。株主還元なんて、まだ先の話」と回答した感じ?
◆Advanced Auto Parts(AAP)の方はまったく注目していなかったが、株価が3割下落したということで、取り上げてみましたヨ;
Advance Auto Parts tanks 33% after slashing guidance and dividend
The automobile parts retailer posted first quarter adjusted earnings per share of $0.72, widely missing Wall Street consensus estimates of $2.65. The company also posted top-line revenue of $3.4 billion, missing Street estimates of around $3.4 billion
記事はこのあと
・FY2023 EPS見通しを$10.20-$11.20から$6.00-$6.50に引下げ
・四半期配当を$1.50から$0.25に引下げ
・キャッシュフロー見通しを$400Mから$200-$300に引下げ
・新規出店数の見通し60-80を40-60に引下げ
と報道している。
ここまで酷い決算は珍しい。
リーマンショック、コロナのような巨大外部要因か、不正でもなければ、普通、こうなるまでに結果は分かるので、決算前に見通し引下げを発表するもの。
CNBC常連 ジェニー・ハリントンはAAP株を持っていたらしく、こんな風に説明している(生放送でポートフォリオマネージャが釈明するのを聞く機会は多くないので、全訳で!);
ーAAP株は35%下落している。過去最悪の日だろう。
・少なくとも私にとっての最悪の日だ。
ーで、どうしますか?
・これについて生放送でしゃべると気が晴れますよ、ハハハ。
まず、私をfollowして株を買っていた人に謝りたい。申し訳ない。
そもそも何故この株を買っていたかというと、2007年のリセッションでも売上・利益を伸ばしていたから。(今後)リセッションがあっても、会社はある程度成長する、配当でカバーできると思ったからだ。
これは経営者の問題だ。1、2か月前、あなたはAAPと同業者であるO'Reillly、Autozoneとのバリュエーションの違いについて尋ねましたね。私は経営者の問題だと答えた。AAPの経営者は、O’Reilly、Autozoneに比べて悪い。その時、売られ過ぎだと思ったのだが、実際はAAPの経営者がこれほど悪いとは理解していなかったのだ。Autozoneは先週決算だった。彼らの売上は少し伸びた。マージンはホドホド。利益も程々。一方、AAPのマージン、利益は恐ろしく悪い。超絶にアグレッシブな価格戦略を取ったからだろう。
決算が悪かっただけではない。株主を裏切り、疎外した。彼らは2年前、大幅な株主還元策を発表していた。その時、AAPはキャッシュフローは一定だ、リセッションになれば人々は車をより長く所有する、我々はそれに対応するパーツを持っていると、と言っていた。それがまったく機能しなかったことになる。
私はこれから何をするかだが・・・。株は売られ過ぎだと思う。privateになるレベルだ。ビジネスはきちんとしている。経営者が悪い。私の仕事は損失を最小限にすること。損失は出るが、35%下落は売られ過ぎ。78ドルが合理的だ。AAPは利益を出している。彼らは利益6ドル/株とガイドした。これは2017年と同じレベルだが、当時より大きく・良いビジネスである。一株あたり6ドルの利益で、株価が80ドル程度であれば、それなりのバリュエーションと言えるだろう。それが底(trough)だろう。私はincomeポートフォリオを管理しているので、売らなければいけない。今日ではなく、将来に売る。
ーAAPは配当85%減を同時に発表しましたよ。
・その通り。私はそれを受け入れなければならない。最悪だ。株主は配当を期待していた。成長株投資家はAAP株を買わない、配当狙いの投資家も買わない。超割安株、投げ売りされた株を買う投資家を待つ必要がある。
一つ付け加えさせて欲しい。減配されたとき、人々は「なんてことだ!」と驚く。しかし、30~35で構成されるポートフォリオを持っていれば、、、会社経営と同じで、35人の従業員がいれば、毎年一人は辞めるもの。新しく一人雇えば良い。幸い、私のポートフォリオの中でAAPは平均的サイズだ。ポートフォリオがダメになるわけではない。AAPをクビにして、新しい株を買うだけ。幸運にも、私には新しく買いたい株がある。
脇汗ダラダラかいてるのが想像できる。
個別株コワイ。
■最後は強気派トム・リー;
ーあなたはいつも強気の見通しをだしてくれますが、S&Pは年末にどこまで上がっているでしょう?債務上限問題はほぼ片付きました。上昇するカタリストは何でしょう?
・重要な質問だ。ほぼ年の中央にきて、株は10%上昇している。誰もが同じ質問をする。今は株に投資して良い時期か?と。これから年末にかけてさらに10%上昇する理由がある。前回高値と並ぶくらいまでの上昇だ。インフレは、凸凹したデータは出ているが、継続的に下落傾向を示している。CPIの中で大きな割合を占める中古車は下がっている。
ーそうですね、AAPもHmeDepotもそのように示している。自動車部品、建材価格が下がっていると。
・その通りだ。これらが未だCPIに表れていないとしても、多くのCEOのコメントは、ベージュブックでさえ、この見方を支持している。将来のインフレ圧力は無くなっている、と。
これが意味するのは、FEDはそれほど市場を強くたたかなくて良くなる。FEDはタカ派度合いを和らげている。地方銀行を心配し、一時的にpauseする。その一方で、CNCB出演者が指摘していたように、多くのキャッシュがサイドラインにある。その理由は債務上限問題だったり、FEDを待っていたりするからだ。一方、時価総額のほとんどは上位株に集中し、ドットコムバブルと同じレベルにある。
ー既に株は10%上昇した。それでも現金がサイドラインにある。なぜここからさらに上がると信じられるだろうか?
・良い質問だ。どれくらいdiscountされているかの問題だ。去年、株価は27%下落した。多くの決算がdiscountされた。fundamentalsを重視する投資家は、より建設的になっている。企業利益は底を打った。テックだけでなく、その他の業種も。テクニカルに見ても、より多くの株が上昇に加わっている。値上がりしている株の数は少ないが、catch-up tradeが来る。それは自動車から始まるかも知れないし、金融かも知れない。どこから始まるとは言えないが、FAANGがリードし、最初に底を打ち、今年約50%上昇した。今年後半、他の業種が追ってくるだろう。
ーFAANGですか?NはNetflixからnVidiaに代わりましたね。大きく値上がりした。AIが押し上げている。巨大な株、Apple、Microsoftなどは調子が良い。AIの熱狂は既に織り込み済みだったりしませんか?
・nVidiaは決算前にそれほどショートされていなかったのに、大きく上昇した。FEDはAIが使われるのを好むだろう。それがインフレ圧力を押さえつけるから。なのでFEDはAIでFAANG株が上昇しても良いと考えるだろう。Netflix、Amazon、Teslaのような株でさえ、株価上昇に加わり始めている。
文脈が失われて分かりにくいが・・・、
・インフレは下落基調にあるので、利上げは打ち止め。(←6、7月ともに0.25%利上げされると言われ始めているのに対する反論)
・一部株がリードして、出遅れ株が追い付いてくる。企業利益が底を打ったから。(←最近、株価上昇は一部の株だけに集中しており持続的ではない、という批判/弱気見通しを語る人が多いのに対する反論)
・AIはデフレ的だから、FEDはAI起点の株価上昇には目をつぶる。(←株価が上昇すれば資産効果によりインフレ圧力が高まるので、FEDは株式市場の過熱を抑えるため利上げを続けるだろう、という言説に対する反論)。
と言っている。
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