塾長です。
昨日(米国5/1)はFOMC後の会見でパウエルがタカ派転換しなかったので株高かと思いきや、反転下降。QT減速を決めたのに、10年債利回りが下落しており、何が何やら・・・。
S&P500、5,018(-0.34%)
Nasdaq、15,605(-0.23%)
【米国市況】円は一時153円台に突入、FOMC後に米国債利回り低下 - Bloomberg
原油、79.03
10年債、4.5950
ドル円、155.1880
Bitcoin、57,912
円が対ドルで上げ加速、一時153円台-円買い介入の観測浮上 - Bloomberg
4月 ADP雇用者数[前月比]、19.2万人(予想18.0万人)
4月 製造業PMI、50.0(49.9)
3月 JOLTS、848.8万人(868.0万人)
4月 ISM製造業景気指数、49.2(50.1)
米ADP民間雇用者数、4月は予想上回る増加-賃金の伸びは鈍化 - Bloomberg
3月の米求人件数、21年以来の低水準-労働市場の軟化進行を示唆 - Bloomberg
米ISM製造業指数、再び縮小圏-仕入れ価格は22年以来の高水準 - Bloomberg
■FOMC;
FOMC、政策金利据え置き-インフレ沈静化の進展は失速 - Bloomberg
パウエル会見動画はこちら;
大きなサプライズなし。良いデータに目を向けて、タカ派転換しなかったのがサプライズと言えば、サプライズ。
以前ローレンス・サマーズが「パウエルは利下げしたくてウズウズしている」と言っていたが、そんな雰囲気。
金融政策とは全然関係ないのだけれど、記者から「反対票が出ないのはなぜか?」と聞かれ、「我々はかつてない程多様化している。多様化が足りないのでは?と良く聞かれるが、何を言っているのか分からない」と回答。
・・・。
「グループ内に異なる人種・性別・バックグラウンドの人がいる」というのと、「多様な意見が出る」はまったくの別モノですよ?
米財務省、四半期入札の規模を据え置き-5月から買い戻し開始 - Bloomberg
なし。
■MasterCardなどが決算;
Mastercard (MA) Q1 Earnings Beat on Steady Spending, '24 View Cut
-2.02%。
■〆は債券王 ジェフリー・ガンドラック。毎度のことですが、CNBC版は前半のみ(後半の投資に関する部分は有料)。後日、ガンドラックの会社(DoubelLine)で前後半合わせた完全版が出るハズ;
ーFOMC/パウエル会見へのリアクションは?
・最も重要な言葉は”unlikely(ありそうにない)”だ。次の金融政策変更が利上げになるのはunlikelyだそうだ。彼は、出ているデータから利上げを熟考していないようで、利上げは無いと示唆していた。しかしインフレが3%以下であると言ったのは率直とは言えない。2022年のジャクソンホールでSuper Core CPI、Super Core PCEを持ち出した。Super Core PCEは食品、エネルギー、住居費を除いたもので、年率3.3%上昇している。誰も語らないが、Super Core CPIは年率4.8%上昇している。年末時点で2024年1QのヘッドラインCPIは3.5%ではなく、2.7%と予想されていた。
私には、彼が利上げ無しにインフレデータが下がるのを望んでいるように聞こえた。彼が設定したフレームのデータが1Qに下がらなかったのは、一時的だと感じているのだと思う。それは後になって分かるだろう。原油価格が1バレル80ドルの環境で、インフレ率が持続的に3%以下に下がるようには思えない。特にコアに関しては。市場は利上げの考慮を予想していたが、それは起きなかった。市場は喜んでいるようだ。株は垂直方向に上昇した。株も投資不適格債も大きく上昇した。今朝は社債、エマージング市場の債券が下げていたのが、今は緑色になっている※1。
これは非常に興味深い。誰もがハッピーになった転換(pivot)が起きたのは2023年11月1日だった。興味深いことに、それ以降金利はほとんど上昇していない。上昇、下降、上昇しただけで、債券市場はトレーディングレンジの中にいる。直近では株式市場も同じ。私にとって、このFOMCは、それが続くと示唆している。
ー私には、パウエルは「絶対利下げしないぞ」と言ったというより、「利下げはまだだ」と言ったけでに聞こえました。Goldmanは未だに年内2回の利下げを予想している。住居費の低下に時間差(ラグ)があるのと、もうサプライ・ショックが無いからだ、と言っている。
あなたはいつ最初の利下げがあると思いますか?今年何回あるでしょう?
・3月のドットプロットで示された3回というのはあり得そうにない。私がインフレやコモディティー市場を見ていると、今年の利下げは1回になりそうだ。6月ではないだろう。利下げに十分なデータが揃わない。彼は「インフレに進展が欠けている」と表現していた。彼がそう言ったのは、データを軽視(disrespect)できないからだ。一つ興味深かったのは、彼は失業率0.2%ポイント程度の動きでは金融緩和するカタリストにはならないと言った。彼は(利下げするために)失業率を4%、4.2%くらいにする必要があるということだ。今後の動きに注目だ。失業率は最近少しだけ上昇したが、インフレとの戦いの重要度が減るほどではない。FEDには2つの責務があり、雇用市場は強く、インフレは、彼が言ったように、進捗を欠いている。なので、私は年内1回利下げに傾いている。3回はまったくありそうになり。「高金利を長く続ける(higher for longer)」のマントラが利上げ無しに続いている。この環境は我々が宣伝し、実行してきた戦略に良い。過去6か月うまく行った。リスクの少ない証券、債券に投資し、イールドを得るというものだ。
※1:パウエル会見後(このインタビューが行われた時点)で上昇したが、最終的に下げに転じた。
ということで、ガンドラックは・・・、
・パウエルがかつて作り出したsuper core(変動の大きいエネルギー&食品だけでなく、時間差のある住居費をも除いたインフレ率)は高い水準に留まっている。
(注:「パウエルはsuper coreという新たな指標を作っておいて、それが期待するような数字を出さないので言及しなくなった。それは不誠実だ」と責めている。まぁ、企業の決算資料等にも同じ傾向があるので、ウルサク言っても仕方がない)
・原油価格が高止まりしているので、今後のインフレ率低下はあまり望めないだろう。
・なので6月のFOMCで利下げはしない。年内1回だ。高金利が続くことになる。
・我々は安全な株、債券に投資してイールド(配当、金利)を得る戦略を取っている。それを継続するつもりだ。
と言っている。
最後に「安全な株、債券に投資してイールドを得る戦略」の詳しい話をしようとした所でカット。上に書いたように、残りはDoubleLineのyoutubeチャネルで後日配信されるので、お楽しみに。
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