塾長です。
昨日(米国8/9)の米株は上昇。キャリートレード巻き戻しは終了?いろいろな分析があるようですが※、要するに「分からない」という事らしい。
※:キャリートレード巻き戻しさらに進行へ、1ドル100円も-BNY - Bloomberg
S&P500、5,344(+0.47%)
Nasdaq、16,745(+0.51%)
【米国市況】株続伸、2日間の上げ幅が今年最大-円は146円台に上昇 - Bloomberg
・・・5日のパニック売りを含め、多くの上げ下げを繰り返した末、S&P500種は週間ベースでの下げをほぼ埋めた。商いが比較的薄い中、大半の主要な業種別指数が値上がりした。ただ、週間では昨年9月以来最長の4週続落。
原油、76.98
10年債、3.9420
ドル円、146.6340
Bitcoin、60,469
なし。
なし。
なし。
なし。
■注目決算なし。
目立ったところではFive9(コールセンタ向けソフトウェアをクラウドで提供)が-26.49%下落しているくらい。
決算数字は悪くなかったようですが、成長鈍化が懸念材料らしい;
Five9 (NASDAQ:FIVN) Beats Q2 Sales Targets But Stock Drops
■CiscoがIntelやDellに続き人員削減;
シスコシステムズ、新たに数千人の従業員を削減へ-ロイター - Bloomberg
-0.79%
■〆はWells Fargo クリス・ハーヴェイ;
ーこのような市場は見たことが無いそうですね?
・そうだ、見たことが無い。前回いつ先進国市場が-12%、+10%動き、中央銀行が「おっと、もうやりません」と言ったのを見ましたか?見たことはないはずだ。我々は用心している。なぜならこれは普通ではないからだ。1998年との類似性も普通ではない。1998年は大型株が小型株より選好され、新経済 対 旧経済だった。そこにLTCM[の破綻]があった。それはキャリートレードと同じではないが、レバレッジが撒き戻されたのは同じである。9月FEDが利下げする可能性がある。多くの類似性がある。多くのボラタリティーがある。
ーでは、どうするのか?
・我々がやっているのは、まだ少し用心深くしている。我々が言っているのは・・・、私はテーブルを叩いて「戻るから株を買え。全て大丈夫」とは言えない。我々が言っているのは「叩き売られた株を多少買え。用心しろ。但し、恐れすぎるな」である。バリュー(割安さ)が作られたからだ。しかし反響がまだあるかも知れない。
ーあなたが恐れているのは、また日本に関連して何かあると思っているからですか?
・そうだ。我々は確信を持てていない。最後に先進国市場で10%の動きがあり、2週間後に何もなく、全ては問題なく、さぁ次に進もう、となったのはいつか?我々が心配しているのは、クレジット市場が枯渇することである。しかし、米国ではとても順調だ。それが真実である間は、我々はカネを市場に加えて行く。
ー日本の話は置いておいて、米国経済が心臓発作を起こしたようですが?
・驚きました。経済は減速していますが、なぜ心臓発作を起こしたのかは分かりませんね。車体からタイヤが外れたわけではない。多分他のものと一緒になって、人々が興奮してしまったのでしょう。
ーあなたは「市場を買うな。株を買え」と言っている。それは巨大株(mega-caps)の事を言っていますか?この番組の最初で言ったように、それらは売られている。
・mega-capsは良いと思う。我々が好んでいるのはcommunication(通信)セクターだ。その中にはmega-capsもあるが、これはmega-capを買えと言っているのではない。我々が言っているのは、夏のローテーションがあり、売られ過ぎが戻る。ファンダメンタルズはそれを支持していないが、communicationの中のmega-capsのファンダメンタルズは支持している。
ーMeta、Google、Alphabet、Netflixを示唆しているのですか?
・そうだ。
ーそれは資金が転移してしまった(dislocation)から?
・dislocationもあるが、これらにはモーメンタムがあり、それが曲がった。曲がったが、折れてはいない。7月のことだ。彼らには定量的なバックグラウンドがある。我々は以前良かったものが継続すると考えている。1998年もmega-capsが上昇し続けた。
ーモーメンタムで狂っているのは、Momentum ETF(iShares MSCI USA Momentum)が週間でプラスになった。多分私が月曜日、Mementum ETFがプラスになると言っていたら、あなたは「その可能性はゼロだ」と言ったに違いない。
・(笑)。多分そうだろうね。
ーMomentum ETFに入っている株が大きくリバウンドしたと言う事だ。
・その通り。momentumがポジティブに動くとき、何が良い事が起きている。7月に売られたが、人々はファンダメンタルズが良い事に気付いた。小型株が買われたが、小型株のファンダメンタルズは良いとは言えない。
ー画面に出ていますがMomentam ETFは週間で+3%だ。
ところで、株の戻りは素晴らしいが、週間でみるとS&Pはフラットである。取引終了まで30分ありますが。月曜から考えて、これはショッキングと言えるでしょうか?
・そうだ。1週間留守にしている人にしてみれば、何も無かったと言う事だ。再度言うが、日本で起きた事はかつて見たことが無い。それが市場に表れていないのは信じられない。しかし玉ねぎの皮をむいて行くと、流動性は必要なところにあるのか?クレジット市場は作動しているのか?である。答えはYesだ。それが今後、最も大切だ。
ー最近「FEDの最初の利下げで売れ」と言われることがある。
・いくつか言う事がある。1つめは、「経済が減速しているか?」の回答はYesだ。「経済は本格的に減速しているのか?」にはNoだ。1995年まで戻ると、6回利下げのうち、2回は売られた。6回のうち4回は+20%以上だった。我々はそう思っていないが、あなたが経済が本当に減速していると思うなら、1回目の利下げで売るのが良いでしょう。
ーということは、あなたはFEDが正しい理由で利下げすると思っているのですね?
・今週FED高官がコミュニケーションを取っている。彼らは何をしゃべったか?雇用やインフレだ。それは良い事だと思う。話題にしていないのは金融安定性である。私が少し心配しているが、そう、FEDは正しい理由で利下げするだろう。緊急利下げではなく。
ー今はそんなことはないが、月曜にはFEDが出てきて何か言うべきだという議論があった。
・彼らのコミュニケーションがより良いものだったらよかったにとは思う。「アジア、欧州の中銀と話をしている。流動性は必要な所に向っている。クレジット市場は機能している」とか。彼らがパニックにならなかったのは良かった。
ということで、
・円キャリートレード巻き戻しの余波は続くかも知れない。まだ用心しておくべきだが、恐れすぎは良くない。
クレジット市場が機能しているあいだは大丈夫。
・7月に大型株から小型株へのローテーションが起きたが、ファンダメンタルズ的には正当化できず、大型株への回帰があるだろう。
ファンダメンタルズの強い大型株が通信分野にある。(Meta、Alphabet、Netflix)
だ、そうです。
クレジット市場の健全性を見る上で、どこに注目しているのでしょうか?
とりあえずBB(ジャンク債のうち最も高い格付け)債券のスプレッド(過去1年)のチャートを貼っておきます;
8/5には直近最高の2.49を付けたあと、急激に下落し、8/8(最新データ)は2.10。
逆にnVidia、Amazon、Microsoft、Appleを勧めない理由も知りたかったですネ。
ちなみに、ダン・ナイルズは「nVidiaはかつてのCiscoのように売られるかも」と弱気発言していました;
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