塾長です。
昨日(米国8/23)はパウエルが「利下げを始めるぞ」と言ったので株高、債券利回り上昇、円高。
S&P500、5,634(+1.15%)
Nasdaq、17,877(+1.47%)
【米国市況】円が144円近辺に急伸、株上昇-パウエル議長講演で - Bloomberg
原油、74.96
10年債、3.8070
ドル円、144.3670
Bitcoin、64,151
7月 新築住宅販売件数、73.9万件(予想62.4万件)
同[前月比]、10.6%(1.1%)
米新築住宅販売、23年5月以来の高水準-住宅ローン金利の低下が寄与 - Bloomberg
■パウエル講演@ジャクソンホール;
パウエルFRB議長、「利下げの時が来た」-ジャクソンホール - Bloomberg
こちらがその動画;
全部聞きましたが「コロナ後のインフレはモノの需要過多、サプライチェーン混乱、ロシアのウクライナ侵攻のせいだ」と総括していた。
・・・。
一番影響の大きいインフレ要因は住居費ですよね?
「コロナ対策の財政支出、金融皮で資産価格が上昇してしまった。アメリカ人に最も人気のある資産であり、生活必需品である家の価格が都市部で30、40、50%も上昇してしまった。それは資産家を利することになったが、資産の無い家庭、これから資産を築こうとする家庭にとっては大きな痛みとなり、この影響は今後数十年続くかもしれない」という反省はどこに?
■ボスティック、グールズビー;
アトランタ連銀総裁、年内に1回より多い利下げ支持する可能性 - Bloomberg
FRB、ここから先は雇用サイドの責務に重点を-シカゴ連銀総裁 - Bloomberg
なし。
なし。
■注目決算なし。
■〆はジム・ビアンコ;
ージャクソンホールでのパウエル講演をうけて、主要指数が上昇している。あなたは債券の人ですね。債券が買われていて、ドルが下がっている。パウエル講演で驚きはありましたか?市場の動きについては?
・いや、驚きはなかった。市場期待を確認するものだった。ラリーは昨日の売りの買戻しだ。市場はパウエルが少しタカ派的になるのでは?と心配していた。そうならかったので、昨日の逆が起きた。
パウエルの講演を詳しくみてみると、明らかに彼らは9月に利下げを始める。それは知られた事である。しかしその後がどうなるかは分からない。彼は労働市場がステージの中央にあると暗示した。雇用統計がCPIを超えて最も重要な経済指標となる。
ー債券市場は9月利下げ幅予想を0.5%幅に引上げ、年内利下げ幅を1%としている。それは適正と思うか?やりすぎか?
・私はno landingだと思っている。すなわち、経済はソフトランディングよりも良くなると言う事だ。市場の利下げ織込みは行き過ぎで、2025年を通して粘着的なインフレへのステージを作っているのではないかと思う。私はパウエルと反対の立場だ。私には[インフレ率が]2%に向かうとの確信はない。これは1月にも起きたことだ。偶然にもパウエルはその時も2%に向かっていると言っていた。そして1月、インフレ率が上昇した。そして利下げ期待が9月まで後退した。私は引き続き経済の好調が続くと思う。債券市場はある意味FEDがやっている事と希望に反応している。市場は利下げを望んでいる。
ーインフレについて、FEDには見えていなくて、あなたに見えているものは何ですか?
・インフレ率、CPIは1.5年前に3%でボトムをつけた。それ以降たいして進歩しておらず、2.9%だ。1.5年かけて0.1%幅でしかない。
ーしかしPCEは2.5%となり、もっと下がっているではないか。PCEこそれが彼ら(FED)の気にしているものである。
・そうだが、core inflationは下がったが、同じ事である。FEDの目標としているCore PCEは2%だ。2.5%ではない。その近辺が底であるという証拠がある。私はインフレが景気循環的な底にあるのだと思っている。なぜなら、経済が好調だからだ。
最後に、インフレ率は最も予想の難しい経済指標だろう。しかしWall Streetは最も予想しやすいと思っている。3年前にインフレが一時的だと言っていたのを思い出して欲しい。パウエルでさえ、それを完全な間違いだと認めた際は、神経質な笑いが起きた(注:上で引用したパウエル講演、8:41~の事を指している)。それは予測が難しいのだ。[インフレ率が2%に向かっているという]考えのもとになっているのは、労働市場が弱くなっているからである。しかし労働市場に関するデータは強弱マチマチだ。サーム・ルールや直近の労働者数の下方修正はあったが、この国の人口は移民により大きく拡大していて、労働市場において異なる人口動態をもたらしている。失業率が上昇していたとしても、クリーンではない。クラウディア・サーム自身でさえも彼女のリセッション指標は労働者の過剰供給により正しくないかも知れないと認めている。パウエルがそれについて『講演の中で]言及してくれたら良かったのに、と思う。どうやら彼は数字をそのまま受け止めているようだ。もし失業率が上がれば金利を下げる、と。移民が失業率を上げている可能性について考えていないようだ。
ーしかしあなたもここから失業率が上がるのは、過去の経験(相似性、analoges)から良くないと認めますよね?
・そうだが、その相似性は人口が安定的かつ予測可能であるというアイディアに基いている。過去4年間で米国には7百万~1千5百万人の移民が流入した。それはアリゾナ州の人口に匹敵する。7百~1千5百万人の間のどの数字を使おうとも、それが失業率や労働市場に対して何をしたか分かっていない。880,000の労働者数の修正に関して、それが全て職の消失として語られるが、もしかしたらW2労働者(税金を納める労働者)が闇市場労働者に入れ替わったのかも知れない。その場合、職はそこに存在し、彼らは給料を得て、支出し、経済を押し上げる。過去数年間で起きたような人口増加をみたことがなく、全ての労働に関するデータは安定的な人口というアイディアに基いているため、このような労働市場のダイナミクスは完全に理解されなかればならない。
ーということはGoldmanが880,000の下方修正は誇張し過ぎで、実際は300,000くらいだと言っているのに同調しているのですね?
・そうだ。誇張され過ぎており、300,000に近いと思う。それは過去数年の移民による影響だ。
ということで、
・パウエルは労働市場に関するデータをうのみにしている。労働市場が弱まっている→経済活動が弱くなる→インフレ率が2%目標に向けて下がる、と考え、利下げを始めるようだ。
・私はそうは思わない。労働市場に関するデータは過去4年間の7百~1千5百万人の移民流入により乱されていて、そのまま信じるわけには行かない。労働者が増え、彼らが消費するため、経済は活性化し続けている。経済はソフトランディングどころか、着地せず浮揚し続けるだろう。インフレ率は3%辺りを底にして下がらないだろう。
だ、そうです。
・・・。
結局「で、株にとってはどうなのよ?」という話ですが、パウエルが間違ったデータを信じて利下げしようとも、ビアンコが正しくて経済が浮揚し続けても、株(企業利益)には追い風。
株式投資は簡単ですネ!
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