塾長です。
昨日(米国8/26)の米株は下落。先週金曜日パウエル講演で上げ過ぎた反動?テクニカル的には最高値で跳ね返されたような格好。
S&P500、5,616(-0.32%)
Nasdaq、17,725(-0.85%)
【米国市況】テク株主導でS&P下落、国債も安い-ドル144円台半ば - Bloomberg
原油、77.13
10年債、3.8180
ドル円、144.2860
Bitcoin、63,010
7月 耐久財受注[前月比]、9.9%(予想4.6%)
7月 耐久財受注コア[前月比]、-0.25(0.1%)
米コア資本財受注が減少、前月も下方修正-投資への慎重姿勢強まる - Bloomberg
■デーリー;
SF連銀総裁、米利下げ開始を支持-パウエル議長の見解に同意 - Bloomberg
なし。
なし。
■注目決算なし。
■〆はコマル・スリ-クマー;
ー先週金曜日、パウエルは間違いなく「ソフトランディングは可能。インフレ率は順調に目標に向かっている。労働市場に目を向けるときだ。利下げをする」と言った。市場はそれを歓迎した。あなたのリアクションは?
・労働市場は弱く無い。4月に108,000の職ができたのが、7月には140,000と増加した。今後も増えるだろう。インフレは未だ目標を超えている。最後の部分が難しい。米国では家賃が問題であり、海外には燃料費に始まり様々なインフレ要因がある。去年12月にもパウエルは間違えて勝利宣言をしてしまった。今回も宣言を早まった。
ー12月、パウエルは勝利宣言していませんよね?金利はピークで、インフレ率は下がっていると言っただけで。市場が早とちりして、今年の初め、6回の利下げを織り込んだ。それをパウエルが「いや、そうではない」と否定したのでは?
FEDのフレームワークはインフレ率が3%以下、失業率が上昇しているのだから、5%以上あるFFレートを下げようと言うとものだ。それの何が問題か?
・失業率上昇の大部分は、労働参加率の上昇から来ている。より多くの人が職を求めにきて、職を見つけられなかった人が失業率を上昇させた。レイオフが増えたのではない。なので治療薬を間違えている。
12月、パウエルは利下げがもうすぐあると示唆し、市場はそれを信用した。その後パウエルはインフレ率が思い通り下がらなかったので、態度を豹変させたのだ。彼がインフレについて間違ったのはこれが最初ではない。インフレが一時的だと言ったときも間違った。ジャクソンホールの講演で彼は「一時的と考えた多くの仲間がいた」と自身を擁護した。それは言い訳にならない。私は同時期、高インフレ、高金利が続くだろうと書いていた。なぜ彼が[利下げを]急ぐのか分からない。なぜフォワードガイダンスと呼ばれるものがなければいけないのか?私が”呼ばれるもの”と言ったのは、それが混乱しかもたらさないからである。なぜ彼は金利の方向を言わなければならいのか?
ー今は利下げサイクルの中でFEDが最も長くpauseしている。あなたは債券が嫌いですよね?
・いや、私は債券が好きだ。私は何度もこの番組に出て、10年債、30年債を買った者が便益を得ると言ってきたし、そうなった。そして私は債券の期間が長い方が良いと言い始めている。その理由はFEDが利下げを続けるからだ。インフレが下がるからではない。FEDは状況を誤判断するので、投資家はそれを利用すべきである。私の10年債金利目標は3.50%である。未だそこには達していないが、そのうち達するだろう。
ーFEDが状況を見誤ると言ったのは、8月雇用統計が予想以上に強くでると思っているからか?そして9月の利下げは為されないと?
・8月雇用統計がどうあろうとも、FEDは9月18日の利下げを決めている。彼らはもうデータに依存していない。実際、彼らはデータ依存と言いながら、データを彼らにとって良いように解釈しているだけだ。パウエルと数人の仲間は、過去数ケ月、利下げをしたくてたまらないようだ。不幸にも[去年]12月にはうまく行かなったが、[今年]9月には何が何でもやってくる。私の予想は、FEDが利下げをすれば、ラリーが起きる。市場がFEDに利下げを約束させたようなものだ。市場は1.5%利下げを望んでいるので、9月0.25%では足りない。なぜ毎回のFOMCで0.5%幅利下げをしてはいけないのか?と。問題は、FEDが市場をリードしているのではなく、フォローしている。FEDが金利の主導権を握っていないので、市場はそれを利用する。
ということで、
・労働市場は弱くないし、インフレ率は目標の2%に容易に到達できそうにないので、9月利下げ開始は間違い。
パウエルは「インフレが一時的」と言った時も、去年12月も、インフレ率を見誤った。今回も同じ。
・FEDの間違った利下げで長期債利回りが下がるので、今のうちに買っておけ。
・金融政策をリードしているのは市場であり、FEDではない。投資家はそれを利用しろ。
だ、そうです。
●ロバート・カプランが「なぜFEDが利下げを急いでいるか?」を婉曲的に説明していたので、それも掲載しておきましょう;
ー前のゲストはFEDのソフトランディング達成に疑いを持っていた。あなたもそうか?
・私は、ソフトランディングを達成に十分な可能性があると思う。財政赤字はGDPの7%に達している。歴史的に高い。高い理由の一部は高金利だが、その他の理由は支出が多いからだ。これが経済の弾力性に貢献している。ジャクソンホールでのパウエル講演において、彼は9月に利下げすると明言し、いくらの幅かは明確にしなかった。インフレと労働市場のバランスを取ると明言した。8月の雇用時計が市場予測以上になるかに注目だ。ソフトランディングの可能性は十分ある。もし私が言ったのより悪ければ、FEDは利下げの幅を広げるだろう。
ー安全のために、FEDは0.5%幅の利下げをすべきと思いますか?
・8月雇用統計次第だ。もし私がFOMCの椅子に座っていたら、それで決定するだろう。8月雇用統計が弱ければ0.5%幅にして、強ければ、その可能性が高いと思うが、0.25%幅として、利下げのペースを慎重に、制御されたペースで行う。
ーそれがいくつかの批判の原因となっている。この時点で彼らはデータに依存しすぎだ、と。なぜ0.5%幅ではだめなのか?
・私の意見でしかないが、もし彼らが遅れたとしても、FOMC一回か、2回のことだ。構造的なドライバー(経済押上要因)があるとき、それさえも明らかではない。押し上げ要因の一つは財政支出である。今後1%程度の利下げをしようとして、最初の利下げ幅を0.25%とするか0.5%とするかを考えているとき、データに依存するのは不適切とは言えない。私は正しくバランスを取っていると思う。
ーどうやらあなたの主要な心配は、赤字の増加と、その利払い増加のようですね?それが将来の金利に影響を与えると。
・私には複数の心配がある。短期的には、経済は弱くなり、特に金利に敏感な部分はより弱まっている。労働市場は弱くなっている。財政支出をオフセットするために、その弱さを我々は必要としていた。私は金利を下げ始める時だと思う。
しかし、その通り、より大きな問題は財政である。今後1,2年の議論は金融政策ではない。どうやってGDP比100%を超える債務を抑えるのか、老齢化が進む中でどのように生産を上げて行くのか?だ。それは財政政策の問題だ。FEDは今後数年間で2%程度の利下げ余地がある。そのペースは分からないが、彼らは仕事をするだろう。明白な問題は財政側にあり、それは十分な注目を集めていない。
曲解かも知れませんが「財政赤字による利払い増加を抑えるために、FEDは利下げをしようとしている」と言っているように聞こえます。
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