塾長です。
昨日(米国10/10)はCPIが高めに出たが、株式市場の反応は限定的。
S&P500、5,780(-0.21%)
Nasdaq、18,282(-0.05%)
【米国市況】株下落、円は対ドルで上昇-FRBの次の一手に不透明感 - Bloomberg
原油、75.70
10年債、4.0960
ドル円、148.5460
Bitcoin、59,940
9月 CPI[前月比]、0.2%(予想0.1%)
同[前年同月比]、2.4%(2.3%)
9月 CPIコア[前月比]、0.3%(0.2%)
同[前年同月比]、3.3%(3.2%)
米CPI、9月は予想を上回る伸び-インフレ鈍化の流れ休止 - Bloomberg
9月は食品とエネルギー商品を除く財のコア価格が前月比で上昇。同価格が上昇したのは23年6月以降ではわずか2回目。新車と中古車、衣料品や家具の値上がりが影響した。食品価格の伸びは1月以来の大きさとなった。特に卵や生鮮果物の値段が上がった。
サービス項目では自動車保険や医療費、航空運賃の上昇が目立った。スポーツイベントのチケット代は10.9%の大幅上昇。フットボールシーズンの開幕を一部反映している。
サービス分野で最大部分を占める住居費は0.2%上昇。8月の0.5%上昇からは大きく減速した。持ち家のある人がその家を賃貸する場合の想定家賃である帰属家賃(OER)は0.3%上昇で、同じく前月から鈍化した。ホテル宿泊費は低下した。
米新規失業保険申請件数、前週比3.3万件増の25.8万件-予想23万件 - Bloomberg
より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は23.1万件に増加した。
季節調整前ベースでは23.5万件。前週は18.1万件。
失業保険の継続受給者数は9月28日終了週に4.2万人増の186.1万人。
■ウィリアムズ、グールズビー、バーキン、皆さん高めに出た9月CPIを重要視していないと発言;
NY連銀総裁、金利は「時間をかけて」中立水準に引き下げるべきだ - Bloomberg
シカゴ連銀総裁、CPI統計を過度に懸念せず-減速傾向は明らか - Bloomberg
リッチモンド連銀総裁、インフレはなお「正しい方向」に進んでいる - Bloomberg
なし。
なし。
■決算シーズン前哨戦開幕。Delta、Domino's;
Delta sales guidance disappoints, CEO says airline expects lower demand around the election
・Delta expects fourth-quarter earnings of between $1.60 and $1.85 a share.
・Delta had previously said the CrowdStrike outage cost it $380 million in revenue and amounted to a 45-cent hit to earnings in the third quarter.
・CEO Ed Bastian said consumers will likely pause travel plans around the U.S. election.
-1.06%
Domino's Q3 Earnings Beat Estimates, Revenues Miss, Stock Falls
-1.08%
■〆は弱気派マイク・ウィルソン。彼はサイクル後半だと主張しているにも最近景気循環株を勧めていた;
ーMorgan Stanley マイク・ウィルソンは強い9月雇用統計を受けて「金曜の強い雇用データと、我々のエコノミストが今後連続した25bpt利下げを予想していることから、景気循環株(cyclicals)をディフェンシブ銘柄に対してオーバーウェイトするよう推奨する」と書いた。
景気循環株をオーバーウェイトする理由を教えて欲しい。名前を上げられるか?
・景気循環株の中でも好みがあり、ニュアンスを含んだコールである。我々は未だ巨大で堅牢な回復期にあるとは信じていない。そのような回復期には景気循環株を買うべきである。我々はその仲間ではない。今はまだサイクル終盤だと考えている。
しかし、今の市場は経済指標が出るたびに揺れる。今年の初めは、ノー・ランディングが信じられ、その後、ソフト・ランディングとなり、夏にはハード・ランディングの可能性が高まった。そして今はノー・ランディングに戻った。
なので我々はこの揺れを使ってトレード(短期売買)しようとしている。ローテーションを使ったトレードは今年うまく行った。ディフェンシブを推奨していたが、値上がったので、中立に引き下げた。そして今は、サイクル後半の景気循環株をオーバーウェイトとしろと勧めている。それは品質の良い銘柄のことである。初期に買われれるようなジャンク的でバランスシートの悪い銘柄ではない。[セクターとしては]素材、工業である。一部のソフトウェアも。なぜなら景気循環の前に買われるもの(pro-cyclycal)だからだ。ジャンクをまとめて買えば良いというものではない。ここではその点をはっきりさせておきたい。
ー以前、サイクル終盤ではエネルギーを買えと言っていたが、今回はこの中に入っていない。なぜか?
・エネルギーに言及していないのは、エネルギーを[既に]オーバーウェイトしているからだ。エネルギーはむしろ地政学リスクへのヘッジである。正直に言うと、エネルギーに関してのコールは悪かった。3月にアップグレードし、4月までは良かったが、その後は良くなかった。今は少し戻しているが。我々は素材、工業をエネルギーよりも好んでいる。エネルギーは中東情勢のヘッジとなる。エネルギー需要が高まる可能性もある。そして安い。それは先週、金融をアップグレードした理由でもある。長期の金利が再び上昇しており、金融には良い環境だ。
ー株を債券の関係について聞きたい。債券利回りが上昇すれば、株への処罰となる関係があった。直近はその関係が成り立っていない。それは驚きではないか?
・いや、そうではない。Mag7といった巨大成長株を見て欲しい。7月以来、アンダーパフォームしている。そのグループは最高値を更新していない。市場は金利が上がったことで割高株を罰している。それは我々のコールでもある。質の高い景気循環株や、その他へローテーションするというコールがうまく行っているのは、金利が再度上昇したことで大勝ちした銘柄からカネが離れているのだ。先週のノートにて、これが確信となったのは、2年国債金利が大きく跳ね上がり、10年国債金利も同時に跳ね上がったからであると書いた。これは債券市場がようやく「どうやらソフトランディングできるらしい。経済が今の状態を保てるらしいぞ」と言ったのである。先週までの債券市場はとても[ソフトランディングに対して]懐疑的だった。これはオオゴト(big deal)である。
ーあなたの言った事を正しく理解し、さらにその論を進めれば、巨大テック企業は、バリュエーションが高いことから考えて、より低い金利でレバレッジがかかっていて、その一方で、景気循環的企業は、バリュエーションの観点から言うと、それ(低い金利)にそれほど強く結びついておらず、別の言い方をすると、彼らにとっては今のバリュエーションを保つために永遠に金利が低い必要はない、と?
・我々は大型株に対する小型株を中立に戻した。小型株をまとめて買って欲しくない。[景気循環株と]同様に、質の高い株が良い。質の悪い、バランスシートの悪い小型株は、金利がとても低くまで下がるまでうまく行かない。
私が巨大テック株について言っているのは2点だ。一つ目は、彼らはとても割高で、持たれ過ぎている(over-owned)と言えるだろうが、また、ファンダメンタルズが悪化しているのだ。先期、市場は、売上を伴わず先行投資しているハイパースケーラー(巨大データセンター事業者)に対して興奮しなかった。このグループは休息している。クラッシュしているわけでもなく、金利がストーリーを変えるわけでもない。調理され過ぎた(overcooked)だけだ。それについては2か月前に書いた通りだ。それがアンダーパフォームしている領域の燃料となっている。中国もそうだ。中国が急激に値を上げたのは、マネーが新しいテーマを探しているからだ。新しいピカピカ光るオモチャがあり、それに飛びつき、再び売られた。それが我々の見立てである。我々は中国の巨大刺激策を買いだと思っていない。しかし、市場は20%も30%も上昇した。それは市場が新しいテーマを求めているからだ。
ー公益は今年値上がりしていた。しかし、あなたが言ったように、9月雇用統計で金利が上がり、公益は売られた。あなたのコールに公益は含まれないのですか?
・我々はディフェンシブにこれ以上投資するのを勧めない。公益は間違いなくディフェンシブの一部である。今年、公益は興味深い。なぜならディフェンシブであると同時に、電力のストーリーに乗っている。なので公益をオーバーウェイトとしていたが、ここには加えていない。長期的成長ストーリーを持っていたからだ。公益が他のディフェンシブ銘柄よりも売られたのは、混雑していたからだ。我々の期間投資家顧客の全てが持っていた。ここを保つかも知れない。人々が公益を評価していないのは、もしハードランディングのシナリオに戻った時、今はそうなっていないが、もしそうなったとすれば、公益のパフォーマンスは悪くなる。バランスシートが良いとは言えないからだ。なので今の値を保てるかは興味深い。ノー・ランディングもしくは[経済]再加速のシナリオになれば、値を上げるだろう。
ー金融はどうか?
・質の良い景気循環株を勧めたのと近い。個別に選別すべきである。質の悪い金融は持ちたくない。NII(net interest income)が拡大しマネタイズできる、もしくは、資本市場の活動から儲けられる金融企業を持ちたい。大きな金融企業、質の良い金融企業ということになる。
もう一つ付け加えておきたいのは、9月初旬、金融業界のカンファレンスがあり、基準を大きく下げた。すなわち、今決算シーズンに向けての期待は良いということだ。
ーピカピカの新しいオモチャについてだが、なぜマネーは供給過剰で、新しいテーマを探すのか?
・これはサイクル終盤に典型的に起きる現象だ。FEDは利下げしているが、成長を心配してのことではない。株には成長が必要だ。小型株、質の悪い株を含むか全体の押し上げには、金利がとても低くなるか、新しい成長の素が必要だ。今はそれが無い。潮が満ちる代わりに、市場は個々のテーマを探している。昨年はGOPであり、もちろん、AIだった。今は中国であったり、工業化がある。しかし、これらは一時的である。市場はコロコロ変わる。ひとたびうまく行かないと、新しいオモチャをゴミ箱に投げ捨ててしまう。柔軟性を高く保とうとしていなければならない。今年、我々がフォーキャストを変更しているのは、それが理由だ。市場が与えてくれるものに対して、柔軟性を持って対応しているのだ。
ー選挙後についてはどうか?企業への税率と、関税が大きな話題だ。
・関税は比較的易しい。議会の承認が必要ない。我々が機関投資家と話をしていて、最もコンセンサスとなっているのは、議会がグリッドロックになるというものだ。どちらかの党が両院を取らない。そうなれば、税率引き上げはテーブルから外れる。2027年まで現行の税率カットは延長されるかも知れないが。それが議会がグリッドロック化したときの可能性である。
関税は大統領のレベルで成立する。トランプの方がハリスより悪いシナリオになるだろう。しかし両者とも手を見せていると思う。ハリスになっても関税は無くならない。過去4年間バイデン・ハリスでやってきたことの継続になるだろう。
ーハリスは債券市場に良く、トランプは株に良いという説をどう思う?
・それは我々が数ケ月話してきたことだ。トランプが債券市場に歓迎されないのは、よりインフレ的であるからだ。関税もその一部である。彼は税率も下げたい。株式市場は喜ぶかも知れない。
もし民主党が両院を取れば、株にとって最悪のシナリオだろう。なぜなら税率が上がるリスクが本格化するからだ。
ー12か月先のインデックスを予想するのは難しい?
・いつでも難しいね(笑)。以前から言っているとおり、これはサイクルの中で最も予想が難しい時期だ。景気サイクルの終盤では、先ほども話したとおり、機会が減るからだ。12か月は難しい。これも以前話した通りだが、7年はやさしい。7年で重要になるのはバリュエーションのみだ。今のバリュエーションは割高だ。私は「今回は違う」派ではない。今投資しているなら、この値段においては、今持っている株を7年間持ち続けるというマインドセットを持たない方が良い。セクターや個別テーマの間を動くべきだ。また、個別株を選ぶべきだ。常に、上昇する株はある。CPIにフォーカスすべきではない。私はしていない。
ーあと1時間もたてば発表されます。
・0.4%以上でなければ大したことではない。今の焦点は企業決算だ。我々の顧客にとっての特異な機会である。我々の顧客である機関投資家はそこに注目すべきであり、そうしている。個別株を選んで買うにはとても良い市場となっている。
ー具体的に言うと?
・質が良く、利益を上方修正している株だ。そのように景気循環株を選んでいる。巨大テック株の上昇修正は無くなり始めている。長期間に及んだからだ。「良いモノは良い。悪いモノは悪い」が主要テーマだ。「悪いが良い」という年は終わった。
ポイントとしては・・・、
・大量の流動性は行先を探している。あるテーマから次のテーマにカネが動いている。9月雇用統計など経済指標が強く出ていて、ノーランディング説が台頭するだろう。なので、トレードとして次に買うべきは質の高い、上方修正をしている景気循環株。
・今の株価は割高だ。今買った株を7年後も保有していると思わない方が良い。新しテーマがあれば、そこにカネを移し、トレードで儲けよ。
というところでしょうか?
今の米株はマルチプルが高いというだけでなく、デリバティブを使った高配当ETFであったり、nVidiaブル2倍ETFだったりと、株式市場をカジノとして使っている一般人が多くいるというバブルの特徴を呈している;
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バブルは5年、10年といった期間続くので、現金をずーーっとヨコに置いておくわけにもいかず、難しいところ。
なのでマイク・ウィルソンは「トレードで儲けろ」と言っているようです。
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