塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジェフリー・ガンドラック】パウエルの金融政策は正しい。労働市場は弱まっており、経済の転換点。供給問題により長期債に弱気。

塾長です。

昨日(米国11/7)はFOMC。前回blogで紹介したエド・ヤーディーニは「利下げ停止のシグナルを送る」と予想していたが、そうはならず、市場にはハト派的と受け止められ株高。

トランプ当選で急上昇していた10年債利回りは低下。引きずられて円高

 S&P500、5,973(+0.74%)

 Nasdaq、19,268(+1.51%)

【米国市況】S&P最高値、議長は利下げ休止示唆せず-152円台後半 - Bloomberg

利下げを決定した米連邦公開市場委員会(FOMC)会合後のパウエル連邦準備制度理事会FRB)議長の会見を受けて、買いの勢いが強まった。議長は景気が堅調に推移していると指摘しながらも、今後の利下げ見送りを示唆しなかった。

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、72.19

 10年債、4.3410

 ドル円、152.9070

 Bitcoin、75,782

 

 

経済指標:

 第3四半期 非農業部門労働生産性指数[前期比]、2.2%(予想2.3%)

 第3四半期 単位労働費用、1.9%(0.8%)

 9月 卸売在庫[前月比]、-0.2%(-0.1%)

 9月 卸売売上高[前月比]、0.3%(0.1%)

米労働コスト、7-9月は予想上回る伸び-新たなインフレリスク - Bloomberg

 

米新規失業保険申請、小幅に増加-なおコロナ禍前の水準近辺 - Bloomberg

 

 

金融政策:

FOMCで0.25%分の利下げ決定;

FOMC、連続利下げ-トランプ氏が辞任求めてもパウエル氏拒否 - Bloomberg

FOMC声明:インフレ2%目標に向け進展、労働市場はおおむね緩和 - Bloomberg

【FOMC】議長発言、12月金利据え置きに道開く-市場関係者の見方 - Bloomberg

 

 

BOEも利下げ;
英中銀、0.25ポイント利下げ-予算案はインフレ押し上げと警告 - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

AirBnB、Expediaなどが決算;

Airbnb's Revenue Tops Expectations, But Profits Fall Short

The company’s Nights and Experiences Booked came in at 122.8 million, up 8% from a year ago. This comes after the company said it expected a “sequential moderation” in growth in the second quarter, when Nights and Experiences saw 9% growth.

成長が鈍化しているらしいですが、+9%→+8%なので、より多くの人が旅行を楽しんでいる=景気は良いのでしょう。

-3.75%

 

Expedia beats quarterly profit estimates, CFO to step down

Online travel platform Expedia on Thursday beat Wall Street estimates for quarterly profit, helped by strong international travel demand, and said CFO Julie Whalen will step down likely before the mid of February, 2025.

同じく旅行業のExpediaも好調な様子。ただし、身売り話があるので、値動き的にはどうなるか分かりません。

+5.15%

 

 

 

■〆は、毎回FOMC後、CNBCに出演する債券王 ジェフリー・ガンドラック;

www.youtube.com

FED議長の発言に対するあなたのリアクションは?彼は二つのrで始まる言葉を使った。前回と同様recalibration(金融政策の再較正)と、この回復力のある経済を表すためにremarkableだ。

・そうだ。recalibrationをまた使った。それは前回のFOMCで私が『今回の言葉』として選んだものだ。どうやらパウエルは良い場所にいると思っているのだろう。なぜなら7月FOMC以来、2年債金利は60bpt上昇し、FFレートは75bpt下がったからだ。この2回のFOMCの間に、2年債金利とFFレートの差が135bpt縮まり、債券市場とより同期がとれている状態となったのだ。多分、12月に1回利下げするだろう。それによりFFレートが2年債と一致する。

前回FOMC以来、株が値上がりし、金利も上昇しているのは興味深い。株は少なくとも国債に対して大きくアウトパフォームしている。私はそれを選挙の結果に帰すると考える。選挙は社会的に重大な結果(consequential result)となった。そして今日は社会的に最も重要でないFOMCがあった。労働市場が正常化していて、FEDインフレ目標に対してノロノロと進んでいる(plodding)と感じている。それが彼らが使った言葉である。

 人々が労働市場の軟化を重要視していないのは、少し驚きだ。12,000の職※というのは、ハリケーンストライキのせいにされているが、私はハウスホールド・サーベイ(世帯調査)を注視している。過去11か月、ハウスホールド・サーベイでは、累積で300,000の職が失われている。これは実時間において経済的な転換を示していると言えるだろう。ハウスホールド・サーベイは未だ”酷い(terrible)”とは言えないが、とても変動が激しく(volatile)、注意が必要だ。

 私から見て、債券市場は問題を抱えている。今日のFOMC後会見でも質問があったが、国債の供給が驚異的になりつつある。過去12か月で$2T、GDPにして約6%の負債が増えた。経済は成長しているというのに、だ。いつも話しているように、負債に対する金利支払いは、3年前の$300B/年から、今は$1.3Tに増えた。3年、5年前、金利が低い時に発行した国債を高い金利で借換える必要がある。これは供給の問題として継続する。経済が徐々に減速しているにも関わらず、我々が長期債にポジティブになれないのは、供給に問題を抱えているからである。我々は投資家に対して、中期の国債に留まり、20年、30年の長期はやめておくように推奨している。実際我々は7週間ほど前の利下げ時、我々が持つ長期の債権を減らした。財政的な金融問題に対するエクスポージャを減らすためだ。経済は減速するが、長期金利は上昇すると考えている。

 金利は上昇している。もはや、2年ー10年債金利は逆転していない。その差は大きくない。金利差カーブはフラットだ。10月にFEDは1回利下げすると予想する。

 今回のFOMCから得られる情報は少なかった。パウエルのコメントは前回FOMCの繰り返しだ。しかし、彼は債券市場とより一致しており、彼が正常化しており、目標に向かっていると態度で示したのは正しいと思う。インフレの数値は下がっている。PCE Coreは2.7%、いくつかのインフレ数値は2%台の下の方にある。我々は、原油価格が70ドル台の下の方で推移すれば、4,5か月以内にヘッドラインCPIが2%を下回ると予想している。パウエルは勝利宣言をしているということだ。

 私はまた、パウエルが家賃借換えがインフレに果たす役割を持ち出したのを称賛したい。新規の家賃にほとんどインフレはない。過去に契約した家賃が、新たな契約に入るときに値上がりし、それが時間差で出てきた家賃上昇となっているのだ。この部分は2025年になっても続くだろうが、今後12か月において、CPIが3%台をみることはないだろう。

 

※:米雇用統計、10月の非農業部門雇用者数は1.2万人増-失業率4.1% - Bloomberg

彼は常々「2年債金利がFFレートを決めている(のだから、FEDは不要だ)」と言っている。彼にとって2年金利とFFレートが一致しているのがとても重要。

 

ということで、

・今回のFOMCで新たな情報は出なかった。前回の繰り返しである。

・12月FOMCで25bpt利下げするだろう。それによって、2年金利とFFレートが同じ水準となる。それがFFレートのあるべき場所だ。

金利が上がっているのに、株価が上がっているのは、選挙のおかげ(トランプによる経済成長(or加熱)への期待)。

労働市場をみる限り、経済は減速している。ハウスホールド・サーベイ(世帯調査、BLSは労働市場のデータを取るために、企業調査と世帯調査の2種類を実施している)によると、職は増えているどころか減っている。危機的な状況ではないが、(好景気から不景気への)転換点を示していると思う。

・債券市場の問題は、国債の供給だ。(不景気になれば、景気刺激策を打たなければならず)財政支出金利支払いのために、さらに国債発行が増える。なので長期金利は上昇する。顧客には20、30年国債ではなく、中期の国債を持つよう推奨している。

・パウエルは金融政策を正しく行っている。4,5か月後(2025年3、4月)、ヘッドラインCPIは2%を下回る。

だ、そうです。

 

ガンドラックを含むマクロ系の人達は景気後退が来ると予想し、外しまくっているので、言葉の上では「景気後退が来る」とは言わなくなりましたが、よくよく聞いてみると、まだそのように予想している様子。

強気派エド・ヤーディーニは彼らを"Hard Lander"と呼び、蔑んでいる。

いつか不景気/リセッションは来るでしょう。その意味では、Hard Landerは正しいですが、「いつ」なのかを当てないことには(そしてそれを投資行動につなげないと)意味がないですネ。

 

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