塾長です。
昨日(米国11/8)も株高(トランプラリー?)継続。S&P500(終値)は6,000目前。惜しい。
10年債利回りは連日の低下。トランプ当選で一瞬顔を見せた債券自警団は去っていった模様。つられて円高。
S&P500、5,995(+0.38%)
Nasdaq、19,286(+0.09%)
【米国市況】S&P500は今年50回目の最高値、円は堅調で152円台半ば - Bloomberg
8日の米株式相場は上昇。S&P500種株価指数は連日の最高値で終え、週間ベースでは今年最大の上昇率を記録した。
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トランプ氏の勝利が明らかになった後、同氏の政策がインフレを加速させるとの懸念から米長期債利回りは大幅に上昇したが、その後は低下している。30年債利回りは6日に一時24ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)急上昇
原油、70.43
10年債、4.3060
ドル円、162.6200
Bitcoin、76,450
11月 ミシガン大学消費者信頼感指数、73.0(予想70.9)
米消費者マインド指数、4月以来の高水準-景気と家計を楽観 - Bloomberg
調査は10月22日から11月4日にかけて実施。最終日の翌日に行われた5日の大統領選挙では、トランプ前大統領がホワイトハウス返り咲きを確実にした。
「誰が大統領選で勝利するかによって将来の経済が決まると、消費者の見方は一貫していた」とミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は指摘。
なし。
なし。
なし。
■注目決算なし。
■〆は、昨日紹介した債券王ジェフリー・ガンドラックのインタビュー後半(動画6:00~);
ー金利が上がっている。政策が影響を与えるだろうか?パウエルは次にように言っていた。「我々はそれ(長期金利)がどこに着地するのかに注目している。今のところ[金融政策の]大きな要因にはなっていない」と。あなたは、より重要な要因だと思いますか?
・大統領はトランプで、上院は共和党に決まった。もし下院も共和党が取れば、多くの負債が増える。長期債の金利は上がる。FEDがそれにどのように反応するか興味深い。トランプは選挙運動中に減税すると言っていた。そして彼は景気刺激策派だ(procyclical stimulus)。それは彼のDNAだと言ってよい。私に言わせれば、それは金利、特に長期の金利にプレッシャーを与える。私はこの選挙が重大な結果を伴うものだと考える。多くの人にとって、これだけ共和党が強かったのは驚きだっただろう。選挙後の訴訟合戦に人々が嫌気をさしたのかも知れない。トランプの信ぴょう性が人々を惹きつけたのかも知れない。彼は選挙期間中から刺激策を入れると言っていた。彼は常に負債の男(debt guy)である。私はとても心配している。イーロン[・マスク]が歳出カットを探すために政権に関わると聞いて喜んでいる。イーロンは「$1、2Tの歳出カットがしたいなら連絡してくれ」と言ったそうだ。間違いなく、それが必要だ。
しかしリスクもある。債券市場からの反発だ。株式市場は過去数か月、素晴らしい動きをしている。債券市場はまったくだめだ。これはバリュエーションの問題を引き起こす。Goldman Sachsは将来リターンに関する論文を発表し、リスクの高い債券ポートフォリオを組まなくとも、債券で7%の利回りを得られるのは魅力的だと言っていた。将来、債券はさらに競争力を持つだろう。歴史的にみて、企業債券の利回りと、国債の差がとても近いのは興味深い。ジャンク債と国債の差は270bptくらいで、投資適格債と国債との差は80bpt以内だ。これは企業債券を避けるべきだという事にならない。私はCCCといった低評価の債券に興味を持ったことは無いが、B、BB、BBBと言った債券との金利差が狭いのには理由があるのだと思う。相対的に、企業債券のリスクが国債よりも低くなっている。これは私のキャリアの開始時を思い起こさせる。当時は、レーガンがやってきて、債務が心配されていた。そのとき、IBMの利回りは国債よりも少なかったのだ。人々はIBMの方が国家よりも借手として信頼できると思ったのだ。これが企業債券を押し上げている理由だと思う。見返り(reward)は大きくないが、リスクも大きくない。企業はスマートだからだ。金利がとても低かったとき、3年前、信じられないかもしれないが、high yield bond marketの利回りは3.5%だった。企業はとても低い金利を確保できた。その借換え時期が2,3年後にくる。利回りの差がどうなるか興味深い。国債ではない債券の利回り差はどこも小さい。国債は過去数か月、under performerである。私はそれが続くと思う。
ーあなたはトランプ減税に反対だ。負債が心配だから。しかし、ラリー・フィンクが社説で述べたように、それを超える名目成長をすれば問題にはならないのではないか?
・私はそれに賛成するが、但し書きがある。赤字支出を止めなければならない。パウエルも記者会見で述べていた。赤字歳出を続けられないと。ベン・フランクリンは複利をこの世の不思議と呼んだ。赤字が複利で増えて、その金利支払いが複利で増えれば、壁に当たる。財政赤字を減らす必要があるが、トランプが際立った勝利をしたという事を考えれば、今後数四半期の間に、それが起きるとは思えない。ハリスは、その郡でも、バイデンを下回ったようだ。ハリスの信ぴょう性欠如は致命的である。彼女の支持は、彼女のボスから引き継いだもので、苦戦が決まっていたようなものではあるが。多分、今後1年間は、財政赤字に関して良いニュースを聞くことはないだろう。率直に言って、私はどこであろうとも減税を望んでいない。私は今後1、2週間中に自身のホワイト・ペーパーを出すつもりだ。基本的な算数を使って赤字について論じるつもりだ。これは目が覚めるようなものになる。私は長期国債に弱気である。私が最後に長期債に行ったことは、売りである。
ーあなたはリセッションを予期していました。今もリセッションが来ると思っていますか?それとも、理論的には成長を重視するトランプが当選したことで、計算が変わったでしょうか?M&Aが活発化するなど予想されています。
・その通りだと思う。トランプ勝利が経済に良いというのは、昨日・今日の株価の動きだけでなく、過去数か月トランプ勝利の確率が上がった時の値動きがそれを証明している。トランプ勝利が直近でのリセッション確率をとても大きく減らした。彼がそれを成し遂げるやり方には賛成できないが、なぜならそれが長期債の問題を引き起こすからだが、どうなるか見てみよう。トランプが過去3か月平易な言葉で語ったアジェンダが推進されるのだから、間違いなく、リセッションの可能性は減った。
ーそれはドルの動きにも影響しますか?トランプ・トレードの一つとして、ドル高が見込まれている。
・ドルは金利と非常に密接に関連しているように見える。ドル・インデックスDXYと、例えば10年債のチャートを重ねてみてほしい。同じチャートである。金利が上がっているので、ドルのサポートとなっている。もし私が正しくて、財政赤字の恐れから長期金利が上がるのであれば、ドルはさらに上がるだろう。今のところ、我々はドルに対して中立だ。今年、ドルは、DXYでいうと、100~108のレンジを動いている。今はまさにその真ん中にいる。10年債金利も同じだ。3.6%まで下がったあと、5%くらい上昇して、中央にある。ドルは米国債金利によって動いている。過去数四半期に渡って、この関連は続いており、これからも続くだろう。それが変わると思う理由はない。
ーパウエルは勝利宣言をすべきだろうか?今日は明らかに、勝利宣言ではないと言っていたが、ドラッケンミラーは「早すぎた勝利宣言をやろうとした」と言っていた。インフレ率は下がっているが、経済は、彼の言葉では”remarkable”だ。
・少しだけ早すぎる。コモディティ価格、特に石油にショックがなければ、来年3,4月にはできるだろう。現在の構造を考えれば、我々は来年3,4月にヘッドラインCPIが1%台になると確信している。もしそれが起きれば、勝利宣言について語ることができるだろう。パウエルはとても用心深く、今日も「我々は予想しない、想定しない」と言っていた。私はその態度を称賛する。しかし、方向性は勝利に向かっている。我々がこの会話を始めたころ、FEDの金融政策はインフレ動向から大きく後れを取っていた。今は引き締め過ぎの状態にあり、彼は渋々かもしれないが、ほぼ2年債金利と同調できている。何度も言ってきたように、FED[のFFレート]は2年債を追っている。これには多くの反論があるが、私は数学的にそれを証明できる。間違いなく2年債を追っているし、今は同調している。パウエルは正しい位置にいる。彼は労働市場が正常化していると言った。私はそれに同意する。インフレ率は下がってきている。彼が金利を下げ始めて以来の行動は称賛にあたいする。75bpt利下げして、2年債金利は上昇した。彼は今日リラックスしていたように見えたが、その権利はあるだろう。今日、(記者会見で)「あなたは役職を解かれる可能性はありますか?」「トランプから求められたら、辞めますか?」と聞かれたとき、それらの質問をかわすのではなく、明確に”No”と言ったのはよかった。
ー不適切かも知れないが、あれはドラマチックでしたね。
彼は[現在の金融環境は]締め付けすぎだと言った。まだ利下げの余地があるということだ。どれくらい余地があるかは、未確定ではあるが。また彼は新しい大統領からのリフレ的な政策に対応しなければならない。これは[大統領とFED議長の間に]ある種の緊張を作りだすと言える。
・その通りだ。政策がリフレーションとなるリスクがある。関税がどうなるか分からない。前回と同様に、外科的に行われれば良いのだが、その方法によってはインフレを招くかもしれない。彼が言っている減税は、もちろん、財政赤字を悪化させる。繰り返しになるが、トランプの当選確率が上がった時、金利が上がり、株価が上がった。それがトランプ・トレードである。そ直近、れが変わる理由は見当たらない。1月第3週にならないとわからないが、トランプはパウエルに対して現在よりも緩和的な金融環境を求めるだろう。とても興味深い時だ。12月と、2025年1月のFOMCはとても重要なものになる。
ートランプとパウエルの間のドラマは以前も見た。今回はその続きがどうなるか?ですね。
トランプ・トレードの一部と言えるが、中国株が売られている。何か月も前に、あなたはインドが良いと言っていた。今日時点、インドをさらに好きになりましたか?中国には関税がかかるかもしれない。
・私はインドを長期的視点で好んでいる。とても強い人口動態だけでなく、明らかに中国から製造が外部に移転するときに利益を得る側だからだ。多分メキシコも同じだ。私は1か月、3か月先の事を考えているのではな。何年も先を見通している。インドは長期的に投資するのに適切な場所である。ドルはとても安定している。石油はとても安定している。ゴールドやシルバーが大きく動いていることを考えると驚異的と言ってよい。Bitcoinは月に到達しそうだ。
ーBitcoinについて聞こうと思っていました。火曜日にBitcoinを買いましたか(笑)?
・いやいや(笑)、私は暗号資産に興味ありませんよ。しかし、ゴールド、シルバーがほぼ年間を通してしつこし上昇したのは興味深い。これは反財政赤字、反中央銀行の動きだと言えるだろう。中央銀行はゴールドを狂ったように買っている。個人も買っている。Costcoではゴールドを売っていて、在庫の補充に苦労しているくらいだ。人々は、5年前ほど、Bitcoin、ゴールドを投機的に見ていない。ポートフォリオの一部に永続的に組み入れるモノだとみている。私のポートフォリオにもゴールドが入っている。引き続きゴールドを所有するつもりだ。Bitcoinは・・・、私は臆病者で、このようなボラタリティに耐えられる胃袋を持っていない。だから私は主に債券を扱っているのだろう。モーメンタム投資をする人を楽しませておけば良い。私は割安な資産を好む男だ。私はBitcoinの公正なバリューを導き出すメカニズムを持っていないので、Bitcoinから距離を取っている。
ということで・・・、
・国の借金が増えるので、長期国債には手を出すな。スプレッドは小さいが、まだ企業債券の方がマシ。
・トランプが大統領になったことにより、トランプ当選確率が上がった時の市場の動きが継続する。それは株高、債券安(利回り上昇)である。ドルは国債利回りに連動しているので、ドル高となる。
・トランプが成長に向けた財政支出をするので、リセッションの可能性は(ほぼ)消えた。
一方で、インフレのリスクが高まった。
これにFEDがどう対応するかが見物である。12月、来年1月のFOMCは重要だ。
・長期的にインドを推奨。人口動態的に有利で、中国から製造工場の移転先となる。メキシコも同じだろう。
・ゴールドは反‐財政赤字、反‐西側中央銀行として、買われている。永続的にポートフォリオの一部に組入れるべきだ。
・Bitcoinの公正な価格を計算する方法を知らないので、手を出さないことにしている。
と言っている。
彼の口調から、財政赤字への心配は、ポートフォリオ・マネージャとしてというより、個人的信条に基づいているような印象を受けました。
感情に流されると投資はうまく行きませんよ?と。
これまでの発言との違いとしては・・・、
・リセッション入りするだろうとしていた予想を翻した。
・3年くらい前から、彼はドルに弱気で、それゆえ新興国を買う時が来ると言っていたが、今回それを撤回。
・米国株との対比において欧州株に強気でしたが、今回その話は(直接的には)出ませんでしたが、米国株高が続くと言っているので、これも覆ったのかも知れません。
このように書き出してみると、彼の(長期)予想のほとんどが反故にされているような・・・。
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