塾長です。
昨日(米国11/25)は株高、10年債利回り低下。Bloombergはベネット次期財務長官がマトモな人だからだと書いている。
S&P500、5,987(+0.30%)
Nasdaq、19,054(+0.27%)
【米国市況】国債と株上昇、ベッセント・ラリーの様相-154円台前半 - Bloomberg
25日の米金融市場では国債が大幅高。22日にスコット・ベッセント氏の次期米財務長官への起用が発表されたことが背景にある。ベッセント氏はウォール街のベテランであり、市場ではトランプ次期政権の貿易・経済政策をより穏やかな方向に導くとの見方が広がっている。
原油、69.08
10年債、4.2650
ドル円、154.1870
Bitcoin、93,378
なし。
■グールズビー;
米政策金利は中立水準に向け低下へ、過熱なければ-シカゴ連銀総裁 - Bloomberg
■ベッセント次期財務長官の基本方針;
ベッセント氏、安倍氏「3本の矢」倣い提言-減税を優先と米紙に語る - Bloomberg
同紙によれば、ベッセント氏は安倍氏にヒントを得て、「3-3-3」と呼ぶ政策を推進するようトランプ氏に提言した。2028年までに財政赤字を国内総生産(GDP)比3%に削減するほか、日量300万バレル相当の原油増産、規制緩和によるGDP成長率3%の実現を促す政策で構成する。
ベッセント氏は同紙とのインタビューで、トランプ氏のさまざまな減税の公約を果たすことが自らの政策の優先課題だと説明。17年に時限措置として成立した「トランプ減税」の恒久化とチップや残業代への課税撤廃が含まれるという。
関税の導入と歳出削減、「世界の準備通貨としてのドルのステータス維持」にも重点的に取り組むとベッセント氏は述べた。
なし。
■Macy'sが決算・・・できず;
メーシーズ、決算発表を延期-従業員の経費隠しが調査で発覚 - Bloomberg
米百貨店メーシーズは8-10月(第3四半期)決算の発表を遅らせる。従業員1人が総額1億ドル(154億円)を超える経費を隠していたことが調査で明らかになったのが理由。
同社の25日発表によれば、当該従業員は「意図的に」誤った会計処理を行い、複数年にわたって1億3200万-1億5400万ドルの配送費を隠蔽していた。小口配送の会計を担当していたが、すでに退社しているという。
-2.21%
■Teslaが米国内最大市場で州政府補助金を受けられなくなる?;
テスラ置き去り、カリフォルニア州のEV税控除案-市場シェアの縛り - Bloomberg
米カリフォルニアのニューサム知事(民主)が提示し、州議員らが決定した電気自動車(EV)払い戻し案は、テスラを除外する内容となった。競争促進を目的とする奨励策がイーロン・マスク氏の怒りを買うのは必至となりそうだ。
-3.96%
■〆はWall Street最大の弱気派と呼ばれているMorgan Stanleyマイク・ウィルソン;
ーあなたはレポートで『近秋ハードランディング・リスクが減少し、FEDが利下げをし、ビジネスサイクル指標が生命のサインを示し、選挙後アニマル・スピリッツが復活する可能性がある。2025年末に向けて企業利益成長率の道筋は上方向になるだろう』と述べた。
2025年末の目標レンジは通常と違り、広いものになりそうですか?
・年中央と同じだ。我々が見通しを変更したのは、選挙の結果、経済の結果、金利政策、などによるもの。それらも広いものである。我々は今年、動き回るという意味で良い仕事をした。経済見通しが夏から秋の間に変更された。それが今のゲームである。我々はそのある種の転換の先を越そうとしている。なぜなら新閣僚のポジションなど全てが不確実であるから。彼らでさえ分かっていない。彼らは決めようとしている最中だ。それはチャレンジである。市場は、通常通り、それをトレードの材料にしている。我々も、顧客のために、そのトレードを行っている。
ーそういったわけで、2025年に向けて、あなたの顧客に対してのメッセージは「機敏であれ(be nimble)」なのですね。
セクターで言うと、あなたは金融を好んでいる一方で、消費者向けをアンダーウェイトするように推奨している。生活必需品も一般消費財もだ。まず消費者向けの話から聞きたい。なぜ嫌いなのですか?
・消費者向けは弱いままだ。消費者はソフトであり続けている。これは我々が考えるところの、政府によるクラウドアウト説に沿っている。低・中消費者、低・中ビジネスがクラウドアウトされている。我々は今これを考えている。"転換(changeover)"である。これがトランプ、共和党の勝因である。彼らは変化を欲している。消費者は変化を欲している。彼ら(トランプ、共和党)が変化を起こせるか見てみようではないか。しかし、我々はそれに短い首輪をつけている。もし彼らが政策的チャレンジを成し遂げられるなら、我々はいくつかの消費者向け株をアップグレードする用意がある。
金融について言うと、我々はしばらくの間金融をオーバーウェイトとしてきた。素晴らしいグループだった。問題は、どれくらいの上値余地があるか?だ。再度になるが、政策や、規制緩和、Basel3が剥がれおちている。これらはすべてポジティブなドライバーとなる。少なくとも、相対的には、金融セクターの助けとなり続ける。
ー消費者にはどのような政策変更が必要なのですか?
・クラウディングアウトに関するものだ。これは大きなピクチャーの見方であるのだが、もし彼らが政府を縮小できたなら・・・、ちなみにこれは何年もかかる仕事だ。6か月でできるようなものではない。だから我々は消費者向けをアップグレードしていないのだが、もし、彼らが政府のサイズを縮小できたなら、小企業の重荷を取り除けたら、アニマル・スピリッツは本物になる。もちろん、金利が制御された上での話である。term premiumが予算とバランスの取れている状態。そうなれば不振に陥っている消費者の支出や信頼感を誘発させるだろう。
ー税制についてはどうか?減税されれば、人々はもっとグッチを買えるようになる。
・何にでも使えるが、はっきり言って、消費者は食費にも困っている。そこから始めてみようではないか。インフレーションを制御下におき、人々の経済に対する信頼感や前向な姿勢をもちあげ、人々がモノや投資にカネを使えば・・・、私の考える最大のエリアはアンダーパフォームしている消費者向け耐久消費財(cosumer durables)である。今は金利が高すぎる。金利のレベルが高すぎる。我々は金利が素早く下がるとは思っていない。トランプ政権のせいである。しかし、時間が経てば、これがキーであると思っているのだが、金利がもっともらしく(plausible)低くなり、インフレをオフセットするくらい賃金が上がれば、消費者はうまくやっていけるようになる。
ー他にも色々ある。関税や、関税の与える影響。政策変更が与える影響は企業によって違う。ヘルスケアについて言うと、過去2週間、市場の中で例外的に弱い。6%ダウンしている。CMS、HHSのオーバーホールをするためにRFK Jrが指名されたからだ。決闘があるのか?機会があるのか?
・どちらもある。リスクはある。ちなみに、市場は賢いので、大手の食品企業を売っている。ケネディーのせいだろう。医薬についても同じだ。その意味で、悪いニュースは既に織り込み済みと言える。しかし、ヘルスケアにポジティブになれる話もある。効率化である。政府と変わらず、何年もかかる。もし医療の提供(deployment of health care)をより効率的にできれば、ある種のビジネスにとって大きな機会となる。しかし、これは将来の話だ。なので我々は機敏でなければならない。一度に起きるのではない。恐怖、疑念、不確実の時がやってくるだろう。2025年を通して、それが機会を作るのだと思う。
ーあなたの話はいつも効率化に戻ってくる。イーロン・マスクとヴィヴェックが経済を???すると思っているのか?
・我々は彼らが言っているような歳出削減をすべてできるとは考えていないが、もし支出を凍結すれば・・・、ここでキーとなるのは、財政の永続可能性である。すなわち、政府の成長率を名目GDP成長率より抑えよう、という事である。その立場にたってみれば、スコット・ベッセンが言ったように、これは彼の政策であるが、財政赤字を3%に抑えようとしている。ゼロではない。3%というのは、より永続性が高くなる。債券市場はそれに反応している。少なくとも初期的には、ポジティブに。キーとなる負の面、短期的なリスクはterm premiumであった。もしterm premiumが広がり続ければ、(株の)マルチプルの真のリスクとなる。私は(債券市場の)初期反応に勇気づけられている。とはいえ、ここからそこに直線的に行く、とは言えるような自信はない。
ーこの政権のnorth starはどこにあるでしょう?あなたは減税について語ったが、関税は、多くのエコノミストが言うには、インフレの効果を持つ。しかし彼らはインフレ低下を目標に掲げている。トランプが最もやりたいのは、米国人が食料品を買えるようにインフレを下げることか?
・有権者からの委託は、物価が高すぎる、である。3つの問題がある。物価が高すぎる、受け入れられない。移民問題は解決されなければならない。そして終わらない戦争、不必要にカネを使い、多くのアメリカ人が死ぬ。彼はそれら3つを解決しようとする。ある意味、アメリカ・ファースト政策の捻りを加えたようなものだ。所得の再配分を変える・・・、税金をかけて分配するというのは非効率的だ。もし減税して、賃金のレベルで所得を再配分すれば、それはとても良い。それが(トランプの)ゴールなのだと思う。再度になるが、それはすべて実行にかかっている。
ー投資家として機敏になるというのは、より頻繁にトレードしろという事か?2025年は、あなたのチームにとって最もアクティブになる年だろうか?
・そのような言い方は良いだろう。我々はインデックスに集中せず、よりアクティブになっている。我々は顧客により多くのトレードを推奨している。私がトレードと言っているのは日々の売買ではない。3~6か月の話だ。大きなサイズのポートフォリオをローテーションするのにはそれくらいかかる。我々は大手顧客にできなことを勧めない。しかし、3~6か月のトレードというのは、12か月の見通しに比べるととても速いものだ。
ー株価と、経済のマクロ的な見通し、金利の関係が壊れたと思いますか?
・いや、より重要になっただろう。マクロは常に役割がある。私は多分来年、より多くの微小な機会(micro opportunity)が訪れると希望し、予想している。それが意味するのは、この経済と過去の政策・・・、ちなみに、過去の政策と言っているのは過去4年間の話ではなく、過去20年間のものだ。政府か民間をクラウドアウトしてきた、大きなものがさらに大きくなり、持つ者と持たざる者に2極化した経済である。それが私にとってのキーだ。我々は、非常に参加者の限られた経済から、これは消費者も企業についても同様、より広がりを持たすことができるだろうか?もしそれが起きれば、より多くの微小な機会を得ることが出きる。だからと言って、金利やそのほかの政策変更を無視して良いことにはならない。それらは微小な機会に影響を与える。
ーMag7はどうなる?独占企業だ。
・すでに冬が訪れている。勝者と敗者を分けるものは・・・、我々の知識では、サイクルを通じて、長い時間をかけて、大きな勝者が続くのは10年から20年である。次の10年、20年先の最大の勝者は今の勝者ではない。これについては多くを語ってきたし、書いてきた。私にとってAIは・・・、AIの興奮する面は、今日AIを作っている者達ではない。つるはしやシャベルを作っている者達は既に勝者である。(次の勝者は)アプリケーション・レイヤーである。誰が新しい計算プラットフォームを使った企業・消費者効率化できるソリューションを開発、提供できるのか?emailや、web browserや、SaaSのようなもの。Internetの最大の勝者はキャリアではない。アプリケーション・レイヤーである。
ーあなたは今年の初め、市場で買われているのは、AIを可能にする者、半導体会社、世界の嫌われ者だと書いた。今そのプロセスのどこにいるのか?そこから離れようとしているのか?
・いや、まだそこにいる。いくつかの会社は恩恵を得ている。しかし、とても狭い。この回転から恩恵を得ている会社は限られている。90年代と大きく違うところだ。当時は数百社が恩恵を受取っていた。まだそのフェーズにいる。adopter phase(AIを使うフェーズ)に移行するだろう。今のところAIを使っているのはhyper scalersに限られている。興奮させられるのは、このプラットフォームを使い、私のようなバカ者にアプリケーションを作り・届け、私をより生産的にさせてくれる企業についてである。平均な人間である私に、技術者にならずとも、私の仕事を効率的にこなせる・・・、株をみて、データを理解できるように整理して、顧客に届けるのを効率化してくれるような。
ー我々が知り合ってしばらく経ちますが、あなたは来年について興奮しているように感じます。
・ある意味そうだが、我々はこの6か月、興奮してきたともいえる。広がりがでてきた。それを数字で確認できるようになってきた。我々はこの時を待っていた。過去2四半期、選挙の結果が出る前だというのに、企業利益増加のストーリーが広がるのを確認できた。これは2ステップのプロセスだ。市場にはノイズがあふれ、高価である。すでに市場は先に進んでいる。電球を再発明する必要はない。市場がすでにやってくれている。しかし、私は広いパス、広い機会の集団(wider set of opportunities)があると思う。それが私を興奮させているのだ。
ーあなたは2025年の見通しについて多くの顧客を会話したと思います。彼らが最も懐疑的だったのは何ですか?あなたの見通しで、最も反発を受けたのはどこですか?
・私自身が懐疑的であるのだが、バリュエーションが高い。人々は株式市場のバリュエーションの高さに居心地の悪さを感じている。しかし、他に何があるのか?と。米国 vs. 他国の市場。それが最大のものだろう。
2番目は・・・、未だ不安定を感じている。地政学や政治についてだ。人々は政治的に2極化している。経済的に2極化している。それが人々は居心地悪くさせている。それが人々をとても強気に(uber bullish)にするのを難しくさせている。
ーあなたの顧客で政治的バイアスから離れられないものはいるか?
・誰もが政治的バイアスから離れて、数字を追っている。(←注:回答が長いのでまとめました)
ー私が聞きたかったのは、あなたの顧客の中で、どのような政策変更が難しい、できないだろうと思っているのか?という事でした。
・それについてはこの週末に書いた通りだ。政府をストリーム・ライン化(≒省力化)できるか?について多くの懐疑論がある。多くの人がそれを試みたきた。新しいアイディアではない。難しいのだ。システムの中にそれを阻むものが埋め込まれている。使わなければいけない支出があるし、civil liberties lawsもある。人々の権利や仕事を守ることは良いのだが、それはまるで巨大なおぼろげな物体(giant blob)との闘いのようなものだ。人々はblobを打ち倒せるかに懐疑的だ。私は、人々はそこにより広く心を開くべきだと思う。私は心を開いている。なぜならそれが米国人の望むののだからだ。投資を忘れて、私が市井の人と話すと、彼らは政府を見て「政府は多くの事をしてくれるが、私は自分の仕事が心配だ。なぜ異なる世界でやらなければいけないのか?」と言っている。私はそこに機会があると思う。政府の中の人を開放するものでもある。政府の中にはとても出来る人たちがいる。単に悪いチームでプレーしているだけだ。悪いチームでプレーしているプレイヤーを、より良いチームに入れよう、という話である。多分、その人からはより高い生産性が望めるだろう。私には、これがエキサイティングである。多くのリスクはあるが、とても散らかった道のりになる。しかし、それが私にとって興味深いのだ。
あまり前回と大きく変わっていませんが、そろそろ弱気派と呼ぶのをやめた方が良いかもしれません。しかし、単なる”強気派”とくくるのは間違っているので、新しい呼び名/カテゴリー名が必要が必要そう。
多分今までは顧客に会うたびに「あんた色々勧めてくれるのは良いんだけど、結局nVidiaを買っていた方が一番儲かったじゃん」と責められていたのでしょう。
それがトランプ政権・共和党多数派議会になり、様々な政策変更→民間の機会増加により、その環境が変わる(と思われる)ので、とても興奮している/喜んでいる雰囲気。それが大変よく伝わるインタビューでした。
ちなみに、”微小な機会”と言っているのは、S&P500やNasdaq100といった指数や、”ヘルスケア・セクター”のような大きなくくりではなく、個別株やセクターの中の小さなセクターに機会がある、という意味。例えば、大手防衛企業のLockheed Martinは売られて、防衛セクターの値は下がるのだが、兵器として使えるドローン企業は買われる、ような話。
ちなみに昨日のLMTは-3.75%。ムムム。
ーー
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