塾長です。
昨日(米国4/21)は株安、長期国債安(利回り上昇)。トランプのSNS投稿が原因/加速要因とされている。
トランプは”今”利下げしない事を攻撃材料にしているが、これは作戦ミス。むしろ(ほぼコンセンサスとなっている)パンデミック後のインフレ抑制失敗を理由にした方がWall Streetにも大衆にも受け入れられるのに。
彼が株安/円高に誘導してくれているうちに、米国株を買っておきましょう。
S&P500、5,158(‐2.36%)
Nasdaq、15,870(‐2.55%)
【米国市況】米資産売り加速、FRB独立性に疑念-ドル140円台後半 - Bloomberg
原油、63.43
10年債、4.41
ドル円、140.75
Bitcoin、87,147
なし。
なし。
なし。
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、FRB議長に再び利下げ要求-経済減速の恐れと主張 - Bloomberg
米小売大手、トランプ氏と「建設的」に会談-関税負担の軽減を要請 - Bloomberg
米国防長官、フーシ派攻撃情報を親族にも共有か NYT報道 | ロイター
新たな米国防長官の選定開始との報道、「フェイク」とWH報道官 - Bloomberg
ノーム米国土安全保障長官、現金3000ドルと入館証入りバッグ盗まれる - Bloomberg
ハーバード大への要求記した書簡、トランプ政権が誤って送付か 米紙NYT(CNN.co.jp) - Yahoo!ニュース
ハーバード大、トランプ政権を提訴 補助金凍結で:時事ドットコム
■注目決算なし。
■〆は・・・、今日も「株が上がることなら何でもヤレ」派のジェレミー・シーゲル教授;
ー今朝の市場の動きをどう見ていますか?米中間の貿易戦争の開始が反映されているようだ。
・私はデータを見ているが、FEDがアグレッシブに利下げする説得力のある経済的理由がある。スティーブ(・リーシュマン、CNBCの報道者の一人)が(利下げする)理由を示せと言っていたが、FEDの好んで使うデータに、長期のインフレ期待値がある。5 year 5 year forward rate of inflationと呼ぶものだ。テクニカルに聞こえるかも知れないが、難しいものではない。10年債と5年債の契約を見ることで、短期的なインフレ期待を取り除き、長期のインフレ期待だけを示すことができる。短期的にはトランプの関税で短期的にインフレが起きるのは知っているが、それが長期のインフレ期待に結び付くかが問題だ。それがまさに先週、パウエルが心配していると言った事だ。答えは、間違いなくNoだ。長期のインフレ期待は下がっている。
ーしかし、あなたは先週、FEDが債券市場に矛盾したシグナルを送っていて、紺頼させていると書いた。長期債金利が上昇し、イールドカーブがスティープ化しているので、FEDが利下げする理由は弱まっている、と。
・そうだ、(イールドカーブは)フラットよりも少し傾斜している。しかし、それは私が長期のインフレ期待を見る前のことだ。今、5年後の長期インフレ期待は2.3%である。それはCPIを基にしている。FEDが好むインフレ指標はPCEデフレータである。それは(2.3%を)0.3%幅下回っている。FEDが過去20年間使ってきて、パウエルが語っているインフレ指標が2%を下回っているのだ。
ー債券市場で先週起きたことを忘れてしまえ、というのですか?
・債券市場は多くの事で搔き乱されている。FEDの独立性などだ。私は、パウエルが利下げすれば、DOWは改善すると思う。
他の要因は、マネーとクレジットが十分な速さで増加していない事だ。過去1年間で、M2マネーサプライ成長率は4%以下だった。健全な経済においては、5~6%が必要だ。それは3年前よりも低下している。FEDが長期的な成長を刺激する唯一の方法は、金利を下げ、マネーの成長率を健全な状態に引き上げることである。
ーあなたはFEDの独立性を心配していますが、それでもFEDは利下げすべきだと思うのですか?
・もしFEDが利下げせず、関税のせいでリセッションになったとしましょう。トランプは誰を責めますか?トランプはパウエルを責めるでしょう。共和党が支配する議会は、そもそもFEDに友好的ではない。
ーという事は、FEDが独立性を保つために、FEDは利下げすべきだと言うのですか?
・パウエルが利下げすることで、FEDの独立性が強化されると思います。
ーあなたは最近出たインフレ率のデータを信じているのですね?そして、経済の方が心配である、と。
・トランプが政権を取って以来、長期のインフレ期待は30bpt下がっている。
ー真のリスクは経済にあると言うのですね。私はそれに同意しますよ。
・そうだ。真のリスクは経済にある。パウエルが心配していると言った長期インフレ期待は現時点で表れていない。
ー私は、不幸にも、関税は成長を減速させると思いますよ。貿易戦争が行ったり来たりしない限り、(関税による)インフレは一時の事だ。
・そうだ。もしあなたがPolymarketを信じるのであれば、リセッション入りする確率は60%近い。Wall Streetも確率を上げている。赤信号が点灯している。マネーとローンの供給が不十分で、長期的なインフレ期待がFEDの目標と一致していているのだから、なぜ(利下げ)しないのか?しかも、もし経済が減速しなければ、FEDは引き下がれば良いだけだ。FEDは軍艦のようで、動くのに時間がかかると言われるが、それには根拠がないし、それをサポートする論拠もない。彼らは必要ならば引き下がる(注:この場合は、利上げ)事ができる。私にとっては、利下げをしろと、赤信号が点滅している。
ーFEDは何かを待っているのでしょうか?あなたが1週間前から考えを変えたように。
・私は週末にデータを見て、考えを変えた。イールドカーブ反転状態が戻ったのは、ドルの問題のせいだ。なので、term structure(=イールドカーブ)のシグナルはそれほど強くないと言える。今はフラットだと言って良い。通常は長期債金利は短期より1%ほど高いはずなのに。FEDは5、6月と利下げすべきだろう。欧州中央銀行は7回利下げしている。長期インフレ期待は下がっている。マネーサプライの成長率が不適切なとき、インフレは起きない。歴史上、起きていない。1986年から34年間、パンデミック時期を含めて、(平均でマネーサプライは)5.5%/年成長してきた。(パンデミック時に)インフレが起きたのは、トランプとバイデンによる財政支出によるもので、パウエルがそれに降伏していたからだ。今は、FEDが好む長期のインフレ期待は、彼が利下げできるというシグナルを発している。
5Y 5Y inflation expectionだけで「FEDに利下げしろ」というのは無理筋・・・。彼にとっては株価が下がるのは許せないのでしょうが。
こちらがそのグラフ(過去1年間推移)。1年間全体を見れば下落基調だが、短期的には(10年債利回り上昇を反映して)跳ね上がっている;
M2 money supplyの過去10年間のチャートがこちら;
2023年11月辺りを底にして順調に増えているように見えますが?
イールドカーブの方はというと、昨日時点で;
・2年債 3.76%
・10年債 4.41%
・30年債 4.90%
となっており、きちんとスティープ化しています。
と、彼の言っている事はハチャメチャですが、「株価が下がる→逆資産効果→リセッション」の心配はあります。
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