塾長です。
昨日(米国5/9)は米中貿易交渉待ちで株はヨコ。
S&P500、5,659(-0.07%)
Nasdaq、17,928(+0.00%)
【米国市況】S&P500横ばい、米中協議に市場身構え-145円台前半 - Bloomberg
原油、61.06
10年債、4.3750
ドル円、145.3230
Bitcoin、102,813
なし。
■いつものように、FOMCが終了し、1日あいだを置いた9日、FRB高官が一斉にしゃべり始めた;
アトランタ連銀総裁、先行き見通せない中での金利調整は賢明でない - Bloomberg
リッチモンド連銀総裁、企業が関税を価格に転嫁できるとは限らない - Bloomberg
NY連銀総裁、インフレ期待の安定は不可欠-不確実性は当面続く - Bloomberg
バーFRB理事、トランプ関税はインフレ加速し失業増やすリスク - Bloomberg
米経済は引き続き健全、FRBには時間的余裕ある-クーグラー理事 - Bloomberg
■米国予算の歌舞伎(もしくは吉本新喜劇)が7月開演するらしい;
ベッセント米財務長官、債務上限巡る特別措置は8月に枯渇も - Bloomberg
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、対中関税80%が適切-無条件では引き下げずと報道官 - Bloomberg
トランプ政権、通商交渉の優先リスト策定-経済規模は大小さまざま - Bloomberg
EUとの関税交渉の優先度「非常に高い」、日本は最も巧妙-ナバロ顧問 - Bloomberg
トランプ政権、輸入航空機・部品を安保面で調査-関税の前触れも - Bloomberg
■注目決算なし。
■〆のインタビューは・・・、ハワード・ラトニック商務長官@Bloomberg(の一部);
ー他の貿易相手国とはディールが結ばれていないわけですが、この(英国との)ディールは他へのメッセージとなりますか?セクター毎の関税は交渉の対象だが、10%のbase rate(全ての品物にベースとしてかかる関税)はそうではない、という事でしょうか?
・そうだ。相互関税とは、相手国の市場が米国の輸出にとってどれだけ開かれているか?どれほど公正であるか?どれほど(米国に)貿易赤字があるか?で決まるものだと考えて欲しい。10%は関税の最低値である。しかし、大統領が言うように、多くがそれ(10%)より高いものになる。米国輸出に対して政府を開放、市場を開放すれば、それを下げていくことができる。セクター毎に関税については、貿易相手国がとてもスマートに振舞える場所である。もし彼らが市場を開放すれば・・・、これは英国がやった事であるが、英国は$5Bのサービスを米国から輸入し、$6Bの関税を払うから、その代わりに、自動車と鉄鋼・アルミ業界を助けてくれ、と言った。それらは米国にとって問題となったことはない。彼らは鉄鋼業界を公営化しているし、多くを持っていない。英国は我々の側に付き、同じ関税をかけ、クオータを設定し、悪人を排除し、我々の壁に守られた領域内に鉄鋼・アルミ業界を一緒に作ろうと合意した。これらは貿易合意をする上で、とてもスマートで、厳格で、正しい回答を導き出すキーとなるパーツである。
ー中国の視点から、英米合意をどう見るべきでしょうか?噂では、中国は米国と合意ができた国によってプレッシャーを加えられるだろう、との事だった。
・それはまったくもって我々の戦略ではない。それは明確にしておきた。我々の戦略は、これらの市場を貿易にとって解放するために、公正で相互の関税をかけるというものだ。いくつかの国は中国に対して巨額の貿易赤字があり、米国に対して巨額の貿易黒字がある。例えばベトナムは、中国から品物を買い$85Bの貿易赤字があり、$105~110Bの対米貿易黒字がある。彼らは中国の品物を(ベトナムで)組み立てて、米国に送っているのだ。ベトナム、タイといった国々がこの問題を持っている。中国の代理となっているのだ。我々の見解では、彼らの対中関税は、米国の対中関税と同じものでなければならない。巨額の対中貿易赤字を持ち、対米貿易黒字を持つ最も興味深い国は、EUである。誰もこれについて考えたことがなかった。EUは中国製品をEU経由で米国に輸出することで巨額の関税アービトラージをやっている。これが、米国がEUと話し合う上で障害となっている。
<一部省略>
ーあなたは先ほどいくつかの貿易相手国の名前を上げました。EU、ベトナムなどです。それらが次の貿易合意をする国でしょうか?日本、インドが先だと思っていました。
・我々はアジアで一つの国と合意したい。そうすればそれがある種のアレンジメントとして示せるからだ。ラテンアメリカでも一つやりたい。より早く(交渉を)進めるために、人々にどのようにビジネスをするかフレームワークを示したいのだ。一つラテンアメリカでやり、一つカリビアンでやれば、「これがテンプレートだ。これを基に考えて欲しい。これが機能すると思うか?修正したいか?修正したいならすればよい」と言える。そうすれば1つの合意が10になり、1つの合意が15になる。我々は大きなものもやりたい。あなたは日本と言ったが、日本や韓国とは長大な時間をかける必要がある。彼らとは素早くディールを結ぶことはできない。インドも難しくなっている。私はインドと合意したいし、その可能性はあるが、多くの作業がある。多くのline(←ここでは関税上の項目・品目の事)がある。これは表面を取り繕うための握手をする貿易合意ではないのだ。これは2,600品目の関税の変更し、修正し、引き下げようとしているのだ。インドに関しては多分品目数は7,000となるだろう。時間がかかるのだ。作業が多いのだ。我々にチャンスを与えて欲しい。押したり、急がないで欲しい。しかし、これは言っておきたい。どの貿易合意も同じように感じることになるだろう。米国からの輸出が巨大になり、巨額の関税という税収がある、と。それによって米国の産業ベースに自信を与え、劇的に米国経済を変えるだろう。
<以下略>
ということで・・・、
・対米貿易赤字をかかえている国は米国からの輸入を増やすべき。
・(中国はけしからんので)米国との貿易相手国のうち、対中貿易赤字&対米貿易黒字を持っている国は、中国に対して米国が中国にかける関税と同じ税率をかけるべきだ。EUは中国製品の対米輸出中継点となっており、けしからん。
・米国との貿易相手国は英国のように「サービス分野で米国製を買うから、鉄鋼分野で中国排除に協力するから、自動車・鉄鋼の関税を下げてくれ」といった交渉が可能である。
・テンプレートを作るために、アジアで1国、中米で1国、すばやく貿易合意したい。
・日本、韓国、インドとは品目が多いために、時間がかかる。
米国にとって良いディールにするから、米国民は少しトランプ政権に時間を与えて欲しい。
と言っているようデス。
トランプ政権のやりたい事(目的)「”公正な貿易慣行”の実現による米国貿易赤字削減」と「中国切り離し」の2つが複雑に入り組んでいて、どちらを重視しているのか良く分かりません。
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