塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【スコット・ベッセント】中国への超高関税を90日間停止し、非関税障壁排除に向けて協議を進める。

塾長です。

昨日(米国5/12)は米中貿易協議に前進があり、株高。

 S&P500、5,844(+3.26%)

 Nasdaq、18,708(+4.35%)

【米国市況】ナスダック100が強気相場入り、米中合意で-ドル148円台 - Bloomberg

 S&P500種株価指数は200日移動平均線を上回った。ナスダック100指数は4%高。リスク選好の回復とリセッション(景気後退)見通しの後退を背景に、S&P500種はトランプ大統領が「解放の日」と呼んだ4月2日の水準を超えた。アマゾン・ドット・コムを中心に大型テクノロジー株は急伸し、ハイテク銘柄の比重が高いナスダック100は強気相場入りした。

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  米国は中国に対する関税率を今月14日までに145%から30%に引き下げる。中国は米国産品に対する関税率を125%から10%に引き下げる。いずれも期間は90日間。

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、61.93

 10年債、4.4570

 ドル円148.42

 Bitcoin、102,958

 

 

経済指標:

なし。

 

 

金融政策:

■クーグラー;

クーグラーFRB理事、関税の経済的影響は著しい-引き下げでも - Bloomberg

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

■トランプとその仲間たち;

米中が90日間の関税率の大幅引き下げで合意-貿易協議で共同声明 - Bloomberg

トランプ氏、習氏との今週末の会談の可能性に言及-関税協議受け - Bloomberg

トランプ氏、薬価下げへ大統領令署名-業界は最悪シナリオ回避 - Bloomberg

 

 

個別株:

■注目決算なし。

 

■〆のインタビューは、Morgan Stanley マイク・ウィルソンと迷いましたが、財務長官 スコット・ベッセント;

www.youtube.com

ー我々は(交渉の)詳細の一部分は分かっていますが、交渉の雰囲気は友好的、融和的だったでしょうか?それとも、タフな協議だったと特徴づけますか?

トランプ大統領と習主席の関係のようだったと特徴づける。彼らは良い関係を持っているが、どちらもその国、その国民の主張を強く代弁している。なので、常に敬意をもったものである。2国は世界最大の経済だ。我々は強固で、前進する。共通の利益を見つけようと努力し、我々が解決しようとする問題点のリストを持ち寄った。その点において、我々は良い仕事をした。これは90日間の(関税)一時停止である。我々には計画、プロセスがある。今回の会談で中国とは関税のさらなる上昇を避けるための機構ができた。これは90日間の一時停止である。

 

ーあなたはそのトーンが継続すると思いますか?今後詳細を詰めると思いますが、どの部分が比較的容易で、どこが最大の問題点でしょう?

・何も簡単だとは思いませんよ。なぜならこれは長期間続いている問題だからです。しかし、私が言えるのは、トランプ大統領一期目において、2022年1月にとても効果的な貿易協定をオーバルオフィスでサインしたことだ。しかし、バイデン政権はそれを中国に守らせることをしなかった。なので、2022年1月のトランプ大統領が成功させた貿易協定がスタート地点になると思う。中国はトランプ大統領はどのような協定も強制的に施行する力があると分かったと思う。なので彼らは協議で何を合意するか熟考するだろう。

 

ー彼らに貿易合意を急ぐような感じを受けましたか?中国のビジネスは閉鎖し、工場活動は低下し、PMIは低下していると聞いている。

・副主席は熟練の協議者だ。彼は中国の高官であり、私はこの前に経済のブリーフィングを受けたが、彼から不安を感じなかった。しかし、前進しようとする感じ、相互敬意、相互利益を感じた。しかし、私は中国経済で何が起きているのか、米国への輸出を見ている。我々は貿易赤字国だ。歴史的に、貿易赤字国が協議で強い立場である。

 

ー過去数年間の中国の計画の一部は、彼らが消費するよりも断然多くの品を製造することである。それを米国だけでなく、世界中に輸出する。米国や欧州はそれをダンピングされたと感じている。あなたは中国の迂回輸出をやめさせようとしているわけだが、それは今週末にどのような形で話し合われましたか?

・それはすでに起き始めている。自動車、家電といった多くの品物においてだ。それはメキシコ政府との交渉の一部であり、我々の全体の戦略の一部である。中国は”双循環(dual circulation)”と呼ぶ経済計画を持っている。双循環における、我々のゴールは・・・、双循環が意味するのは輸出と国内消費のどちらでも使われる製品の製造である。双循環が「中国は過大な製造を行い、国内で消費できなかったものを輸出に回す」であってはならない。だから米国は高関税という形で禁輸を行ったのだ。我々は他国に何をすべきか言う必要はない。彼らは中国製品の波が彼らの海岸に打ち付けているのを目撃している。それらは行き場を見つけなければならないので、格安で売られ、現地の製造業を弱体化させる。

 

ー今朝の市場はこの合意を歓迎している。正解経済が歓迎していると言っても良いと思う。この合意は、過去政権から発せられているメッセージであるところの、中国をbox out(自陣から排除)する、関税で追加的な収入を得る、製造業を米国に持ってくる、にどのように作用するのか?批判者は関税を引き下げることで、それらのゴールをひっくり返してしまうと言っている。

・これは(関税の)一時停止である。4月2日時点の中国への関税は34%だった。それを10%に下げる。我々はまだ2月にかけたフェンタニル関税(フェンタニル/その原材料を中国が米国に輸出している事に関する懲罰的関税)20%を維持している。2025年に入って、30%を追加した。

 とても重要な点は、我々は中国との全面的なデカップリングを望んでいない。我々の望みは、戦略的必需品のデカップリングである。それらはコロナ期に我々が得られなかったものであり、効率的なサプライチェーンは弾力性のあるサプライチェーンでないと学んだ。なので我々は自身の鉄鋼業界、決定的な医薬品、半導体を守ることにした。それをやっている。相互課税は、それらの特定の関税とは関係ない。

 

ー我々はフェンタニルについて前進があったと聞いているが、20%の関税は維持される。これからの90日間で何が起きると予想していますか?ディールは成立するでようか?フェンタニルに関して、それはどのような形になりますか?

・これはトランプ大統領、政権全体にとって優先事項だ。私個人としても利害関係を持っている。二人の近しい友人が子供を失った。数十万人の米国人が毎年死んでいる。我々がジュネーブで中国側から聞いたのは、彼らが前駆体ドラッグの流入阻止にむけて米国を助けることに本気であるという事だ。中国側は副首相に率いられた貿易代表団と、フェンタニルのエキスパートであるdupity minister for securityを送って来た。米国も国防のスタッフを連れて行った。彼らは両国がどのようにして協力できるかとても長く深い会談を行った。

 

非関税障壁についても進展があったと言っていますが、非関税障壁の排除を実行に移すのは難しい。(協定に)言語化するのは難しいし、彼らはやると言ってやらないかもしれない。これからの90日間でどのような合意ができると思っていますか?

・これらの問題は一夜にして湧き出したのではない。40年かけて起きた問題だ。USTRのジェイムソン・グレア代表はこれくらいの厚さ(←手で30cmくらいを示した)の非関税障壁の本を持っている。それに加え、国の労働と産業に対する補助金がある。我々には、トランプ大統領が一期目で成功したplay bookがある。我々はその上に建てつけることができる。90日間停止したのはそれら非関税障壁に何ができるか見るのが目的である。中国は狡猾な非関税障壁があるために、関税は低いのである。間違ってはいけないのは、ここでのゴールの一つは、米国ビジネスに対して中国市場を公正な形で開放することだ。我々は米国ビジネスが中国で商売をできるようにしたい。ゴールの一部は不公平な非関税障壁を取り除くことである。我々はそこの焦点を当てる。

 

ー90日間の停止中の計画はありますか?交渉相手といつ会いますか?

・我々は計画とプロセスを持っている。そして今、会合の機構を持った。我々は次にどこで会うか分からないので、ジュネーブ機構(Geneva Mechanism)と緩く呼ぶことにしている。ここ(ジュネーブ)で会うかも知れない。2日間で多くの仕事をこなした。今後2週間のうちに会合を行い、総合的な合意に向けて前進すると思う。

 

ー米国は輸入国であり、中国は輸出国だ。中国に経済的な不安はあるが、米国にもある。米国では、経済不安が雇用統計などには未だ表れていないが、次の雇用統計などに出ると思いますか?経済減速は起きないと思いますか?それとも、まだ経済指標に表れていないだけでしょうか?

・経済減速が起こらなければならないと思う理由は無い。関税と言うのは、キャリブレーションの問題である。トランプ大統領は1期目に約20%の関税をかけた。バイデンはそれがもたらす収入を好み、それを継続した。それは大体、2段階、10%と10%で行われた。市場、経済は数年かけてそれに対応した。フェンタニル関税の20%は2月にかけたので、影響があるとすれば、既に表れているはずだ。しかし経済指標は上振れている。そして今、超高関税を10%にまで引き下げた。市場やビジネス界の人々は未来に生きているので、10%の追加関税には容易に対応できるだろう。

特定の業界を守るための関税と、それ以外の関税は別物と言い切っているので、日本の「自動車関税を引下げ」要求は通らなさそうデス。

 

本題の米中貿易に関しては、トランプ一期目では、中国が米国から豚肉や穀物を買うという取引が成立していましたが、バイデン政権ではそれが引き継がれませんでした(バイデンが合意の順守を強制しなかった)。

今回の協議では、そこが出発点になる、と。そうすると、合意は容易そうですネ?

 

それ以外で米国が中国に輸出できるものとなると・・・、

・車や飛行機は既に中国で産業が出来上がっている。

・防衛品は米国が売りたくない。

・P&G(生活必需品)、Costco(流通)、McDonald's、Starbucks(フードチェーン)等は進出済み。一応、金融も進出済み。

・中国で鉄鋼業界への補助金がなくしたからと言って、中国が米国から鉄・アルミを買うかというと?

GoogleMicrosoft、Meta(情報産業)はそれこそ中国共産党保全、防衛に関わることなので難しそう。

 

トランプの手腕に期待といったところでしょうか。

 

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