塾長です。
昨日(米国5/23)はトランプがEU、Appleに関税圧力をかけ、株安。
S&P500、5,802(-0.67%)
Nasdaq、18,737(-1.00%)
【米国市況】株とドル下落、トランプ関税巡る懸念再燃-142円50銭台 - Bloomberg
23日の米国株は下落。トランプ米大統領が欧州連合(EU)とアップルに対して関税賦課を警告したことが嫌気された。また為替市場ではドルが大きく下げ、2023年12月以来の安値を付けた。対円での下落率は1%を超えた。
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ベッセント米財務長官が、「複数の大規模な」貿易合意が数週間内に発表される可能性はあると述べたことに反応し、相場は一時下げを縮める場面もあった。
原油、61.76
10年債、4.5090
ドル円、142.5500
Bitcoin、107,821
ドル全面安で年初来7%下落、円上昇142円台-トランプ関税の脅威再燃 - Bloomberg
4月 住宅建築許可件数、142.2万件(予想141.2万件)
同[前月比]、-4.0%(-4.7%)
4月 新築住宅販売件数、74.3万件(71.0万件)
同[前月比]、10.9%(-3.3%)
米新築住宅販売、予想上回り2022年以来の水準に増加-価格下落 - Bloomberg
■グールズビー、ムサレム、クック;
FRB利下げ、短期的にはハードルが「やや高い」-シカゴ連銀総裁 - Bloomberg
セントルイス連銀総裁、FRBは長期インフレ期待の安定に注力必要 - Bloomberg
クック理事、米家計債務が金融システムに及ぼすリスクそう高くない - Bloomberg
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、日鉄とUSスチールの提携支持-CFIUS審査後 - Bloomberg
X+21.24%
トランプ関税で金融市場に再び動揺-対EU50%、アップルに25%警告 - Bloomberg
トランプ氏は自身のソーシャルメディア、トゥルース・ソーシャルに「貿易において米国を搾取することを主な目的として設立されたEUは、対応が非常に難しい」と投稿。EUの「強力な貿易障壁、付加価値税、ばかばかしい企業罰則、非通貨的な貿易障壁、通貨操作、米国企業に対する不公正で不当な訴訟」を批判した。
トランプ氏の発言を受けて欧州株は下げを拡大。高関税の対象となる自動車などが急落し、自動車株のサブ指数は一時4%を超える下げとなった。
アップルへの圧力強めるトランプ氏、iPhone国外生産なら「25%関税」 - Bloomberg
Apple -3.02%
トランプ氏、原発推進を大統領令で指示-世界のリーダー復帰目指す - Bloomberg
ベッセント氏、数週間内に「複数の大型合意」発表あり得る-貿易交渉 - Bloomberg
ベッセント氏、米国債取引巡る銀行規制の緩和示唆-SLR見直し - Bloomberg
記事の元となったインタビューはこちら(↓);
SLR見直しについては、トランプ政権が3,4Qに出す(予定)の規制緩和の文脈で語られており、もしかしたら彼らの規制緩和とは銀行規制だけなのか?と不安に・・・。
■注目決算なし。
■〆はマクロ・債券専門家 ジム・ビアンコ;
ー私は静かな週末を希望していたが、そうはならないようだ。欧州とAppleに対して脅迫があった。その2つのうち、どちらが市場にとって重要ですか?
・欧州だ。そちらの方が市場は大きいし、多くの品物を含んでいる。関税ONに戻った。市場が関税をナビゲートしようとする方法は興味深い。物価が上がるから、(経済は)弱くなるだろうか?物価と経済のどちらが支配力を持つファクターだろう?FEDの方向を見てみると、彼らは通常物価に焦点を当てている。これは多くのWall Streetの住人が見逃している点だ。全てが等しいと考えている。関税が戻ってくる、物価が上がる、それは(経済の)弱さを意味するが、FEDは利下げしないのだ。彼らは物価が安定するまで、利下げをしない。今はより多くの物価上昇があるかも知れない。
ーこのニュース(関税の脅し)の裏で、債券利回りは下がっている。短期債は8bpt下がって、3.91だ。過去数か月のレンジを割ったわけではないが、金利は下げている。10年債は6bpt下げて、4.47だ。あなたはインフレがあると予想しているわけですが、この債券の動きをどのように考えますか?
・これは株式市場が下げたことに対する反射運動だ。しかし、少し戻って、我々が関税について語り始めた時、金利は上昇傾向だった。金利が上昇傾向だったのは、事が収束すれば物価が上がると考えられたからだ。私が良く議論として出すのは・・・、米国が関税として4月に徴収した額は$7.5Bで、$400Bの輸入品に対して、1.75%上昇したことになる。誰がそれを支払ったのか?誰が支払わなければならない。大統領はWalmart、Apple、もしくは中国が関税を支払っていると我々に信じさせたいのだが、Truflation、Pricestatsといった数百万のモノの価格をInternet上で収集しているサービスを見れば、物価は上昇している。消費者が支払うモノの値段が上がっているのだ。その現実が続けば、債券市場は弱い経済よりも、そちら(高物価)によって駆動されるだろう。
ー債券の動きに関して言えば、これは米国に限ったことではない。物価上昇は世界の債券市場に影響を与えているのか?
・そうだ。物価上昇懸念が世界の、特に先進国の債券市場に影響している。全ての市場が貿易ディールをしなければならないからだ。UKとEUはかつて貿易ディールを行った。これはグローバル化の反対だ。それについて、最近はセグメンテーション(segmentation、細分化、区分化)という言葉が使われているようだ。国際貿易においてセグメンテーションが起きると、摩擦や追加のコストが発生する。そのコストは引き上げられた、粘着的なインフレとして現れる。それが全ての債券に衝撃を与える。過去1か月かそこら、先進国の債券市場(の利回り)は上昇している。一つの例外は中国だ。彼らの金利は下がっている。彼らの経済は警告的な状態にあり、物価上昇よりも成長(の弱さ)によって駆動されているという議論も成り立つ。
ー債券の動きが世界的だという事に衝撃を受けているのだが、ドル(安)に関しては明確だ。貿易交渉の不調の犠牲になっているのかも知れない。欧州に高関税をかけるというニュースの裏でドルは少し上昇しているが、高関税がかかったとしてもドルは弱くなるという説についてどう思いますか?
・私は2つの理由からドルが弱くなり続けると思います。一つは、それが政権の望みだから。彼らはドルが弱くなっても文句を言わない。ドルが弱くなってもドル支配や基軸通貨の終わりを意味しない。なぜなら、それに代わるものがないからだ。2つ目は、あなたが通貨市場を長く見ているならわかることだが、通貨のトレンドは誰もが考えるより長く、遠くまで続く。今後数週間から2か月くらいはドル安トレンドは続くだろう。例え金利が上がっても、欧州との金利差が広がっても、だ。
ー株についての質問で終わりたい。トランプが出てきて極端な事を言い、株が下がれば、買うという戦術(play book)を持っている。今回は違うだろうか?
・そうかも知れない。Wall Streetが理解に苦しんているのは、関税が貿易交渉のためのテコなのか?収入の手段なのか?という疑問である。もし関税がテコなのであれば、ほとんどのWall Streetの住人は安心だ。関税がテコとして使われ、最終的には関税が引き下げられ、貿易が再開する。しかし、もし関税が外国人から税金を徴収する手段であったら、我々が戦ってきたものよりも大きな問題となる。欧州に関して言えば、多くの人がテコだと思っているだろう。ゆえに、これ(トランプの発言)は交渉のための策略だ。中国に関しては、多くの人が収入だと思っている。欧州の関税の脅しは、貿易交渉を早く終わらせるための策だろう。
意訳しつつまとめると・・・、
・債券市場における金利上昇は物価上昇懸念によるものだ。これは世界的、特に先進国で起きている現象だ。物価上昇は高関税、グローバル化の反対であるセグメンテーション化によって起きると心配されている。
・実際に米国の4月の関税徴収額が1.75%増えており、トランプはこれが小売り業者、輸入業者、製造業者が支払うのだと人々に信じさせたいようだが、消費者が最終的に支払うことになる。
・ドル安は続くだろう。政権がそれを望んでいるし、通貨のトレンドは人々が予想するよりも長く続くものだからだ。
・トランプの関税は、地域によって目的が異なる。欧州に対しては彼らの関税(や非関税障壁)を下げさせ、貿易を活発にするため(米国からの輸出を増やすため)。中国に対しては、彼らの輸入品から収入を得るため(と言いつつ、先の議論の結論から言えば、米国消費者への増税)だ。
と言っているようです。
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