塾長です。
昨日(米国6/11)はCPIが予想を下回り債券利回り低下、ドル安(円高)。米中貿易交渉に進展があったようですが、株安。織込み済みでしたか?
S&P500、6,022(-0.27%)
Nasdaq、19,615(-0.50%)
【米国市況】株は反落、大手ハイテク株に売り-ドルは144円台後半 - Bloomberg
短期金融市場では、9月の利下げが75%前後織り込まれ、年内約2回の利下げを見込んでいる。
原油、68.97
10年債、4.4120
ドル円、144.15
Bitcoin、108,492
5月 CPI[前月比]、0.1%(予想0.2%)
同[前年同月比]、2.4%(2.5%)
5月 CPIコア[前月比]、0.1%(0.3%)
同[前年同月比]、2.8%(2.9%)
米CPI、コアが4カ月連続で予想下回る-関税転嫁なお限定的 - Bloomberg
■ベッセント議会証言;
米財務長官がCPI改善強調、上乗せ関税の猶予延長示唆-議会証言 - Bloomberg
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、「合意成立で」中国がレアアース供給へ-関税は現行維持 - Bloomberg
トランプ大統領、2週間以内に一方的に関税率設定-各国に書簡送付へ - Bloomberg
■Oracleなどが決算;
オラクル、クラウドインフラ事業に強気見通し-通期70%超増収へ - Bloomberg
時間外+7.13%
■〆はWall Streetの競合他社が次々とS&P500年末目標を引き下げる中、一人出遅れて「最も強気派」と呼ばれるようになってしまったWells Fargo クリス・ハーヴェイ;
ーWall Streetで「最も強気な人」はS&P500が年末までに今日の終値から16%上昇すると予想しています。クリス・ハーヴェイさんです。
あなたはなぜそれほど強気なのですか?16%上昇余地があると。これほど多くの知られていないことがあるのに。
・物語(narrative)とファンダメンタルズがあるのです。クレジット・スプレッドは85bptでしかなく、リセッションを予想するものではありません。IPO市場、M&A市場が心配だと言われていましたが、IPO市場はホットです。M&A市場は戻り始めています。規制変更について語ってきましたが、未だその恩恵を目にしていません。もし貿易交渉に進展があれば・・・、我々は米中交渉についてばかり語っていますが、米印交渉においてインドから発せられるレトリックはとてもポジティブなものです。それがテンプレートになるかも知れないのです。ウォラーは遠くない過去に「関税が10%なら利下げを始められる」と言いました。もし利下げが始まるならば、まったく新しい球技となるでしょう。もし貿易交渉が解決するなら・・・解決はしませんね。貿易交渉に形のある前進があるならば、あなたはその悪いニュース(=関税)の先を見ることができるようになるのです。2026年を見始めるようになれば、それはとても良いものになるでしょう。
ーあなたはどのようにして消費者、投資家の心理を見送ることができるのですか?ソフトデータのことです。
・私はソフトデータを大きくディスカウントしています。雇用には多くのノイズがあるので、私は多くの人と雇用に関して話をしています。しかし私は実際の痛みを見つけることができません。我々はエコノミスト、企業、アナリストと会話をしています。いくつか窪み(pockets)はありますが、システミックなものはありません。ソフトデータはそこにあるだけではありません。大統領選挙ではソフトデータは役に立ちませんでした。役に立ったのは予想データでした。そこに我々は賭けているのです。そこに多くの焦点を当てているのです。予想データはハードデータを支持しています。
ー雇用において心配なのは、これからやってくるものです。企業は関税の影響を抑えるために、他の所でコストをカットするでしょう。残念ながら大きくコストカットする一つの方法は解雇です。まだそれを目にしていないだけではないでしょうか?
・その考えは公正です。関税は時間差があると言われています。その通りかも知れません。
他の我々の話題になっているのは、不確実性です。私がコメントを出しても、最初は理にかなっていないように聞こえるでしょう。あなたは知らない事を知っているのです。もし夏の中盤になっても「知らない」のであれば、あなたは難しい決断をしなければいけないという事を「知っている」のです。あなたはコストカットしなければいけない、従業員を解雇しなければいけないと知っているのです。誰もがそれを同時にやる、というのは大きな恐怖です。
ー金利について教えて下さい。CPIを押し上げているのは住居費です。住居費は上がりましたが、ガソリン価格が下がったので、全体は抑制されました。住居費は下がるでしょうか?住宅市場の回復がこの経済の唯一の追い風です。そのためには金利の低下が必要です。
・国債利回りのボラタリティーが小さくなれば、住宅ローン金利は下がるでしょう。どのようにすれば国債利回りのボラタリティーは小さくなるでしょうか?FEDがフォワードガイダンスを出すことです。FEDが3か月後、6か月後、12か月後に金利をこのようにしますよと言うのです。我々はそれを得られるかも知れません。それで金利は変わらないかも知れませんが、住宅ローン金利は下がるのです。それは(住宅市場、経済にとって)プラスです。
私が一つ付け加えたいのは・・・、我々は大きな機会を逃しました。政府は債務に関して出来ることがありましたが、やりませんでした。債務を削減していれば、ホームランとなったでしょう。国債や住宅ローン債が買われたでしょう。住宅がより購入可能になったでしょう。大きな機会を逃しました。
ーあなたが3月末にこの番組に出た時、強気でした。それは正しかった。今はどうでしょう?S&P500のバリュエーションは歴史的にみてとても高い。
・私の考えは・・・、あなたも先に述べていたように、大きな恒久的AIトレード(great secular AI trade)があるのです。我々は90年代後半を生きてきました。90年代後半と(今は)比べられますが、公平な比較だと思いません。当時は、Worldcom、Quest、Global Crossing、Level3と言った企業は全て大きなレバをかけていました。クレジット市場からカネを借りて、さらにレバをかけて光回線を引いたのです。その哲学は「作れば、人々がやってくる」でした。こんちには、最も素晴らしい企業が自身のポケットからカネを出して資本投資しているのです。Wintelに似たようなものです。インフラストラクチャーの上に直接イノベーションが乗っかっていて、相互の影響しあっているのです。nVidiaジェンスンは「我々はAI工場を作っている」と言いました。それは良い表現だと思います。私はそれを信じています。それは素晴らしい恒久的なストーリーだと思います。
まとめると・・・、
・関税、雇用、景気について多くの悪い噂が出ているが、実際の経済指標にそれは表れていない。誰と話をしてもシステム的に雇用が悪化している証拠はない。
・貿易交渉については、対インドが進展しているのように聞こえ、それが対中のテンプレートになり得る。
もし8月ごろまで貿易交渉に進展がなければ、企業は関税コスト増を解雇で相殺しようとするかも知れない。それが一斉に起こる可能性はある。
・政権が債務を削減する予算を出していれば、住宅ローン金利は下がっていただろうが、彼らはそうしなかった。
住宅ローン金利を下げるためには、FEDが3,6,12か月後の金利の道筋を示す必要がある。国債利回りのボラタリティーが小さくなれば、住宅ローン金利は下がるだろう。(もし住宅市場が活気を取り戻せれば、経済全体に波及する)
・ここからさらに株価が上がると言えるのは、AIインフラへの投資とAI活用が長期的に続くと信じているからである。90年代に光ファイバー企業がカネを市場から借手「光ファイバーを引けば、誰か使うだろう」としていたのとは違う。
と言っているようです。
強気派はAI一色・・・。
Wall StreetでこれほどAIへの期待が高まれば、企業にも「AIを使え(そして利益率を上げろ)」という圧力がかかるし、(”Big Data”と呼ばれていた頃から始まった)AIブームはまだ続きそうデス。
ちなみに「10%関税なら利下げ開始できるかも」と言ったウォラーですが、FRB議長の座を狙っていると噂されていたりします(トランプはハト派を議長に据えたい)。
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