塾長です。
昨日(米国6/16)の米株は先週金曜日のイスラエル-イラン紛争から反発。
S&P500、6,033(+0.94%)
Nasdaq、19,701(+1.52%)
【米国市況】株反発、中東情勢への懸念後退で原油下落-144円台後半 - Bloomberg
原油、71.70
10年債、4.4520
ドル円、144.64
Bitcoin、107,705
6月 NY連銀製造業景気指数、-16.0(予想-7.0)
NY連銀製造業景況指数、6月は一段と縮小-見通しは大幅改善 - Bloomberg
FOMC 6/17、18開催。
なし。
■トランプとその仲間たち;
トランプ米大統領、イランは「対話を希望」-イスラエルは攻撃継続へ - Bloomberg
トランプ氏、イランとイスラエル巡るG7共同声明に署名しない意向 - Bloomberg
トランプ氏、日鉄買収のUSスチール取締役任命に権限-米紙 - Bloomberg
「トランプ・モバイル」がサービス開始へ、「米国製」端末は金色 - Bloomberg
トランプ米大統領、英国との貿易協定に署名-スターマー首相と会談 - Bloomberg
■注目決算なし。
■〆は・・・、Bloombergに弱気派といして取り上げられていたRBC ローリー・カルヴァシーナ;
米国株に年内20%下落リスク、インフレ急上昇のシナリオで-RBC - Bloomberg
ー今週は大きな週です(←FOMC)。投資家はイランーイスラエルの戦闘と、FEDに注目しています。FEDは水曜日に金利を決定します。RBC CapitalのHead of US equity strategy ローリー・カルヴァシーナさんをお呼びしました。
市場は、インフレ率が下落方向にあり、それがFEDの利下げを助けると思っていました。そして金曜日に(イスラエルのイラン攻撃が)起き、石油価格に変化がありました。それはどのようにシナリオを変えるでしょうか?
・我々のエコノミストは、石油価格が恒常的に上昇すれば、インフレ率の動きを曇らせ、水を濁すと言っています。RBC Capital社としては、いずれにせよ9月までFEDは動かないと予想していました。(利下げするのに)インフレ側にも、労働市場側にも十分なデータが無いからです。
RBC社は計算(←市場予測)方法に大きな変更をしました。今年に入るとき、多くの霧がかかっていました。関税の霧が消散し始めたと思ったら、地政学の霧がかかってきたようです。
ー消費者、企業のセンチメントがシフトしています。人々は再び警戒しているようです。
・そうです。今朝出した記事にも書きましたが、我々は中東のいくつかの点を注目しています。もちろんですが、全ての目は石油価格に注がれています。しかし、私がとても興味を持っているのは・・・、NFIB、企業調査、消費者調査、AAIIといったセンチメントのデータは屈曲してきました。いくつかはとても強く、いくつかは初期の段階です。このようなシチュエーションが起きると、センチメントにどのような変化が起きるでしょうか?最近ではセンチメントが市場を動かす大きな力になっているのです。
ーそれによって、あなたは投資家にどのようなアドバイスをしているのですか?S&P500は最高値から3%以内に戻っています。
・私のセンチメント・モデルは(株価が)さらに上昇すると言っています。私のバリュエーション・企業利益・GDPモデルは高すぎると言っています。広い幅の可能性が見込まれるという事です。予想屋がそう言うと嫌われれるのは分かっていますが、これが正直な真実です。私が先を見通すとき・・・、インパクトを受けるのはセンチメントだけでなく、バリュエーションもだと思います。今年最も人々に尽くしたのは「最良を願いつつ、最悪に備える」モデルです。もし石油価格が継続的に上昇すれば?この紛争が広がれば?と考え、どのようにポートフォリオを組むべきか?となります。石油価格が上昇するとき、エネルギー、素材(株)がアウトパフォームする傾向にあります。我々がこの事について週末調べていて気づいたのは、驚いたことに、打撃を受けるのは一般消費財セクターだけでなく、communication servicesセクターもなのです。近年、人々はcommunication servicesセクターをコアとして投資してきました。私も好きなセクターです。
ーCommunication Servicesセクターが石油価格(上昇)によって打撃を受けるのですね?
・Communiaction Servicesセクターは奇妙なセクターです。そこには多くの昔一般消費財だった株が移行したのです。それらは、インターネットが盛り上がったあとに、電話会社や技術的な企業と組み合わされたのです。メディア・エンターテイメント領域や、テック領域から(Communication Service)に引き抜かれたのです。奇妙なセクターとなっています。防衛的な株も少しあれば、テック側に消費者向けの銘柄があるのです。
ー消費者向けというのは・・・、石油価格が上昇すると、車を満タンにしたあと、ストリーミング・サービスに払うカネが残らないという意味でしょうか?
・その通りです。これ(communication services)は一般消費財と生活必需品の中間にあります。一般消費財は、多くの脅威・・・、フランクに言うと関税の脅威のもとでは、リスクがあり、循環的です。communication serviceはそれよりも消費者の財布の中で丈夫(durable)ですが、生活必需品ほどではないのです。
ー中東からのヘッドラインを読むと、恐ろしいことが起きています。ここで話しているような事とそれらを結び付けて考えるのは難しい。
・それはとても公正だと思います。企業決算会見のスクリプトを読むと、彼らは地政学的な脅威について多く語り始めています。今年の始め、大手の消費者向け企業の決算会見では、火災や天候について話をしています。飛行機墜落もありました。これらは全て単体の出来事で、消費者行動に直接影響しなかったと思われますが、水面下では、消費者の行動は注意深くなっていたのです。それが(再び)表れないか?と心配しています。
ー過去にもこのような出来事があり、株価は下がりました。October 7th event(ハマスのイスラエル攻撃)といったものです。この戦闘が広がるとしたら、あなたは何を予想しますか?
・「4段階の恐怖(ther four tiers of fear)」※で考えると、一段階目の恐怖であるgarden variety pullbackは5~10%下落です。この出来事の周辺の多くのエピソードは5%下落に関連しています。もし悪化したら、すなわち「最良を願いつつ、最悪に備える」という意味ですが、もし、リセッションと言う言葉が使われるようになれば・・・、関税による値上がりがデータに表れてくるのを忘れてはいけません、それが何らかの影響を及ぼし、「リセッション入りするかも?」と言われるようになれば、私としては4月安値をテストするのを容易に想像できます。
それとともに、私は週末一つのモデルを走らせてみました。金利やインフレ率を変えながら、バリュエーション・モデルを試しました。10年債利回りを今のままにし、FEDが3回と予想されているところ2回しか利下げしないとし、PCEを4%にしてみました。4%というのは仮の値です。どこかから示されたものではありません。醜悪な値を使ったのです。そのような条件を入れて、企業決算が今年のコンセンサスである264(ドル)であるとすると、S&P500の公正な価値は4,800~5,200と出ました。それは二段階目の恐怖であるgrowth scareの場合と合致しており、4月の安値とも合致しています。これが私を夜に眠れなくさせています。
さらに悪いケースを考えると・・・、我々が第三の恐怖段階と呼ぶリセッションや戦争です。ロシアがウクライナを侵攻、アフガニスタン侵攻、9/11後、イラク侵攻では、リセッションが織り込まれ、20~30%下落しました。私はそこまで行くとは思っていませんが、不確実性が増した時には、歴史に学ぶべきだと思います。
ーFEDが銀行をストレステストをかけるようなものですね。
・その通りです。
※RBCには「4段階の恐怖」というのがあり、
・Tier1 :The garden variety pullback、5~10%下落
・Tier2:The growth sare、14~20%下落
・Tier3:Recession、中央値27%下落
・Tier4:Major Crisis、50%以上下落
と分類しているそうです。
彼女の主張をまとめると・・・、
・今回のイスラエル攻撃があっても、なかったとしても、FEDは6月FOMCで利下げしない。利下げは9月と予想している。
・関税による不確実性の霧ははれてきてが、イスラエル‐イラン紛争で再び霧がかかった。石油価格が継続的に上昇するかも知れない。
もし石油価格が上昇すれば、影響を受けるのは一般消費財とCommunication Servicesセクターである。Communication Serivicesには一般消費財に近いテックが入っている。
・イスラエル‐イラン紛争が継続、中東全体が不安定化→石油価格上昇(&高止まり)→そこの関税による値上げが加わって、PCE4.0%となれば、S&P500は14~20%下落し、4月安値を試す。
と言っているようです。
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