塾長です。
昨日(米国6/18)はFOMCを無事通貨し、米株はヨコ。
S&P500、5,980(-0.03%)
Nasdaq、19,546(+0.13%)
【米国市況】株・国債は終盤に失速、FRB議長発言で-145円台前半 - Bloomberg
原油、75.29
10年債、4.3970
ドル円、145.08
Bitcoin、104,957
5月 住宅着工件数、125.6万件(予想135.8万件)
同[前月比]、-9.8%(-0.1%)
5月 住宅建築許可件数、139.3万件(142.9万件)
同[前月比]、-2.0%(0.6%)
米住宅着工件数、5年ぶりの低水準-集合住宅の大幅減少が響く - Bloomberg
■FOMC二日目、パウエル会見;
FOMC、政策金利を据え置き-年内2回の利下げ予想は変わらず - Bloomberg
会合後に公表されたFOMC参加者による最新の四半期予測では、当局者は今年の経済成長見通しを引き下げた一方、失業とインフレの見通しは引き上げた。
なし。
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、作戦司令室で開いた会合終了-イラン巡る計画は謎のまま - Bloomberg
■注目決算なし。
■〆は、毎度FOMC後に出演する債券王 ジェフリー・ガンドラック;
ーあなたはパウエル会見から何を受取りましたか?
・前回の会見と同じでしたが、メッセージは少しばかりハッキリとしていました。前回は「我々は何も知らない」だったので、良い印象を与えませんでした。今回は「様子見する(wait and see)」でした。
これについては年初から話しているのですが、我々はある地点に近づいています。1月、FEDは「我々は良い場所(=金利)にいる」と言っていました。その後、3月と今回(6月)の間に、SEPに修正がかかりました。少しずつ悪い方向に向かっています。インフレ率は下がって来ましたが、誰もが知っているように、パウエルも上方向のリスクがあるのを知っています。失業率はとてもよく抑制されていますが、高頻度のデータではなく、長期インディケーターには失業率上昇の心配があります。
インフレ側について話をすると、ベース効果があります。すなわち、1年前のデータが無くなて行きます(rollin off)。当時のCPIはとても低い値でした。ゼロと、0.1%が今後2か月にわたり、ロールオフします。それらは多分それよりも高い値と置き換わるでしょう。なのでFEDは次回、そして多分年末もインフレ率は悪化すると知っているのです。だから(SEPの)インフレ率予想を上方修正したのです。そして石油があります。これは短期で終わるかも知れませんが、中東の緊張により、10ドル、20%上昇しました。原油価格が10ドル上昇し、それが継続すると、CPIを0.4%押上げます。すなわち、インフレ率はベース効果により0.2%程、原油価格が高止まりすれば多分年末まで0.4%上昇するでしょう。さらに関税があります。どうなるか分かりませんが。ただ、会見で明らかになったことですが、パウエルは関税がインフレ的だと思っているようです。「(関税が)需要を破壊して、経済を減速させる」等の様々な議論があります。しかしパウエルはインフレ的で、誰かが支払わなければならない、と考えています。それはもしかしたら企業利益を徐々に減らすかも知れません。企業利益予想は今年、控えめに(moderately)下がってきています。
2つの責務の間で緊張が増しています。 ある時点で2つの責務のどちらかが勝つでしょう。私は「失業率上昇との戦い」が「インフレ率上昇との戦い」に勝つと思います。インフレ率上昇の方が徐々に起きそうになっています。パウエルは多分関税が一時的な物価上昇であり、2026年には消散するだろうと語っています。そうはならないかも知れません。なので静観するのです。債券市場にはイールドカーブのスティープ化が起きています。長期債の利回りが短期金利を大きく上回って上昇しています。私の考えでは、債券市場は一方の肩を持ち「年末までのあいだに、インフレ率が3%以上であっても、利下げするだろう」と言っているようです。失業率が上昇すれば、インフレ率が3.5%であっても、利下げする可能性が高いと思います。失業率(←金利の言い間違い)について注目している2つのインディケーターがあります。もちろんイールドカーブがスティープ化して反転するのを止めた(de-invert)のはありますが、最も価値があるのは2年債利回りと10年債利回りの差の12か月移動平均だと思います。もしそれがポジティブになるのは、過去35年間において、リセッション直前に起きるのです。今それは12か月平均を上回っています。なので我々はとても注意深く見ています。
他に注目しているのは、U3失業率です。今は4.2%です。それと、36か月もしくは3年間の移動平均との差です。1990年以降、すなわち過去35年間、それが移動平均を上回った時、リセッション直前なのです。それ(U3失業率が36か月移動平均よりを上回っている)は起きているのですが、加速していません。我々はとても注意深く観察しています。失業保険継続受給者数に注目しています。それは過去2年間上昇しています。それはつつましやかなU3失業率上昇の陰に隠れていますが、継続受給者数は上昇し続けています。もしこれが継続して上昇するならば、私は失業率が上昇すると思っています。
もう一つ指摘しておきたいのは、パウエルが過去5年間の異常な数字に対応しているという点です。money printing、サプライチェーン問題、それらの解消、そして関税、最も重要なコモディティーである石油に影響する中東の緊張です。
私には彼らが静観するのは理解しますが、究極的には、私は債券市場が何を意味しているか、神託を得る努力をしているにすぎません。我々は、年末に向けて、2026年に入って、CPIやPCEが上昇しても、利下げすると思っています。私はイールドカーブのスティープ化がトレンド化していると信じています。FEDは短期金利の下向きのプレッシャーをかけるので、スティープ化が続くでしょう。興味深いのは彼らが利上げについて言及しないことです。Q&Aにあったと思いますが、FEDの誰もが次の金利の動きは下だと考えているのは明らかです。これは、失業率対策を優先するだろうという私の考えと一致します。インフレ率が3%程度に収まっている限りにおいて、ではありますが。
以上が私がFOMCから得たものです。新しい情報はありませんでしたが、多くの動く部品があります。経済データ、関税、戦争です。他のどのようなものをこの「自然災害の方程式」に放り込めるというのでしょうか。
コロナ後のmoney printingや戦争はまったくもって自然災害ではありませんが・・・、細かいことは置いておいて、まとめると・・・、
・パウエルはインフレ率が上昇することを知っているので、利下げせず、静観すると決めた。
インフレ率が上昇する理由は、ベース効果(過去の低い物価が消えていく)、中東緊張による原油価格上昇、関税である。
関税は企業が(消費者に転嫁できず)自身で支払うことになり、利益を圧迫するかも知れない。
・債券市場ではイールドカーブのスティープ化が継続して起きている。2年債金利と10年債金利の差が12か月移動平均を上回るかどうかに注目。
・失業率については、U3失業率36か月移動平均を上回って加速するかどうかに注目。
・究極的には、私は債券市場が言っていることを信じる。債券市場はインフレ率対応と失業率対応であれば、FEDは失業率対応を優先すると言っているようだ。(長期債は売られ/値が下がり続ける)
と言っているようです。
物価も上がって、失業率も上がるというのは、いわゆるスタグフレーション。それが起きると言っている模様。
「債券市場が〇〇だと言っている」と述べていますが、昔の債券市場と違い、最近は機関投資家/ヘッジファンドが投機で債券市場を動かすので、当たるかどうかは・・・。
インタビュー後半の「どのようなポートフォリオを組むべきか?」については省略されています。今日、明日のうちに彼の会社のYoutubeチャネルにアップされると思います。
最近の彼は「ドルでの投資家は海外に目を向けろ。ゴールドを買え。長期債、質の低い債券は買うな」的な事を言っていて、多分そのまま変わずだと思います。
ーー
ランキングサイトに登録しています。いつもポチっとして下さり、ありがとうございますm(__)m