塾長です。
昨日(米国7/1)は買われ過ぎていた米株下落。債券は落ち着いている。予算上院通過、パウエルやトランプのコメントが出ているが、市場は新たな材料を探している様子。
S&P500、6,198(‐0.11%)
Nasdaq、20,202(‐0.82%)
【米国市況】S&P反落、利下げ観測後退で債券安-ドル143円台前半 - Bloomberg
原油、65.43
10年債、4.2510
ドル円、143.42
Bitcoin、105,394
6月 製造業PMI、52.9(予想52.0)
6月 ISM製造業景気指数、49.0(48.8)
5月 JOLTS、776.9万人(731.0万人)
米ISM製造業景況指数、4カ月連続で50割れー受注や雇用が悪化 - Bloomberg
需要の鈍化と受注残の縮小が雇用指数の低下加速を説明している。雇用指数は3カ月ぶりの低水準となり、5カ月連続で縮小圏にとどまった。
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一方、原材料コストの上昇は生産者にとって依然として問題になっている。仕入れ価格は69.7に上昇し、2022年6月以来の高水準に近づいた。
米求人件数が予想外に増加、昨年11月以来の高水準-レイオフ減少 - Bloomberg
■パウエル@ポルトガル;
パウエルFRB議長、この夏にかけ関税は目に見えて物価に影響へ - Bloomberg
■ハーカー後任;
アナ・ポールソン氏、フィラデルフィア連銀の新総裁に就任-初の女性 - Bloomberg
■予算が上院通過;
トランプ氏の税制・歳出削減法案、上院通過-共和党から3人造反 - Bloomberg
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、日本との合意困難と言明-30%や35%の高率関税賦課も - Bloomberg
テスラ株が時間外で大幅安、トランプ氏がマスク氏を再び批判 - Bloomberg
トランプ氏はまた、ホワイトハウス前で記者団からマスク氏に強制的な国外退去措置を講じる可能性について問われ、検討する必要があると答えた。
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マスク氏は「正気とは思えないこの支出法案が通過するなら、次の日に『米国党』を立ち上げる」と、新党結成の構想をXで再び表明。法案への反対は自身の企業に対する補助金維持が目的だとの見方は否定し、別の投稿で、「自分は文字通り全てを削減しろと言っている。今すぐにだ」と主張した。
-5.34%
トランプ氏、イスラエルが60日間のガザ停戦に条件面で同意と表明 - Bloomberg
■注目決算なし。
■〆のインタビューは・・・、最近市場は「FEDが9月FOMCで0.25%幅以上の利下げをする確率を90%以上」と織込んでいる。最近、本blogでも利下げ派を多く取り上げてきたような気がするので、今回は以前から「物価は高止まり、FEDは利下げしない」と主張するジム・ビアンコ;
ー投資家が持っている大きな疑問は、株のラリーが続くのか?というよりも、経済や企業のファンダメンタルズが株高をサポートするか?です。
・サポートする可能性はあると思いますが、それには”オフセット”を伴うでしょう。オフセットとは、経済が好調を続ければ、公正な金利が5%程度になるという事です。トランプ大統領とは異なり、私は金利が高くない、あるべき場所にいると思っています。強い経済と、もしかしたらインフレ率上昇があるかも知れず、それらは金利を押し上げるでしょう。それは問題として認識されるのではなく、株高へのオフセットとなるでしょう。なぜなら多くの人にとって債券が株の代替投資先となるからです。
ーパウエルや他のFOMCメンバーは政治的プレッシャーに負けないと言っていませうが、市場は今後12か月のうちに複数の利下げが来るというセンチメントになっています。その考えは実行可能(viable)でしょうか?
・それが実行可能になるためには複数の条件が満たされる必要があります。一番大きなのはインフレ率が継続的に抑制されることです。現在のレベルは高すぎます。4年間で最も低いと論ずる人もいるでしょうが、Coreインフレ率は2020年以前の30年間で最も高いのです。それが抑制され続けなければいけないのですが、(インフレ率が)底打ちした、もしかしたら再上昇すると示す多くのサインがあります。そうなれば利下げは防止されます。もしならなければ、(利下げは)実行可能です。さもなければ1年前と同じリスクを背負う事になります。FEDは100bpt利下げしました。彼らは早すぎました。経済は強く回復しました。長期債金利は直線的に上昇しました。10年債金利が3か月で3.6%から4.8%になったのです。インフレ率が下がると言う予想の元で利下げし、もしインフレ率が下がらなければ、10年債金利は5%を超えるでしょう。
ーアニマルスピリッツが戻ってきています。企業はIPOをしています。HOME Depotが買収を発表しています。何がこのような楽観や確信をもたらしているのでしょうか?
・4月8日以降に透明性(clarity)が増したからでしょう。4月7日「解放の日」があり、株価は15%下げました。その後トランプは90日間の猶予を発表し、UKと合意し、中国と合意したという噂があり、EUとも?と言われています。多くの不確実性がありましたが、それらが解除されています。それへのキャッチアップを目撃しているのでしょう。それに加え、経済の見通しは悲惨ではありません。”アメリカ例外主義の失墜”は行き過ぎでした。ドルは下がりましたが、米国経済は下がっていません。これらのディールの中にリバウンドを見ることができます。
ーあなたは透明性と言いましたが、単に遅れているだけではないのですか?(関税の)pauseは巻き戻しとは違います。
・私が透明性と言ったのは、彼らがやろうとしている事に対してです。彼らは多くのディールをテーブルの上に置いています。今朝、スコット・ベッセントはLabor Day前に多くのディールが締結されると言いました。市場は額面通り受け取っています。もしそうならなければ、大きな失望となるでしょう。それが透明性です。4月に戻って考えてみると、我々は何を期待して良いかさえ分かっていませんでした。どこに向かっている変わっていませんでした。(当時と比べて)多くの変化があったのです。
ー多くの変化がありました。そして市場はそれを消化しています。リスクがあるとすれば何でしょうか?
・私はインフレサイクルが2020年に終了した、高いインフレ率が続く時代になった、と考えています。いつも言っていますが、8.1%のインフレ率に戻ることはないでしょうし、ジンバブエのようなインフレにはなりません。3~4%のインフレ率です。コアインフレ率は現在2.8%です。私はこれが最も大きなリスクだと思います。インフレ率が3%程度、3%台の低いところに居座るのです。そうなれば、平常な金利は5%程度だと気づくでしょう。そのようなレベルの世界に我々は住んでいるのです。スコット・ベッセントは今朝、あなたの番組に出て、長期債発行を増やさないと言いました。「なぜこのレベル(の金利)の発行を増やさなければいけないのか?」と。それが暗示しているのは「債券市場に問題がある」「(長期)金利は高すぎる」というものです。しかし、現実は、高すぎないのです。これがリスクです。我々は高金利の世界、5%程度の金利の世界に住んでいるのだ、と気づくことです。そうなれば、株のバリュエーションなどに見直しがかかるでしょう。まだその段階には達していません。
補足しつつ、まとめると・・・、
- 株価が戻っているのは、4月7日時点でトランプの落し所が分からなかったのだ、少しずつ分かり始めているからだ。
- 米国の低インフレ時代は終わった。インフレ率は3~4%で推移するだろう。それに経済成長率2%加えた5%が適正な金利水準である。
- FEDが利下げすれば景気過熱、インフレ率上昇が想定され、長期金利がさらに上がるかも知れない。
- 現在、市場は「インフレ率は2%に戻る。5%といった金利は高すぎる(かつてのゼロ金利に戻るのでは?)」と考えている。市場が「インフレ率は3%前半、金利は5%だ。それが普通なんだ」と気づけば、株のバリュエーションは見直される(下がる)リスクがある。
と言っているようです。
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