塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【トム・リー】利下げ、マルチプル拡大、関税によるサプライチェーン再形成、MMFから株式市場への資金流入により株価はさらに上昇する

塾長です。

昨日(米国7/3)の米株は連騰。強い雇用統計や予算案議会通過といったポジティブなニュースはありましたが・・・。

 S&P500、6,279(+0.83%)

 Nasdaq、20,601(+1.02%)

【米国市況】S&P最高値・債券安、雇用統計上振れ-ドル145円付近 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、67.00

 10年債、4.3480

 ドル円、144.85

 Bitcoin、109,693

 

 

経済指標:

 6月 NFP[前月比]、14.7万人(予想11.4万人)

 6月 失業率、4.1%(予想4.3%)

 6月 平均時給[前月比]、0.2%(0.3%)

 同[前年同月比]、3.7%(3.9%)

 6月 サービス業PMI、52.9(53.1)

 6月 コンポジットPMI、52.9(52.8)

 5月 製造業新規受注[前月比]、8.2%(7.8%)

 5月 耐久財受注[前月比]、16.4%(16.4%)

 5月 耐久財受注コア[前月比]、0.5%(0.5%)

 6月 ISM非製造業景気指数、50.8(50.8)

米雇用者数は予想上回る、公教育分野けん引-失業率4.1%に低下 - Bloomberg

 雇用者数は州・地方政府での増加が目立ち、州政府の雇用は2023年以来の大幅増となった。特に教育分野で伸びた。地方政府の雇用も急増した。一部のエコノミストはこれらの数字の強さに疑問を呈し、季節調整の問題かもしれないと指摘した。

 

 

金融政策:

■ボスティックがタカ派発言;

FOMCの様子見姿勢は有益、経済底堅いが不確実-ボスティック総裁 - Bloomberg

 

 

財政政策:

■One Big Bueatifull Bill(税制・予算法案)が議会を通過;

トランプ減税法案、米下院通過-独立記念日に大統領署名式で成立へ - Bloomberg

 

 

地政学

■トランプとその仲間たち;

トランプ大統領、4日から貿易相手に送付開始の可能性-関税率の書簡 - Bloomberg

トランプ氏、米企業幹部引き連れて訪中も-政権が水面下で準備 - Bloomberg

米露首脳が電話会談、ウクライナ問題ほぼ進展なしとロシア側が示唆 - Bloomberg

ベッセント米財務長官、基軸通貨のドルの地位に不安はない - Bloomberg

「われわれは経済が成長する舞台を整えている」とベセント長官は共和党の税制歳出法案について述べた。「政府はインフレを抑制している。世界の資本にとって、米国を最適な投資先にしている。これは今後も続くだろう」と話した。

ベッセント長官、参院選で「日本は難しい立場」-利下げやドルにも言及 - Bloomberg

 ベッセント氏は経済専門局CNBCとのインタビューで、「日本は素晴らしい同盟国だが、今は難しい立場にある。7月20日参議院選挙を控えており、それが取引を進める上で多くの国内的制約をもたらしていると思う」と発言。「日本との合意がどうなるかは、見守ることになる」と話した。

ふむふむ。石破/赤沢が「ベッセントさん、選挙があるまで日本不利な合意はできません。選挙後ならば、米国産コメや自動車輸入拡大を受け入れられます」と言っているのでしょうか?”見守る”は「期限の7月9日を(選挙後まで)延期しても良い」とのメッセージ?

 

 

個別株:

■注目決算なし。

 

■〆のインタビューは強気派トム・リー

www.youtube.com

ー株は回復し、多くの人のポジションを超えて続伸しています。それは不確実性がピークを付けたときから開始しています。「不確実性のピークは強気になる時だ」と言われています。しかし今はそのご馳走を食べつくしたのではないでしょうか?

・そうは思いません。最高値を付けたのは適切です。2月の高値時点よりもファンダメンタルズも視界(visibility)も良好だからです。今後引かれる3つのレバーがあります。

 一つは・・・FEDは4月の安値で流動性を供給しませんでした。FEDは引き締め状態を続けているのです。しかし情報やデータはFEDのハト的だと示しています。それはまだ到来していませんが。

 2番目は、人々が「マルチプルは引き伸ばされてる(stretched)と言っている点です。しかしPEは拡張されるべきなのです。なぜなら米国企業は5つのストレス・テストを通過したからです。彼らはコロナ、その鞭効果、インフレ、FEDの最速の利上げ、アルマゲドン(=関税)を生き抜いたのです。さらに5つのエピソードが無ければ、2年後のマルチプルはさらに高くなっているでしょう。

 3番目は・・・関税によって経済のフローが再形成されました。うまく行けば、企業利益が予想を超えて高まるでしょう。

 これらの3つのレバーは(S&P500が)6,200だと伝えており、市場は我々が良い位置にいると気づき始めています。$7Tがヨコに置かれています。我々の顧客、機関投資家の顧客は疑念を持ったままです。これは最も嫌われたV字回復です。

 

 

ーこれほどのラリーがあったのに、投資家心理が追い付いていないという点は認めます。しかしMMFに$7Tがあるというのは、無関係(non sequitur)だと思います。MMFは酷い弱気相場が終わるまで増え続けるものです。MMFからカネは出てきません。しかもS&P500の総市場価値は$60Tです。

・いくつか言えることがあります。

 MMFのバランスは減少していました。増え始めたのは2022年からです。

 NYSE証拠金負債は、絶対値で2021年10月を未だに下回っています。約4年も経ったのに、証拠金負債が高まっていないのです。

 株を10%押上げるのに$60Tも必要ありません。必要なのは$200Bといったところでしょう。多くのロング・ショート戦略を取っている機関投資家はこのラリーに対してショートしています。ロングオンリー戦略のファンドマネージャは防衛的で、循環的なロングを信用していません。もし金利が下がり始め、FEDが緩和し始めれば、それは強制的に人々を景気循環に傾るでしょう。

 

ー今日出た雇用統計は何を生み出すでしょうか?民間セクターには回復力があるようです。FEDは様子見を続けそうです。

・雇用統計が弱く出れば、FEDは計算を変えたでしょう。しかし雇用市場は良かった。なので、今はインフレを待つ番です。夏にどれくらいインフレ率が上がるのか?実際、インフレ期待値は下がっています。我々はそれがCPIに反映されるのを待っているだけです。9月になれば、我々は利下げがあると考えるべきです。私は投資家として、FEDは1回ではなく、複数回の利下げを続けるだろうというところに注目しています。ECBと米国は政策金利において200bptの差があります。住居費を除いたCPIはどちらも(EU、米国も)1.9%です。

 

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[他のゲストの話が入ってい中断]

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ー工業は最高値を付けています。景気循環的な消費者品は保たれています。株式市場は経済が弱くなる方向には賭けていないようです。この市場には何の成長要因が織り込まれているのでしょう?

・良い質問です。ISMが50を下回り続けているので、工業はヨコだと思っていました。50以下を29か月連続で続けていて、それは統計開始以来のことです。抑制された支出があるのでしょう。株は動きました。消費者信頼感はヨコです。09年にも起きました。消費者信頼感がネガティブな時には消費者向け循環株を持つべきです。工業と消費者向け循環株の上値は限られていると思います。多分(上昇余地は)より金融や小型株にあるでしょう。しかし、この法案が通過し、関税問題が解決すれば、ISMは上昇し、企業利益は増えるでしょう。

 

ー小型株について言えば、いつ上がるのか?と常に言われてきました。一時期を除いて2021年のレベルを超えられていません。何があれば超えられるのでしょうか?

・投資家が「1度、2度、3度も騙したな」と言うのを責められません。私はPT Barnum(米国のホラ吹き興行師)ではありませんが、(小型株の上昇は)FEDがどの程度金融緩和にコミットするか?に依存すると思います。そのような状況は過去にありました。小型株を敬遠する投資家を責められませんが、4月の安値以降、小型株はアウトパフォームしています。銀行もです。このようなものをあなたが見たかったでしょう。

まとめると、

  • 4月時点にあった不確実性が無くなっているので、株が戻るのは当然だ。経済は好調で、3つのレバー(利下げ、マルチプル拡大、関税によるサプライチェーン再形成)の期待によって株価は支えられている。機関投資家は未だ強気になっておらず、カネが投資されずに横に置かれている。これが株式市場に流入するだろう。
  • FEDは利下げを渋っているが、CPIが下がり、9月から利下げサイクルが始まる。EUと米国では住居費を除いたCPIが同じ1.9%なのに、政策金利が2%も違う(米国が高い)のはおかしい/それだけ米国には利下げ余地がある。
  • 工業、消費者循環株の上値余地は限られている。金融や小型株の方がある。FEDの利下げに対するコミット次第だが。

と言っているようです。

 

 

 

最後の小型株/PTバーナムの話には・・・、トム・リーは以前から小型株を勧めていて、それがまったく機能していないという背景があります。確かに昔も「FEDが利下げするのだから、小型株が値上がる」と言っていたように記憶しています。それ以降FEDタカ派的になってしまったので、トムの予想が外れたのだと考えられなくも無いですが、要因が何であろうとも結局は当たり・外れで評価されるのが彼らの定め。ハズレはハズレです。

 

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