塾長です。
昨日(米国8/1)は7月雇用統計が驚くほど悪く、リセッション懸念→株安、利下げ期待→債券利回り低下。さらにFRB理事の一人が退任を発表→利下げ期待に拍車がかかりました。
トランプが(雇用統計を出している)労働統計局長をクビにしたのも影響しているかも知れません(トランプが政治的に雇用統計を操作しようとしていると疑われている)。
そして急激な円高(過去数日の円安の反動が出ただけとも言える)。
S&P500、6,238(-1.60%)
Nasdaq、20,650(-2.24%)
【米国市況】円2%超上げて147円台、株は大幅安-雇用統計で大荒れ - Bloomberg
原油、67.26
10年債、4.2200
ドル円、147.3750
Bitcoin、113,239
7月 NFP[前月比]、7.3万人(予想10.8万人)
7月 失業率、4.2%(4.2%)
7月 平均時給[前月比]、0.3%(0.3%)
同[前年同月比]、3.9%(3.7%)
7月 製造業PMI、49.8(49.5)
7月 ISM製造業景気指数、48.0(49.6)
7月 ミシガン大学消費者信頼感指数、61.7(61.8)
米労働市場はこの3カ月で激変、雇用者数は月平均3.5万人しか増えず - Bloomberg
・農業部門雇用者数(事業所調査、季節調整済み)は前月比7万3000人増
・エコノミスト予想の中央値は10万4000人増
・前月は1万4000人増(速報値14万7000人増)に下方修正
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雇用者数の伸びが低かったのは、製造業と専門職、ビジネスサービスのほか、政府職員の雇用減が反映された結果だ。地方の公的教育機関雇用者の下方修正が、5月と6月の全体的な下方修正に影響した。6月に微増した民間雇用者数は、7月は増加に転じた。ヘルスケアと社会福祉関連の雇用が主な要因だった。
米ISM製造業景況指数、5カ月連続で50割れー受注や雇用の低調響く - Bloomberg
一方、原材料費の高騰の影響がやや緩和されていることも統計からはうかがわれた。仕入れ価格に関する指数は5ポイント近く低下の64.8と、低下幅は昨年9月以来の大きさとなった。
米ミシガン大消費者マインド、5カ月ぶり高水準に上昇-株高寄与 - Bloomberg
・7月のミシガン大消費者マインド指数(確報値)は61.7
・エコノミスト予想の中央値は62.0
・速報値は61.8
・1年先のインフレ期待は4.5%
・予想は4.4%
・前月は5%
・5-10年先のインフレ期待は3.4%-1月以来の低い伸び
・予想は3.6%
・前月は4%
■クーグラーが辞任;
クーグラーFRB理事、任期途中で辞任-トランプ氏に後任指名の機会 - Bloomberg
■ウォラー、ボウマン;
FRB高官2人、労働市場の懸念に言及-据え置き反対の理由説明 - Bloomberg
ウォラー理事は「様子見姿勢は慎重過ぎると考えている。見通しを巡るリスクのバランスが適切に取れておらず、政策が後手に回る恐れがある」と声明で述べた。
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ボウマン副議長も「労働市場は以前に比べて活力を失い、脆弱(ぜいじゃく)性が増している兆しがある」と述べた。
■ハマックがタカ派発言;
クリーブランド連銀総裁、労働市場は健全-雇用統計「確かに失望」も - Bloomberg
ハマック氏は今回のデータ(←7月雇用統計)を踏まえた上でも、連邦公開市場委員会(FOMC)の政策判断に自信を持っているとし、当局者は雇用とインフレという2つの責務のバランスを取る必要があると論じた。その上で、より大きな乖離(かいり)が見られるのは依然としてインフレの方だとの考えを示した。
なし。
■トランプとその仲間たち;
トランプ氏、労働統計局長を解任へ-雇用統計を「政治操作」と非難 - Bloomberg
トランプ氏は「このバイデン前大統領の政治任命者を即時解任するよう、チームに指示した」とソーシャルメディアに投稿。
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「より有能で資格のある人物が後任になる。このような重要な数字は公正かつ正確でなければならない。政治的目的で操作されてはならない」
トランプ氏、原潜2隻の配備指示-ロシアの「挑発的」発言に言及 - Bloomberg
パウエル氏が利下げしないならFRBが実行を、トランプ氏主張 - Bloomberg
「『遅過ぎ』のパウエル氏は頑固な愚か者だ。今すぐ、大幅に金利を引き下げる必要がある。パウエル氏が拒否し続けるなら、理事会が実権を握り、誰もがやらなければならないと分かっていることを実行すべきだ」と、ソーシャルメディアに1日投稿した。
■CVX、XOMなどが決算;
エクソンモービルとシェブロンが予想上回る決算、記録的な生産が寄与 - Bloomberg
CVX-0.16%、Forwared Yield4.51%
XOM-1.79%、Forward Yield3.55%
■労働統計局長がクビになった事について、最近登場回数が多いJefferies デイヴィッド・ザボス;
ー今日はあなたを迎えられて嬉しく思います。あなたはかつてFEDでエコノミストとして働いていたのですから。
・とても昔のことですが、その通りです。
ーあなたは、市場ストラテジストが雇用統計の算出手法を疑っていると思いますか?政治的に操作されていると?
・我々は常に統計に疑問を持っています。より良い方法があるだろう、と。
あなたの質問には良い点があると思います。なぜデータがかつてよりも変動が激しいのでしょうか?我々に良い答えがあると思いません。この政権は政治的な動きが裏で動いていると疑っています。湿地帯(swammp)だ、と。トランプ政権は、被任命者(←FED議長や今回クビにした労働統計局長)に関しては、まず撃ち落としてみてから、質問をする、という手法を取っているのかも知れません。政権にはその権利、特権があるのだと考えているようです。被任命者は政治的に任命され、議会で承認されます。(去年)9月の利下げは政治的なバイアスがかかっていたように思います。遡れば、ジャネット・イエレンは2016年、利上げのコミットメントを翻しました。トランプ第1期の大統領選挙の時の出来事です。多くの政治的な潮流が底に流れていると思います。内臓を取り除く動きがあっても私は驚きません。
ーでは、(労働統計局長の)インタビューはどのようなものになるでしょうか?「9月雇用統計をどう思いますか?そうですか、良いと思いますか。では採用です」となるのでしょうか?これが良いようには思いませんが。これも政治的ですよね。
・そう思います。この職は特に政治的に独立しているべきだと思います。例え政治的な任命だとしても、統計に留まるべきです。私は先ほどのモハメド・エル‐エライアンの議論が良かったと思います。より多くのリソースを(労働統計局に)投入し、より良くしよう、と。彼らは正しい数字を導き出すのに失敗したのだと思います。誰かの職をレビューしたときに、これほど多くの修正があるのですから、多分、変化が必要なのでしょう。この問題に関しては、そのように見るのが公正だと思います。
ー私は市場のカタリストを見つけようとしています。関税に関してはだいたい70%に筆が入りました。完成していないが、大枠が決まったという意味です。中国とのディールを待っています。あなたはいつそれが成されると思いますか?何がベストケースですか?市場にとって?
・財務長官が明確に述べています。関税交渉は素早く動いています。EU、日本とのディールは「おいおい、こんなに早く、アグレッシブに決まるのか!」といった感じです。それに従って我々(投資家)は動くべきです。
本当の質問は「これがどの程度市場にとって重要か?」です。4月、我々は世界が狂ってしまうと思いました。しかし今は、より理解が出来ています。関税交渉はシンプルなのだ、と。トランプは昔からある交渉手段を取ったのです。破壊して、皆を交渉のテーブルにつけさせ、米国にとって公正なディールを結ぶのです。トランプがカードを持っているからです。貿易相手国はトランプに協力的にならなければ、負けるのです。トランプは賭けをしています。その賭けとは、貿易相手国の方が失うものが多いので、交渉に応じるだろう、というものです。それが今起きている事だと思います。市場はこのテクニックを理解したと思います。大きな数字が出てきても、もう驚きません。スイスを見てください。約40%です。スイスがテーブルについて「関税を下げるために何をすべきですか?」と聞いてきても驚きません。気づく前に15、20%に戻っているでしょう。スイスが譲歩や投資をするからです。これがディールです。私は、もはや関税交渉が4月の時のように市場を動かすと思いません。市場は金融政策やOne Big Beautiful Billの投資が成され、それがデータに反映されて動くようになるでしょう。
まとめると・・・、
- FED議長や労働統計局長といった職は、政権によって政治的に任命され、議会承認されるものである。
この政権は、まずやらせてみて、結果を見てから判断(ダメならクビ)するという手法を取っている。クビにするのは政権の権利、特権だと考えている。 - 労働統計局長に関しては、彼らのやり方が古く、かつてよりも修正が大きくなっている。これほど正しくないデータを出すのだから、政治とは関係なく、変化が必要だ。
- トランプの関税交渉は、皆をビックリさせて、交渉のテーブルにつかせ、譲歩を迫る、という昔からある手法を使っている。市場はそれを理解し、もう大きな数字が出てきても驚かない。スイスに関しても、いつのまにか彼らが譲歩するなり、投資を発表するなりして、関税率は下がるだろう。
今後、市場は、金融政策や、One Big beautiful Billが経済データに表れ、動かされるようになる。
と言っているようです。
ちなみに、労働統計局で雇用者数を算定するためにはBirth Death Modelという手法を使っていて、それへの批判が大きくあるようです;
Birth-Death Ratio: What It is, How it Works, Criticism
そもそも彼らは民間企業、公的機関をサンプリングしてサーベイ(聞取り調査)しているだけなので、ADPのように(大手企業の)給与明細の処理・発行を請け負っている会社の方が正確な数字を出せるのでは?と言われています。
私の会社にも経済産業省かどこかから「統計調査に協力してください。これは義務です」的な封書が届きますが・・・、中小企業の皆さんはどのように対応されているのでしょう?(見返りもないのに)律儀に協力しているのでしょうか?
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