塾長の資産運用

アメリカ株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

米国株続落。P&Gに癒される。

塾長です。

昨日(米国1/19)の米株市場は、オープン後反発するそぶりを見せたものの、失速。続落。Nasdaqが調整入り(correction, 直近高値より10%以上下落)。

 S&P500、4,532(-0.97%)

 Nasdaq、14,340(-1.19%)

【米国市況】株続落、ナスダック総合が調整局面入り-原油は続伸 - Bloomberg

ナスダック総合指数は1.2%下げ、昨年11月に付けた高値からの下落率が10%を超えた。

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、86.28

 10年債、1.8270

 ドル円、114.3700

 Bitcoin、41,840

米国の利上げが予想されているのだから、円安になってもおかしくない気がするんですけどねぇ。為替は素人なのでスルー。

 

 

経済指標:

 12月 住宅着工件数[年率換算]、170.2万件(予想165.0万件)

 同[前月比]、-0.1%(-1.7%)

 12月 建設許可件数[年率換算]、187.3万件(170.1万件)

 同[前月比]、9.1%(-1.0%)

米住宅着工件数、予想外に増加-許可件数は約1年ぶり高水準 - Bloomberg

住宅バブルはまだ続く感じ。

 

 

金融政策/財政政策:

バイデンが就任1周年で演説。

米大統領、FRBがインフレ抑制で政策「再調整」するのが適切 - Bloomberg

大統領は「物価高が定着しないよう確実にする重要な責務は連邦準備制度に託されている」とした上で、「米経済の力強さや最近の物価上昇ペースを踏まえれば」、パウエル連邦準備制度理事会FRB)議長が指摘するように、金融当局がインフレ抑制のため現在の必要に応じて支援を「再調整」することが適切だと語った。

 :

連邦準備制度の独立性を私は支持する

「インフレはFRBが対処すべき、FRBは政権とは関係ない(から、支持率下がるのは勘弁して」と言ったように聞こえてしまう。インフレ原因の一つが、財政ばら撒きだったのでは?

 

 

個別株:

Bank of America、Morgan Stanleyが決算。どちらも悪くなかった様子。

BofA、10-12月は融資回復で好業績-トレーディングは予想以下 - Bloomberg

モルガン・スタンレー、予想外の株式トレーディング増収-債券は低迷 - Bloomberg

今まで出た銀行決算では、行員の給料を高くしたのがコスト押上要因・利益圧迫要因と言っているけれど、そもそも銀行トップの給与&ボーナスが高過ぎだったりしませんかね?例えば、トップが100億円もらっていれば、幹部は10億円欲しいだろうし、その下は1億円くれって言うでしょう。

過去記事:ゴールドマン、CEOに特別ボーナスか-報酬減額処分から1年足らず - Bloomberg

ソロモン氏とジョン・ウォルドロン最高執行責任者(COO)は合計で5000万ドル(約56億8500万円)余りを受け取る資格がある。

 

 

Procter & Gambleが好決算。Bloombergの記事が無かったので、日経をペタリ。

米P&G、値上げでコスト吸収 22年通期予想を上方修正: 日本経済新聞

株価は+3.36%、162.00。こちらP&G株価、1年。

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P&G 1Y 2022/1/19 - Yahoo Finance

PER 29.61、Forward Dividend & Yield 3.48(2.22%)。

少し買われ過ぎの感はありますが、pricing powerを持っているのでインフレヘッジになり、配当もそれなりにあって(本当は3%くらい欲しい)株式市場下落局面時、ポートフォリオに組込んであると、気が楽になる銘柄。巨大なリターンは期待できない。

個別株が嫌な人は、Consumer Staples(生活必需品)セクターETFを。P&GはHDVVYMにも入っています(今日時点。最新情報はそれぞれのリンク等から確認を)。

金利上昇への恐れから米国株が下落。これからはESG投資だ!

塾長です。

昨日(米国1/18)の米株市場は、利上げが意識されて、下落。

 S&P500、4,577(-1.84%)

 Nasdaq、14,506(-2.60%)

【米国市況】株売り強まる、国債利回り上昇-早期利上げ観測で - Bloomberg

もっと大きな利上げ、米国債利回り上昇で市場は25bp以上を意識 - Bloomberg

 

多分、17日(月)に発表された中国GDP伸び悩み&テコ入れのための中期政策金利引下げニュースも意識されたのだと思いマス。

中国:10-12月期GDP、前期比+1.6%; 前年比+4%, 予測値を上回る - Bloomberg

中国がMLF金利下げ、景気リスク拡大-10~12月GDP伸び悩み - Bloomberg

 

セクター別では、エネルギー以外全てマイナス。

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SPDR sector ETF 2022/1/18 - Yahoo Finance

債券も株も売られて、どこにカネが向かうのか?株に戻ってくるしかないでしょうネ。

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、86.56

 10年債、1.8650

 ドル円、115.5800

 Bitcoin、42,460

OPEC、年内の石油市場は旺盛な需要で「十分支えられる」-月報 - Bloomberg

ゴールドマン、ブレント原油予想引き上げ-22年7-9月に100ドルも - Bloomberg

 

 

経済指標:

 1月 ニューヨーク連銀製造業景気指数、-0.7(予想25.7)

 1月 NAHB住宅市場指数、83(84)

NY連銀製造業景況指数、1月は急低下-オミクロン株の影響示唆 - Bloomberg

米NAHB住宅市場指数、1月は小幅低下も依然高水準 - Bloomberg

 

米国の経済指標ではありませんが、こちらの報道も気になるところ。

欧州新車販売、昨年12月に22%減-年間では90年代初め以来最低 - Bloomberg

本当に半導体不足が新車販売停滞の理由でしょうか?

 

 

個別株:

まずは小さなニュースから。Goldman Sachsの決算、利益が予想を下回り、株価下落。

ゴールドマン、10-12月は予想外のトレーディング減収-株価急落 - Bloomberg

ゴールドマンの年間経費が過去最高、金融界の人材獲得競争の激化映す - Bloomberg

 

 

ビッグニュースだったのは、MicrosoftによるActivision Blezzard買収。

マイクロソフト、アクティビジョンを7.9兆円で買収へ-過去最大 - Bloomberg

買収計画は、大手IT企業が事業の範囲や影響力について規制当局の調査を受けている米国で、厳しい審査を受ける可能性が高い。テクノロジー問題で米国と既に摩擦を抱えている中国も、今回の買収案件を審査する公算が大きい。

上記報道にあるように、買収が認められるか流動的。中国はTensentなどゲーム会社をイジメているので、どうするのでしょう?買収は認めるが、ゲームは売らせない、とか・・・。

 

 

最後は、世界最大の投資資産運用会社BlackRock CEO ラリー・フィンク(Larry Fink)の年次書簡。

ブラックロック、ステークホールダー資本主義を擁護-CEO年次書簡 - Bloomberg

ここ数年の書簡と大きく異なるのは、気候変動ではなく資本主義が脚光を浴びたことだ。「われわれがサステナビリティーを追求するのは環境保護主義者だからではなく、資本主義者であるからであり、顧客に対する受託者責任があるからだ」とフィンク氏は記述。短期的な結果よりも長期的な利益を優先するよう、企業に促した。

 

その中身は上記記事を読んでもらうとして、元BlackRockでESG投資を統括していたタリク・ファンシー(Tariq Fancy)が、フィンクの書簡/ESG投資に対して反論(なのか?):

www.youtube.com

ーあなたにとって、Larry Finkの書簡で最も理解しがたい部分はどこですか?

・彼のメッセージには理解しがたい点が多くある。一つは、資本主義への批判に対して偽の戦いを演じていること。その批判が右翼側から来るのであれば、何も問題はない、全てはマーケティング、PRである。気候変動に対して、現状を維持し、何の進歩ももたらさない。

ーある意味、フィンクが言った事、サステイナブル投資は手段である、という点には同意するのですね。そして、サステイナブル投資は現状を変えず、彼が果たせない約束をしつつ、そこに人々の投資を呼び込んでいると。

・彼の主張の根本部分には同意する。気候変動や社会問題に対して何かしなければいけない。私が同意できないのは、HOWの部分である。サステイナブル投資のほとんどがマーケティングとPRである。ステークホルダー資本主義をスポーツの世界に当てはめてみよう。競技者たちが勝ちたいがために、汚い手段を使う。その答えは”good sportsmanship”だろうか?各自が審判になれと?それは違うだろう。答えは強制的、義務としてのコンプライアンスである。自ら進んで行うコンプライアンスではない。特に市場の失敗がある所では、そうだ。そのような市場では、企業は公共の利益に反する行いで利益を得ている。ステークホルダー資本主義は、実行面で役に立たない。気候変動に対して、先延ばしすることはできない。ESG投資に積みあがった資産と、温暖化ガス削減や社会問題解決に何の関係も見いだせないのだ。

 最も大きな心配は、時間を無駄にして地球を危機にさらしているだけでなく、資本主義の政治的根幹(the political foundations of capitalism)を危機に晒しているのだ。私自身は資本主義者である。我々に必要な仕組みは、脱炭素のためのイノベーションを推進する管理された資本主義である。我々より若い世代は資本主義を信用していない。彼らは指導者達が”ブラ・ブラ・ブラ”と言っているだけだと思っている※。ステークホルダー資本主義は彼らへの回答にならない。

ー私も、ESG投資の多くがマーケティングであり、綺麗な包み紙だと思う。

 多くのESG投資の責任者に直接的な質問をぶつけてきた。FacebookはESG投資のポートフォリオに入るか?Googleはどうか?Dual Calss Share Structure(2重議決権種類株式構造、株主総会での投票権がある株と、無い株の2種類を発行している)企業は良い企業統治の模範と言えるか?と。彼らは永遠に答えをはぐらかす。

 その話は置いておいて、あなたが資本主義が解決策にならないと思うのであれば、政府の行動が解決策であると言うのでしょうか?しかし、炭素税は導入されそうにない。これでは八方ふさがり(catch 22)ではないか?

・まず、その質問の前提に問題がある。資本主義と政府のアクションが相互排他的であると暗に言っている。政府によるルールが強制されない資本主義システムや市場は存在しない。NBAがルールを決めずにバスケットボールの試合が行われることはない。ここでの問題は、good sportsmanshipに頼るかどうか。企業が急に社会的意義に目覚め、長期的に正しい事をやる、例えば2050年に温暖化ガス排出ネットゼロを進んで達成するのか。もしくは、CEOがクリーンに戦って負けるのと、汚く戦って勝つのを選ばなくてすむように、レフリーが介入するのか。私がLarry Finkや、その他署名した人々に聞きたいのは、専門家が言うように、政府による制度改革が必要ではないか?資本主義を置き換えようとするものではない。民間セクターを促進するのだ。Operaton Warp Speedのように。COVID-19では、政府が活動場所の制限やマスクを強制し、患者数を減らした。そして民間企業をR&D直接投資、事前買入などで刺激した。それと同じことが気候変動でもできるはずだ。なぜそれが出来ていないか?それはインキュベーション期間が数十年にもなるからだ。数週間では済まない。ベビーブーム世代のCEOを若い世代の従業員の利益と対立させるのが役立つだろう。若い世代は最も賃金が低く、最も(気候変動の)結果にリスクがある。短期的には政府の行動が必要と言われるだろう。長期的には、Gen-Zの新自由主義ナンセンスを知る事だ。ノーベル賞をもらったエキスパートは炭素税が必要だと何年も前に言っている。数週間前のWall Street Journalが報じたところによると、Larry Finkは炭素税に反対だそうだ。我々は炭素税の導入が必要だ。このような2重話法が、我々世代が問題解決に向かうのを不可能にする。我々が必要とするイノベーションを生み出す資本主義の信頼が揺らいでいるのだ。

言っている事は分かるのですけどね・・・。

そもそもベビーブーム世代は、脱炭素をエネルギー政策、安全保障の枠組みで考えていますから、Gen-Zとは意見が合わないというより、論点が合わないのでは?

さらに根源的な問題は、「若い世代が現行のシステムを信頼していない」というけれど、常に若い世代は現行システムを信頼しないもの。そして、彼らは歳を取れば現行システム側に寝返る・取り込まれるというのが、歴史の示すところ。60年代、左翼に傾倒した若者も、いつのまにか官僚になり、企業幹部となり、何もなかったような顔をして、安易な方向に流れていった。人間はある種の安定を見出せば(それが低位であっても)そこから動けなくなってしまう。ゆえに、いつまで経っても、現状維持が多数派となる(≒現状維持派の政治家が多数を占める)。

これ以上は政治論になるので止めておいて、今日もせっせとCorporate Americaに投資して、その見返りを頂きマス。

※:COP26閉幕 気温上昇1.5℃に グレタさん「ブラ・ブラ・ブラ」 | NHK政治マガジン

 

 

 

ESGつながりで・・・。企業は老人ホーム取得資金をESG債として調達できるのネ。知りませんでした。高齢化という社会的(Social)な問題を解決するから、だそうで。なるほど、これからはESG投資だわ。

日本の高齢化対応、ESG債が資金サポート-大和証リビは社会貢献債 - Bloomberg

【ラウル・パル】FEDの利上げは1回か2回。

塾長です。

1/14、市場クローズ後のReal Vision Daily Briefing、ラウル・パル(Raoul Pal)がFED利上げ予想、成長株見通しについて面白い事を言っていたのでご紹介。全編30分と長いので、(独断と偏見で)その部分だけ切り取り:

www.youtube.com

(市場ではインフレ派とデフレ派のディベートが続いている、ラウルはデフレ派、という背景がありつつ、動画開始5:57より)

・何が起きているかは、私にとっては単純だ。イールドカーブはフラット化している。それが直近の底を割れば、FEDは利上げできないということ。インフレ派が言っている4回利上げさえできないだろう。私は、10年債利回りの幅(channel)を30年の期間で見たチャートをthe chart of truth、真実のチャートと呼んでいる。上限は約2%だ。たまに、経済サイクルのピークで0.25%程度上回る事はあるが、その上限に達すると、逆転が起きる。ISM、新規受注、EQUIと言った指標が落ち始める。今日、小売売上の発表(注:小売売上がアナリスト予想を下回った)があったね。Atlanta FEDGDP Nowのモデルを引き下げた※1。このようなマクロのシフトが水面下で進行している。コモディティーが上昇した後、先が見通せなくなっている。グロース株からバリュー株へのローテーションが起きている。超成長株・割高株が大きく売られた。しかし、債券市場が逆転すれば、それらも反転するよ。

ー債券が先行指標だというのですね。バリューへのローテーションなどは遅行している(lagging)だろうと。

・その通り。債券トレーダーの仕事はインフレとGDP成長を分析すること。それだけだ。株のトレーダーは、色々なモノを見なければいけない、センチメント、利益、自社株買い、全てだ。債券トレーダーは2つ、インフレとGDP。それが、彼らが正しい傾向にある理由だ。彼らは2つしか見なくて良いのだから。彼らはめったに間違えない。私のキャリアの中では、間違ったのは1994年だけだ。私はいつも債券市場に注意を払っている。債券市場は真実だから。

ーインフレにまつわる議論は興味深い。Real Visionに出演してくれたゲストの多くは、インフレがピークを迎えていると言っている。その一方で、賃金や住宅、賃貸価格の上昇を指し示す人達がいる。

・まず、それら(賃金、住宅、特に賃貸)は遅行指標だ。

 次に、賃金上昇を見てみよう。まず、賃金はインフレ率より上昇していない。すなわち、賃金は実質的に上昇していない。そして、多くの人が労働市場から退出している。労働参加率は非常に低い。引退者の多くはベイビーブーム世代で、高給取りだ。ミレニアム世代の賃金上昇分と、ベイビーブーム世代の(引退による)減少分を合計すれば、多分需要を押し下げるだろう。それが、小売売上の減少に表れたのだろう。オミクロンの影響もあっただろうが。私は成長率が鈍っていると見ている。多くの人がそう思わないのは、パンデミック後のブレに振り回されているからだ。

ーそうだとすると、FEDはどうするか?

FEDは彼らが言っている事をやらないだろう(アグレッシブな利上げはできないだろう)。1963年以降、FEDは経済過熱の恐れから金融引締めを語り始めるが、それを行う前に経済成長は無くなっており、最終的にFED金利を引下げてきた。多分2回の利上げは。もしかしたら、1回かも知れない。それが私の見立てだ。

ーなぜそう思うのですか?

・なぜなら、6月にはインフレ率が3%に落ち、ISMが52辺りに近づくだろう。落ち目の経済に対して、金融引締めはやりたくないものだ。そして、選挙。今はインフレと戦う姿勢を見せなければいけない。今できる最善策は、タフな言い回しをして、1回もしくは2回、それぞれ0.25%の利上げ。経済の自然の流れに任せ(インフレ率が下がれば)「俺たちがインフレを退治した」と言い、経済刺激法案を通すのだ。(現政権にとって)選挙の前に経済刺激策というのは完璧だ。

ー多くの人は4回利上げ、金融引締めと言っているのに、あなたは利上げが1、2回だと信じているのですね。驚きです。

・事実として、この20年間、毎年投資銀行金利を高く見積もり過ぎてきた。予測失敗率、100%だ。それは、彼らが、人口動態とクレジットバブルによる長期的下降トレンドにいる事を無視するからだ。インフレを引き起こす事はできないし、金利を引き上げる事ができないのだ。確か、前回は2018年だった。私が”真実のチャート”を見て反転が起きると言った時、ジェフリー・ガンドラックは(10年債金利が)真実のチャートをぶち破り、6%に達し、世界が崩壊すると言っていた。これを3年間聞いたが、何も起きなかった。

 今回は違うかも知れない?全ては確率の問題だ。私にとって(高インフレは)高確率だとは思えない。

ーリスク資産についてはどうか?

・長期の資産(long duration assets、この場合は長期的成長期待で買われている高PER株のこと)を魅力的でなくしているモノは、債券利回りの上昇ではなく、インフレである。インフレによってディスカウントされている。市場が高インフレが長く続くという誤りを犯しているとすると、成長株は再度爆発的に上昇するだろう。それはそうだろう。我々は指数関数的に加速する時代(exponential age※2)に生きているのだ。技術の指数関数的進歩を捕まえる高成長超株が、二度と上昇しないと考えるのだろうか?そんなことはあり得ない。IBM、GEについて語っているのではないよ。それらは数十年間、横向きだ(sideways)。指数関数的時代の株は数十年間ヨコになったりしない。1年~18か月、ヨコになる可能性はあるだろう。下げる事もあるだろう、今起きているように。しかし、その後には、それらがアホみたいに安く見える時が来る。インフレの物語が消えた瞬間、全ての人は成長株に再度群がるだろう。

 :

(このあと、仮想通貨の話などをしているので、気になる方は続けて動画を見て下さい)

※1:GDPNow - Federal Reserve Bank of Atlanta

※2:Exponential Ageというのは、ラウル・パルが強く推している考え方で、そんな本も出ている;今後、あらゆるものが指数関数的に変化する時代になる。書評「The Exponential Age」 | TechCrunch Japan。キャシー・ウッドが「AI、EV、ゲノム・・・の技術革新(Sカーブ)が互いに影響し合い、爆発的に進歩する」などと言っているのと同じような言説。

 

債券王、ジェフリー・ガンドラックに喧嘩を売るなんて、大したものです。今大声で彼のようにデフレを唱えているのは、キャシー・ウッドなど少数派になっているけれど、もともとFEDが「インフレは一時的」と言っていた根拠でもある。コロナ前、FEDエコノミストの一番の心配が「米国経済の日本化」だったのを覚えている人はいるだろうか?※3

ガンドラックは断定的なモノ言いはしなくなっていて、今は「FFレートが1.5%程度になれば、株は暴落(そうなれば、FED金利引き上げを止めるかも知れない、下げさえするかも知れない)」的な事を言うようになっている(逃げ道を用意している)。

ジム・ビアンコはもう一歩踏み込んで、「株価が暴落しても、インフレが高進したままでは、FEDは利上げ継続せざるを得ない」と言っている。ロサンゼルス港沖に停泊している貨物船数や、コロナによる休職者増加を引き合いに出しながら、高インフレが継続しそうだとも言っている。

今後、インフレ、金利、株価がどうなる、楽しみで仕方がない!!!

こんな時でもバフェットに聞いたら「S&P500を買って、買った事を忘れろ」と答えるんだろうなぁ。

 

 

※3:

www.youtube.com

【ローゼンバーグ】経済界のチアリーダーを信じるな。

塾長です。

昨日(米国1/14)の米株市場は、なんとか踏ん張ってヨコ。

 S&P500、4,662(+0.08%)

 Nasdaq、14,893(+0.59%)

【米国市況】ハイテク主導で株が持ち直す-国債利回りとドル上昇 - Bloomberg

Bloomberg記事見出しは”ハイテク主導”となっているが、セクター別で見ると1番はエネルギー(+2.35%)、2番がテクノロジー(+0.89%)。

f:id:alibertarian:20220115083118p:plain

SPDR sector ETF 2022/1/14 - Yahoo Finance

 

 

債券、為替、コモ:

 原油、84.27

 10年債、1.7720

 ドル円、114.2000

 Bitcoin、43,121

 

 

経済指標:

 12月 小売売上高[前月比]、-1.9%(予想0.0%)

 12月 小売売上高(除自動車)[前月比]、-2.3%(0.2%)

 12月 鉱工業生産[前月比]、-0.1%(0.3%)

 1月 ミシガン大学消費者態度指数・速報値、68.8(70.0)

米小売売上高、予想以上の大きな減少-インフレや感染拡大が逆風 - Bloomberg

この統計はインフレ調整をしておらず、調整後はさらに弱い数字になるとみられる。

 

米製造業生産、12月は予想外の低下-資材や労働者不足が影響 - Bloomberg

 

米ミシガン大消費者マインド悪化、過去10年で2番目の低水準 - Bloomberg

 

 

金融政策:

3月利上げへの地ならし発言1つ。

NY連銀総裁、利上げ決定に近づきつつある-力強い労働市場踏まえ - Bloomberg

 

 

個別株:

またFacebook(META)が政府から怒られてる。

メタ傘下のオキュラスをFTCと複数州が調査-反競争的な慣行の疑い - Bloomberg

 

決算シーズン到来。それぞれ一言で言うと、Citi、JPMはイマイチ、Wells Fargoは予想よりチョッピリ良かった。

シティ、債券トレーディング収入大幅減-組織再編で成長強調へ - Bloomberg

第4四半期総収入は1%増で、伸びはアナリスト予想に若干届かなかった。また韓国のリテール事業縮小とアジア全体での同事業撤退に伴う一時費用が影響し、経費がかさんだ。純利益は31億7000万ドル(約3600億円)と、アナリスト予想を下回った。

 

JPモルガン、トレーディング収入が予想以上の減収-経費が増大 - Bloomberg

米銀JPモルガン・チェースの2021年10-12月(第4四半期)は、トレーディング収入がアナリスト予想以上に落ち込んだ。商業ローンと消費者ローンも前年同期を下回った。

 

ウェルズ・ファーゴ、顧客の借り入れは2022年に加速する可能性高い - Bloomberg

金利収入は今年、約8%伸びる可能性があるという。同行が発表した2021年10-12月(第4四半期)の純利益は58億ドル(約6590億円)

 

今後の金融株決算予定は、

  • 1/18、PNC、G、SCHW
  • 1/19、BAC、MS

 

 

本記事を締めくくってくれるのは、デイビッド・ローゼンバーグ。小売売上高の減少→今後の経済大丈夫?と危惧している。

www.youtube.com

ー消費者のデータをどう読むか?インフレのせいか?オミクロンか?それ以外か?

・インフレについて。人々は「名目成長率は凄い、なぜなら企業は価格を上げ、販売量は減っていない」と言っている。あなたが言ったように、名目の数字(小売売上高)は-1.9%だった。コンセンサスは前月と変わらずだった。しかし、究極的に、ビジネスサイクルの曲線は、名目ではなく、実質の数字で決まるのだ。私が注目したのは、実質的な小売売上が(2021年)12月、-2.4%だったことだ。2020年4月以来の悪い数字。その前月(2021年)11月は、-0.6%だった。もしかしたら「欠品の心配から、ホリデーシーズン前に買いモノを済ます人がいたからだ」と言う人がいるかも知れないね。しかし、12月の数字は、レストラン、飛行機による旅行、ホテル(accommodation)の後退(訳注:12月後半からオミクロン変異種によって人々が外出を控えた)を含んでいないのだ。それは1月の数字に反映される。12月で十分悪い数字なのに、1月はもっと悪くなるだろう。そして、経済刺激策はもう期限が切れている。12月の数字は、child tax credit extentionを含んでいない(訳注:バイデンが21年3月 American Rescue Plan Actにより、子供のいる家庭の税額控除を拡大し、その延長を含んだBuild Back Better Planが議会通過していない事を指す)。これらの数字は問題だ。

ーそれらと、我々が聞いている事と整合性を取るのが難しい。例えば、JP Morgan CEO ジェイミー・ダイモンは、経済は力強い、消費者は良い状態だ、と言っている。彼もデータを見ているだろう。Bank of Americaのクレジットカードのデータは、2019年と比較して2桁の伸びを示している。多くの企業から、いかに消費が強いかのエピソードを聞かされる。

・私が言えるのは、経済のチアリーダーであるCEOのレトリックや物語を信じるのか?、ハードな事実を直視するのか?、である。事実は「消費者が消費を抑えている」であり、データは、それが継続しそうだと示唆している。今日は鉱工業生産もマイナスの値を出したよね。

ーあなたは、銀行のCEOが嘘をついて経済を励ましている(falsely cheering the economy)と言っているのか?

・えーっと、記録に残る形でそうは言わない。

ーでも、そう言ったよね?

・ジェイミー・ダイモンは横に置いておこう。経済のチアリーダーとして最大なのは、ジェローム・パウエル FRB議長だし、経済界リーダーには常にポジティブな事しか言わない人達がいる。私がMerrill Lynchにいた2006年、データは住宅市場の下落を示している時、住宅建築業者のCEOは活況だと言っていた。私が言いたいのはそういう事。もしかしたら、JP Morganだけは素晴らしい成長を目撃しているのかも知れない。サンプリングのよって得られたデータではあるが、これらは集合的なデータである。現実は、小売売上は急激に減少しており、コンセンサスより悪い。11月も悪い方向に修正された。アトランタFEDはreal final salesの見通しを引き下げた※1。それは在庫を抜きにした需要の根源である。第四四半期、2%への引下げ。第四四半期は活況(a boom)のはずだった。それを、アトランタFEDは3.8%から2%に引き下げた。1か月前は7%だった。私は誰かを責めているのではない。物語やエピソードと、実際のデータが描く世界を分けて考えるべきだと言っているのだ。

※1、このデータソースが良く分かりません。Atlanta FEDの出しているGDPNowに含まれている数字の事を言っているのだと思いますが・・・。

 

「消費者のデータは悪いね、景気見通しは悪いよ」と言っているだけですが、金融界の重鎮ジェイミー・ダイモンを嘘つき呼ばわりした事を指摘され、慌てている姿がオモシロかったので、紹介させて頂きました。

 

というのは半分冗談で、小売売上も良くなかったし、ミシガン大学消費者態度指数も悪かった。「Cure for high prices is high prices(意訳:物価上昇は、消費者がウンザリするまで止まりません)」とは良く言ったもので、市場はうまく機能している(のかも知れない)。

ここで問題になるのは、物価下落に向かっている中で、利上げをするとどうなるか?既に火事は鎮火しているのに、消防車で大量の消化液を放出することになりませんか?焼け跡に使えそうなモノが残っているのに、台無しにしちゃいませんか?、と。0.25%に上げるくらいは大丈夫ですね。先日ジーン・マンスターが3月まではヤバイと言っていたけれど、個人的にはその先が心配。