塾長です。
昨日(米国1/20)はMartin Luther King Jr. Dayで米株、債券市場はお休み。大統領就任式がありました。
S&P500、5,996(休場のため変わらず)
Nasdaq、19,630(〃)
原油、76.89
10年債、4.6090(休場)
ドル円、155.61
Bitcoin、103,277
なし。
なし。
なし。
■今日のトランプ;
トランプ氏、第47代米大統領就任-自国優先で「黄金時代」を確約 - Bloomberg
冒頭から前任者の政策を否定しまくりで面白い演説でした(バイデン&ハリスも出席している)。
一番盛り上がった(拍手が多かった)のは、「南部国境に非常事態宣言を出す」と言った部分でした。
2番目は「ペンシルベニアで暗殺されそうになったが、救われたのには理由があると信じる。私はアメリカを再度偉大にするために、神に救われたのだ」と言ったとき。
この他にも(左翼)Bloombergは伝えていませんが、DEIを止める的な話もしていました。
■決算なし。
■〆のインタビューは大富豪投資家スタンレー・ドラッケンミラー;
ー市場的に、経済的に、今日何を言いますか?
・経済的には興味深い。とても低い失業率。4%だ。GDP成長率は3%。私はこの仕事をして49年になるが、最も反ビジネス的な政権からその逆に移行する。我々は現場で多くのCEOと会話をした。彼らは「安堵(relieved)」と「めまいがする(giddy)」の間にいるようだ。我々はanimal spiritsの信奉者だ。先週、ポール・ライアンが出演して、business confidenceが過去12か月で32%上昇したと語っていましたね。多分、変化率しては最高でしょう。なので、今後6か月、もしくは私が見渡せる限りにおいて、経済は好調となるしょう。
市場についていえば、複雑だ。先ほど経済は素晴らしいと言いましたが、過去20年間でearnings yieldはbond yieldsの比較において最も魅力が無いレベルにある。それゆえ(株には)経済のpushが必要だが、経済は債券利回りも押し上げる。私は株に対して強い意見は持たないが、これは言える。私のビジネスにおいて、全ての変化は株価の変化をもたらす。政権移行によってこれほど大きな変化があり、それに加えて、民間セクターでは多くの技術革新が起き、政府から規制緩和が行われ、混乱(disruption)があるので、多くの変化があり、視聴者は多くの事をしなければならないだろう。私は市場(全体)を心配しない。私は個別株に集中する。
ー10月のカンファレンスで、あなたは米国債券をショートしていると言っていました。確か、ポートフォリオの10~15%を構成していると言っていたと思う。今もショートしていますか?
・私は今も米国国債(treasurys)をショートしている。多くの人が利下げ時に、金利が上がったのに驚いているようだが、もちろん我々は驚いていない。FEDが間違いを起こしたからだ。私は、ゾッとするような財務状況の中で、先ほど話したのと同じanimal spiritsについて心配していた。そうは言ったが、それなりに金利は上昇した。7th inningと言ったところだろう。時には7回から9回にカネ儲けできるときもある。FEDの刺激策でどれほど資産価格のメルトアップがあるか誰にも分からない。animal spiritsに火が付くかも知れない、インフレを上向きに持っていくかも知れない。インフレ再燃すると我々は予想していないが、その可能性には心を開いている。我々はインフレが低下するとは考えていない。それは債券市場をひっくりかえし、問題を引き起こすかも知れない。なので、我々は未だ国債をショートしている。しかしサイズは大きくしていない。
ーあなたは「世界が完璧なら関税の支持者ではないが、適度に行われるなら害は比較的少ない」と言っていた。
・私はこのインタビューを終えたあと「関税の男(tariff man)」とは呼ばれたくないのだが(笑)、完璧な世界であれば10%関税には賛成しない。しかし、我々の住む世界は完璧ではない。あなたも知っているように、米国は財務問題を抱えている。義務的経費(mandatory spending)がある。利払いは収入の100%に達している。どちらの政党も給付金(entitlements、社会保障・医療保険・失業手当などの給付金の総称)を減らさないと言っている。それは部屋の中の象となっている。それゆえ、米国には支払い能力が必要だ。それを得るための選択肢は、所得税や関税のような消費税である。私が「関税は二つの悪魔のうちの弱い方だ」と言ったのは・・・、米国は財務問題を抱えているので、収入が必要だ。関税は収入を生み出す。また、この国には民間の貯蓄率が少なすぎるという問題もある。多くのエコノミストは関税をかけることに警鐘を鳴らしているが、消費税は問題ないようだ。私にとって、関税と言うものは、外国人がその一部を支払う消費税である。仕返しを受けるリスクはあるが、10%程度であれば、いわゆるトランプに対する恐怖から、リスクよりも報奨の方が大きいだろう。先ほど述べたような二つの悪魔のようなもので、報奨の方が高いのだ。
ーあなたはカマラ・ハリスにもドナルド・トランプにも投票しないと言っていた。心配の一つは「両党による無謀な財政」だ、と。歳出がコントロールできていないと。しかし、スコット・ベッセントが財務長官になる。あなたは彼を知っている。ソロス・ファンドで彼はあなたのもとで働いていた。
・スコットには能力がある。頭が良い(big brain)。思慮深い。彼の財務長官としての立場はユニークだ。公聴会で彼は40か国に行っていたと語った。私は、彼が少なくとも40か国の市場に関わっていたのを知っている。彼には能力があり、財務状況を知っている。彼はこの政権の最大のリスクが財務とインフレーションだと理解している。しかし彼は責任者ではない。彼には説得力があり、我々が一緒に働いているとき私を何度も説得したが、これがどうなるかは分からない。彼が受け継いだのは、とても巨大な問題だ。財政赤字はGDPの6.7%であり、$1.9Tだ。我々が最後に完全雇用状態だったのは2017年で、財政赤字はGDPの3.4%だった。しかも、その時は平和だった。トランプはチップに税金をかけないとか、社会保障に税金を掛けないとか、大統領選挙キャンペーンで言っていた。DOGEには少しの希望があり、私は希望的な評価を聞き、それが本当だと希望するが、私は彼らが$2,3T歳出削減できると信じるには年を取り過ぎている。彼らが次の10年間で$1T削減できればすごいことだし、関税は助けになるだろうが、我々の状況は酷い。利払いが巨大な成長する象になっている。利払いは防衛費に迫っている。義務的経費ではない支出を超えている。歳出をコントロールできなければ、複利の効果が(金利の)上向きの圧力となる。
ということで、
・経済は好調。ビジネスに友好的な大統領/政権となり、CEO達は自信を深め、湧いている。株式市場全体としては崩れないだろう。しかし、大きな政策のシフトがあるので、個別株には要注意(or 大きな機会)だ。
・関税は消費税増税と同じ効果を持つ。財政赤字を埋めるためには、所得税か消費税のどちらかを上げなければならない。どちらかと言えば、消費税の方が良いだろう。その一形態である関税を上げるのは仕方のないことだ。
・財政赤字は巨大で、支出はコントロール不能な状態だ。何もできなければ、国債利回りは上昇する。なので国債をショートしている。今は(9回のうち)7回くらい。まだ上がる余地はあるが、サイズは大きくしていない。
だ、そうです。
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