塾長です。
昨日(米国10/26)は長期金利が下がったのに、株が売られた。
消費に関して、2つの相反するシグナルが出ている。一つは高成長(3Q GDP +4.9%、住宅販売増)、もう一つは消費者が出費を抑えている/抑えようとしている(UPS、Southwest、MasterCard他の決算で見通し引下げ)。
今まで多少決算が悪くても売られる事のなかった株式相場ですが、トレンドが変化したかも知れません。そうだとすると、底はどこか?(次のカタリストは何か?)となるわけですが、直近に迫っているのはFED金利引上げ停止(具体的には、パウエルが「金利は十分高い」と言ったとき)。
S&P500、4,137(-1.18%)
Nasdaq、12,595(-1.76%)
【米国市況】S&P500が5月以来の安値、ハイテク安い-150円台前半 - Bloomberg
S&P500種株価指数は7月の高値からほぼ10%下げ、調整局面に接近。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は2%近く下落し、7月高値からの下落率は10%を超えた。
原油、83.54
10年債、4.8450
ドル円、150.3740
Bitcoin、34,213
第3四半期 実質GDP[前期比年率]、4.9%(予想4.3%)
第3四半期 個人消費[〃]、4.0%(4.0%)
第3四半期 GDPデフレータ[〃]、3.5%(2.6%)
第3四半期 PCEコアデフレータ[〃]、2.4%(2.6%)
9月 耐久財受注[前月比]、4.7%(1.2%)
9月 耐久財受注コア[前月比]、0.5%(0.3%)
9月 卸売在庫[前月比]、0.0%(0.2%)
9月 中古住宅販売成約指数[前月比]、1.1%(-1.5%)
同[前年同月比]、-13.1%(-14.6%)
米GDPは年率4.9%増、2021年以来の急成長-個人消費勢い増す - Bloomberg
米中古住宅販売成約指数、9月は予想外に上昇-なお過去最低近辺 - Bloomberg
米新規失業保険申請件数、前週比1万件増の21万件-予想20.7万件 - Bloomberg
より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は20.8万件に増加した。
ECB、金利据え置き-インフレ抑制見極め利上げいったん停止 - Bloomberg
なし。
なし。
■決算はUPS、SouthWest、Altria、MasterCard、Chipotle、Ford、Amazon、Intelなど。大きなテーマは賃金上昇、消費活動見通しの下落。
UPS stock falls after delivery giant cuts revenue outlook
・Adjusted earnings: $1.57 vs. $1.52 per share expected, according to LSEG, formerly known as Refinitiv
・Revenue: $21.06 billion vs. $21.46 billion expected
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Revenue declined to $21.06 billion from $24.16 billion.
The company also lowered its revenue outlook for the full year. UPS now expects this year’s consolidated revenue to be between $91.3 billion and $92.3 billion, down from its previous projection of $93 billion.
-5.93%、138.21ドル。
Southwest Airlines Earnings Sink on Rising Fuel and Labor Expenses
KEY TAKEAWAYS
・Southwest Airlines reported its profit tumbled as the carrier faced higher fuel and labor costs.
・The airline reduced its planned capacity growth in the first quarter of 2024 to better match demand.
・Southwest and the union representing its 19,000 flight attendants reached a tentative contract agreement.
-0.89%、23.39ドル。
CEO ボブ・ジョーダンのインタビュー;
見通しを引き下げたので、暗い調子で語っている。若干意訳しながらまとめると、こんな事を言っている
- 売上やリワードプラグラム会員は伸びている。4Qも売上、乗客ともに伸びる予想。しかし、コスト高がチャレンジ。多くは人件費。それを吸収するのは時間がかかる。
- レジャー客のトラベルパターンはパンデミック前に戻った。ビジネス客が戻ると予想していたが、そうならかなったので、計画を引き下げた。まだ多くの人がオフィスに戻っていない。そこに出張する必要がないので、仕方がない。
- ビジネス客獲得に向け、リワードプログラムを、ステータスを得やすいように改善した。
- 組合との交渉は進展している。
コロナ後旅行特需の終了宣言。ようやくインフレが消費者の財布に届いた模様。
Marlboro maker cuts profit forecast as smokers swap to cheaper brands
-Tobacco giant Altria Group cut its annual profit forecast on Thursday as more smokers swapped its higher priced cigarettes for cheaper brands or smoking alternatives, sending the Marlboro maker's shares lower.
The company said it now expects adjusted profit of $4.91 to $4.98 per share this year, compared with a previous forecast of $4.89 to $5.03 per share.
-8.31%、39.26ドル。Forward Yield 9.15%。
喫煙者も慣れ親しんだブランドから安物に変えている。これもインフレが消費者に届いている証拠。
Mastercard forecasts weaker revenue growth on economic slowdown fears
Mastercard on Thursday forecast a weaker-than-expected growth in net revenue for the fourth quarter, signaling a potential moderation in spending volumes as an uncertain economic environment prompts caution among consumers.
-5.62%、364.59ドル。
アマゾン売上高と利益、市場予想上回る-小売り部門や経費抑制寄与 - Bloombergs
7-9月期売上高は13%増の1431億ドル(約21兆5200億円)。ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は1416億ドルだった。営業利益は112億ドルで、前年同期の25億ドルから大幅増。アナリスト予想平均は77億1000万ドルだった。
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アマゾンの株価は今年に入って43%余り上昇している。
Amazon株価の5年チャートがこちら;
コロナ前と比べると・・・、コロナ前高値は約105ドルなので、20%しか上昇していない。20%だと、物価上昇分くらい。
インテル株急伸、好調な業績見通しで回復の進展示唆 - Bloomberg
10ー12月期売上高は146億ドル(約2兆2000億円)から156億ドルを見込む。アナリスト予想平均は144億ドルだった。特定項目を除いた1株利益は44セントの見通しで、ブルームバーグが集計したアナリスト予想平均は31セントだった。
時間外で+7.26%、34.88ドル。
Chipotle quarterly results shine as burrito cravings defy high prices
Chipotle Mexican Grill surpassed market expectations for quarterly results on Thursday, as unwavering demand for its burritos and rice bowls and a strong boost from limited-time promotions helped defy a broader weakness in the restaurant industry.
時間外で+3.18%、1,863ドル。
CEOインタビューもありますが、宣伝でしかないので超要約版;
- 成長はトランザクションによるものだ(値上げではなく、製品売上増)。全てのインカムコーホート(収入集団)もChipotleへの愛着を示している。
- 糖尿病薬の影響は出ていない。糖尿病薬を取る人が増えても、我々の製品はカスタマイズできるので、良い立場にいる。
- 従業員の離職率は低い。
- ロボット導入を慎重に進めている。まだテスト段階。従業員の受けは良い。
最後のロボット導入について、CEOは従業員の機嫌を損ねないように慎重に進めていると言っている(意訳)。このような対応・態度は、以前の米国企業では考えられなかった。労働者の立場が強い。
ちなみに、Chipotleのロボット(彼らはCoBot~co-working robot、協働ロボット~と呼んでいる)を紹介する動画がこちら;
労働賃金増加→ロボット化の流れ。
日本には食品関連ロボット企業が多いので、ぜひ米国に行って活躍して欲しいですネ。
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