塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

Fedexは炭鉱のカナリアか?【トム・リー】直近効果に囚われるな

塾長です。

昨日(米国9/16)の米株はFedexショックで下落。1週間通して見ても、悪かったですネ。

 S&P500、3,873(-0.72%)

 Nasdaq、11,448(-0.90%)

【米国市況】株続落、週間では6月以来の大幅安-ドル143円割れ - Bloomberg

週間ベースではS&P500種が4.8%下落。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は5.8%下げ、1月以来の大幅安。

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、85.40

 10年債、3.4480

 ドル円、142.9060

 Bitcoin、19,736

 

 

経済指標:

 9月 ミシガン大学消費者信頼感指数、59.5(予想59.9)

米長期インフレ期待が低下、約1年ぶり低水準-ミシガン大指数 - Bloomberg

9月の米ミシガン大学消費者マインド指数では、長期のインフレ期待がここ1年余りで最も低い水準となった。インフレ期待の安定を目指す米金融当局にとって前向きな兆候が示された。

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

イタリアでは9/25に総選挙がある。BBCによると、電気料金高騰を背景に、ロシア制裁解除(=ロシア産LNGを輸入再開)を主張する右派(極右?)政党が支持を伸ばしているのだそうだ;

www.youtube.com

「蟻の一決」となるか?

イタリアを蟻に例えるのも失礼だし、そもそもEUが強固な堤ではないか・・・。

 

 

個別株:

一昨日、市場クローズ後、Fedexが業績見通し引下げしたことで、after hours -16%超となっていましたが、開けた昨日-21.40%の161.02ドルで着地。

フェデックス株が急落、1980年以来の大幅安-通期予想撤回で - Bloomberg
フェデックスの警告は「平手打ち」、景況悪化で企業業績に懸念強まる - Bloomberg

株弱気派BofA、Morgan Stanleyなどは今後「これから企業業績引下げ連鎖が来るぞ!」って脅してくるでしょうネ。

CNBCでは、Farr, Millar and Washington CEO マイケル・ファー(Michael Farr)がFedex幹部に対しても怒っていた;

www.youtube.com

Fedexのような株が、これほど下落するのは珍しいですね。

・その通り。なぜかというと、このような株を持つ理由が、こんなに下落することがないからだ。我々は2つの点に注目している。

 Fedexは6月のアナリスト会見で、非常に強気の見通しを示した。何をするかについて詳細な説明があった。EPSを14~19%向上すると言った。2025年にかけて、株主へのリターンは18%から22%になると言った。

 CEOのラジ・スバルメニアは信頼を失った。これほどの強気見通しを出しておきながら、急に態度を変えた。彼は世界景気が急激に悪化、リセッションになると信じているようだ。炭鉱のカナリアになるとWall Streetは心配している。しかし、私は先ほどジム・クレイマーの発言に同意する。70%がマクロな問題、30%はFedex自身の問題だろう。良く見なければいけない。我々はそうしている。

ーあなたはFedex株を売りますか?

・CEO、経営者が問題だと分かれば、売る。しかし、数字を見ると、彼らの見通しでは2023年35%~40%(利益が)減少。今日の株価で考えると、PER20倍。多くのキャッシュフロー、$7Bの現金、debt to EBIDAは3倍以下である事を考えると、株は割高とは言えない。なので、株を売る気にはなっていない。しかし、もし経営陣に問題を感じるようであれば、売る。今はどちらかというと、買増す方向で考えている。しかし、心配する理由はある。

Fedexほどの実績がある大型株が1日で20%も下落したら、怒るのも当然。

visualizeのために、Fedex 5日間チャートを貼っておきます;

Fedex 5D 2022/9/16 - Yahoo Finance

 

 

こちらも昨日の続き。CNBCにインタビューでカニエ・ウェストが20ドルのTシャツを売りたい、それを実現できないGapとは契約しない、と言ったいた件について。

CNBCがYoutubeで公開した動画は一部編集(カット)されていて、彼はこんな事も言っていた;

www.youtube.com

「中国にある工場をカリフォルニアに移すべき。我々は(縫製)産業を米国に戻すことが可能だと思っている」

これではUniqloに出る幕は無いネ。というか、Made In USAのTシャツが20ドルって、あり得ないのでは???

 

 

 

Unusual Whalesが米議員の投資ポートフォリオに連動するETFを作成。Unusual Whalesのツイートを見た時には冗談かと思いましたが、本当でした;

米議員の株取引に連動したETF、近く設定も-民主・共和両党対応 - Bloomberg

 15日の規制当局への届け出によれば、「アンユージュアル・ホエールズ・サブバーシブ・デモクラティック・トレーディングETF」(ティッカー:NANC)と「アンユージュアル・ホエールズ・サブバーシブ・リパブリカン・トレーディングETF」(ティッカー:KRUZ)の2本は、民主・共和両党の議員とその配偶者、扶養する子供に関して開示された財務情報を分析し、500-600銘柄のポートフォリオを構築する。あるポジションについて売却されたとの報告があった場合は、両ETFも該当する証券をポートフォリオから外す。

 :

届け出によれば、両ETF保有するのは株式のみ。

民主党議員に連動する”NANC”はナンシー(Nancy)・ペロシに掛けたものですネ。共和党の”KRUZ”はテッド・クルーズ(Cruz)。

議員は株の売買を定期的に報告しなければならないが、多少のラグ(1か月とか)はあるので、成功するかは分かりません。

ただ(認可・上場すれば)追いかけてみようと思います。

日本から買えるなら買ってみたいが、無理でしょうネ。

 

 

 

過去ニュースのフォローアップをもう一つ。DisneyがESPNを使ったスポーツ賭博アプリを開発していると報じた件、Disney自身が胴元になる考えはない/それはパートナーに任せるようです;

Disneyの企業イメージに合わないので「そりゃ、そうか」と思う反面、少し残念。

 

 

 

今日の最後は強気派トム・リー。今日も強気でした;

www.youtube.com

ー私は認めなければならない。あなたを番組に呼ぶと「彼は強気すぎだ」「同じ強気説を繰り返しているだけ」と批判を受ける。それに対して、私は「彼を番組に出さなければならない。なぜなら他の誰もが弱気(negative)だから」と答えるようにしている。

 ここでは再度、あなたがなぜそれほど強気なのかを確認したい。いったいどうしたら、そんなにポジティブになれるのか?

・投資家はrecency biasに囚われている。インフレのデータは悪い。株価は下落している。そして投資家はネガティブになる。だからと言って、彼らが将来の反転を見通せるわけではない。

 一つの屈曲点(inflection)は、既に起こっている事だが、来年にかけてCPIは下がる。債券市場は、来年半ば、インフレ率が2.5%になると言っている。今日のインフレ率は8%だが、来年初めに4%、そして2.5%となる。すなわち、来年初頭、FEDは利上げをやめる。

 最も重要な事は、多くの人が「このインフレはまだ初期段階で、直すのに数十年かかる」と言っているが、米国企業はCovidでも利益を落とさなかったし、20年間かけて到達するような急激な物価上昇を生き延びた。Equity Risk Premiumにとって巨大なtail riskである。

 ひとたび市場がインフレが終わった(inflation is broken)と確信すれば、PEは大きく伸びるだろう(PE is going to go up dramatically)。我々はそれが起こると思っている。はやければ、数週間後に発表される10月CPIで、それが起こるだろう。

 我々はrecency biasに囚われないようにしているのだ。

ーrecency(直近の出来事)と言えば、Fedexですが、炭鉱のカナリアだと思いませんか?今後多くの企業が見通しを引き下げると考えませんか?

運輸業界は経済活動をリアルタイムに表すバロメーターであり、常に注意を向けるべきだ。しかし、3つの方法で緩和できる(mitigate)と思う。

 一つは、Fedexは見通しを引下げ、株価は下落。それは最近のsell-offに一致(inline with)している。

 2つ目に、我々はFedexに見通し引上げをして欲しくなかった。そうすれば、また市場はFedexの期待値を引き上げるから。来年に持ち越されたのは良い事だ。

 3つ目、Fedexのアナウンスはそれほど驚くべきことではない。彼らは、今年に向けて、キャパシティーを増強してきた。それに対して、世界景気はスローダウンしている。投資家は、Fedexが見通しを引き下げたことで、市場全体の見通しも引き下げたいというなら、より小さいβ値を使った行うべきだろう。

 株のリスクプレミアムからインフレリスクが取り除かれた時、PEが大きく上昇するのを忘れないように。

確かに原油価格(ガソリン価格)は下落したが、それが広範囲にCPIに反映されるのには時間がかかるのでは?(10月に出る)9月CPIに出るかというと・・・、少し早過ぎるかも。

 

さて、スコット・ワプナーに倣って、ここで再確認。本blogにて、何度もトム・リーのインタビューを紹介していますが、彼の意見を支持しているわけではありません。

知的好奇心から、強気派・弱気派のプロの意見を並べ、面白がっているだけ。

素人投資家であれば、余剰資金を使って「この株を買って、10年後に(年率)4、5%のリターンになると良いな」くらいでやるのが丁度良いと思っています。

とは言え、レバレッジをかけたり、スタートアップ企業やミーム株を買い(or 売り)1年で(1日で?)何倍ものリターンを狙うのを否定しない。FXも仮想通貨もOK。なぜなら、人のカネの使い方に口出しないので。自分のカネの使い方は自分で決めれば良いでしょう。責任も自分が取るのだから、外野は関係無い。

ジェレミー・シーゲル教授と同様、「米国株は長期的に上昇する」と考えていますが、少し理由が違う。その話はまた別途。

 

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【カニエ・ウェスト】俺は王様。王様は他人の城に住めない(Uniqloと契約しないかな?)【本日の一曲:Never Let Me Down】

塾長です。

昨日(米国9/15)の米株はプラス始まり、マイナスでフィニッシュ。ちなみに、今日はメジャーSQ。

 S&P500、3,901(-1.13%)

 Nasdaq、11,552(-1.43%)

【米国市況】株反落、S&P500種は7月以来の安値-ドル143円台半ば - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、84.71

 10年債、3.4590

 ドル円、143.3340

 Bitcoin、19,683

 

 

経済指標:

 9月 NY連銀製造業景気指数、-1.5(予想-13.0)

 9月 フィラデルフィア連銀製造業景気指数、-9.9(2.4)

 8月 小売売上高[前月比]、0.3%(-0.1%)

 8月 小売売上高・コア[前月比]、-0.3%(0.0%)

 

米小売売上高、8月は予想外に増加-前月は下方修正でマイナス - Bloomberg

ガソリンを除いたベースでは0.8%増加した。これらのデータはインフレ調整をしていない。

ヘッドラインCPI+0.1% MoM、コア+0.6% MoMだったので、まぁ、驚くに当たらないといえば、当たらない。誤差もあるでしょうし。

景気減速の兆候は見られない、とは言えそう。

 

NY製造業はポジティブサプライズ、フィリーはネガティブ。ただ、NYは前回-31.3という超絶景気悪化な値からのカムバックであり、むしろ前回数字が何かの間違いであったのでは?と思わずにいられない(最近経済指標への信頼が揺らいでいる);
NY連銀製造業指数、マイナスも前月から改善-受注や出荷が堅調 - Bloomberg
米9月フィラデルフィア連銀業況指数、予想に反しマイナス圏に | ロイター

 

失業保険はポジティブ(雇用市場は良好→FEDの利上げ根拠を強化→株にはネガティブ);
米新規失業保険申請、5週連続で減少-労働需要の堅調続く - Bloomberg

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

After hoursでFedexとGEが決算にワーニング。

まずはFedex。ガイダンス引下げ;
フェデックスが通期予想撤回-「マクロ経済トレンドが大幅悪化」 - Bloomberg

ラジ・サブラマニアム最高経営責任者(CEO)は発表資料で、「6-8月期の後半に米国の内外でマクロ経済のトレンドが大幅に悪化し、世界的に取扱量が減少した」とした上で、「われわれはこれらの逆風に迅速に対処しているが、状況の変化のスピードを考慮すると、6-8月期はわれわれの予想を下回っている」と説明した。

こちら、CNBCの報道;

www.youtube.com

Fedexがマクロ経済のソフト化を理由に、売上、利益ともに予想に達しないとした。EPSのForward Guidanceが問題だ。Q2 EPS予想が$5.48だったのに対し、ガイダンスは$2.75。市場予想の半分でしかない。

 2023年度のガイダンスも引き下げた。

Fedexは逆風として以下をあげた;
 欧州におけるTNTの統合
 コロナ封鎖の影響でアジアの取扱高減少
 アジアから米国西海岸への航空便が前年比80%減少
 地上配達の委託先が値上げを要求

Fedexは対策として以下をあげた;
 航空便の数を減らす
 労働時間を減らす
 仕分け業務の一部統合
 90以上のオフィス閉鎖

(このあと、常連アナリストのコメントがあるが、割愛)

株価は時間外で-16.58%の$170.90。

UPSも連れて下落、-5.68%、$174.50。

 

 

次にGE。こちらはCFOの発言。「モルガンスタンレーの会議で」となっており、公式な発言かどうか分からない(まぁ、CFOの発言なのだから、真面目に受け取るべき);
米GE、サプライチェーン問題で納品になお影響=CFO | ロイター

 米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)のカロリーナ・ダイベック・ハッペ最高財務責任者(CFO)は15日、サプライチェーン(供給網)の制約が続いており、顧客への納品に依然として影響が出ていると明らかにした。

 :

これによりキャッシュフローが圧迫される見込みだとし、第3・四半期のフリーキャッシュフローは第2・四半期と同水準か、わずかに上回る程度になると予想した。

(原文:UPDATE 1-General Electric deliveries still affected by supply-chain issues

株価は時間外で-3.95%、$66.19。

 

 

そして今日の〆はカニエ・ウェスト(!)。

www.youtube.com

ー「Ye」に改名したカニエ・ウェストがGAPとの契約を破棄した。理由として、GAPがディストリビューションとYeezy・Gapストア展開の義務不履行をあげた。サプライズゲストとしてYeをお呼びしています。何があったのでしょう?なぜ契約を破棄するのですか?

・私の夢はGapとともに最高の製品を大衆に届けることでした。トップブランドのデザインを20ドルといった価格で提供したかった。

 過去3年間、様々苦労があった。我々は既に一連の製品のデザインを終えていた。その値段を、私が決定できなかった。例えば、あるTシャツを彼らは200ドルといった価格にしてしまった。それはGAPの普通のTシャツにつけている値段よりも高いものだ。

 また、契約には店舗を作るとあった。彼らは我々を無視しつづけた。非常にフラストレーションがたまり、失望させられた(disheartening)。私が持てるものを全て注ぎ込んでいたのに。私の持つ友人関係など。Balenciagaのデザイナーを連れてきたりもした。最もホットなブランドだ。

 彼らは私が承認していない色も使った。

 私は彼らと話しをしようとしたが、まるで私が口のきけない人(mute)のようだった。我々のagendaが一致していなかったのだ。

 (ここでLouis Vuittonのスーツがどうした・こううしたと言っているのだが、聞き取れない・・・)

 私、Mark Ecko、Jerry Lorenzo、Mark Williamsがファッション言語(lnaguage)をストリートウェアに持ち込んだ。高校生が着ているものを見てくれ。誰もが私がKingであると知っている。Kingは他の人の城には住めない。Kingは自分の城を作らなけれならない、ということだ。(King can't live in someone eles's castle. King has to make its own castle.)

最後の部分、どうやらカニエは独自ブランドを立ち上げる模様。

とは言え、20ドルのTシャツをマスに届けるというのは、簡単ではない。どうせなら、Uniqloと組めば良いのにネ。柳井さん、いかが?

 

このニュースを受けてもGAP株はそれ程下がらなかった。-3.64%、$9.00。

カニエとの不和は以前から報道されていたし(カニエが自身のInstagramで文句を言っていた)、そもそも株価の絶対値が低く、これ以上落ちようが無い、という状態なのかも?

こちら、5年チャート;

GAP 5Y 2022/9/15 - Yahoo Finance

 

 

せっかくカニエの話が出たのだから、久しぶりの『本日の一曲』のコーナー。
タイトル、歌詞が本インタビューにピッタリはまっている「Never Let Me Down」をどうぞ;

www.youtube.com

このアルバム「The collage Dropout」(2004年)は、彼が2002年10月に起こした自動車事故(居眠り運転)から奇跡的に生還したのち、製作されたもの。

この大事故(顎が砕け、左目失明)を生き延びた事が、それ以降の彼の生きざまを決定付けたと言われている。

 

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【Disney CEO】Huluを100%子会社化します、【Comcast CEO】Huluが売りに出たら買いますよ

塾長です。

昨日(米国9/14)は大きなニュース、イベントの無い、静かな一日でした。
そんな中、米株は何度かマイナス圏に沈んだものの、よく耐えて、プラスでフィニッシュ。

投資家は隙あらば買いを入れてくる感じ(buy the dip)。

 S&P500、3,946(+0.34%)

 Nasdaq、11,719(+0.74%)

【米国市況】株小反発、米金融政策の先行き意識-ドル143円挟み推移 - Bloomberg

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、89.09

 10年債、3.4120

 ドル円、142.8640

 Bitcoin、20,272

米2年債と30年債の逆イールド、一時33bp強に拡大-今世紀最大 - Bloomberg

 

 

経済指標:

 8月 PPI[前月比]、-0.1%(予想-0.2%)

 同[前年同月比]、8.7%(8.8%)

 8月 PPIコア[前月比]、0.4%(0.2%)

 同[前年同月比]、7.3%(7.1%)

米生産者物価指数、2カ月連続でマイナス-燃料コストの低下続く - Bloomberg

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

バイデンが35州におけるEV充電ネットワークに$7.5Bものカネを出すと発表;
https://www.cnbc.com/2022/09/14/watch-live-biden-touts-electric-vehicles-at-the-detroit-auto-show.html

インフレはどうなったんだっけ?

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

Blockが下げているので、「なんで?」と思ったら、Evercore ISIの格下げをくらっていた;
Why Block Stock Got Rocked on Wednesday Morning | The Motley Fool

しかもOutperformからUnderperformへの2段階引下げ。
今の経済環境では、Buy Now, Pay Laterが危ないらしい。
少なくとも経済のスローダウンは確定的だったわけで、「今更言うなヨ」という感じ。

 

 

 

現在Goldman Sachs主催 ”Communacopia + Technology Conference 2022"が開催中。そこでComcast CEOがHulu買収に興味を示す発言;
Comcast Would Be Interested in Buying Hulu From Disney ‘If It Was Up for Sale,’ CEO Brian Roberts Says

 Roberts said, speaking Wednesday at Goldman Sachs’ Communacopia + Technology Conference 2022 in San Francisco. “If it was up for sale, Comcast would be interested” in buying 100% of Hulu, and “others would I think as well.”

背景を整理すると・・・、

・Hulu株はDisneyとComcastがそれぞれ66%、33%の割合で所有。

・DisneyとComcast間の契約において、2024年1月、DisneyがComcastの持つHulu株を買い取る権利が存在する。
 実現すれば、HuluはDisneyの完全子会社となり、Disneyが好きなようにできる(Disney+に吸収する、バンドル契約にする・・・など)。

Comcastは子会社NBC Universalを通じて独自のストリーミングサービスPeacockを立上げており、Disneyとは競合関係となっている。(現在NBC UniversalからHuluへのコンテンツ供給は止まっている)。

・本カンファレンスには、Disney CEO ボブ・チェイペック(Bob Chapek)も出席しており、彼は既にHuluを100%子会社にしたいとの意向を表明している。
 市場的には「まぁ、過半数を持っているDisneyが買い取るんだろうね」という雰囲気。

このような背景のもと、今回Comcast取締役会議長兼CEO ブライアン・ロバーツ(Brian Roberts)が「もし(Huluが)売りに出されたら(←仮定法)、Comcastは100%子会社化に興味を示すだろう。他社も同じだと思う」と発言。

HuluとDisney+の住み分けが曖昧(Huluは大人向け・・・とは言え、テレビで放送できる程度の過激さでしかない)な中、Disneyにとって、Huluを高値で売れるなら、悪い話ではないのでは?チェイペックの発言は、値段を吊り上げるため、とも考えられる。

Goldman主催カンファレンスに両者が出席しているということは、Goldmanがディールをまとめるのかな???

色々と楽しみですネ!

 

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【シーゲル教授】株のリターンはインフレ調整後6%超、【バーンステイン】予見可能な未来において高物価&金融引締めが続く

塾長です。

昨日(米国9/13)の米株市場は、高いCPIが出て、ビックリ仰天。S&Pは直近の安値(9/6、3908)付近まで急落。

 S&P500、3,932(-4.32%)

 Nasdaq、11,633(-5.16%)

【米国市況】株が急落、CPIショック広がる-ドルは144円台半ば - Bloomberg

米ハイテク株全面安、大型株も売り免れず-ナスダック100指数5.5%安 - Bloomberg

 

セクター別で見て見ましょう。

SPDR sector ETF 2022/9/13 - Yahoo Finance

どれも似たような値動きであり、全面的に売られたのが確認できる。

そんな中でも勝ち組(下落率が低い)はエネルギー、公益。負け組は通信、テクノロジー、一般消費財

 

 

債券・為替・コモ:

 原油、87.58(+0.31%)

 10年債、3.4220

 ドル円、144.4600

 Bitcoin、20,184

ビットコイン、6月以来最大の下落-暗号資産にも幅広い売り波及 - Bloomberg

 

 

経済指標:

 8月 CPI[前月比]、0.1%(予想-0.1%)

 同[前年同月比]、8.3%(8.1%)

 8月 CPIコア[前月比]、0.6%(0.2%)

 同[前年同月比]、6.3%(6.1%)

米CPI、8月は予想上回る伸び-大幅利上げの可能性強まる - Bloomberg

 食品コストは前年同月比で11.4%上昇と、1979年以来の大きな伸び。電気代は同15.8%上昇し、1981年以来の高い伸び率となった。一方でガソリン価格は前月比で10.6%低下し、過去2年余りで最大の下げとなった。 

  サービス分野で最大の構成要素でCPI全体の約3分の1を占める住居費は上昇が継続。前月比で0.7%、前年同月比で6.2%それぞれ上昇した。どちらも1990年代初期以来の伸びとなっている。

社会不安が起こるレベル。

 

 

金融政策:

なし。

 

 

財政政策:

なし。

 

 

地政学

なし。

 

 

個別株:

Starbucksが非組合従業員に賃上げ。組合化を阻止したい企業と、組合化を推進する従業員(左翼活動家なのか?)の争いの一つ;
Starbucks adds benefits for non-union U.S. workers ahead of investor day | Reuters

The company has lifted hourly U.S. pay for non-unionized cafe workers to an average of nearly $17 as of Aug. 1.

 

 

今日はCPIの話題で持ち切り。9月20・21日FOMCで、0.75%利上げ確率75%、1.00%利上げ確率25%なんだとか。

一応ジェレミー・シーゲル教授のインタビューもあって、定点観測のために書き出しておきますが、特に目新しい事は言っていないので、読み飛ばしても大丈夫デス。

www.youtube.com

超要約すると・・・

・CPIに出ている数字、特にその中の居住費は過去に起きてしまった値上がりを反映しているだけ。現場で値上がりは起こっていない。

FEDが現場を見て、正しく将来のインフレを予測すれば、利上げは市場予測よりも小幅となり、株高となる。

・もし過去のデータを見て金融引締めをし続ければ、政策の失敗を起こす(深いリセッションとなる)。

・長期的には、株はインフレ調整後6%超のリターンを出してきた。

 

今日もシーゲル教授の希望(政策ミスを起こすな)が滲み出たインタビューでした。希望・願望であって、予想ではない感じ。

蛇足:過去、株は6%リターンを出してきたかも知れないが、将来それが続く保証はありません。株低迷期が数十年続く可能性もある(リターンが大きくなる可能性もある)。投資は自己責任で。

 

以下、全訳;

ーCPIをみて、考えが変わりましたか?

・過去18か月インフレが起こってきた。それが公式な統計(CPI)に出てきているのだ。これからの18か月、高物価に見舞われる。

 特に住宅。住宅価格は40%上昇した。CPIには7、8%しか上昇していない。それはCPIの計算方法によるものだ。過去CPIにおける住居費は低く出ていた(understate)だけ。これから高く出る(overstate)。現場で不動産屋と話をすれば、不動産価格が上昇していないのが分かる。実際、全国的な平均は下落している。それが今後18か月CPIに出てくることはないのだ。

 FEDは過剰に金融引締めをするリスクがある。Goldmanが予想しているように、0.75、0.5、0.5の利上げがあるかも知れない。FFレートは4%を超えるかも知れない。

 そこで皆さんに思い出して欲しいのは、長期における株のリターンは6%を超えている。インフレ調整済み(after inflation)で、だ。

ーしかし、0.75、0.5、0.5の利上げと、株に強気というのは両立しないのでは?

・今日、株は3、4%下落した。それは将来を織り込んだ動きである。実際、(株式市場は利上げを)期待しているのだ。

 私の感覚では、彼ら(FED)がスローダウンを目にし、正しく未来のインフレを見る事ができれば、それほど高く金利をあげずに済むかも知れない。そうなれば、株は救済される。

 インフレは現実に進行しているのだろうか?それとも1981年、CPIにおける住居費の計算方法を変えたことによる統計的な歪みだろうか?

 住居費はコアCPIの約50%を占める。仮に住居費が上昇していないとすれば、実際のコアCPI上昇率は半分となっていただろう。

ーインフレはあなたが思っているよりも強固(stickier)であるということはありませんか?あなたが考えている以上に、FEDは高い金利を保ち続けるのでは?

・そうなれば、政策の失敗だ。FEDには統計と現場を正しくみてもらいたい。FEDは金融緩和を長く続け過ぎたので、今は強気になっている。金融引締めが長くなり過ぎないように願う。それに対して市場はナーバスになっている。

 FEDは引締め過ぎたとしても、「我々はデータを見る」と言い続けるだろう。

 

昨日はガンドラックもCNBCに出て、同じような事(FEDは過去のデータを見て金融引締めをし過ぎるのが心配)を言ったみたい。有料でしか見れない/聞けないと思われる。そのうちDoubleLineがYoutubeに動画を上げてくれるのを待ちましょう;
FRBは行き過ぎる恐れ、米経済をオーバーステアも-ガンドラック氏 - Bloomberg

 

 

 

バランスを取るためにも、弱気派のリチャード・バーンステインも紹介しておきましょう;

www.youtube.com

こちらも超要約すると、

・予見できる未来において(foreseeable future)、インフレ率は高く留まり、FEDは金融引締めを続ける。

・タイトな労働市場が問題だ。

・2020、2021年に起きたサプライチェーンの混乱が、経済全体に波及している。これは歴史的一大事であり、数か月で収まるようなものではない。

・退屈なディフェンシブ株(必需品、ヘルスケア、公益)はまだ上昇するので、それらを買い、経済が回復基調に入るまで持ち続けろ。

 

シーゲル教授の主張との差異で言えば、彼はCPI、特に住居費に注目しているのに対して、バーンステインは労働市場に注目している。実際パウエルも労働市場がタイト過ぎると言っていたし、経済理論的には賃金上昇がスパイラル的に上昇するとインフレが制御不能になると恐れられている。

お勧めにエネルギー株が入っていないのには、何か理由があるのかな???個人的にはロシア・ウクライナ情勢が混沌としていて、手を出す気にはなっていないので、どうでも良いが、多くの株弱気派はエネルギー株を勧めている。

ヘルスケアは詳しくないのでパス。

公益株は結構上げたので、今更買うのは・・・。う~む。

 

以下、全訳;

ーインフレは弱くなると期待されていたが、そうならなかった。市場、FEDはこの数字をどのように消化するだろうか?

・我々は過去1年以上に渡り、インフレの3つのフェーズについて語ってきた。第一フェーズは、インフレが一時的と思い込む時期。第二フェーズは、思っていたよりも悪い数字が出る。第三フェーズで、人々はインフレが無くならない(never going away)と信じる。現在、第三フェーズに入りかけている。人々は「インフレは思ったよりも長く留まりそうだ。FEDは長期間金融引締めを続けるだろう」と言い始めた。インフレ退治は数か月で終わるものではないのだ。

ー9月FOMCでは1.0%利上げの可能性も取りざたされている。市場は25%の可能性と言っている。FEDはそうすべきか?

・我々は、FEDはもっと金融引締めをすべきと言ってきた。こう考えてはどうか。実FFレート、すなわち、FFレートからインフレ率を引くと、歴史的に低いマイナス値となっている。FEDがインフレに対してこれほど出遅れたことはない。すなわち、我々は金融引締めの終わりに来ているというより、初期の段階なのだ。0.5、0.75、1.0というのは、森の中の木を議論しているようなもの。我々が認識すべきは、FEDは予見できる未来の範囲において(foreseeable future)金融引締めを来ない続ける、金利は急に下がらない、ということだ。

ーそれは経済にも株式市場にも苦痛をもたらしますね。どうしたら良いでしょうか?現金ですか?

・我々は現金の割合がとても高い状態がしばらく続いている。経済がスローダウン、企業利益がスローダウンする時に見るべき場所は、退屈な株。人々が必要とするもの。生活必需品、ヘルスケア、公益だ。セクシーな、持っていたい物は、このような環境ではうまく働かない。退屈は非常に魅力的であると認識すべき。我々はそれらをオーバーウェイトしている。とてもとても退屈な株をだ。

ーバリュエーションは関係なく、ですか?公益は年初から6%上昇している。多くの人は高すぎると言っている。

・経済サイクルのこの段階では、ディフェンシブ株は常に高く(expensive)感じるもの。このあと、非常に高価(really expensive)になる。人々がそれらを愛し、コアに組込み、経済サイクルが次の段階に移ると、バリュエーションが問題となり始める。経済サイクルが次の段階に移ると、企業利益が増加し始め、退屈株の利益が8%上昇というのは魅力を失う。循環株の利益が40、50、60%と上昇するからだ。

 ここで言いたいのは、今持つべきは必需品(の株)であり、欲しいもの(の株)ではないということ。

ーなぜインフレがそれほど永く続くと思うのですか?一部の物価上昇は止まっている。

・インフレ率が下がるというのには反対しない。8、9%のインフレ率が永続するとは思っていない。FEDが金融引締めを終えるほどインフレ率が下がるかどうかだ。労働市場は歴史的にタイトである。先週出た労働統計では、労働統計はよりタイトになっていた。FEDは求職需要を減らさなければならない。それは起きていない。

 様々なものが関連している。こう考えてはどうか。サプライチェーンに混乱があった。今はマシになった(easing)と言っている。誰も指摘していないのは、73、74、79年の石油危機に起きた混乱を足し合わせた以上に継続したという点。これは米国経済市場の一大事なのだ。少しばかりサプライチェーンの混乱が落ち着いただけで、その混乱を消し去ることはできない。それが経済全体に波及したのを忘れているようだ。我々は今それに対処しているのだ。

 

 

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