塾長です。
昨日(米国9/16)の米株はFedexショックで下落。1週間通して見ても、悪かったですネ。
S&P500、3,873(-0.72%)
Nasdaq、11,448(-0.90%)
【米国市況】株続落、週間では6月以来の大幅安-ドル143円割れ - Bloomberg
週間ベースではS&P500種が4.8%下落。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は5.8%下げ、1月以来の大幅安。
原油、85.40
10年債、3.4480
ドル円、142.9060
Bitcoin、19,736
9月 ミシガン大学消費者信頼感指数、59.5(予想59.9)
米長期インフレ期待が低下、約1年ぶり低水準-ミシガン大指数 - Bloomberg
9月の米ミシガン大学消費者マインド指数では、長期のインフレ期待がここ1年余りで最も低い水準となった。インフレ期待の安定を目指す米金融当局にとって前向きな兆候が示された。
なし。
なし。
イタリアでは9/25に総選挙がある。BBCによると、電気料金高騰を背景に、ロシア制裁解除(=ロシア産LNGを輸入再開)を主張する右派(極右?)政党が支持を伸ばしているのだそうだ;
「蟻の一決」となるか?
イタリアを蟻に例えるのも失礼だし、そもそもEUが強固な堤ではないか・・・。
一昨日、市場クローズ後、Fedexが業績見通し引下げしたことで、after hours -16%超となっていましたが、開けた昨日-21.40%の161.02ドルで着地。
フェデックス株が急落、1980年以来の大幅安-通期予想撤回で - Bloomberg
フェデックスの警告は「平手打ち」、景況悪化で企業業績に懸念強まる - Bloomberg
株弱気派BofA、Morgan Stanleyなどは今後「これから企業業績引下げ連鎖が来るぞ!」って脅してくるでしょうネ。
CNBCでは、Farr, Millar and Washington CEO マイケル・ファー(Michael Farr)がFedex幹部に対しても怒っていた;
ーFedexのような株が、これほど下落するのは珍しいですね。
・その通り。なぜかというと、このような株を持つ理由が、こんなに下落することがないからだ。我々は2つの点に注目している。
Fedexは6月のアナリスト会見で、非常に強気の見通しを示した。何をするかについて詳細な説明があった。EPSを14~19%向上すると言った。2025年にかけて、株主へのリターンは18%から22%になると言った。
CEOのラジ・スバルメニアは信頼を失った。これほどの強気見通しを出しておきながら、急に態度を変えた。彼は世界景気が急激に悪化、リセッションになると信じているようだ。炭鉱のカナリアになるとWall Streetは心配している。しかし、私は先ほどジム・クレイマーの発言に同意する。70%がマクロな問題、30%はFedex自身の問題だろう。良く見なければいけない。我々はそうしている。
ーあなたはFedex株を売りますか?
・CEO、経営者が問題だと分かれば、売る。しかし、数字を見ると、彼らの見通しでは2023年35%~40%(利益が)減少。今日の株価で考えると、PER20倍。多くのキャッシュフロー、$7Bの現金、debt to EBIDAは3倍以下である事を考えると、株は割高とは言えない。なので、株を売る気にはなっていない。しかし、もし経営陣に問題を感じるようであれば、売る。今はどちらかというと、買増す方向で考えている。しかし、心配する理由はある。
Fedexほどの実績がある大型株が1日で20%も下落したら、怒るのも当然。
visualizeのために、Fedex 5日間チャートを貼っておきます;
こちらも昨日の続き。CNBCにインタビューでカニエ・ウェストが20ドルのTシャツを売りたい、それを実現できないGapとは契約しない、と言ったいた件について。
CNBCがYoutubeで公開した動画は一部編集(カット)されていて、彼はこんな事も言っていた;
「中国にある工場をカリフォルニアに移すべき。我々は(縫製)産業を米国に戻すことが可能だと思っている」
これではUniqloに出る幕は無いネ。というか、Made In USAのTシャツが20ドルって、あり得ないのでは???
Unusual Whalesが米議員の投資ポートフォリオに連動するETFを作成。Unusual Whalesのツイートを見た時には冗談かと思いましたが、本当でした;
米議員の株取引に連動したETF、近く設定も-民主・共和両党対応 - Bloomberg
15日の規制当局への届け出によれば、「アンユージュアル・ホエールズ・サブバーシブ・デモクラティック・トレーディングETF」(ティッカー:NANC)と「アンユージュアル・ホエールズ・サブバーシブ・リパブリカン・トレーディングETF」(ティッカー:KRUZ)の2本は、民主・共和両党の議員とその配偶者、扶養する子供に関して開示された財務情報を分析し、500-600銘柄のポートフォリオを構築する。あるポジションについて売却されたとの報告があった場合は、両ETFも該当する証券をポートフォリオから外す。
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民主党議員に連動する”NANC”はナンシー(Nancy)・ペロシに掛けたものですネ。共和党の”KRUZ”はテッド・クルーズ(Cruz)。
議員は株の売買を定期的に報告しなければならないが、多少のラグ(1か月とか)はあるので、成功するかは分かりません。
ただ(認可・上場すれば)追いかけてみようと思います。
日本から買えるなら買ってみたいが、無理でしょうネ。
過去ニュースのフォローアップをもう一つ。DisneyがESPNを使ったスポーツ賭博アプリを開発していると報じた件、Disney自身が胴元になる考えはない/それはパートナーに任せるようです;
Disney CEO Bob Chapek says ESPN will never take bets https://t.co/xfrS977AAv
— CNBC (@CNBC) 2022年9月15日
Disneyの企業イメージに合わないので「そりゃ、そうか」と思う反面、少し残念。
今日の最後は強気派トム・リー。今日も強気でした;
ー私は認めなければならない。あなたを番組に呼ぶと「彼は強気すぎだ」「同じ強気説を繰り返しているだけ」と批判を受ける。それに対して、私は「彼を番組に出さなければならない。なぜなら他の誰もが弱気(negative)だから」と答えるようにしている。
ここでは再度、あなたがなぜそれほど強気なのかを確認したい。いったいどうしたら、そんなにポジティブになれるのか?
・投資家はrecency biasに囚われている。インフレのデータは悪い。株価は下落している。そして投資家はネガティブになる。だからと言って、彼らが将来の反転を見通せるわけではない。
一つの屈曲点(inflection)は、既に起こっている事だが、来年にかけてCPIは下がる。債券市場は、来年半ば、インフレ率が2.5%になると言っている。今日のインフレ率は8%だが、来年初めに4%、そして2.5%となる。すなわち、来年初頭、FEDは利上げをやめる。
最も重要な事は、多くの人が「このインフレはまだ初期段階で、直すのに数十年かかる」と言っているが、米国企業はCovidでも利益を落とさなかったし、20年間かけて到達するような急激な物価上昇を生き延びた。Equity Risk Premiumにとって巨大なtail riskである。
ひとたび市場がインフレが終わった(inflation is broken)と確信すれば、PEは大きく伸びるだろう(PE is going to go up dramatically)。我々はそれが起こると思っている。はやければ、数週間後に発表される10月CPIで、それが起こるだろう。
我々はrecency biasに囚われないようにしているのだ。
ーrecency(直近の出来事)と言えば、Fedexですが、炭鉱のカナリアだと思いませんか?今後多くの企業が見通しを引き下げると考えませんか?
・運輸業界は経済活動をリアルタイムに表すバロメーターであり、常に注意を向けるべきだ。しかし、3つの方法で緩和できる(mitigate)と思う。
一つは、Fedexは見通しを引下げ、株価は下落。それは最近のsell-offに一致(inline with)している。
2つ目に、我々はFedexに見通し引上げをして欲しくなかった。そうすれば、また市場はFedexの期待値を引き上げるから。来年に持ち越されたのは良い事だ。
3つ目、Fedexのアナウンスはそれほど驚くべきことではない。彼らは、今年に向けて、キャパシティーを増強してきた。それに対して、世界景気はスローダウンしている。投資家は、Fedexが見通しを引き下げたことで、市場全体の見通しも引き下げたいというなら、より小さいβ値を使った行うべきだろう。
株のリスクプレミアムからインフレリスクが取り除かれた時、PEが大きく上昇するのを忘れないように。
確かに原油価格(ガソリン価格)は下落したが、それが広範囲にCPIに反映されるのには時間がかかるのでは?(10月に出る)9月CPIに出るかというと・・・、少し早過ぎるかも。
さて、スコット・ワプナーに倣って、ここで再確認。本blogにて、何度もトム・リーのインタビューを紹介していますが、彼の意見を支持しているわけではありません。
知的好奇心から、強気派・弱気派のプロの意見を並べ、面白がっているだけ。
素人投資家であれば、余剰資金を使って「この株を買って、10年後に(年率)4、5%のリターンになると良いな」くらいでやるのが丁度良いと思っています。
とは言え、レバレッジをかけたり、スタートアップ企業やミーム株を買い(or 売り)1年で(1日で?)何倍ものリターンを狙うのを否定しない。FXも仮想通貨もOK。なぜなら、人のカネの使い方に口出しないので。自分のカネの使い方は自分で決めれば良いでしょう。責任も自分が取るのだから、外野は関係無い。
ジェレミー・シーゲル教授と同様、「米国株は長期的に上昇する」と考えていますが、少し理由が違う。その話はまた別途。