塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ジェローム・パウエル】株価上昇は俺たちのせいじゃないもんね。

塾長です。

昨日(米国1/27)の米株市場は、大きく下落。

 S&P500、3,750(-2.57%)

 Nasdaq、13,270(-2.61%)

 Russell2000、2,108(-1.91%)

【米国市況】S&P500が10月来の大幅安-リスク回避強まる - Bloomberg

 

債券、為替:

 10年債、1.0140

 ドル円、104.0740

 

経済指標:

 12月 耐久財受注[前月比]、0.2%(予想0.9%)

 12月 耐久財受注・輸送用機器除く[前月比]、0.7%(0.5%)

 

なんと言っても注目はFOMC、パウエル会見。中身は、誰もが予想していた通りの、現状維持。サプライズなし(あっては困る)。

FOMC、経済の回復ペースは減速-債券購入を現行水準で維持 - Bloomberg

こちら、会見全編:

www.youtube.com

ポイントは何だったろう?CNBCスティーブ・リーシュマンとのQ&Aかな?

ースティー

様々な資産の価格が上がっている。ビットコイン社債、株式。GameStopのように特別に上昇した株もある。超緩和的政策がバブルを起こす心配は?

ーパウエル

コンテクストを提供したい。パンデミックのショックは歴史的、その性質、サイズにおいて。大量の失業を生みだした。近代経済のなかで類をみない。我々の対応は、それに対するものだ。最初に市場の機能を回復し、次に(経済の)回復をサポートし、最終的に長期的ダメージが残らないようにしたい。議会よりアサインされた我々の役割は、雇用最大化、物価安定、金融安定。パンデミックからほぼ1年が経過し、最低でも9百万人が失業、数え方によってはもっと増える、人々が労働市場から退出している、そこまで含めると失業率は10%となる。それゆえ、とても融和的な金融政策は適当である。金融安定化の観点では、フレームワークを持っている。我々は1つ、2つの指標を見ているのではない。金融危機後、フレームワークを公開している。資産価格の他に、銀行システムのレバレッジ、企業や家計のレバレッジを見ている。様々な指標を見ている。現在の数字から読み取れるのは、金融安定・傷つきやすさ(vulnerblity)は全体的に言って抑制がきいている(overall moderate)。我々の全体的ゴールである金融システムは弾性的(resilient)である。様々なショックに対して。銀行だけでなく、MMFやノンバンクの機構についても。Non financial sectorについては、我々に監督権限はない。資産価格を決める要因は様々だ。ここ数か月の資産価格押上要因は、金融政策ではなく、ワクチンへの期待だったり、財政政策だ。金融政策が一定の役割を果たしているのは理解しているが、これが我々の見方である。低金利と資産価格の関係は、人々が思っているほど強くないだろう。他の要因がたくさんある。

ースティー

資産価格の問題に対応するため、金融政策(monetary policy)を修正するつもりはないか?

ーパウエル

とても難しい質問だ。我々は理論上何も排除しないが、Macroprudential tools, regulatory tools, supervisory tools, その他金融政策以外のツールがある。

金融政策は経済活動を強化し、雇用を生む。強い経済自体が、金融安定化をもたらす。しかし、我々はトレードオフを理解していないのだ。資産バブル等に対処するために、金利を上げ、金融条件を引き締め、経済活動を減少させることはできる。しかし、それ(金融引締め)が大きなダメージを作り出すことにならないだろうか。それは解決されていない問題だ。なので、理論的には排除しないが、我々はやってこなかったし、これからもやる計画は無い。金融安定化のためには、Macropdudential tools等のツールに依存している。

 

簡単に言うと・・・、最初の質問に対しては、「株などの資産価格が上がっているのは俺たちだけのせいじゃない。俺たちに株をどうこうする権限はないし」

後者に対しては、「資産価格が上昇しているからと言って、金利は上げない。やるとしても、銀行に貸倒引当金積み増しを求めるなどのツールを使うよ」って感じ?

 

その他、「経済再開後一時的な重要の増加に伴う物価上昇があると予測しているが、それに対して対応(利上げ)を行う事は無い。物価上昇が2%超をしばらく続くまで。」

「実際テーパリングを始めるより前、それを考える前から、それを公に、市場にサプライズが起こらないようにする」「金融危機後、我々は金利を上げ、バランスシートを縮小させた。今回それができない理由はない。実際、前回から様々な事を学んでいる。」

「物価上昇よりも、物価抑制の方が心配である。」

「housing activityは金融危機以来の高まり。一部の地域での値上がりは一時的なもの(one time shift in demand)。供給が増えるだろう。我々は価格上昇が続くとは思っていない」

といった答えがあった。

 

資産バブルはFEDのせいじゃない、というのは責任逃れにも聞こえるが、日本のような長期デフレにならないのが最優先、って事なんだろうネ。