塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ガンドラック】中長期的に米国株は下がる【その中長期っていつよ?】

塾長です。

昨日(米国4/27)の米株市場は、ヨコ。

 S&P500、4,186(-0.02%)

 Nasdaq、14,090(-0.34%)

 Russell2000、2,301(+0.14%)

【米国市況】ハイテク株軟調、決算が注目集める-国債利回り上昇 - Bloomberg

 

 

債券、為替、コモ:

 10年債、1.6220

 ドル円、108.7500

 Bitcoin、54,885

10年債利回り上昇&円安。切り返したかな?

 

 

アルケゴス続報:

野村、プライムブローカレッジ上級幹部を停職処分-アルケゴス問題 - Bloomberg

アルケゴス損失、世界の銀行で計100億ドル突破-野村とUBSが追加 - Bloomberg

アルケゴス損失、世界の銀行で計100億ドル突破-野村とUBSが追加 - Bloomberg

第二のアルケゴスが出てこないかが心配されるわけですが、今のところその兆候なし。

 

 

金融・財政政策:

富裕層を狙い撃ち、バイデン氏の税制案は相続の優遇制度廃止-関係者 - Bloomberg

バイデン政権、遺産税適用拡大せず「家族のための計画」財源で-関係者 - Bloomberg

民主党は富裕層よりも、低中間所得者層を優遇した方が、票を取れる(選挙で勝てる)と読んだのですね。

日本では当たり前のように聞こえるけれど、かの国では、金持ち=成功者=アメリカンドリームの体現者であり、富裕層への課税は「金持ちになってやるぜ!」というチャレンジャーを挫く政策だとして、人気が無い(逆から見れば、そういったプロパガンダが浸透している)。

さて、どうなることやら。

 

 

個別株では、Microsoft、Alphabet、AMDUPSなど多数の重要銘柄が決算発表:

米アルファベット、1-3月売上高は市場予想上回る-株価上昇 - Bloomberg

Microsoft’s Earnings Beat Expectations. Why Its Stock Is Dropping.

この辺りの有名企業のニュースは、日本メディアでも多数扱うでしょうから、今日のところはスルー。

今後オモシロ解説があれば、取り上げます。

 

 

皆がミクロ(個別株)の動きに注目しているときは、マクロの動きを見てみましょう。

グローバルマクロ戦略をとるガンドラックがBloombergのインタビューに答えていたヨ:

ガンドラック氏、米インフレが「一過性」のものになるのかは不明 - Bloomberg

www.youtube.com

ー株に投資している人達は、多くの不安、不確実性を抱えている。それに反し、米国株は確実に上昇してきた。最高値を更新し、株高は一部銘柄に限らず、多くの銘柄に広がっている。あなたの言い分には同意する。いつか音楽は止まる。しかし、いつ止まるのかが分からない。早く退場してしまえば、得るモノが少なくなってしまう。

・その通りだ。あなたの分析の付け加えたい点がある。米国株だけが上がっているのではない。米国株のアウトパフォームは止まった。DoubleLineは株価の地域差を詳しく見ている。今年はほぼ同じなのだ。S&P500、DOWは10%上昇。他地域の株価も同じ程度の上昇だ。そして、外国株に対してどんなメトリックで見ても、米国株は買われ過ぎ(over-valued)。CAPEレシオはチャートの外に出てしまっている。興味深いのは、米国株がover-valuedではない指標が一つだけある。それは対米国債で見た時だ。皮肉なことだ。ほとんど全てのメトリックでover-valuedとされている米国株を10年債利回りと比較すると、歴史的には平均以下なのだ。この低金利下では、米国株はover-valuedとはならないのだ。その一方、他地域の株、例えばアジア株、この時点では欧州株と比較すると、米国株はover-valuedである。実際、2、3週前には私の顧客のアセットアロケーションのために欧州株を買った。欧州株を買ったのは、何年振りだろう。最後に買ったのがいつか思い出せないくらいだ。中、長期的に、米国株はほぼ間違いなく下落する。米国株価は双子の赤字と関連性がある。財政赤字は、爆発している。貿易赤字も明確に増えている。ここ数年で初めてのことだ。米国民に経済刺激小切手が次々と送られ、当然の事ながら、消費は拡大した。米国民は、小切手が送られてきたら、いくからは貯蓄にまわし、いくらかは借金返済し、いくらかは消費にまわる。その一方、(米国の)生産能力は増えていない。そうすると、中国、東南アジア、などの貿易相手国からモノを買うことになり、彼らが得をしている。多くの人が注目していないが、輸送料金が値上がりしている。コンテナ船の輸送料は、ロックダウン以来、100%上昇した。多くの需要があり、中国からのコンテナ船をいっぱいにしてモノを運ぶが、帰りの船はカラだ。中国から輸送しようとしたら、行き帰りの料金を払わなければいけないという事になる。輸入物価は弁率6.9%上昇。それは輸送料を含んでいない。多くの地点で、インフレが起こる可能性がある。インフレが起こっていない地点は、賃金だ。広く賃金が上昇しないのであれば、パウエルが正しいという事になる。インフレは一時的となる。

財政赤字を埋めるために、バイデンはキャピタルゲインに対する増税を主張している。この影響をどのように見ているか?

キャピタルゲインへの増税は間違いなくネガティブだ。特にPE ratioが高い今は。増税すれば、企業利器を圧迫し、さらにPE ratioを押し上げてしまう。私は、バイデンが主張する28%への税率アップは無理だと思うが、25%にはなるだろう。この税制改正には他の問題もある。$1M以上の所得者に対するキャピタルゲイン増税だ。これは大きなインパクトとなる。税率がほぼ倍になる。バイデン政権は、これを”公正(fair)”にするための増税だと主張しているのは、皮肉なことだ。なぜなら、増税対象は少数の人に限られるからだ。広く課税するのではなく、狭い範囲で課税するのを”公正だ”と主張している。私にとっては、公正とは正反対の考え方だ。いずれにせよ、キャピタルゲインタックスを40%にするのは、株にとって強い逆風になる。少数への増税というのは、一般的に、人気が無い。昨日みた調査結果では、64%が反対していると出ていた。他の逆風もある。富裕税だ。こちらの法案の方が、通過する可能性は低い。これらが、small businessへの投資の妨げになるだろう。

 

 

あいかわず、まとまりのない喋りです・・・。2番目の質問に対して、企業増税キャピタルゲイン増税をごちゃまぜにして回答しているし。

少し補正して、まとめると、ガンドラックの主張は次の通り:

・米国株は歴史的な割高。米国株高を唯一正当化できるのは、金利の低さ。

・米国株は、欧州、アジア株と比べても割高。今、株を買うなら欧州(やアジア)の方が良い。

・中長期的に、米国の双子の赤字が増えるに従い、米国株は下がる。

・物価上昇は起こる。賃金は上がっていない(注:ガンドラックは今後賃金上昇が起こるとも、起こらないとも言っていない)。

・企業増税も富裕層増税も、株価にとって逆風。

 

ガンドラックはほぼ一貫して株にネガティブで、彼の「株は下がるぞ」は定番。話半分に聞いておいた方が良いかも知れない。

 

さて、米国の政治家(その後ろで筋書き書いている人達)は、とても頭の良い人達なので、この増え続ける米国赤字をどうしようか?って考えているはず。

そのシナリオの一つは、日本に米国債を買わせることでしょう。

先日、菅首相が米国詣を終え、米国の尖閣防衛&コロナ・ワクチンと引き換えに(バイデンが直接会談した最初の国家元首という”名誉”もネ)、日本は対中国協力と、CO2削減目標引上げを表明しましたが、さらにそんな会話がされていたのかも知れません。

そういう事であれば、米国債は低いまま(=株高のまま)であり、円安状態が続くのかも。まぁ、妄想ですが。

Tesla決算発表。

塾長です。

昨日(米国4/26)の米株市場は、Nasdaqが良かった。

 S&P500、4,187(+0.18%)

 Nasdaq、14,138(+0.87%)

 Russell2000、2,298(+1.15%)

【米国市況】S&P500が最高値、堅調な企業決算と成長期待で - Bloomberg

 

 

債券、為替、コモ:

 10年債、1.5700

 ドル円、108.1700

 Bitcoin、53,795

ビットコイン上昇、5万4000ドル突破-7週間ぶり安値付けた後 - Bloomberg

この日の通常取引終了後、米電気自動車(EV)メーカー、テスラが発表した1-3月(第1四半期)決算で、同期にビットコインに12億ドル(約1300億円)を投じたほか、売却によって1億100万ドルの利益を計上したことが分かった。

 

 

アルケゴス続報:

野村HDが米証券子会社のトップを交代、リスク管理の高度化狙い - Bloomberg

 

 

個別株での注目は、Tesla決算発表:

テスラ1-3月期、7四半期連続黒字-納車の伸び見通し据え置き - Bloomberg

売上高は74%増加し103億9000万ドル(約1兆1200億円)。アナリスト予想平均は104億1000万ドルだった。環境規制に対応する温暖化ガス排出枠(クレジット)の他社への販売は5億1800万ドルと、20年10ー12月期の4億100万ドルから増加した。

  テスラは本業のEV製造販売より多くの利益をクレジット販売で稼いでいるが、大手自動車メーカーが独自にEV投入に乗り出し始める中、こうした収益構造は将来的に同社にとって問題となる恐れもある。

 

TeslaのIR情報(Tesla Investor Relations)の2021Q1の4ページ目には、

Automotive revenues 9,002

 of which regulatory credits 518

Automotive gross profit 2,385

Operating expenses 1,621 

とある(単位:$M)。

Automotive gross profit(2,385)からregulatory credits(518)を引くと、$1867M。

(自動車部門とその他部門を合わせた営業費用)Operating expeses(1,621)よりも大きい。なので、自動車部門単体で見ても、黒字なのでしょう。

ただ、regulatory creditsが無かったとした場合、Operating margin(営業利益率)は0.73%に低下する。

この営業利益率の低さが、Jim Chanosなどの空売り筋に狙われている理由。そして、その状況に変化が無いと、今回の決算でも確認されたわけです。

Tesla株を買う時は注意が必要。

しかし、株は人気投票なので、多くの投資家が「Teslaは大丈夫」と言っている間は大丈夫。

 

Tesla株価は時間外で-2.49%:

f:id:alibertarian:20210427093325p:plain

Tesla after hours 2021/4/26 - Yahoo Finance

投資家は、どちらに動いて良いか分かってない感じ。

【貧困ビジネス】DailyPay、Payday Loan、銀行。そしてLine。

塾長です。

2021年4月23日、コロナ感染拡大防止のため緊急事態宣言が発令されてしまいましたネ:

緊急事態、期間内に感染防止できれば経済影響は大きくない-菅首相 - Bloomberg

日々の暮らしがキツクなってしまっている人も多いのではないでしょうか。

そんななか、CNBCが給料の即時払いを支援する会社、DailyPayの創業者・CEO ジェイソン・リーをインタビューしていましたヨ。

www.youtube.com

ー求人数が2年間で最大となり、企業は全国的に労働者不足に悩まされている。労働者を留めるための一つのツールがDailyPayである。労働者は給料支払い日を待つことなく、給料にアクセス可能。このサービスを利用した企業は、45%も長く留まる事が示された。この仕組みはどのように動くのか?

・DailyPayはNYに本拠を置く会社だ。大企業をはじめとした多くの業界の企業を対象にしている。ヘルスケア、小売り、レストランなど。我々の「on deman pay」によって、労働者はいつでも自分の給料にアクセス可能。給料日を待つ必要はない。自分の給料なので、返済は無い。ローンではない。給料をオンデマンドで提供しているのだ。

ー当然、落とし穴(catch)はあるわけで、あなたの資料によると、スーパーマーケットチェーンの上位10社がDailyPayを使っていて、overdraft(過剰引き出し)が無いことを謳っている。それは良くわかった。しかし、給料の引き出しには料金がかかる。即時引き出しに$2.99、翌日渡しだと$1.99。それを1年間支払ったら、相当な額になるだろう。これは究極的に、低所得者を助けるのか、傷つけるのか?

・それは素晴らしい質問だと思う。この新しいデジタル世界において、給料日というコンセプトは古くなっている。あなたが銀行に当座預金口座を持っていて、ATMから引き出すとき、少しばかり料金がかかるのと同じだ。我々の技術は、あなたの給料にリアルタイムにアクセスする事を可能にしている。銀行口座と同じようにアクセスできるようしている。少し複雑に聞こえるかも知れないが、DailyPayのユーザーはそれを納得して支払っている。

ーなぜDailyPayが必要なのか?銀行のシステム、(企業側の)給与支払いシステムが対応して、給料の即時払いを実現できないのはナゼか?

・それが我々のビジョンだ。我々が、そうなるように世界をデザインしている。給料はその場で支払われるべきだ。しかし、その実現は難しい。給与支払いのプロセスは複雑あ。我々は、雇用者が毎日給料支払い処理をしなくても、従業員が給料にアクセスできるようにしている。

 

 

米国にはPayday Loanというものがあって、給与の前借という名目で小口ローンを提供している消費者金融機関が存在する。

そこに金利を上乗せした金額の小切手を切っておくと、返済日(給料日)に引き落とされる仕組み。

給料の前借をしなくちゃいけない人達向けなので、金利は高い。

DailyPayは、その怪しげな(?)消費者金融機関を通さなくても良いよう、雇用者と従業員をつなぐ仕組みを提供していると言える。

DailyPayはこんな風に言っている

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dailypay employees benefit

[DailyPayを使うと]従業員は、平均して、毎年$1,205(≒13万円)もの超過引落料、遅延料、Payday Loanの金利を削減することができる。

 

ちなみに、超過引落料(overdraft fee)というのは、あなたの銀行コ口座から、口座残高以上の金額を引き落としてしまった時に取られる手数料(という名の罰金)。

「それって、銀行が口座残高を把握しているのだから、それ以上引き落とせないようにすれば良い・そうするのが当然では?」と思うでしょう。

まったくその通り。しかし、銀行はそんなことをしてくれなくて、超過したら手数料を取るのです。まぁ、銀行の言い分としては、銀行口座から引き落とせない=あなたのクレジットスコアが傷つくのを防いでいる、その手数料は頂きます、って感じ?

米国では、クレジットスコアが低いと、ローンが組めないだけでなく、家が借りられなくなったりするので、とても大切。

 

話が横道にどんどん逸れて行ってしまいましたが、こうやって中小企業(Payday Loan提供者)から、Fintechスタートアップ(DailyPay)、大企業(銀行)まで、貧困層・情弱を喰いモノにしているのです。(そして、投資家はその分け前をもらっている)

 

 

 

そう言えば(さらに横道に逸れますが)、日本では、Lineが独自の信用情報点数(クレジットスコア)を使った消費者向け小口ローン「Lineポケットマネー」を提供していて、それが流行っているらしいですネ。

個人向けローン「LINEポケットマネー」、貸付実行額が200億円突破:MONEYzine:資産運用とお金のこと、もっと身近に

Zホールディングス、株価521円(2021年4月23日時点)。

イイ感じに下がっている。買ってみようかな・・・。

【KMB】買い溜めのせいで、紙製品が売れない

塾長です。

昨日(米国4/23)の米株市場は、大幅反発。昨日の下げを取り返し、ほぼ最高値に並んだ。

 S&P500、4,180(+1.09%)

 Nasdaq、14,016(+1.44%)

 Russell2000、2,271(+1.76%)

【米国市況】株反発、堅調な経済指標で金融銘柄中心に買い-ドル下落 - Bloomberg

結局昨日のselloffは何だったんだ?という事ですが、AIやアルゴリズム取引のせいかも知れません。

去年(2020年)、クオンツ戦略を採用するヘッジファンドの成績が振るわなかったそうです:

クオンツ戦略に未来あるのか、ヘッジファンド会社閉鎖で注目集まる - Bloomberg

IPMのシステマティックマクロ戦略は、マクロ経済の基本原則を当てはめて資産クラスと国・地域をランク付けしてから、世界のソブリン債株価指数、商品、通貨などを含む資産クラスに資金を配分する。このモデルは過去の統計データに基づき、コンピューターに大きく依存していた。

結局、FXのトラリピみないな事をやっているだけだったりして?

 

 

債券、為替、コモ:

 10年債、1.5670

 ドル円、107.8580

 Bitcoin、50,844

ビットコイン投信最大手、原資産へのディスカウントが過去最大の19% - Bloomberg

 

 

個別株:

Honywell、Kimbarly-Clark、American Expressが決算。

どこも良くなかったみたいですネ。

Kimbarly-Clarkは(記事タイトルにしたように)その理由が面白かった。

この(↓)動画の、4:14から:

www.youtube.com

・消費者製品の巨人、Kimberly-Clark(KMB)にとって厳しい四半期となった。売上、利益ともに予想を達成できず、ガイダンスを引下げ、株価は沈んだ。KMBはオムツ、トイレットペーパーを作っている。インフレ、シャットダウン、消費者が去年買い溜めしたのを理由にあげ、少なくともこの10年で最も悪いセールスとなった。KMBは売上成長見込み、EPS見通しを引き下げた。これらは予想されていた事ではあったが、予想よりも悪い数字だった。トイレットペーパーだけでなく、ティッシュペーパーやキッチンペーパーも買い溜めされたので、消費者は買いに出かけない。P&Gとは違い、KMBは原材料費高騰がマージンに影響した。

 

アメリカ人、買い溜めし過ぎ。家が広すぎるのでしょう。

P&Gとの違いは何だったのでしょう?海外売上比率の違い?

KMBの決算ニュースリリースにはこのように書いてあります:

Kimberly-Clark Announces First Quarter 2021 Results | Kimberly-Clark Corporation

In North America, organic sales decreased 10 percent in consumer products and 8 percent in K-C Professional. Outside North America, organic sales were down 1 percent in developing and emerging (D&E) markets and 14 percent in developed markets.

 

北米において、オーガニックな売上は消費者向け10%減、業務向け8%減。北米を除くオーガニックな売上は、発展途上国新興国で1%減、先進国で14%減。

 

ただ、P&G、KMBのどちらも、地域ごとの売上高(数字)を公表していないようなので、正確に比較できません。

もっとIRの質を上げて頂きタイ。