塾長です。
コロナの影響で自動車業界がどうなるか気が気じゃないよネ?
先月ムーディーズが自動車販売台数を下方修正したというニュースもありました:
東京新聞:車の世界販売2.5%減に ムーディーズ下方修正 中国が大幅減:国際(TOKYO Web)
コロナで工場が止まり、特に中国では人の移動が制限されたのだから、当然であり、一時的な出来事と受け取った人は多いはず。
こちら、Bloombergによる、Moody'sアナリスト ファルク・フレイのインタビュイーでは、もっと深刻だと仄めかしているヨ:
・コロナの影響を受ける前から、米国、欧州の自動車市場は、ピークを過ぎた、少しずつ[販売台数は]減少していくと予想していた。
・中国を除いて、今の所大きな落ち込みは見られない。
米国、欧州はピーク時に比べて、3,4%の減少。持ちこたえている。
中国はコロナの影響で大きく減少。我々が、今年[自動車販売台数の]見通しを下げた理由。
しかし市場は[その前から]縮小していた。
・現時点で、中国を除き、サプライ側の問題はほとんど出ていない。
フィアット・クライスラーのイタリアの小さな工場が止まったくらい。
比較的スムース。
パーツの在庫が数週間分あるだろう。これから数日後に問題が出てくるかも知れない。
・既に金利は低い。FEDが追加利下げしても、需要喚起できるとは思えない。
そもそも車を買いに、ショールームに行きたくない。
ショールームも閉まっているかも知れない。
・欧州自動車メーカー大手のキャッシュは心配していない。
コロナの影響を理由に格下げはしていない。
ここ半年くらいで格下げしたのは、利益率低下や電動化などのチャレンジによってである。(←日産を格下げしたね)
コロナの影響が一時的である間は、それを理由に格下げしないだろう。
ムーディーズは「2020年自動車販売台数は減少する」と言っていたけれど、「ピークをつけた(=今後見通せる将来において増加しない)」と言ったのは初めてな気がする。
単に知らなかっただけ?
これって結構重要なポイントで、市場が拡大するときは小さい会社でもなんとか生き残れる余地がある。
縮小時には、小さい会社が生き残れないのはもちろん、大手の利益率が落ちる。
価格競争を経て、2、3社程度が残った時(寡占状態)、ようやく落ち着く。
それが一般論。
自動車市場は、そこに自動運転、電動化、国策の要素(変数)が加わるので、予想が難しい。
どこが生き残るのせよ、当面の間、既存大手の利益率向上(→株価上昇)は期待しない方が良さそうダ。
日本経済全体にも逆風。
ふぅ。