塾長です。
昨日(米国8/8)は、米中小銀行格下げをきっかけに株が売られた。
S&P500、4,499(-0.42%)
Nasdaq、13,884(-0.79%)
【米国市況】株反落、格下げ嫌気し銀行株に売り-ドル一時143円49銭 - Bloomberg
原油、82.76
10年債、4.0260
ドル円、143.2460
Bitcoin、29,783
6月 貿易収支、-655.0億ドル(予想-655.0億ドル)
6月 卸売在庫[前月比]、-0.5%(-0.3%)
フィラデルフィア連銀総裁、利上げ終了近く可能にも-経済次第で - Bloomberg
「今から9月半ばまでに憂慮すべきデータが新たに出てこなければ、われわれは辛抱強くなって金利を据え置き、これまで実施した金融政策が機能するのを待てる状況になるのではないかと、私は考えている」
なし。
中国の輸出入、7月は予想を上回る落ち込み-景気回復に打撃 - Bloomberg
中国の輸出は7月も減少し、3カ月連続の前年割れとなった。外需の低迷が響いた。一方、内需の不振が景気回復を損ねる中、輸入も急減した。
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一部のエコノミストは輸入減に関して、商品相場の下落による影響も大きかったと分析している。
■決算だったのはUPS、Eli Lilly、Lyft、Take Two、Duke Energyといったあたり。
UPS、業績予想引き下げ-労使協約の暫定合意でコスト増の見込み - Bloomberg
米宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は今年の通期利益見通しを引き下げた。消費者動向に変化が見られているほか、労使協約の暫定合意に伴うコスト増が背景。
8日発表によれば、2023年の売上高予想は930億ドル(約13兆3000億円)と、従来予想の970億ドルから下方修正された。調整後営業利益率予想は通期で11.8%。従来予想は12.8%だった。
株価-0.88%、180.55ドル。
米イーライ・リリー、糖尿病薬「マンジャロ」ヒット 好業績で株急伸 - 日本経済新聞
米株式市場で8日、「肥満症薬」主要メーカーであるデンマークの製薬大手ノボ・ノルディスク、米イーライ・リリーの2社の株価が急伸した。減量効果を見込んだ需要が伸びていることに加え、ノボが肥満症薬について心臓疾患による死亡リスク低減にも効果があるとする臨床試験(治験)結果を発表。投資家に肥満症薬のさらなる市場拡大への期待が株価を押し上げた。
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リリーは8日、2023年12月期の売上高が334億〜339億ドルと従来予想(312億〜317億ドル)を上回りそうだと発表した。マンジャロが米国で肥満症薬として需要が急増しており、業績拡大のけん引役となっている。
株価+14.87%、521.60ドル。
薬品株は夢がある。
ギャンブルなので買いませんが。
◆こちら(↓)の動画で「糖尿病治療薬が食品・飲料業界にネガティブな影響を与える」と言っていた。
好きなだけ食べられるようになれば食品・飲料の消費は増えるのでは?と思いますが・・・;
「糖尿病治療薬は食欲を減退させる。独自調査によると、治療薬を飲んでいる人は20~30%カロリーを減らす。最も影響を受けそうなのは、例えば、Hershey、Hostess、Mondelezだ」そうです。
へー。
■冒頭述べた米銀格下げについて;
BNYなど米銀6行格付け見直し、中小10行格下げ-ムーディーズ - Bloomberg
ムーディーズは格付け見直しを促す要因として、オフィス需要減少に伴う商業用不動産(CRE)ローン関連リスクの増大と潜在的な規制自己資本の脆弱(ぜいじゃく)性、資金調達コストの上昇を挙げ
難しく書いているけれど、
(1)リモートワークが定着してオフィス需要が低下→オフィス不動産ローン焦付き懸念
(3)預金がMMFに流れないよう預金金利を引き上げたので、利益が圧迫される
から格下げられたという事でしょうか。
◆(1)に関連して、Silverstein Properties CEO マーティー・バーガーがインタビューを受けていた。
ちなみにSilverstein株は公開されていないので、売買できません。;
ーSilverstein Propertiesと言えば、オフィス、住居、小売向け不動産を持っている。また、不動産融資もやっている。
ムーディーズが銀行格下げした理由に商業不動産をあげている。あなたの会社からは何が見えていますか?
・明らかにチャレンジングだ。金利は上がり、我々のキャッシュフローにプレッシャーをかけている。住居向けは非常に良い。オフィスリースは遅い。企業がどれくらい従業員が戻ってきて、今あるスペースをどう使うべきか迷っている。ホテルや小売は回復してきている。しかし、金利が重しになり、我々に挑みかかってきている。
ー修正はどれくらい行くべきでしょうか(≒不動産価値は今後どれくらい下がるか)?今後3年間で$1Tのローンが満期を迎えると言われている。
・今後3年間で多くのローンが満期を迎え、借換えをしなければならないのは、タフである。借り換える時、interest rate coverage(金利支払い能力)が無ければ、不動産価格と満期を迎えたローンの間にミスマッチが発生。それらは銀行業界へのプレッシャーとして見てとれる。
ー自身の不動産にミスマッチがあるのか?それともそれらミスマッチが発生した不動産を買うつもりか?
・我々の不動産の中に2つほどあり、それは事前に処理をした。もちろん、このダイナミックを利用したい。古いオフィスビルを買って、住居向けに転換したり。投げ売りされた資産(distress assets)を良い値段で買う。
ーマンハッタンの金融街にある55 broad streetの物件を買いましたね※。より多くのオフィスが住居向けに転換されるでしょうか?
・期待はあるが、実現は難しい。ゾーニング、フロアの大きさ、ビルの古さ、機器がどう動くか、など心配しなければならない。しかし、転換は多く見られるようになる。
ームーディーズは銀行、特に地銀を格下げした。それはSilversteinにとって機会となるか?ローンを提供するとか。
・FED、SECは銀行に良い借手と協力するよう促している。それは我々の問題資産の助けになる。我々の資産のほとんどは問題ないが、時間が経ち、借換え時期になり、金利が下がっていなければ、問題になるかも知れない。借換えに問題が起きるかも知れない。特にそれは地方銀行で問題になっている。地方銀行は不動産業界に大きなプレゼンスを持っている。
ーSilversteinと言えばWorld Trade Centerですが、質の高い、新しいオフィスはどうですか?市場に分岐・2極化(bifucation)は見られますか?
・もちろんだ。Class Aの中でも、最新のClass Aでは、25 Park Ave. は$225/Ftになっている。借手は高い品質を追い求めている。企業は従業員をオフィスに留めるため、最高のオフィス、最高のテクノロジーを求めている。
ーニュー・ノーマルが定着したと思うか?
・そうは思わない。人々はまだ何が正常なのか探っている途中。企業は従業員を呼び戻し、オフィスをどのように使うか勉強(learning)している途中。新しいオフィス利用の方法が分かるまで、少なくともこれは1年続くだろう。
※:Silverstein and Metro Loft close on 55 Broad, start office-to-resi conversion
ということで、
・高金利で不動産業はツライ
・商業不動産ローンには満期があるので、問題顕在化には時間がかかる。
商業不動産ローンを提供している地銀は大変。FED、SECが介入している。
・特にオフィスに人が戻ってきていない。
最新オフィスは良いが、古いのは人気がない。
正常化(新たな正常を見つけるまで)には1年かかる。
だそうです。
以前ジム・ビアンコが「オフィスを住居に転換するのは難しい。窓の無い部屋が多くできてしまう。誰も窓のない部屋には住みたくない」と言っていた。
もちろん値段次第でしょうが、マンハッタンに住むなら、街並みを見下ろしたいですよネ(そのために客は大金を払う/デベロッパーはそれを見込んで大金をつぎ込み住居用に転換する。高く売れないなら転換は実現しない)。
商業不動産価値減少問題は大きく騒がれているので、局所化・最小化されると信じています(お祈り)。特に当局に規制されている銀行は。
危ないとしたらBlackStoneのようなプライベート企業。Silversteinも不動産ローンを提供しているようで、(不動産業としては有名でも)一般に不動産ローン提供者として知られていない大きな会社がいきなり「今まで嘘ついてました。1兆円の赤字です」とか言い出したら・・・。
コワイ、コワイ。
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