塾長です。
先週金曜日(4/7)はGood Fridayで株式市場は休場だったため、昨日(米国4/10)は3日ぶりの取引。
Appleのネガティブニュースで売られて始まり、終わってみればS&Pはプラス。負の力をどんどん蓄えていそうな感じ。
S&P500、4,109(+0.10%)
Nasdaq、12,084(-0.03%)
【米国市況】株は小幅高、国債利回り上昇-植田総裁会見で円安進行 - Bloomberg
原油、79.85
10年債、3.4150
ドル円、133.5720
Bitcoin、29,669
■ 4/7
3月 非農業部門雇用者数[前月比]、23.6万人(予想23.9万人)
3月 失業率、3.5%(3.6%)
3月 平均時給[前月比]、0.3%(0.4%)
同[前年同月比]、4.2%(4.3%)
米雇用者は堅調なペースで増加、失業率低下-5月利上げの道開く - Bloomberg
労働参加率は若干上昇して62.6%と、3年ぶりの高い水準となった。
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週平均労働時間は34.4時間に減少し、20年4月以来の低水準に並んだ。
■ 4/10
2月 卸売在庫[前月比]、0.1%(予想0.2%)
NY連銀総裁、積極利上げと銀行ストレスとの関連性に否定的見解 - Bloomberg
なし。
なし。
■ AppleのMacが売れていないだけでなく、PC総崩れ、半導体も悪い;
◆ アップルの出荷が40%急減、コロナ特需解消でPCメーカー苦戦 - Bloomberg
DCの最新リポートによると、全PCメーカーの合計出荷台数は29%減の5690万台となり、2019年初頭の水準を下回った。新型コロナウイルスのパンデミック期のリモートワーク用特需が消えた形だ。レノボ・グループとデル・テクノロジーズは30%超の減少を記録し、HPは24.2%減少。華硯電脳(エイスース)は30.3%減だった。
PCメーカー平均すると、出荷台数が29%減っており、AppleのMacが一つ頭抜けている(40%減)感じ。高価価格帯にしか製品を持っていないのが影響したのでしょうか。
◆ Samsungはメモリを減産;
サムスン電子、メモリー減産へ-1~3月利益は09年以来の低水準 - Bloomberg
サムスンは、需要の落ち込みにもかかわらず生産を維持したため、在庫が昨年末に52兆2000億ウォン相当に膨れ上がっていた。一方、ライバルのSKハイニックスやマイクロン・テクノロジーは半導体在庫の歴史的増加に対処するため、既に減産に踏み切っていた。ハイニックスの株価は一時5.7%高。
◆ iPhone、MacのCPUを含む幅広い半導体製品を製造しているTSMCも調子が悪い;
TSMCの売上高、2四半期連続で市場予想下回る-電子機器需要低迷 - Bloomberg
TSMCの発表によると、3月の売上高は前年比15%減の1454億台湾ドルで、同月の急激な落ち込みが1-3月期に市場予想に届かなかった要因となった。
さぞ半導体株の調子は悪いのだろうと思うが、まったくそんな事は無い。
こちらSMH(VanEck Semiconductor ETF)の年初来;
どうやら全て織り込み済みらしい。
ふ~ん。
■ 今日の〆はモハメド・エルエラリアン。リセッションは来ないかも知れないと言い始めた。その根拠が面白い;
ー市場をどう見ますが?先週金曜日、雇用統計が出た。CPIも出てくるし、銀行決算も控えている。何が重要でしょう?
・全てが重要だ。2つの不調和を解消(reconcile)しなければならない。一つは債券市場と株式市場。2つ目はrisk assets内での不調和。risk assetsの中でも異なった動きをしている。今後数か月以内に、これらは解消されなければならない。
ー債券市場が過剰反応していると思いますか?それとも株式市場が無頓着(complacent)なだけでしょうか?
・債券市場の変動幅がとてつもなく大きくなっている。例えば、過去2日間で、2年債利回りが3.60%から、ほぼ4%に戻した。先月、1.50%の振れ幅があった。これは2年債だ。2年債利回りというものは、FEDが決める短期金利に連動するものであるはずなのに。債券市場自身が行き場を決めようとしている。これは私が長年恐れてきたことなのだが、債券市場の送るシグナルが役に立たなくなったという事だ。
ー債券市場が送ってきた景気後退が来るというシグナルが間違っていたという事でしょうか?
・そうだ。私の見立てでは、さらにFEDが政策失敗をしなければ、リセッションにはならない。雇用統計を見て欲しい。雇用者数は着実に伸び、労働参加率は上昇した。これは経済の供給側、需要側の両方にとって良いことだ。
ーリセッションが来ないと?
・リセッションは避けられると言っている。数か月前多くの人が100%リセッションだと言っていた。この労働市場はそうだとは言っていない。弱くはなっているが。最も興味深いのはサービス業。データが矛盾している。ISMは下がっているが、雇用統計は強いまま。
ーSVB破綻があったのに、そのような予想をするというのは興味深い。銀行破綻で貸し出しが減り、経済に対して長期的な影響を及ぼすはずでは?そのうえ、金利上昇の影響が遅れてやってくる。
・たしかに、SVB破綻はリセッションの可能性を上昇させた。金曜日に出たH.8の数字は、貸し出しが減ったことを示している※。これは統計開始の1937年以来最も大きな減少だった。しかし、(銀行の)バランスシートの負債(liability)側ではなく、資産(asset)側が重要だ。これがどうなるのかが問題だ。
SVBはリセッションの可能性を高めたが、リセッションが確実になったかと言えば、そうではない。この影響は数四半期続くだろうが、2008年のようにはならない。
※:US Bank Lending Slumps by Most on Record in Final Weeks of March
彼は債券に詳しく、普段(比較的)ネガティブな見通しを出す人なのに、「債券市場が間違っている(かも)」「リセッションは避けられる」と言い始めたのには驚いた。
自分なりに解釈すると「債券市場は長期運用のプロ達が動かしてきた相場であり、その総意であるところの価格(or 利回り)は常に正しかった。しかし、最近の異常な変動幅からすると、投機家が入って価格をかき乱しているようだ。なので、債券市場が送るシグナル、例えばイールドカーブが反転したからリセッションが起きる、というのを単純に信じることができなくなった」と言っているのだと思いました。
へーーー。
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