塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

経済再興のために、日本から何を学べるか?

塾長です。

タイトルにつられて見てみましたが、なかなか興味深い内容でした。

Linacre College at the University of Oxford, リチャード・ヴェルナー(Richard Werner)による解説。

「Princes of Yen - 円の支配者」の著者。

50分間のポッドキャスト。全部は書き出せないので、ポイントだけ:

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・日本にバブルで起こったのは、土地価格が上昇し、マネーが増えたから。

 当時の教科書には、銀行は単なる金融の仲介者と書いてあった。

 しかし、実際は土地を担保にして、マネーを作り出していた。

・80年代、マネー・サプライとGDPの関係が崩れた。

 その理由は、GDPは資産取引を含まないからだ。

 マネーには2種類ある事を理解しなければならない。GDPに換算される経済を循環しているマネーと、資産取引のマネーだ。

・バブルが弾けた後、日本の金融政策者に「財政支出金利引き下げは意味が無い。やるべきは、銀行からバッドローンを買い取って、銀行からの貸し出しが増えるのを支援すべき。国債発行をやめるべき。パブリックセクターの借り入れにファンドすべき。」と訴えたが、誰にも聞き入れられなかった。

 代わりに、リチャード・クーのアドバイスを20年間聞き入れ、20年間の景気後退を経験した。

 日銀は理解していたが、構造改革を進めるために、景気後退が必要だったのだ。

 そのあたりは「prices of yen」に書いた。

  その頃バーナンキはこの議論に参加していて、それが2008年金融危機対応につながった。

・弾力的な経済のためには、中小企業が多く存在することが必要。

 そのためには、それらに金を貸す、小さな銀行が必要。大手銀行は中小企業に金を貸さない。

 米国には、まだ5000の銀行がある。中国、ドイツにも多い。日本にもまだある。

 ドイツの輸出が強いのは、これが理由だ。

 これらの小さい銀行のために、ゼロ金利をやめる必要がある。

 FEDの政策は間違っている。

 銀行の統合が進んでいるが、それとは逆に、小さな銀行を作る支援をすべきだ。

バーゼル1、2、3でやっているのは、銀行の貸し出しを規制するので、間違っている。

 

 

 

全体的にはオモシロイ。特に日本のバブルの話。

ただ、経済学者は過去の分析はできるけれど、将来の話は苦手な傾向。

「ドイツには中小企業が多い。中小企業に金を貸すのは小さい銀行。だから、小さい銀行をふやすべき」・・・

その因果関係は正しいのだろうか。

これはポッドキャストなので、詳しく踏み込まなかっただけかも知れないけれど、因果関係が成り立ってはいないし、相関関係があるかさえも分からないヨ。