塾長の資産運用

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【ジム・ビアンコ】2022年半ば、FEDがインフレ退治のため利上げし、株式市場崩壊。

塾長です。

12/17(金)米国市場クローズ後、Real Vision Daily Briefingにジム・ビアンコが出演してたので、ご紹介:

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ー今日の株式市場は、クローズに向け売られました。昨日の逆で、Nasdaqが他の指数よりマシ、Russell2000はプラス、S&P500は大きく下げた。年末に向けて、この動きをどう見る?テクノロジーが売られている。

・まずは広い視点の話をしよう。株の世界は二つに分割できる。8つのエリート株、FAANGとTesla、MicrosoftnVidiaと、それ以外だ。「それ以外」の方は、ここ数週間、数か月、まったく宜しくない。ところで、FAANG、Tesla、MicrosoftnVidiaの合計時価総額は$11Tで、もしこの8社の株を独立した取引所で扱えば、世界で2番目の大きさになる、というのを知っているだろうか?それほど巨大なのだ。このラリーは我々が見た中で最も狭い範囲で起こっている。Russell2000が戻したと言ったが、Russell2000は7月と同レベルにいる。酷い成績だ。

 テック株も酷い。FAANGだけを見ていれば、大丈夫に思えるが、利益を出していないテック株のパフォーマンスを見てくれ(動画5:07に出てくるチャート)。6月以来、30%ダウン。FAANGはほぼ変わらずで、市場全体と比較すれば劣っている。投機的な株には残酷な時期だ。特に米国から離れた株。特に中国株は酷い。

ー利益を出していないテック株というのは珍しくない。多くの人が成長性に投資している。このサゲを正当化できるだろうか?

・利益が出ていない(non-profitable)と言ったのは、利益を出す能力が無い事を意味しない。初期段階のテクノロジー株は利益を期待されていない。将来、利益を出すことを期待されているのだ。完全に壊れた会社なのではない。

ーこの6か月、それらが下げているのはどういうわけだろう?

・理由は二つあると思う。1つは、2020年のバカみたいな上昇の修正(correction)。Correctionとは、その前のアクションの関数である。2020年に3倍、4倍になったのだから、correctionは5%とはならず、25%くらいになるものだ。一部はそれが理由だ。2つ目の理由は、市場が投機的投資への食欲を失ったのだろう。後で触れたいのだが、仮想通貨も同じ。

ーその話がしたい。あなたは先週この番組に出たとき「仮想通貨の値動きに失望した(frustrated)」と言っていた。仮想通貨は他のリスク資産と足並みを揃えて動いている。

・まだ失望したままだ。私は仮想通貨を持っていて、保有し続けるつもりだ。Twitterなどで「株がこのように動いたら、仮想通貨はどう動く?」といった質問をよく受ける。私は「その質問は間違っている」と答えている。なぜなら、その質問が意味しているのは、仮想通貨が株のボラを拡大したモノだととらえているからだ。株のボラを高くしただけなら仮想通貨は必要ない。トリプル・インバースETFを買えばよい。私が期待しているのは、仮想通貨と株の相関がゼロになること。マクロ経済に連動してしまえば、仮想通貨の魅力がなくなる。金融システムの代替ではなく、金融システムの延長になってしまう。しばらくはこういう状況が続くだろうが、それは問題ない。最終的に、相関がゼロになって欲しい。

ー我々も同じような質問を受ける。そこでReal VisionDelphi Digitalと新しいリサーチ・サービスを立ち上げることにした。(ここは単なる宣伝なので、割愛)

 先ほどの話に戻ると、この相関関係は2022年にはなくなるだろうか?まだ続くだろうか?

・この相関は数週間、数か月続くだろうが、decoupleされると考えている。今は市場が一つの物語に支配されている。FEDタカ派に転じる、テーパリング加速、利上げ、バランスシート削減、などだ。それは全てに影響する。経済、インフレ、金融市場、2022年選挙、などへだ。いずれにせよ、これは解決する。FEDタカ派に転じ、我々はそれを織り込む。FEDタカ派に転じなければ、それを織り込む。今は、FEDがどう動くのか?のストーリーに支配されている。

ーReal Visionに寄せられる質問に、経済刺激策が切れた世界、さらには、利上げあるとして、経済成長がどうなるか?というものがある。

・良い質問だ。多くの事柄が交わっている。FEDタカ派に転じた場合、多くの人が信じているのは、今秋水曜日に株が上昇した理由でもあるのだが、FEDが利上げしたとしても、タカ派に転換したとしても「心配ない」だ。FEDの動きで市場が動揺したら、FEDはすぐにそれを止め、陳謝するのだ。これは過去13年間起きてきた事だ。しかし、新たな動きがある。それはインフレだ。

 インフレが起き、FEDが「市場が嫌がるから利上げできない」と考えたらどうなるか?利上げしなければ何が起こるだろう?政治が介入してくる。民主党だろうが、共和党だろうが、インフレが来たら、その時の政権(今は民主党)は倒される。今の民衆の最大の心配はオミクロンではない。インフレだ。70年だと同じだ。

ー確かに、民衆は日々の暮らしの中で、財布から出ているカネが増えるのを嫌がる。

・そうだ。そして、米国民の40%が株や家を所有していない事実を忘れるな。彼らはほとんど貯蓄もなく、家を借りている。彼らにとってインフレは大変な事だ。あなたや私、この番組を見ている人は「給料は増えないけれど、株価は上がって、家の価値は上昇した」と考え、インフレにもそれほど敏感にはならないかも知れないが。「市場が嫌がるからFEDは積極的に利上げしない」とすれば、現政権である民主党は皆殺しにあう。既にイエレンを生贄として交代させるという噂が飛び交っている。仮想通貨の領域で言えば、白人男性である(現SEC委員長)ゲンスラーが(イエレンの後任として)財務長官になりたいなら、エリザベス・ウォーレン上院議員のご機嫌をとるために、仮想通貨に厳しい態度をみせるかも知れない。

ーワシントン情勢に詳しくない人のために付け加えておくと、エリザベス・ウォーレンはウォールストリートに厳しく、消費者保護を主張し、仮想通貨にも厳しい態度を見せている。まるでHouse of Cardsの世界ですね。

 政治を抜きにしても、インフレは大きな問題。まずは債券市場が動き出す。

・債券市場は動き出している。イールドカーブがフラット化している。私がFEDの利上げ見通しを聞かれ「2022年、利上げ3回。4回かもしれない」と答えると、びっくりされる。アナリストのコンセンサスから外れているからだ。しかし、(債券)市場はそれを織り込んでいるのだ。これは非常に珍しい事だ。市場とアナリストのコンセンサスに齟齬がある。誰も3回、4回の利上げを信じていないが、市場はそれを織り込んでいる。市場は、インフレ退治するためにはFEDに利上げ以外の方法がない、と知っているのだ。株式市場を犠牲にしてもだ。

 消費者心理が直近11年間で最も低いのを知っているだろうか。人々は、経済が酷い状況だと知っているのだ。来年はじめに株式市場が10%修正されたとしても、誰も驚かない。

ーしかし、株式市場が下がれば誰も喜ばない。いずれにしろ勝者がいない。インフレも困るが、株が下がっても困る。

・その通り。FEDがインフレを一時的だと考えている期間が長すぎた。テーパリングを6か月、9か月前に始めていれば、1回利上げをしていれば、違ったかも知れない。インフレを抑えつつ、株式市場をダメにしないというのは、ポーカーでストレートに必要な真ん中のカードを引き当ているようなもの。技術的には可能だが、それを期待してはいけない。

ー前向きな話もしたい。財政資金が入る。中国が経済対策を打ってくるかも知れない。FEDにとっては、追い風では?

・そうではないと思う。理由はいくつかある。1つ目は、インフレが需要と供給どちらかの問題だと語られがちであるが、今のインフレは珍しいことに両方の問題だ。記録的な需要と、サプライチェーン問題。ちなみに、サプライチェーンの問題はまったく改善されていない。Los Angels港に停泊している船の数は、今日が最多だ。何回か繰り返し説明していることだが、単に船を沖に停泊させ、数にいれなくしているだけ。

 需要側で起きているのは、嗜好の変化。コロナが原因でロックダウンが起きた。人々は経済刺激策で余分なカネを手に入れた。人々はモノを買っている。記録的な量の耐久消費財を買っている。それが96隻の船が港に停泊している理由だ。多少経済がスローダウンしても、人々はアマゾンからモノを買い続けるだろう。私は消費のスローダウンを心配していない。問題は、一部の領域で需要が強すぎるのだ。「需要はサービスにシフトするから大丈夫」という人がいる。2020年、人々は1年間家に閉じ込められ、多くの事が変わった。購買パターンは恒久的に変化した。それが何なのか、私は知らない。しかし、2019年のそれとは違うだろう。

ーその「分からない」世界において、今どのようなポジションを取っているでしょうか?

・私のポジションは、来年半ばにイールドカーブがフラット化し、ゼロに近づくというものだ。残念ながら、FEDはある一つの事にとても秀でている。それは、何かが壊れるまで金利を上げる、という事だ。FED金利を上げざるを得ない、経済もしくは株式市場を壊すまで。なぜ長期債が1.39や1.40%なのだろうか?それが市場のシグナルだ。なぜ経済や株式市場を壊してしまうのだろう?FEDにはそれ以外の道がないからだ。インフレに対応しないというのはあり得ない。それを40年間見ていないというだけだ。

ーそれ以外道がないとしても、何かないだろうか?

・財政刺激策について。過去24時間で最も大きなニュースは、Buildback Btter Billの議会通過が2022年に遅れたことだ。その理由はジョー・マンチン上院議員の反対。反対している理由の一つが、パウエル議会証言。彼はカネを使いすぎて、インフレを招くのを恐れている。それが1月に解消すると思うか?財政刺激策はみんなが考える以上にハードルが高い。

 2022年、FEDは利上げをする。イールドカーブがフラット化。ゼロに近づく。リセッションのシグナルだ。それは来年半ば。オミクロンが欧州で制御不能になっている。韓国、ベトナムでも始まった。シノバックスのワクチンはオミクロンに効果がないそうだ。相変わらず中国はコロナ・ゼロ政策を続けている。中国は今までと同じように、工場や都市を封鎖するだろう。サプライチェーンの問題が深刻化する。Amazonで買うモノの値段が上がる。インフレ下のポジショニングは、コモディティー、景気循環株、インフレに反応する株、実金利の債券だ。まだ多くの人はインフレが一時的と思っているようだが。Bank of Americaがファンドマネージャに対する調査結果を発表した。CNBCもだ。どちらの調査でも、半数以上がインフレは一時的と回答した。すなわち、いまだに恒久的なインフレは織り込まれていないのだ。もしあなたがインフレが恒久的と思うならば、コモディティー、経済循環株、インフレを享受する株、実金利の債券(real rate bonds)を買うべきだ。

 

「消費者の購買パターンは恒久的に変化した」ってホントかな~???人間は1年のロックダウンくらいで変わらないだろう(昔に戻るだろう)と思っても、今後数年に渡りコロナ警戒状態は続くとすれば、いつまでたっても海外旅行には行けないわけで。そうであれば、ゲーム会社株でも買っておくか、という気にもなる。

 

「インフレは恒久的か?」というのは非常に難しい問いです。突き詰めて言えばインフレのメカニズムをは解明されていないので、当たるも八卦当たらぬも八卦

 

他の人の意見も聞いてみましょう。先日(12月7日)、ジェフリー・ガンドラックがいつものようにマクロデータを紹介していてました。インフレ/消費者態度に関連する部分(のほんの一部)を引用してみます。動画はこちら:

www.youtube.com

〔13:45〕University of Michigan Consumer Sentiment

パンデミック前まで大きく上昇。パンデミックに入る直前から下降。FEDがバランスシートを膨らませて超短期間でリセッションから回復。家庭も企業も低金利で借り換えは進み、ヘルシー。センチメントは(再度)下落している。理由はこれから説明する二つにある。

〔15:51〕University of Michigan Sentiment - Autos

・「今が車を買う時期として適切か?」という質問への回答。この統計が取られて以来最も数値が低い。1980年代に悪い数値が出たのは、高金利が理由。短期の金利が20%、住宅金利は10台後半だった。今はFEDがカネをバラまいたおかげで、車の値段が上がったからだ。2022年に景気が悪化する理由の一つになるだろう。自動車は長期的な買い物。需要の先食いが起こった。

〔17:17〕University of Michigan Sentiment - House

・同じことが家(house)にも言える。「家を買うのに適切な時期か?」と聞いている。1980代よりはマシだが、同じような低さだ。1980年代は家の値段が高く、金利も高かった。今は異常な低金利。家の値段が上がる率に比べて、住宅金利はとっても低い。

 DoubleLineの推計では、CPIがOwner’s Equivalent Rentのおかげで高止まりする。2022年終わりまで、インフレ率が4%を下回ることはないだろう。

ガンドラックもインフレが起こると考える人のうちの一人で、1~1.5%程度の利上げで(既に弱い)経済を壊してしまうだろう、とも言っている。

 

個人的には、なかなかインフレ派に転向できないし、米国経済の強さを信じている(盲信している?)ので、今後の投資方針を迷い中。積み立てのみ継続中。