塾長の資産運用

米国株大好きの塾長が資産運用と関連ニュースを語る。投資は自己責任でネ!

【ソーントン】ソフトバンクGが金融危機の引金を引く【いいえ、引きません】

塾長です。

ソフトバンクGが揺れてますね。

株価はダダ下がりだし、COOを辞めちゃうし。

ソフトバンクGのクラウレCOOが辞任へ、報酬巡り対立=関係筋 | ロイター

こちら、直近2年株価:

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ソフトバンクグループ 2Y 2021/1/28 - ヤフーファイナンス

 

 

クラウレ辞任のニュースは、CNBCでも報道されてました:

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・今朝ニュースが入った。Softbank Internationalを経営し、Softbank COOであるマルセロ・クラウレが辞任した。過去数年間、ソフトバンクGがやってきたことを裏で描いてきた。彼の辞任は数か月にわたって話し合われてきた。マルセロは、Sprint CEOであった。T-Moileと合併した会社の取締役会、Televisa-Univisionの取締役会には残るようだ。WeWorkのトランザクションにも関わった。WeWorkを救った。しかし、ソフトバンクGがWeWorkで儲かるかどうかは、今だ疑問のまま。

 マルセロは、自身のファンドを立ち上げる意思があるようだ。

ー彼はラテンアメリカの取引にも多くかかわっていましたね。そして、孫正義の後継者プランに疑問符がついた。マルセロが後継者候補だった。その前には、別の人がいた。孫正義は継ぐつもりがないのだろうか?

・なぜこういう結論になったのか分からない。マルセロはアントレプラナーである。もしかしたら、彼は次の孫正義になりたいのかも知れない。彼はどこにも行かないだろう。ソフトバンクGではないというだけだ。

 

 

こちら、今朝(米国1/27市場クローズ直後)のReal Vision Daly Briefingより。

ヘッジファンドTelemetry創業者トーマス・ソーントン(Thomas Thornton)が「ソフトバンクGがヤベー」と言っていた。

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ソフトバンク・グループが市場に及ぼすかも知れない影響を教えてください。これは重要な問題ですが、決算など様々なニュースの中に埋もれてしまっている

・今日起きたことで、誰も話題にしていないのは、日経が大きく下げたことだ。年率7%下落している。日本のように大きな市場がそれだけ下げるのはオオゴトだ。

 ソフトバンクGは日経の中で3番目に大きなウェートを占めている。そして、最高値から約55%下落。

 2021年、ほとんど全ての市場が上昇した。ソフトバンクGが持っているのは、Uber、WeWork、Alibaba、GrubHun、Compassといった株に集中している。それらは皆、それぞれの最安値付近で取引されている。

 基本的に、ソフトバンクGは株を売っていない。所有している株は、買った値段よりも安い。ソフトバンクGは大きなレバレッジをかけている。借り入れが大きい。ソフトバンクGは2019年、従業員がファンドに出資するため$20Bの資金を用意した※1。ある時点になれば、多くの人(出資者)が追証を求めるだろう。出資者は国の年金基金だったり、中東だったり、すぐに離れたりしない人達ではある。そういった人達は、簡単に神経質にはならない。無尽蔵のカネがあるから。しかし、少し汗をかき始めるかも知れない。

 今日、気がくるっているとしか思えないが、COOが「報酬として$1Bくれなければ、会社辞める」と言ったそうだ。言葉は悪いが、会社が危ないときに$1Bの報酬を要求するとは、どういった神経をしているのだろう。この男は、通信業界のエキスパートで、SprintとT-Mobileの統合などを進めた。非常に重要な男である。ポートフォリオにある48社を監督している。去年9月、85%のリターンを出したそうだ。私は、まったくのデタラメだと思う。例えば、DiDi(滴滴)の株をたくさんもっているが、Didiは(米国の市場から)除外される寸前だし、中国(政府)は多くのテック企業の戦争を宣言している。DidiがIPOした次の日、中国政府はDiDiのアプリの使用を禁止した。中国政府はこれらのテック企業に宣戦していると言うべきだろう。ソフトバンクグループ創業者、孫正義ソフトバンクGの26%を持っている。彼はリスクを取る男だ。彼自身、レバレッジをかけているだろう。そして、ソフトバンクGは、通信会社のソフトバンクの40%を持っている。それも低い価格で取引されている。

 私が思うに、これは大きなリスクであり、大きな付随的損害が出るだろう。まだ爆発はしていない。しかし、リスクとして、私のレーダーでとらえている。

ソフトバンクGと聞くと心配になる。ソフトバングGは大きいし、金融システムをすり抜ける会社だ※2。取引先にもリスクがあるか?

・もちろんだ。みずほ銀行がカネを貸している。全ての日本の銀行がカネを貸しているだろう※3。投資家にとってもリスクだ。巻き戻しが起きれば、銀行システムにとってもリスクだ。

 もしかしたら、オオカミ少年になってしまうかも知れないが、負債の面で大きなリスクを抱えている。

ソフトバンクGがコケても、銀行には厳しい(厳しすぎる?)自己資本比率規制があるので、金融システムが崩壊する事態にはならないでしょう。みずほの社長の首は飛ぶかも知れません(またか?!)。

米銀や中東の王子様のカネを溶かしたときの報復は、非常に怖い。

 

ソーントンが言っているのは、日本では普通に言われている事だったりしますよね(例:ソフトバンクG株、高値の半分に 追い証リスクも重荷: 日本経済新聞)。もしかしたら、日本に友達がいて、教えてもらった?

 

日本企業が米国金融メディアに取り上げられる機会はあまりないので、記事にしてみました。米国の投資家は、こういったニュースに接して、日本株買おうかどうか考えると思ったので(基本的に考えないだろうけど、”もしも”の場合)。

 

 

※1:

ソフトバンクG、ファンド出資の従業員に融資 米報道: 日本経済新聞

※2:

「ナスダックのクジラ」再浮上か、米ハイテク株オプション取引活発に - Bloomberg

※3、外国銀行も貸してます!(2021年5月27日の報道)

ソフトバンクG、みずほなど国内銀借り入れ2割減ー外銀は3倍に - Bloomberg

ソフトバンクグループの資金の主要借入先10社のうち、みずほ銀行など国内金融機関からの借入額が1年前と比べ約2割減少した半面、JPモルガン・チェースゴールドマン・サックスなど海外金融機関からの借り入れがおよそ3倍に拡大したことが分かった。